dark化が進んで行く。
紗夜に依存している事を自覚する龍樹はどうなって行くのか.........?
では、本編どうぞ!
煙草を燻らせ自決する為の短銃に一つ一つ、自分の人生を振り返るようにゆっくりと弾を込める.........事はしないが、今、目の前に神か悪魔か、はたまた天使か、ソイツが自分の前に拳銃をコトンと置いたら、躊躇わずに撃鉄を起こせる。引き金を引くのには抵抗があるかも知れないが、それも時間の問題だろう。この希望もない、未来もない腐った心では死に抗う気が微塵も起きないのだから。
気狂い水を摂取し過ぎた僕の頭では、ここまま楽になれたらどれほど幸せだろうか.........なんてことしか考えられない。
頭を机に伏せ、呻き嗚咽を漏らす日々。氷川と出会ってからはあまり無かったが、鬱と言うのは本人のタイミングなど何も知らないのだ。唐突に、人生を壊しにやってくる魔物。それがやって来る程に、僕の心は疲弊し摩耗し、憔悴しきっている。
よくヒットソングや大ヒット御礼エッセイ本にはこう書いてある。「辛かったら、その出来事から逃げよう」「周りには貴方を愛する恋人や隣人がいます」「人生には楽しいことがいっぱいある」と。こんなの甘い甘言だ。それは人生を舐め切り、辛いやつに寄り添って甘い蜜をいっぱい吸い、金を稼いだ奴の激甘理論なのだから。端的に言ってクソ喰らえ、そんなこと言うやつは死んじまえ、だ。
結論から言おう。
そんなこと、誰だって出来たらやってる。
夢や希望が消され、頼れる恋人もいない、果てには楽しいことが何かわからなくなった。だから、辛く死にたい。最初から他人を頼れる性格や環境だったらこんな抱え込んでないのだから。鬱がバレるのが怖い、人と違うことをしているのが気持ち悪い。だから、傷を隠し悪化してしまう。
わかりやすいように助かる道や希望を「医者」と例えよう。そして、鬱を「怪我」と例えよう。
怪我した部位を医者に見せないと悪化するのは当たり前の話だ。専門的な知識も無く、素人が治療した所で効果は無いのだから。.........じゃあ、もしその傷口が、人目に憚られるもとだとしたら?あまり怪我が進行していない健常者は、勇気を出して医者に見せ、治療して貰いこの先の人生ハッピーエンドだろう。そう.........健常者は。
僕のような怪我が進行しすぎて誰にも見せられないような傷になってしまった異常者はどうすればいい?
その答えは簡単、死ぬ事だ。死んだら後のことは全く関係ないし、何より楽だ。痛くて苦しい傷と戦わなくて済む。よし、じゃあ死ぬか。こう思っていたのは少し前の僕。
今は.........
辛くても戦う道を選んだ。酒に頼って世迷い言を延々と製造する機械に成り果てようとも、生きることを選んだ。この決断が出来たのは、全部氷川のお陰だ。見せるつもりのなかった傷を見られたけど、彼女だけは真剣に向き合ってくれた。自分と同じだって言ってくれた。僕はこの「同じ」ということにとてつもない安堵を覚えた。人間は基本的には群れる生き物だ。いつも独りでグシュグシュと化膿している怪我を摩っている日々だったが、そこに同じ境遇の人間が現れたのだ。これは好意を抱かざるを得ないだろう。このことから、僕は彼女に好意を抱いていることが分かる。高校生にもなって自分の恋心を恥に思うなんてことは無いから、普通に言うことにする。
ただ、「好き」という感情は少し違うかもしれない。この気持ちは助けて欲しい、どうにかして欲しいという依存心の方が合っていると思う。
(氷川に会いたい 触れたい 話したい 一緒にいたい 好き )
今覚えば、この頃から僕の氷川に対する好意は常軌を逸してたと思う。頭の中が氷川でいっぱいだったんだから。
.........でも、僕は忘れていた。
氷川も、僕と同じ「異常者」だと言うことを。
この時のアルコールに支配されていた僕の頭では、そんなことは考えつかなかったが。
いい具合に狂ってきましたね、、、
別に作者は心に寄り添う歌は全然嫌いじゃありません。むしろ好きです。雨ざらしとか大好き。
この描写は精神的に不安定な龍樹君目線の話なので、言いたい放題しただけです。.........多分、彼も本心で言った訳じゃない、筈。
因みにこれはフィクションです。未成年の飲酒は絶対やめましょう。彼はアホなので真似しないでください。
.................彼はまだ知らなかった。氷川紗夜が西上龍樹を超越する程のやばい人だと。
では、今回はこの辺で。
お読みいただき、ありがとうございました!
(タイトルのSuicideは誤字じゃないです、狙いました。酒=水=sui そばにある=sideという訳です。なんの解説だこれ笑 Suicideの意味は、自殺です)