グランブルーファンタジー 〜伝説の蛇〜   作:JOKER1011

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臆病勇者と囚われの姫君編
第43話


フェードラッヘを出発したスネーク達は現在バルツに来ていた。

 

目的はそう。弾薬だ。

 

現在、弾薬はダンボール輸送で賄っているが、それもいつまで出来るか分からない。

 

M1911は.45ACP弾、M16は5.56×45mm NATO弾だ。もちろんスネークには作れない。

 

その為、鉄鋼業に精通しているバルツでなら製造可能なのでは思い、訪れた。

 

結果は難しいらしい。一人だけドラフの女性、まあ今目の前にいるんだがな。

 

「うーん、分解してみたけど‥なるほどなー 全然見たことないや。でもすごいな。この世界の銃は大体が火薬とか弾とか別々なのに。」

 

彼女の名前はアルメイダ。21歳の若さで工事現場の現場監督をしている。また武器職人の顔もある。

 

「スネークさん、外騒がしくないですか?」

 

「確かにな。ちょっと見に行ってみるか。」

 

「え!?あの‥まだパンケーキが‥」

 

「‥分かった。包んでもらえるか聞いてやる。」

 

急いで外に出ると魔物が街に現れて暴れていた。

 

「ま、魔物だと!一体どこから!」

 

「おい!何があった!」と近くにいた人に聞く。

 

「俺だって分からねえよ!いきなり現れたんだ!」と逃げていく。

 

「俺は魔物を倒す。ディアンサは逃げ遅れた人の救助だ!」

 

「はい!」

 

スネークはナイフと銃を抜き立ち回る。

 

向かってくる者にはナイフ、遠くの者は銃で応戦する。

 

遅れてやってきた衛兵と協力した事であっという間に魔物は全滅した。

 

「我々が到着する間、戦っていただきありがとうございます。」

 

「いや、当然のことだ。」

 

「うわっ!!誰か!」

 

「まだいたか!」と衛兵の一人が走り出そうとした為、スネークが止める。

 

こちらを振り向いた瞬間に発砲し、魔物は男性に飛びかかろうとした瞬間、眉間を撃ち抜かれ絶命した。

 

?「うう‥なんだってこんな事に‥やっぱり俺なんかが‥」

 

「おい、大丈夫か?」

 

「え?ああ、大丈夫だ。それにしてもアンタやるな。俺は魔物を油断させて倒そうと思ったんだが、返り討ちにあうなんてな。」

 

「それより行かないと!」

 

「どこへだ?その感じだと外に行くようだが、街中の様子から外は危険だぞ。」

 

 

「ああ、それなら心配いらねえ。俺は腕には自信があるんだ。見てろよ。」と街の外へ走っていった。

 

「ディアンサ、あいつをどう思う?」

 

「危なっかしいです。」

 

 

「なら追いかけるぞ。」

 

案の定、その男は魔物に囲まれていた。

 

男の剣の動きはバラバラ、腰が入っていない、軸がブレている。あれでは倒せるものも倒せない。

 

「伏せろ!」

 

スネークが怒鳴った事でビックリしてその男はしゃがむ。

 

そこをM16の乱射で魔物を一掃し助け出した。

 

「また会ったな‥」

 

「ああ、それよりもだ。何故そんな危険な真似をする。」

 

「危険?俺は戦える!」

 

「やる気だけは認めるが、お前の剣の動きはダメだ。腰が入っていない、腕だけで振るな。体全体で動け。」

 

ディアンサが前に出て話を聞く。

 

「ねえ、あなた名前は?」

 

「スタンだ。」

 

「スタンさんね。どうしてそんなに急いでるの?訳を話してよ。」

 

「実は‥」

 

その男、スタンが言うには、この男は護衛だったのだが突然現れた星晶獣に護衛対象が拉致されたらしい。

 

なるほどな。

 

「よし、分かった。俺達も行こう。」

 

「本当か!よかったー 一人じゃ心細かったんだ。」

 

「とりあえず、まずは街に戻るぞ。」

 

「もう急にどこ行くんだよ!銃弾見てたら急にいなくなるんだもの。」

 

「悪かった。」

 

「全く!‥て、アリーザちゃんとこのスタン君じゃん!どしたの?」

 

「なんだ?知り合いか?」

 

「ああ!私が仲良くしてるイオっち‥ほらグランに付いてった小ちゃい子と私友達でさ?それでたまにアリーザちゃんのお目にかかる時があるんだよ。」

 

「そうなのか、なるほど。」

 

「実は‥」

 

スネークとディアンサにした話をもう一度アルメイダのまえでする。

 

「うーん、突然現れた魔物に変な入れ物に閉じ込められて連れ去られた‥?知らないな。」

 

「ああ、考えられるのは星晶獣だな。」

 

「やっぱり‥それは私も思ってました。」

 

「星晶獣だって!?尚更戻らなきゃ!」

 

「おい、何を言っている。悠長な事を言ってる場合か!?」

 

「俺だって!助けたいさ!」

 

「でも!俺は単なる使用人なんだよ!英雄でもなければ勇者でもない!血筋も家柄もごく普通の一般人なんだよ!」

 

その瞬間、スネークはスタンを殴っていた。

 

「え‥スネークさん‥?」

 

ディアンサは止めようとするがアルメイダに止められる。

 

そしてそのままスネークは倒れているスタンの上を跨ぎ胸倉を掴んだ。

 

「お前が、そのお嬢様を助けたい気持ちはそんなものなのか?今この瞬間にも怖い目に遭ってるかもしれないんだぞ?それでもお前は逃げるのか?お前の忠誠心はそんなもんか?」

 

「違う!!!俺は!!!お嬢様を!!!アリーザを助けたい!!!でも‥」

 

ガチャ

 

スネークは銃をスタンに向けた。

 

「え‥」

 

「よく狙え お前は一人の男を 殺すんだ」

 

「スネークさん!ダメ!」

 

 

 

パシュ!

 

ディアンサとアルメイダの制止を振り切り、スネークの構えた銃から一発の銃弾が飛び出した。

 

しかし銃弾はスタンの命を取ることなく頬を掠め、地面に刺さった。

 

殺されると思ったスタンは驚いた顔でスネークを見る。

 

「スタン お前は、ここで死んだ。分かるな?」

 

「お前は新しい人間になった。その命、今だけ俺に預けてくれ。」

 

「共に闘おう、スタン。お前の力を見せてみろ。」

 

「うっ‥グスッグスッ‥」

 

「涙が枯れたら約束してほしい。」

 

「もう俺の前で弱音を吐くな。強くなれ。」

 

「それと英雄の現実は伝説ほど格好良くはない。」

 

「分かったよ、ボス。」と言いながらスタンはスネークの手をガシッと掴んだ。

 

「スネークでいい。」

 

スネークはスタンを立ち上がらせながら言った。

 

この時スネークはサンディニエスタの若き戦士を思い出していた。

 

 




はい!今回から【臆病勇者と囚われの姫君】編スタートです。

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