「ここだ。」
そこはクイーンエリザベスのいる部屋だった。しかしリアンダーはまだ状況が飲み込めていない。指揮官はノックをした。
「いいわよ、入室を許可するわ。」
指揮官とリアンダーは部屋に入った。そこにはふんぞり返るクイーンエリザベスと、側近のウォースパイトがいた。
「それで、用はなにかしら?」
「ああ、実は新しく母港に来た子も増えてきたから、パーティでも開かないかと思って相談に来たんだ。慣れているだろう?」
リアンダーはその言葉で、指揮官が何を考えているか理解した。
「あなたの頼みなら聞いてあげないこともないわ。」
エリザベスは少し赤面しながら言った。
「ありがとう。」
「ありがとうございます、陛下。」
「下僕たちを暮らしやすくさせるのも女王の仕事よ。」
(口は良くないが、いい女王様だ。)
指揮官は感心した。
「それじゃ準備するものはこちらでまとめておくわ。」
「ありがとう。それに元気そうでよかった。それじゃ……。」
「ちょ、ちょっと、もう少しぐらいゆっくりしていきなさいよ。」
指揮官がエリザベスに背を向けると、また彼女は赤くなりながら言った。
「いや、まだ仕事が……。」
「指揮官様、まだ余裕はありますわ。陛下、私がお茶を淹れてきます。皆さんはここでお待ちください。」
そう言ってリアンダーは1人部屋から出ていった。
リアンダーはすぐに紅茶を淹れて部屋に戻り、指揮官、エリザベス、ウォースパイトの3人に紅茶のカップとクッキーを差し出した。
「2人とも、陛下がすまないわね。」
エリザベスの顔がまた少し赤くなった。今度は怒りだ。しかしどうやら、いつものことらしくそれほど気にはしていないようだ。
まずはエリザベスがゆっくりと紅茶を口に含んだ。
「ベルファストには及ばないけど、中々の紅茶ね。褒めてあげるわ、リアンダー。」
「ふふ、ありがとうございます。もっと精進しますわ。」
リアンダーは笑顔でお礼を言った。
(陛下は誰に対しても素直じゃないわね。)
(リアンダーは誰に対しても丁寧で最高だ。)
2人のやり取りから指揮官とウォースパイトは2人の性格をそれぞれ再認識した。
「このクッキーもいただくわね。」
ウォースパイトはクッキーを半分ほどかじった。
「こっちも美味しいわ、リアンダー。」
「ありがとうございます。」
ちなみに指揮官はリアンダーが褒められたのが自分のことのように嬉しいため、笑顔になっている。
4人はお茶会を終えて、指揮官とリアンダーは一先ず執務室に戻った。
「まったく、もう少しゆっくりしていってもいいじゃない。」
(やれやれ……。)