溺れぬレアンドロス    作:白鳥桔梗

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サラトガを悪役(?)にしているかもしれませんので、彼女が好きな方はご注意ください。


第13話「リアンダーと日常Ⅱ」

 指揮官とリアンダーがいちゃいちゃしている横から、飴を持った睦月が飛び込んできた。

「おねえちゃん、これお礼!アメさんあげるね!」

睦月は飴を差し出した。

「あらら、ありがとうございます。」

「あ……睦月、じゃましちゃだめだよ~?」

リアンダーが飴を受け取ったのと同時に、水無月が睦月を止めに来た。指揮官とリアンダーから溢れるムードを感じ取ったのだ。

「そ、そういう訳じゃない。」

指揮官は顔を真っ赤にして否定した。

「ほんとに~?しきかん、かおあかいよ?」

水無月はさらに突っ込んだ。そして、他の睦月型の子たちも集まってきた。

「ほら、リアンダー、そろそろ視察に行かなくては……申し訳ないが、遊ぶのはまた後だ。」

指揮官は逃げた。リアンダーも睦月達に手を振って指揮官を追いかけた。

 

 2人は先ほどの木のあるところからだいぶ離れた位置まで来た。

「ふふふ、睦月さんたち、可愛かったですね。まるで指揮官様と子どもができたみたいですわ~。」

「こ、子ども……?」

指揮官は自分とリアンダーの子どものことを想像してしまって再び顔を赤らめた。

 指揮官はリアンダーに顔を見せないように、執務室に戻るように歩き始めた。

「あ、指揮官様待ってくださーい。」

リアンダーは急に歩き出した指揮官を早歩きで追いかけた。すると、指揮官は突然彼女の目の前から消えた。それから、彼女自身もまた浮遊感を感じた。

 2人は落とし穴に落ちたのだ。穴の深さは2メートル程度で、指揮官は穴の中で膝を立てて横になる形で、リアンダーは指揮官に覆いかぶさらないように、地面に手をついてギリギリ耐えている形である。

「いたた……リアンダー!大丈夫か!?」

「私は大丈夫ですわ。それより指揮官様こそ、大丈夫ですか?」

2人は揃ってお互いを心配し、そして互いの無事を確認した。脱出不可能なほど深い穴でもないが、砂に手足を取られるため、簡単には脱出できない。

「ひゃんっ……指揮官様、動いては……いけませんっ。」

指揮官が脱出のために体を動かすと、膝がリアンダーの股に触れる形になってしまった。

「す、すまない……わざとじゃないんだ。」

(しかし、膝とは言えリアンダーの股に……。今はこんなことを考えている場合ではないが、こう近いと体温や匂いまでわかって意識せざるを得ない。さっきのパンチラなんて可愛いものだ。)

「いえ、それはわかっていますわ。それより脱出方法を考えませんと……。」

「そうだな。」

 指揮官は1分ほど考えた結果、リアンダーを肩車して先に出てもらうことを提案した。

「肩車ですか?わかりました。」

2人はどうにか態勢を整えて、指揮官は一旦しゃがんでリアンダーを肩に座らせた。

(やばい、この太ももはやばい。)

少し土の付いた、白くて柔らかい太ももが指揮官の首に触れる。

「指揮官様、重いと思いますが、少しだけ耐えていてくださいね。すぐ出ますからね。」

指揮官はどうにか中腰に立ち上がり、穴からリアンダーは半身以上が出たため、なんなく脱出した。そして指揮官に手を差し伸べて、指揮官は土壁に手を取られながら、どうにか脱出した。

 2人が穴に落ちて脱出するところを横から見ていた者がいた。指揮官は脱出するときにちらっとその人物の色を見た。ピンクだった。

「助かったリアンダー。」

「いいえ、私も指揮官様がいないと大変でしたわ。」

「それはそうと、今ピンク色の何かを見たのだが……このようないたずらをする人物と考えると、サラトガあたりだろうか。もしそうなら、これはやりすぎだ。流石に注意が必要だな。」

指揮官は辺りを1度見回したが、既に彼女の姿は全く見えない。

「まだ遠くには行っていないと思いますが、流石に逃げたようですね。」

リアンダーは苦笑しながら言った。

 指揮官がどうやって探し出すかを考えていたとき、サラトガもう1人のピンク色のKANSEN……彼女の姉であるレキシントンに捕まっていた。

「うわあああああ。」

サラトガの声が響いた。指揮官とリアンダーはその声の元へ向かった。すると実際にレキシントン姉妹がそこにいた。

「サラトガさん、本当にあなたなのですか?」

リアンダーは相手を刺激しないように、ゆっくりとした声で聞いた。

「ごめんね指揮官、サラトガちゃんったらまたいたずらして……。」

指揮官とリアンダーは、姉に捕まっているサラトガが哀れに感じた。

「はぁ……流石にこのいたずらは度が過ぎる。誰かが怪我をしたらどうするんだ?穴は早急に塞いでおくように。」

指揮官は簡潔に言いたいことを言って、リアンダーと一緒に着替えのために屋内へ戻った。

(でもリアンダーと密着できたのは少し嬉しかったな……。)

雑念は捨てきれない指揮官だった。ちなみに、サラトガも面白いものを見れたと満足したのだった。

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