指揮官には最近気になるKANSENがいる。それはリアンダーだ。現在秘書も務めている。気になっている理由は、彼女が美しいからだけではない。真面目に秘書としての仕事をこなし、熱心に訓練に励み、実際に個人としても上位、それに艦隊戦においては、非常に優秀な成績を収めている。これがやはり上司としてはいい意味で気になることだ。
「リアンダー、今日もよく励んでいるね。」
「ありがとうございます。私には、守りたいものがありますので……少しでも私が強くなれば守れるのならば、そうしたいのです。」
(守りたいもの……か。深くはまだ聞かないでおこう。やりすぎない程度にそれで頑張ってもらえるなら、私としては嬉しい限りだ。それなのに……どうして彼女につい目がいってしまうのだろうか。)
ある夜、指揮官は母港内の見回りをしていた。そこにはちょうどリアンダーもいた。
「散歩しようと思いましたけど、どなたもいなくて……指揮官様?ご一緒にいかがでしょうか?」
(リアンダーからの誘い!どうしてこうも胸が高鳴るのだろうか。いやいや、女性と2人で出歩くなんてまだ……。でも、うん、そうだ……やはり上司としてしっかり相手を見るのは大事だ。ここは付き合うしかないな、うん。)
「分かった、行こうか。」
指揮官はやましい想いを隠し切れないことを自覚しながらも、どうにか理屈をつけて欲望に従った。リアンダーは指揮官が考えている間、不思議そうな顔で眺めていた。
指揮官はリアンダーと一緒に、リアンダーのいつもの散歩コースを歩いている。するとリアンダーは海の見えるところで立ち止まった。
「ちょっとだけお話しませんか?」
リアンダーは指揮官のいない方向……海に向かってそう言ってから振り返った。指揮官はなんとなくシリアスな話らしいのを確認して頷いた。
「ありがとうございます。私、実は妹がいるのですが……まだ合流できていませんよね。そこで、よろしければ、妹たちを探すのを手伝って欲しいのです。いえ……やっぱりこんなワガママ言ってはいけませんよね、忘れてください。」
リアンダーはそう言いながら指揮官と目を合わせたかと思うと、今度は視線を落とした。
「そんなことか……いや、バカにしている訳じゃないぞ。そんなのワガママなんかじゃないさ。そもそももっと難しいこと私にさせる子もいるぞ。」
リアンダーは顔を上げた。指揮官はそれを見て少しドキッとして、顔を一瞬逸らしたが、顔を戻してリアンダーの目を見た。
「君たちは戦うために生まれた……勝手な話だよ。苦しい事させるために作られたなんてさ……。だから……!私はせめて楽しいこともさせてあげたいんだ!」
指揮官はつい声が大きくなった。普段クールに振る舞っているが、実は結構熱血なところがあるのだ。リアンダーは黙って指揮官の目を見つめた。
「すまない、熱くなってしまった。」
「いいえ……ありがとうございます!」
リアンダーは少し涙ぐみながら今までで一番の感謝の気持ちを込めてそう言った。
「それと指揮官様……よろしければ、うん、また一緒に散歩に来ませんか?」
リアンダーはちょっとだけ迷いながらもそう言った。
「ああ。」
「ありがとうございます。」
(天使の笑顔だ……)
指揮官は自分の中の天使の前で完全に堕ちてしまった。そして少し頭がフリーズした。
「あれ?指揮官様~?大丈夫ですか?指揮官様??」
その後、どうにか指揮官は目を覚まして2人で散歩から戻ったのであった。