Dream Shout   作:Re:GHOST

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ここから本気。私が何を書きたかったのか、何を伝えたかったのか、全部手加減せずに出して行きます。

では、本編どうぞ。



心中

「これは通報しても宜しい.........ということでしょうか」

 

「お前がしたいならすればいい、僕が氷川の立場だったら間違いなくすると思うからな」

 

 僕は一体、何をしているのだろう。何をしている......という明確な答えは出せないが、この行動を取っている僕の印象はどういったものなのかは出せる。

 

 これは「最低」な行為だ。人と人とが築き上げてきた信頼や友情を、ダンボールに徹甲弾を打ち込むかのごとく粉々に、跡形もなく粉砕する行為。抱擁と言えば聞こえはいいだろうが合意がなければただの強姦だ。そして.........僕のこの行為に同意なんかある訳が無い。氷川紗夜という気高き存在が、僕のような精神病患者に体を許してくれる筈が無い。このことから氷川紗夜から僕に対する印象は「人生に絶望し気が狂った性犯罪者」程度に思われるという事が分かる。実際その通り過ぎて何も反論材料がない所が虚しさを加速させていく。

 

「別に.........構いませんよ。誰だって異性に抱きつきたくなる時があります。私は無いですけど」

 

「許して.........くれるのか?」

 

「許すも何も、最初から怒ってなんていませんよ。西上さんは本当に早とちりが得意ですね」

 

 そう言って、氷川は僕の頭を胸元に抱き寄せてくれる。トクントクンと心地よいリズムを刻む氷川の心臓が、やけに近く感じた。

 

「それに.........」

 

 そんな安らかな気持ちに浸っていると、不意に顎を持ち上げ、額の髪をかきあげられる。氷川の瞳は数秒間見つめあっただけなのに、僕には宝石のようにキラキラと光る値打ち物に見えた。

 

「い、いきなり何すんだよ」

 

「こんなに綺麗な顔をしているのに、他の人に渡すのは勿体無いです」

 

 そう言い放ち、僕の額はヌルッと温かい感触に包まれた。気がつくと僕は、氷川紗夜に額を舐められていたのだ。ざらついた舌が、僕の額をぺろぺろと往復している。捨て猫がミルクを舐めまわすように、愛しそうに、舌を上へ下へと往復させている。

 

 普通だったら抵抗するだろう。頭に添えられている手を振り払い即座に距離をとって拒絶する。結論から言って僕は抵抗しなかった。僕は普通じゃないから、抵抗なんてする訳が無い。この時の事はあまり覚えていないが、僕は多分懇願したんだ。振り払うのではなく、もっともっとと、おねだりしたんだ。でも、氷川は責めたい性格なのだろう。僕のお願いが聞かれることは無かった。

 

 氷川が口を離し、教室の窓から入り込む風が、額に当たりひんやりとする。夢見心地だった僕はここで我に返った。

 

「氷川.........お前って変態?」

 

「先に始めたのはそちらでしょう。それに、変なのはお互い様です」

 

「僕は確かに変だけど、友達の顔をぺろぺろ舐め回す犬プレイは絶対しないからな」

 

「私だって普通はしませんよ。。.........で、どうしたんですか?順番が前後してしまいましたが、何かあったんですよね」

 

「順番が前後したってお前、もし僕が相談してもその後に舐めてたのか!?.........まぁそれはいいや。結論から言って僕はお前のことが好きだ。この気持ちにはつい先日気づいた。お前のことを考えると胸が痛くなったり殺したくなったり犯したくなる。これって恋だよな?」

 

 家で一人になったり、座ってゆっくりしてると、頭に浮かんでくるのはいつも氷川紗夜の事。好きな人のことはなんでも知りたくなるとはよく言ったものだ。僕が今、一番知りたいことは氷川は死ぬ時にどんな声を上げて死んでいくのか。彼女の断末魔が聞きたい。あの凛としたすまし顔が苦痛に歪む瞬間を見てみたい、いつもこう思う。だから.........この気持ちは恋なのだ。純情な高校生の恋心なのだ。でも、この気持ちを誰が受け入れてくれるだろう。そう考えた時、僕は震えが止まらなかった。怖くて恐くて仕方が無かった。だから僕は今日、決着をつけにきたんだ。本当は、今だってドキドキしている。告白なんてサラッと出来るようなタイプでもなんでもないんだから。ゆるく告白したのは失敗した時にジョークと言えるよう保険をかけただけ。保険をかけて死なないようにしただけ。僕は今日、玉砕しに来たのだから。

 

「奇遇ですね、私もです。西上さんのことを考えると胸が締め付けられて苦しいんです。西上さんの目が欲しい。声が欲しい。愛が欲しい。.........これも、恋ですよね?」

 

 でも、結果は違った。彼女は僕を許すどころか、心まで同じだと言ってくれた。この時の僕にとってこの言葉は、どんなカウンセリングより、心を安定させて温めてくれた言葉だった。

 

 不意に、涙が溢れ出す。放課後の茜色に染まった教室だから、顔はあまり見られないだろうが、嗚咽でバレてしまう。別に隠すつもりはないけれど、やっぱり恥ずかしい。

 

「大丈夫ですから、泣かないでください」

 

「その気持ち.........嘘じゃないよな」

 

「ええ、勿論」

 

「じゃあ.........いいよな?」

 

「どうぞ。いっぱい気持ちをぶつけてください」

 

 そう言って彼女は手を大きく広げ、僕に優しく微笑みかけてくれる。

 

 さぁ、始めよう。世界に絶望した「敗北者」同士の傷の舐め合いを。

 

 当然だが、この時、僕と彼女はお互いに初体験だった。




恋愛や恋心に綺麗も汚いもありません。等しく、素晴らしい感情なのですから。龍樹君の性癖はとんでもないですが、紗夜さんを愛する気持ちだけは誰にも負けません。彼女だけが、ちゃんと見てくれる。ちゃんと愛してくれる。そう思っているので。

日菜書いてからこっちくると格差で筆者も引きます。ええ、自分で引きます笑

これから、ラブラブイチャイチャシリアスバイバイ展開です。(多分)

出血あり、陵辱あり、涙ありの全年齢対象小説となる!(全年齢対象では無い)

では、今回はこの辺で。

お読みいただき、ありがとうございました!

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