溺れぬレアンドロス    作:白鳥桔梗

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第7話「指揮官とリアンダー姉妹」

 アキリーズとエイジャックスが来て数日経ったところで、指揮官は彼女たちの様子を見ることにした。ちなみにそれは2人にだけではなく、新しく合流したKANSEN全員に行っていることである。

 指揮官は2人を探して窓から外を見ると、丁度噴水の当たりに2人が揃っていたのを見つけた。

 外に出て指揮官は2人に近づく。

「調子はどうか。」

アキリーズとエイジャックスは声をかけてきた指揮官の方を向いた。

「アキリーズちゃんは元気だよー☆」

アキリーズは元気に挨拶した。

「私も元気ですわよ、こ・ぶ・たちゃん。」

エイジャックスも偉そうに挨拶した。

(「子豚ちゃん」ってなんだそれ、どんな呼び方だよ!)

指揮官は困惑した。

「なるほど、エイジャックスは指揮官のことが気に入ったんだね!」

「まあ、そんなところですわね。」

アキリーズはエイジャックスの通訳であるかのように話す。

「まあ呼び方はいいとして、母港での生活はどうだ?訓練は大丈夫か?人間関係は大丈夫か?設備に問題はないか?」

「エイジャックスが気に入るのもわかるなー。指揮官はドーテーっぽいのに結構マメなんだね。」

「どー……てー……それは関係ないような……。」

指揮官は赤面しながら呟いた。

「こぶたちゃんはちゃんと皆のことを気にかけているのだと聞いたのですわ。」

(ああ、確かにこうやって様子を観察するのはこの2人にだけではないからな。そういうことか。まあ褒められていると捉えるか。)

指揮官の顔は真顔に戻った。

「それで答えなんだけど……指揮官、ちょっと耳を貸して。」

アキリーズに促されて指揮官は耳を差し出した。

「実はエイジャックスはあんまり友達できないみたい。」

(まああのキャラ保ってたら人は寄ってこないかもしれんな。)

エイジャックスは突然耳打ちを始めたのを見ていても、自分は関係ないと思っていた。

「それで君の方は何かないのかい?」

「うーん、私はあんまりないかな~。じゃがいもも食べれるし~。」

「じゃがいもが好きなのか……。」

「え~じゃがいもが好きとか…私のイメージに合わない!?」

(自覚有ったんだな。)

アキリーズと指揮官は何気ない会話を交わした。

「ちょっとこぶちゃん、ご主人様をいつまで放っておくのかしら?」

エイジャックスは少し怒ったように言った。指揮官も確かに放っておき過ぎたと反省した。そしてアキリーズの元からエイジャックスの方へ向かった。

「すまない。君は何か悩みはないか?それとアキリーズは。」

(一応本人にも聞こう。それとアキリーズについてもだ。もしかしたら悩みがあっても自分では言いにくいかもしれない。)

「いえ、別に私はありませんわ。アキリーズも私から見たら特に困ってなさそうでしたわ。」

エイジャックスはいたって普通に答えた。

「そうか、わかった。ありがとう。それじゃ2人とも、何かあったら言ってくれ。あ、待った。リアンダーとはもう話をしたか?」

指揮官は戻ろうと振り向いてときに思い出した。

「えぇ話をしましたわ。ちょっと驚きましたわ。」

「確かにびっくりしたね。」

アキリーズはエイジャックスの声に頷きながら同調する。

「何があったんだ?」

「いえ、そんなに大したことではありませんわ。ただ、リアンダーの勢いに驚いただけです。」

「なんとなく察しがついた。リアンダーの世話焼きが発動したんだな。それに会えなかった分の勢いが乗ったのか。」

エイジャックスとアキリーズの様子から、指揮官は当たりであると確信したようだ。

「あ、でも別に嫌だった訳じゃないよ!」

アキリーズはフォローを入れた。

(そうか、それじゃ問題なさそうだな。)

「わかった。ありがとう。」

そう言って指揮官は今度こそ建物内に戻っていった。

 

「よく気にかけてくれ、いい指揮官だね☆」

「そうですわね。」

アキリーズとエイジャックスは指揮官についての感想を交換した。

 

 指揮官が執務室に戻ると、既にリアンダーがいた。

「訓練は終わったかい?」

「はい。」

指揮官は椅子に座ってリアンダーに話しかけた。

「アキリーズとエイジャックスとはもう話をしてみたか?」

「ええ一応……。」

(でももう少し仲良くなりたいですわ……。)

リアンダーは暗いトーンで返事をすると、指揮官は息をついた。

「やっぱり姉妹たちは仲良くしたいものなんだな……。いや、君に限ったことじゃないなこれは。」

指揮官は他の姉妹、特に妹を気に掛ける姉の姿を思い浮かべながらそう言った。

「やっぱり隔たりを感じてしまいまして……。」

「私もさっき2人と話してみたが、そんなことなさそうだったけどな。」

「そうでしょうか?」

リアンダーは少し心配症なところがある。指揮官もそれは知っていた。

「そんな気になるなら……そうだな、新しく母港に来た子も他にもいるし……丁度いい。」

リアンダーは指揮官の方を向いて首を傾げた。

「ふふふ、ついてくるか?」

リアンダーは頷いた。そして2人は扉に向かった。

 

 

 

 

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