俺は見た!
セイバーがアーチャーに話しかけようとして中々話しかけられないのを。
俺は見た!
アーチャーが食堂でご飯を作っている時に「セイバー、これ好きだったよな……」なんて呟きながら作っているのを。
アーチャーはさながらエプロンボーイであった。いや違うそうじゃない。
「マシュ」
「なんでしょうか先輩」
「ロマンを閉じ込めるんだ」
「はい! ……はい?」
「二度は言わねえ! ここから美味しい場面が見られるんだ! 邪魔者は閉じ込めるんだ!」
運命の場所はそう、俺の部屋。
「実況は俺こと藤丸立香」
「解説は私、マシュ・キリエライトがお送りします」
「それぞれ割り当てられている部屋に忍者に扮した俺が手紙を出しておいた」
「はい、内容は『マスターは預かった。返して欲しくば俺の部屋に来い』。明らかに自作自演とわかる文章です」
「間違いは誰だってある! いざとなったら令呪を使う」
「三画しかない令呪を切る気満々ですこのマスター!」
「仕方ないんだ……明日になったら回復するし使わないと勿体なくて」
俺は知っているんだ。回復するはずのなかった令呪をセイバーに『わん』と鳴かせる為に使ってしまったあの日。アーチャーに怒られ、ロマンに怒られ、ダヴィンチちゃんにももちろんセイバーにも怒られた。
その後、しょんぼりしながら眠りについたが朝、目を開けてみるとなんと令呪が復活しているではないか!
これは
「マスター! 肝心の主役が来ません!」
「いや待て、足音がする」
「全く……いたずらは程々にしてくれ。一瞬びっくりしたじゃないか」
のこのこと アーチャーが あらわれた!
「ここでトラップカードオープン! マシュ! 出口を塞げ!」
「わかりました、先輩!」
残念だったなエミヤ君。この部屋の唯一の出口は我が僕のマシュによって塞がれた。
「さあ、出でよ! 我が剣! 令呪をもって命ず。セイバー召喚!」
「マスター、まさかっ……!」
そのまさかだよエミヤくぅん……!
何やら面白い雰囲気を出していたのでちょっかいを出させていただき申した。令呪は回復するから許してね。
「マスター、いきなり何を……って、アーチャー!」
「どうやら、マスターは俺らの事を心配してくれていたみたいだな」
「そのようですね。では、この機会に聞かせていただきます。貴方はシロウですね?」
「ああ、あの頃とは全く変わってしまったけど、俺はずっと衛宮士郎だよ、セイバー」
おや、俺ら空気感出てきた。
「し、信用ならないので。私がシロウと別れる時に言った言葉をもう一度お願いします」
「『シロウ─────貴方を、愛している』。……ああ、俺はこの言葉のお陰でずっと戦っていけたんだ。改めて、ありがとう。セイバー。あの時言えなかった言葉を君に送ろう」
ごくり。
「俺も、セイバーの事が好きだよ」
「私もです、シロウ。貴方といた日々のお陰で、あの停滞した場所が一気に色鮮やかに見えるようになりました。こうして、また貴方に会えたのです。ええ、マスターに感謝しなければなりませんね」
「ああ、そうだな。マスター……マスター?」
僕もこんな体験したぁい……。
「先輩、大丈夫ですか!?」
「ああ……。俺はもう駄目だ。雰囲気に当てられて溶けそう」
「先輩っ! せんぱぁーーーーいっ!!」
ふて寝する。おやすみ。
あ、更新は不定期です。
ネタを思いついたら衝動的に書き連ねるタイプなので