Dream Shout   作:Re:GHOST

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演劇イベントあんまり回れなかった。かなしぃ.........

投稿ペース上げていきたい今日この頃。

では、本編どうぞ!



レゾナンス

「なぁ、なんか喋ってくれないか?とても気まずいんだが.........」

 

「喋って欲しいんですか?」

 

「いや、そういう訳じゃないけど。流石にここまで会話がないと不安になる」

 

「.........不安?」

 

「十三階段でも登ってる気分だよ」

 

「この階段は十三段じゃありませんし、何より私は、貴方になにかする気なんてありません」

 

「.........そうですかい」

 

「それにしても、随分と文学的な表現をするんですね。少し、驚きました」

 

「それは褒めてるのか?」

 

「お好きなように受け取ってください」

 

「.........そりゃどーも」

 

 こいつと話してると、どうにも調子狂うな。まぁいいか、そんなの気にせず、どんどん話しかけにいこう。

 

「お前が背負ってるのは、ギターケースか?」

 

「そうですよ」

 

 .........会話終わっちゃったよ。僕も口達者な方ではないが、流石にこれは酷いだろう。僕を馬鹿にしているのか知らないが、話を切り上げるのが早すぎる。コミュニケーションは大切ってわからないのか?

 

「.........悪かったよ。僕が悪うござんした」

 

「何を謝っているんですか?それに.........全く気持ちがこもってませんね」

 

「.........僕と全然喋ってくれないから怒ってるのかと思って。それに、謝罪の気持ちなら込めたつもりだ。2割だけ」

 

「.........残りの8割はなんですか」

 

「投げやりな気持ち」

 

「はぁ、そうですか。私は怒ってるわけじゃないですよ。少し、思うところがあるだけです。考え事をしていて、あまり話す余裕が無いだけなので、気にしないでください」

 

「気にしないでって言われてもな.........」

 

「ほら、余計な話ばかりしていたら、着きましたよ」

 

 ふと、僕の2歩先を歩いていた彼女が、足を止めた。どうやら口ぶりから察するに、目的地に着いたようだ。.........ここが僕の処刑場にならなきゃいいが.........

 

「ここって、屋上?」

 

「ええ、屋上です」

 

「なんでこんな所に?」

 

「行けばわかります。だから、ついてきてください」

 

 階段の踊り場で、僕に向かって喋る彼女はとても綺麗だった。窓から差し込む夕日が彼女を照らし、凛とした顔をよく見せてくれた。

 

「そういえば、君の名前はなんて言うんだ?苗字しか知らないんだけど.........」

 

「私は、貴方の苗字も、名前も知りませんけどね」

 

「え.........嘘だろ?」

 

「本当です。それに、名前を尋ねる時は自分から名乗るのが筋では?」

 

 この野郎、揚げ足取りやがって.........正論だから言い返せないし、そこがさらにムカつく.........まぁ、いいや、名前を覚えてもらうチャンスだと思えば.........な。

 

「.........西上龍樹」

 

「氷川紗夜です。以後、よろしくお願いします」

 

「よろしく.........それにしても、同じクラスなのに、僕のこと知らなかったのか?」

 

「.........知っていましたよ」

 

「え?さっき知らないって.........」

 

「嘘も方便.........ではありませんが、コミュニケーションを取るには、自己紹介が1番手っ取り早いので」

 

 こいつ策士かよ、まんまと嵌っちまったな。

 

「いい作文を書きますね」

 

「は?いきなりなんだよ」

 

「最初の現代文.........素晴らしい作文を書いていたじゃないですか。私は見ましたよ」

 

「.........おいおいおい、あの適当な、小学生でも書ける作文が素晴らしいだって?ふざけないでくれよ」

 

 だってあれは、全部ひらがなで書いたし、句読点もめちゃくちゃ、仕舞いには名前も書いてない始末。つまり、やる気が全くなかったのだ。それをこいつは素晴らしい作文だとか言い出した。僕が、少し怒ってしまうのも無理はないだろう。

 

「ふざけてなんかいません。.........あの作文には、魂が乗っていました、夢を諦めきれない、そんな魂が」

 

「知ったふうなことを言うな、お前は」

 

「ええ、知っていますよ。挫折の辛さも、才能に嫉妬する苦しみも」

 

 そう言うと、彼女は僕に微笑んだ。少し心苦しそうに見えたけど、彼女は慈愛の笑みを向けてくれた。

 

「.........お前にはわからないよ」

 

 僕は、その笑みに返す言葉が見つからなかった。出来たことといえば、1人で、彼女に聞こえぬよう、悪態をつくことだけだった。




今回は地の文より、会話を多めにしてみました。紗夜さんとの掛け合いの方が、読んでて楽しいかなと思い、いつもと少し、スタイルを変えてみたんです。どうでしたか?筆者は中々に書いてて楽しかったです笑。

主人公の名前が遂に明かされましたね。

にしがみ たつき という読みで大丈夫です。りゅうき と読んだ人も、少なからずいるんじゃないかな?

次回、龍樹死す!デュエルスタンバイ!(死にません)

では、今回はこの辺で。

お読みいただき、ありがとうございました!
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