因みに和訳は、「僕を殺さないで、紗夜!!!!」です。
では、本編どうぞ!
彼女の細指が、僕の首に力をかけ始めて、何分経っただろうか。視界はチカチカと明滅するし、呼吸だってとても苦しい。苦しすぎて涙まで出てきてしまった。そんな涙を、彼女はぺろりと舐め上げる。.........その内眼球まで舐められそうで少し不安なのは、僕だけだろうか。
「いい顔です、龍樹さん」
「さ.........よ.................シてる時、は。その準敬、語みたいなの辞めるって.........やくそ、く」
「.........そうだったわね。悪かったわ、龍樹」
悪いとは微塵も思ってないような力で、今も絞めあげてくる紗夜。後で1.2倍くらいにして返してやるからな、覚えとけ.........よ。
もう、考える気力も力も無くなってきた。脳に酸素が行き届いていないのだから、当たり前と言えば当たり前の事だが。最初は紗夜の事を考えると胸がドキドキしてチクリと痛む.........そんな感じだったのに、今では物理的に色んなところが痛い。
喋ることも出来ないので、口パクで伝えることにしよう。僕の、この気持ちを。
『アイシテル』
口を動きを読み取り、僕の気持ちを汲み取った彼女は、とても愛する人に対する力とは思えない程、首を絞めてきた。多分、後がくっきりと残るであろう、そんな力で。
.........そして紗夜は、僕の意識をいとも簡単に消失させた。
─────── ─────── ───────
「紗夜、デートをしよう」
「デートならいつもしているじゃない。今だって、龍樹さんの部屋で」
「違う、そういう事じゃない。紗夜、高校生のデートって何するか知ってるか?」
「.........私は、経験が無いから知らないわよ」
「僕だって経験があるわけじゃない。.........けどこれは流石に違うと思うぞ」
「何が違うと言うの?こうやって愛を確かめ合うのは大切な事よ。大体、龍樹さんだって好きじゃない。せっく.........」
「うるせぇええ!!僕が行くって言ったら行くんだ!ほら、着替えろ!ウィンドウショッピングにカラオケ、映画館にゲーセンと行くところは沢山あるぞ!」
「.........そうなのね。龍樹さんは、私とするのはもう飽きたと、そういう訳なのね」
「え、いや誰もそんなことは.........」
「じゃあ、わかったわよ。私も勝手に使わせてもらうわ」
ちょ、こいつ何してんの。僕のパンツ剥ぎ取ろうとしてるんですけど、ゴム伸びるゴム伸びる!
「あと1回だけ.........お願い」
この後僕は、紗夜にめちゃくちゃにされた。勿論、1回だけな筈が無く、6時間くらいめちゃくちゃにされた。
─────── ─────── ───────
「お前のせいで夕方じゃねーか」
「私は3回目で止めたわよ」
「.........もう、その話はいいよ。んで、行きたいところはあるか?」
「楽器屋に寄りたいわ。その後は龍樹さんのエスコート力に任せるわね」
「期待するなよ.........?」
「大丈夫よ。龍樹さんがおかしいのは知っているから。もうどこに連れて行かれようが、覚悟は決まっているわ」
「.........あのさ、紗夜って僕のことなんだと思ってるんだ?」
「性欲の強いおかしい人」
「それって酷評とか批評とかを通り越してるよな」
「嘘に決まってるじゃない。.........大切な人よ」
この言葉を聞いた時、僕はとてつもない安堵を覚えた。ありえない、そんなはずないと、頭では分かっているけど、捨てられることを、嫌われる事を僕は、恐れていたのだ。紗夜にそう言って貰えて、一番に安心を覚えたという事は、きっとそういう事なのだろう。
「紗夜は優しいな」
「私が優しい訳じゃないわ。世界が厳しすぎるだけ」
そう呟く彼女の瞳は、真っ直ぐと前を見据える。凛とした彼女の横顔はとても綺麗で、名前も知らないRoseliaのボーカルの人に嫉妬を覚えてしまう。心が、魂が叫んでいる。紗夜は僕だけの物だと。誰にも渡さないと。
「.........なにか、プレゼントでも買うよ」
「いきなりどうしたの?」
「僕達は変だけど、それでも普通の事がしたいって言う、僕のわがままさ」
今は無理でも、いつか.........
──彼女を僕の物だけにする.........
そう誓った僕は、拳を握りしめ、ふっと笑った。まるで、結果が決まっている出来レースを下らないと言った表情で笑うように。
あー眠い!因みにこの話含めて3話は一日の夜で書きました。ん?眠いから文法おかしいな、まぁいいや。
更新ペースガチで上げてきます。赤バーが本気で欲しい。これ言っていいのかわからんけど、評価、感想よろしくお願いします!
では、今回はこの辺で。
お読みいただき、ありがとうございました!