シロウなエミヤとセイバーと   作:しぐ

1 / 4
頭を空っぽにする準備は十分か!


そう、これは始まりである!

「サーヴァント・アーチャー。召喚に応じ参上した。……って、こんなの俺の柄じゃないんだけどな。まさか俺がこちら側に立つ事になるとは……。ああいや、こっちの話だ。ともあれ、よろしく。マスター」

 

 褐色に白い髪が特徴の偉丈夫。名をエミヤ。アーチャーというクラスを得てはいるが、主体は近接戦闘という話だ。

 

「問おう。貴方が私のマスターか」

 

 言わずと知れたアーサー王とはこのサーヴァントの事を言う。名をアルトリア・ペンドラゴン。戦い方は王道そのもの。風を操ったり、剣を見えなくする事も出来ると言う。王道とは。

 

「よろしく。召喚者がこんな新人マスターで申し訳ないけど……俺以外にマスターがいなくて。ああっと、俺の名前は藤丸立香。これから一緒に頑張ろう」

 

 Dr.ロマンから人理を守る任を受けて数日が経ってようやくマシュ以外のサーヴァントを召喚する事が出来た。

 そうして現れたのがこの二人。

 

 さて、この話は人理修復はオマケでエミヤとアルトリアの二人に焦点を当てたものである。

 時に近くから、時に遠くから。この二人を見守る事が、人理修復よりも重要な任務であると俺は早くも悟ってしまったのである。

 

「え、いや。放棄はしないでね」

 

 しないよ。多分。

 

 

 閑話的なアレ(文字数が足りなかった)

 

「マスター、私は貴方の剣でいてもいいですか?」

 

 斬る事が使命。斬る為に存在する。マスターの敵を斬る為の刃。

 

「うん。どちらかどういうと恋人になりたいかなー」

 

 そう嘯くマスターの眼は真面目で、私は思わずたじろいでしまう。

 

「いやだなーマスター。からかわないでくださいよー」

 

 思わず茶化してしまって後悔する。何度も言ってくれるこの言葉を、私は何度も茶化す。そして、いつもそう言ってしまう自分が嫌いになる。

 

「俺は本気だよ? こんなに想ってるのに相手にされないのは悲しいなー」

 

 その態度が、私の心を締め付けるんですよ。マスター、貴方のその気遣いが、私を思いやってそう言ってくれるマスターの心の裡が読めてしまいそうです。

 私にその言葉を言って、茶化す度に笑顔の裏に悲痛そうな顔が見える。

 

「……ごめんなさい、マスター」

 

「あっ……行っちゃった」

 

 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。私もマスターの事が好きです。大好きなんです。

 

「でも、私は剣です。一振りの刃です。マスターの想いに応えられるとは思えないんです……っ!」

 

 女としてではなく、剣として生きて、そうして私はここにいる。生前の生き様がなければ、マスターに出会う事も無かった。

 

「私はどうしたら……」

 

「生き方を変える必要は無いけどさ、やっぱり好きな人が思い詰めているのを見るのは辛いよね。ごめん」

 

「マ、マスターっ!?」

 

 どうして、ここに。

 

「追いかけてきたらここにいたから話しかけようと思ったんだけど、色々聴こえてきて話しかけられなかったんだよね」

 

 私は、マスターの、一般人に毛が生えたような人の接近にも気付かない程。いや、私の想いが聴かれて……!?

 

「あの、私、ええっと……ですね」

 

「難しく考える必要は無いと思うな。俺は英霊じゃないからわからないけど、もう英霊として登録されているんだし、その、第2の人生と同じようなものだって聞くから自分の好きなように生きてみたら?」

 

 だって、私はこの生き方しか知らなくて。戦場で敵を斬って、斬って、斬って。英霊になってからもそうあるとしか思っていなくて。私はこんな気持ちを持ってるなんて私も知らなくて。

 

「ああ、そんな悲痛な顔をしないでくれ。何かに追い詰められる顔も不覚にも可愛いと思ってしまったけど……いや、これ今言うべき事じゃないな。うん、俺も混乱してる。一回落ち着いてから話すべきかな」

 

 マスターが遠慮がちに笑って、離れようとする。私は、また、マスターにこんな顔をさせて……!

 何が剣か。何が刃か。私は……っ!

 

「マスターっ!」

 

「……ん、何かな?」

 

「あの、えっと……」

 

 待ってくれている。オロオロと次の言葉が出せずにいる私の事を。

 ああ、好きです。好きですマスター。大好きです。愛しています。

 

「好き……」

 

「え?」

 

「私はっ、マスターの事が大好きです!」

 

「…………っ」

 

 マスターが崩れ落ちました!?

 

「だ、大丈夫ですかっ!?」

 

「いや、ちょっと力が抜けただけ。全然大丈夫」

 

 そう言ってくれるマスターの口元は手で覆い隠されている。ニヨニヨとにやける口元は片手では到底隠しきれていないのが、私ですらわかってしまう。

 

「……とーーーっても、嬉しくて。うん、凄く嬉しいよ」

 

「私、好きに生きてみる事にします。私の大好きなマスターが言ってくれた言葉ですからね。実践しますよ!」

 

「待って、そんなに大好きって言われると照れ死にしそうになるから! 待って、幸せすぎておかしくなりそう。あれ、これはもしかして夢……?」

 

「現実ですよマスター!? ええっ、ちょっ、意識を手放そうとしないで、マスターーーーっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、次は冥府でティアマトと戦闘だって」

 

「ええ、分かってます。ご命令を、マスター」

 

「死なないように、俺を守りつつ頑張ってくれ」

 

「難しい要求ですね。でも、万事この沖田さんにお任せくださいっ!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。