溺れぬレアンドロス    作:白鳥桔梗

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第10話「リアンダーとパーティー」

 指揮官の予定通り、クイーン・エリザベス主催のパーティは行われた。母港全体を巻き込む、非常に規模の大きいものだ。メイド隊などは大忙しである。

(さて、私はどうしようか。あまり騒がしいのは得意じゃないが……。一応、様子ぐらいは見ておくか。言い出しっぺだしな。)

指揮官も視察の意味で覗いてみることにした。

 

 指揮官の目には正しく西洋のパーティーであるように見えた。皆豪華な料理を立食している。ロイヤル出身のKANSENなどは着飾り、踊っているものなどもいる。

「あら、遅かったじゃない。あなたも楽しみなさいよね。」

クイーン・エリザベスは指揮官をいち早く見つけて声をかけた。指揮官も頷いて、見て回ることにした。クイーン・エリザベスは自分の近くからあっさり離れたことに不満を持った。

 指揮官は食事を取りながら、ぐるぐると会場を回っていた。

「あ、指揮官様~。」

リアンダーの声が指揮官の耳に入った。アキリーズとエイジャックスと一緒にいる。

(どうやら妹たちと仲良くなれたようだな。)

指揮官は安心しつつ、声の主の方へ近づいた。クロスの敷いてある料理の乗る机の近くで、美しいドレスで着飾っているリアンダー姉妹3人がいた。

(美しすぎる、まるでお姫様だ。)

「指揮官様、今日のパーティー……ありがとうございます。おかげで妹たちと仲良くなれましたわ~。」

リアンダーはほわほわとした雰囲気で指揮官にお礼を言う。

「君だけでなくて、私も丁度いいと思ったからだよ。」

リアンダーは本当に幸せそうにニコニコしている。指揮官もやった甲斐を感じた。

 指揮官はリアンダーと話をしている途中に、エイジャックスがオクラホマに呼ばれるところを見た。その後、仲良さそうに話をしている。

「アキリーズ、彼女は人間関係の問題なんて本当に抱えているのか。」

指揮官はリアンダーとの会話をいったん中断し、アキリーズに近づいて話しかけた。

「あはは……アキリーズちゃん、間違っちゃったかな?」

ふざけてみせたアキリーズに指揮官は呆れた。

「まあでも問題がないなら、いいことだ。」

「そうだよね☆でも……ありがとね☆」

開き直るアキリーズに指揮官は再び呆れたが、悪い気はしなかった。

「そーれーよーりー、リアンダーとの話が途中だったでしょ?早く戻った戻った。」

(見たところ、2人は仲良しみたいだね。優しいお姉ちゃんなリアンダーにはリア充になってもらいたいな。)

 指揮官はアキリーズに促されて、リアンダーの近くに戻った。しかし、指揮官は何を話せばいいかわからなかった。

「指揮官様、何のお話でしたの?」

「ちょっとエイジャックスのことでな……。」

「エイジャックスですか。時々よくわからない言葉を使いますけど、本当は凄く優しい子ですのよ。」

リアンダーは幸せそうに妹を自慢した。

「ところで指揮官様……、私と踊っていただけませんか?」

リアンダーは少しだけ顔を赤らめて、指揮官をダンスに誘った。もちろん指揮官はとても喜んだ。

「しかし私はダンスはよくわからないのだが……。」

指揮官は教養としてダンスを調べたこともあったが、特にしっかりと練習をしたわけではない。

「大丈夫ですわ。私がリードいたします。失敗しても笑ったりなんていたしませんわ。」

そう言ってリアンダーは指揮官に手を差し伸べた。指揮官は軽くその手を取った。

(今ダンスとはいえ、リアンダーの手を握っている……幸せだ。)

指揮官の体温は急上昇したが、どうにか平静を保った。

 

 指揮官とリアンダーがダンスを始めると、エイジャックスがアキリーズのところに戻ってきた。

「あらあら、2人は仲良しですのね。」

エイジャックスは指揮官とリアンダーが踊る様子を見てエイジャックスはからかうような口調で呟いた。

「そうだね。2人はどういう関係なのかな?」

「リアンダーはそういうのには疎いですけど、指揮官の方はリアンダーに気があるように見えますわ。」

エイジャックスは指揮官を観察しながらそう言った。彼女の洞察力は本物である。

「指揮官はリアンダーと釣り合うでしょうか。」

「今のところ大丈夫そうだけどね☆」

「そうですわね。」

アキリーズとエイジャックスは指揮官とリアンダーの様子を見守っていた。

 

 指揮官は会場の広場で、リアンダーに教わりつつステップを踏んでいる。そろそろ足並みも揃ってきている。

「そうそう、流石指揮官様です。」

「リアンダーの教え方がいいのさ。」

既に2人を見ているのは、アキリーズとエイジャックスだけではなかった。しかし2人はダンスに夢中で気づいてはいない。

(今まで必死で気にならなかったが、やはり距離が近い……。それに常に手を握っていられる……。)

指揮官は当然リアンダーと踊れることを喜び、リアンダーもまた楽しんでいた。

 一通り教わり、踊り終わった。

「指揮官様、ありがとうございました。とても楽しかったです。」

リアンダーはにっこり微笑んだ。

「私こそダンスがこんなに気持ちのいいものだとは知らなかった。」

「気に入っていただけて何よりですわ。」

2人がまだ手を握ったまま話をしていると、同じように指揮官と踊ろうとする者が出てきて、指揮官はしばらくそちらに付き合うことになった。

 

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