とある科学の力学支配(オーバーフロー)   作:甘党もどき

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どうも甘党もどきです。
読んで頂きありがとうございます。

とある3期の5話を見たんですけど、結構端折られていましたね。
ピンセットと博士のくだりとかかなり。
後ラストシーンでフレンダがすっごく可哀想に思っちゃいました。
あの後を知ってると余計に心が痛くなります。あんなに可愛いのに、内田真礼なのに。

今日は文字数がいつもより少なめになってます。
内容的にキリがいいかなと思ったので。
それでは第6話どうぞ


8月19日

 

霧嶺冬璃が絶対能力進化(レベル6シフト)計画を知ってから3日、つまり麦野が先日言っていた製薬会社からの依頼の日だ。

 

現在『アイテム』の5人は下部組織が運転するキャンピングカーに乗り込んでいた。

いつも通り『SOUNDONLY』の文字を見ながら、『電話相手』から仕事内容を聞いているところだ。

 

発電能力者(エレクトロマスター)ねぇ……」

 

『その可能性が高いって話ね。通信回線を使ったテロと電気的なセキュリティに引っかからない所からそう推測されてるみたい』

 

謎の侵略者(インベーダー)、目的は不明。分かっているのは能力だけ。

 

『てゆーか依頼主はどうも犯人が特定できてるっぽいんだけどねー』

 

その言葉を聞いた途端、全員の顔に不満が出る。

 

「目星がついているならなぜこちらから超襲撃しないのでしょう。不意を討った方が超楽勝だと思うのですが」

 

「確かにそうだな。情報はしっかり開示してくれないと困る」

 

『「手出しはターゲットが施設内に侵入した時のみ、襲撃者の素性は詮索しない事」ってのが依頼主のオーダーよ』

 

「はあ?何それ、結局意味分かんないんだけど」

 

「流石に納得できないな、オーダーそのものが怪しすぎるぞ」

 

各々が思ったことををぶちまける。確かに暗部の仕事とは時に不明瞭な依頼も入ってくることはある。しかし今回のものは格別。

まるで侵略者(インベーダー)を擁護しているみたいだ。

 

『こいつらときたら!私だってやりたくて受けたわけじゃないわよ!…それにね、この手の依頼には相手にも色々事情があるんだっつーの!』

 

一々不満を漏らすメンバーに『電話相手』がキレてしまった。納得出来ていないのは向こうも同じようだ。

 

結局のところ、不明瞭な点は無理やり納得するしかなかった。

ごちゃごちゃ言ってないでちゃんと仕事しろーっ!と『電話相手』は一方的に通話を切ってしまった。

 

その後は簡単な作戦会議の時間だ。

防衛する施設は2基。問題は、

 

「どう戦力を分けるか、だな」

 

「そうね、片方に集中しすぎるともう片方を狙われた時に穴になるわ。となると私と滝壺、霧嶺は遊撃隊として動くとしましょ。どうせ侵略者(インベーダー)は1人みたいだし、それなら出た方に戦力を集中できるでしょ」

 

「わかった」

 

「りょーかい」

 

編成は決定した。

絹旗とフレンダが最初に防衛する施設に待機。そして侵略者(インベーダー)が現れた方に本命である、麦野と滝壺、霧嶺が赴く。

 

「とりあえずアンタらは侵略者(インベーダー)が出たら直ぐに連絡。私らが到着するまでは足止めに徹すること。いいわね?」

 

絹旗とフレンダはしっかりと頷く。

それと、と麦野は付け加える。

 

「ギャラは侵入者をツブしたメンバーが半分持ってくことにしましょ」

 

これには全員が頷く。

だが霧嶺にはフレンダが何かを思いついたような顔をしているのが見えた。

大体想像がついてしまうので、同時に嫌な予感がした。

 

「フレンダ……お前まさか1人で倒せばがっぽり、とか思ってるだろ」

 

「うぇ!?い、いやぜ、全然そんなこと思ってない訳よ」

 

ひゅーひゅー、と態とらしく口笛を吹いているあたり図星だろう。

麦野と絹旗も頭を抱えている。

 

「とりあえず連絡はしろよ。お前、いっつもツメが甘いんだからな」

 

「うぅ……」

 

「大丈夫だよ、ふれんだ。私はそんなツメの甘いふれんだを応援してる」

 

結局フレンダ撃沈の最後の一撃は滝壺が決めてしまった。

 

 

 

フレンダは防衛対象となっている施設の片割れ、病理解析研究所で寝転がっていた。

もう片方には、絹旗、麦野、滝壺、霧嶺が待機している。

というのも結局フレンダが撃破ボーナスを欲しがったため、とりあえず彼女を1人で置いておこう、という話になったのだ。

相手が弱ければフレンダ1人で対象が可能で、たとえそれが不可能だったとしても向こう側に連絡を入れれば直ぐに麦野、滝壺、霧嶺が来てくれることになっている。

しかし、

 

「来るかどうかも分からない相手を待つだけってのも、結局退屈なのよねぇ」

 

ため息を吐きながら周りに沢山置いてある人形の1つを手に取り、いじる。

 

「電気的なセキュリティは全て無効化して侵入。所員と警備員(アンチスキル)は警報を誤作動させて遠ざけた後に機材を破壊……手口から侵入経路は絞ってみたけど、施設はここを含めた2基。結局ギャラ半分持ってくのはツブしたメンバーなんだから何とかこっちに……」

 

そこでフレンダの言葉は切れる。

 

下の方から何者かの足音が聞こえたからだ。

 

絞った侵入経路の内の1つからの足音。つまり今回の標的(ターゲット)である侵略者(インベーダー)ということになる。

 

(キタキタキタぁ〜~!結局、日頃の行いな訳よ!)

 

フレンダは顔を嬉々として起き上がる。

すぐさまいつものベレー帽を被り、移動しながら最初のツールを発火させる。

 

 

御坂美琴は絶対能力進化(レベル6シフト)計画に関わっている研究所の1つにいた。

目的はただ1つ、絶対能力進化(レベル6シフト)計画を止めること。

既に実験に関係している研究所の殆どはサイバー攻撃と直接的な殴り込みで、2基を残して他は破壊してある。

 

(あれから3日……どれくらいのペースで実験をしているのか調べる気も起きないけど。あれから1度も実験は行われていない、そう信じるしかない!)

 

それはただの願望でしかない。

ただそれは現状彼女にとって1番の望みであった。

 

今晩中に全部終わらせる、そう思いながら美琴は奥にあるデータベースに向かって全力で走り出す。

 

(このまま何事も無く終わればいいんだけど────)

 

しかし、彼女はすぐ足を止めることとなる。

 

天井が何かによって焼き切れ、瓦礫として美琴の頭上から落ちてきたからだ。

 

瓦礫と化した天井の金属が全て落ちる。

すぐに粉塵が晴れる。

御坂美琴が瓦礫の中心に立っていた。正確には、彼女を避けるような形で瓦礫が落ちていた。

彼女に傷は1つもない。

磁力によって落ちてきた瓦礫を自分から離す事によって無傷でいられたのだ。

 

「やっぱそんなに甘くはない、か……」

 

 

フレンダはその様子を機材の影からしっかりと見ていた。

瓦礫が全て外れ相手に傷1つついていない理由は、相手からバチバチと漏れだしている電気によって大体理解できた。

 

(発電能力者(エレクトロマスター)って情報は確かみたいね……)

 

そう考えながら修正テープのように、いつも使っているツールを機材に貼り付けていく。

貼り終えたツールに針のようなものを当てる。

 

(本来はドアや壁なんかを焼き切るツールなんだけど、)

 

直後、針が当てられた所から発火しツールに沿って伝達されていく。

 

(こんな使い方もあるって訳よ!!)

 

火花の線は侵略者(インベーダー)の方へと向かうが、相手には簡単に避けられてしまう。

だが目的はそっちではない。

火花の行く先は、人形。

ただの人形なら、焼き切れてボロボロになるだけだ。

しかし置いてある人形はただの人形ではない。

 

中に爆弾が仕込んであるのだから。

 

ドゴン!!という轟音と共に火花に貫かれた人形が爆発する。

 

侵略者(インベーダー)は避けたらしいが、これだけでは終わらない。

研究所内に張り巡らされたツールに点火していく。到達先はもちろん爆弾を仕込んだ人形達。

侵略者(インベーダー)は瓦礫と化した金属を磁力で操り盾にするつもりらしい、

 

(それも計算通りな訳よ)

 

金属の隙間には時限式の爆弾が仕込んである。

侵略者(インベーダー)は金属の盾を放り投げ、無数の爆弾が爆発する。

回避こそされたものの、相手は大分ダメージを負っているようだ。

 

(結局、こっからが楽しいって訳よ)

 

戦い(狩り)はまだ始まったばかりだ。

 

 

 

霧嶺冬璃は現在、脳神経応用分析所にいた。

隣には滝壺、前には麦野と絹旗の2人。

『アイテム』のもう1人、フレンダはもう片方の病理解析研究所に待機しているはずだ。

フレンダの目が金に染まっていたので元々この施設を防衛予定の絹旗と遊撃隊の麦野、滝壺そして霧嶺もこちら側で待機しているのだ。

 

「嫌な予感がする」

 

と霧嶺はため息と共に言葉を吐き出す。

 

「超同感です」

 

それに絹旗が苦笑いで同意する。

 

「まあ仕方ないわね」

 

まあでも、と麦野は付け加える。

 

「あいつも一応は暗部の人間なんだし、それなりにやれるでしょ」

 

意外だった。いつもはフレンダに対して辛辣な麦野だが、その実力にはそれなりの信頼を寄せているらしい。

そこで彼らの会話は途切れた。

 

霧嶺のスマホに着信が入ったからだ。

 

差出人は大体分かってはいるが、一応確認しておく。

当然の如く相手はフレンダ、どうやらもう片方の研究所に侵略者(インベーダー)が現れたらしい。

 

「なんだって?」

 

隣の滝壺が聞いてくる。

本人も恐らく分かってはいるのだろうが。

 

「向こうに現れたらしい、多分今は交戦中だろうな。ってか何で俺に?」

 

「さあね、まあ連絡を入れただけマシなんじゃない?じゃあ向こうに移動しましょ。絹旗、こっちは頼んだわ。さっき言った事も含めてね」

 

「超了解しました。そちらも超気をつけてください」

 

絹旗を除いた3人は直ぐに研究所を出て移動用のワゴンに乗り込む。

行き先はフレンダのいる病理解析研究所。

 

 

 

病理解析研究所で御坂美琴(インベーダー)と交戦していたフレンダは、

ピンチに陥っていた。

具体的に言うと、気体爆薬というハッタリを掛けたのは良いものの相手の地雷を踏んだらしく今は首を絞められている。

 

(確かにこれなら衝撃なく相手を倒せ……って流石にヤバい!?)

 

相手が背中に密着しているのをいい事に、呻き声を上げながら背負投げをする。

 

(わ、悪くない考えだったけど……し、所詮は素人結局完全にはって訳よ)

 

咳をして目に涙を浮かべながら心の中で見栄を張るフレンダだったが、視界の端に何かが映った。

それはいつもツールの点火に使っている針。背負い投げをした際スカートからいくつか飛び出してしまった内の1つ。

その針が、

床に張り巡らせたツールの1つに落ちようとしていた。

 

(え?ちょっ…!)

 

フレンダはちょうどツールを踏むように立っていた。

ツールはドアや壁を簡単に焼き切る威力を持っている。

つまり、

このまま行けば自慢の脚線美を持つ脚どころか下半身が丸ごと吹き飛ぶだろう。

 

にょわ!?と変な声を上げながら全力でジャンプする。

ツールが点火されたのはそれとほぼ同時だった。

 

ゴロゴロと転がってから機材に頭をぶつけて止まる。頭をぶつけるのもかなり痛いがそれでも下半身を吹き飛ばされるよりも大分マシだろう。

 

「ててて……あっぶねーあぶねー。全く自慢の脚線美だってのに……」

 

そこでフレンダは気づく、

今まで気体爆薬というハッタリを掛けていたにも関わらず、ツールが点火した事で自分からバラしてしまったことに。

 

「あ」

 

目の前では超能力者(レベル5)級の発電能力者(エレクトロマスター)が腕に電気を纏いながら立っていた。

 

「あーそっかそっか。結局、私も随分初歩的なハッタリに引っかかってた訳か……はは、結局だって。感染し(うつっ)ちゃったかしら。あははははは」

 

「ははははは……」

 

目の前の侵略者(インベーダー)はどう見ても腕に電撃を溜めているようにしか見えない。

これはまずい、とフレンダは何とかこの状況を打開する策を考える。

そして出た結論は、

 

「てへっ」

 

誤魔化す事だった。

結果、

 

ぎゃんっ!という悲鳴が研究所内に響き渡った。

 

 

 

「あが……ぐぬ……」

 

結局電撃を浴びせられたフレンダは、痺れる体を何とか動かして逃げようとしていた。

だが電撃を放った張本人ははそうもいかないらしい。

 

「電撃に手心を加えたのは、別に死なせたら寝覚めが悪い、とかじゃないわよ。計画について知ってること洗いざらい吐きなさい」

 

フレンダは機材を背にするように追い詰められてしまった。

侵略者(インベーダー)は手を前に構えて、いつでも電撃を放てるように準備しながら聞いてくる。

 

「この計画を手動している面子は?アンタ達を雇ったのは誰?」

 

(いや、私らも間に仲介人がいるし)

 

「アンタみたいなのが他にもいるわけ?能力者ならその能力は?」

 

(はっ、そんなの教える訳…)

 

そこでフレンダの思考は切れる。

 

ガガガ!という音を立てて、後ろの近くの機材が炭と化したからだ。

そして目の前の侵略者(インベーダー)は告げる。

 

「黒焦げになりたくなかったら、3秒以内に答えなさい」

 

(わーっ、言う言う!麦野達なら能力バレても負けたりしない訳よねっ!)

 

淡々とカウントは迫る。

命が惜しいフレンダは仕方なく、本当に仕方なく麦野達の情報を教えるつもりだった。

 

電撃によって舌が痺れて声が出せない、という今の状況がなければ。

 

だがそんな事に構わず、カウントはゼロになった。

 

「そう、仲間は売れないって事ね」

 

(違うのっ!電撃で体が…!)

 

「そういうの、嫌いじゃないけどね……」

 

そこで御坂美琴は壁の方から何か(・・)を感じて視線を動かす。

直後、

 

ビュオ!と壁を貫いて来た光線が彼女に迫る。

 

美琴は何とか後ろに避けたが、近くにあった機材は一瞬で灰になってしまった。

光線が貫いてきた壁を見ると、

溶けて大きく穴が空いた部分から3人、目の前の金髪の仲間だろう人物が入ってきた。

 

「あーんまり静かだから殺られちゃったのかと思ったけど、」

 

女が2人に男が1人。

 

「危機一髪だったみたいね、フレンダ」

 

状況はさらに悪化した。




いかがでしたか?

今回は特にそうなんですけど、超電磁砲からの引用セリフが多くなっちゃいました。
なので所々変えてる部分も作りました。それでも同じような部分があると思います。
次回はまたガッツリ戦闘描写になるかと思います。
感想、お気に入りよろしくお願いします。

ではまた次回。
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