Dream Shout   作:Re:GHOST

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感想が増えてきて、通知を見ると嬉しくて悶えちゃいます笑

寒い日が続きますが、風邪などを引かぬよう、体調にはお気をつけください!

では、本編どうぞ!



人間だもの

「風、強いな」

 

「そうですね」

 

「.........さっきから思ってたんだが、これ、会話になってなくないか?僕の言ったことに、お前が同調してるだけな気がするんだけど」

 

「そうですね」

 

 風になびく髪を手で抑え、目を細めながら彼女はそう言った。夕日が鬱陶しいのか、彼女の横顔は、僕には少し不機嫌そうに見える。

 

 けど不機嫌なのはこっちの方だ。端的に言ってキレそうなまである。こいつ、なんのために僕をここに連れてきたんだ?弱みを握って、僕で遊ぼうとしているのか.........

 

「.........で、なんで屋上に来たんだ?」

 

「同じでしたから」

 

「何が?」

 

「私と貴方は、同じなんですよ。私にもあったんです、貴方みたいな時期が」

 

「.........それは驚いたな、お前みたいな完璧人間が、そんな悩みを抱えてた時期があったなんて」

 

「人は、人である限り、完璧にはなれませんよ。欠陥があるから、人なんです」

 

「.........それもそうか。悩みなんて人それぞれあって、皆それを、自分なりに上手く飲み込んで、噛み砕いて、生きてるのか」

 

「ええ」

 

 僕がそう言うと、彼女は小さく頷いた。距離が少し近いからか、彼女の匂いが、僕の鼻腔をくすぐった。とても心が落ち着く匂いで、僕の頭からは、自殺のことなんて、すっぽりと抜け落ちていく。

 

「世界は、貴方が思っている以上に広いですよ」

 

「それは自惚れるなってことか?」

 

「いえ、ただの体験談です」

 

 手すりに手をかけ、隣で夕日を見ていた彼女が、こっちに振り返る。その顔は、クスッと笑っていて、とても魅力的に見えた。初めて、彼女のことが少しわかった気がする。

 

「突然ですが、青い薔薇は好きですか?」

 

「.........質問の意図がわからないな。そもそも、そんな色の薔薇って存在するのか?」

 

「青い薔薇の花言葉は、「不可能」なんです」

 

「また無視か......... まぁいいや、それで?なんでそんな花言葉なんだ?」

 

「実在しないからですよ。そんなものを作るのは不可能、夢物語だって」

 

「.........言っちゃ悪いが、そりゃそうだろ。真っ赤なものを、一体どうやって青くするんだって話だ。着色料でも使わなきゃ無理だろ」

 

「貴方の言う通り、世間一般ではそう思われていたんです。でも、実際は違った」

 

「もしかして作れたのか?」

 

「ええ、青い薔薇は作れたんですよ。そうして、花言葉は「不可能」から「夢叶う」に変わった.........」

 

「.........随分とロマンチックな話だな」

 

「私は、貴方に諦めて欲しくないんですよ。夢も、生きることも」

 

 今思えば、僕は、この言葉にどれほど救われたんだろう。言われた時は、顔にも口にも出してはいなかったが、僕はこの時、彼女に対する印象が変わったんだ。才能に嫉妬して、憎んでいた対象から、目指すべき目標、超えるべきライバルに。

 

「.........ありがとう」

 

「お礼を言われる筋合いはありませんよ。私は言いたいことを言っただけです」

 

「それでも、言わせてくれ。僕にとってはすごくいい言葉だった」

 

「.........失礼します」

 

 僕がそう言うと、彼女は少し赤面した。褒められることにあまり慣れていないのだろうか、照れくさそうに、屋上の入口へと踵を返していった。

 

「.........なぁ!」

 

「.........?」

 

 ドアノブに手をかけていた彼女を、僕は呼び止める。それは、言いたいことがあったからだ。ここで言わなきゃ、一生言えない、そんな気がしたからだ。

 

「お前のギターの音、聞いてみたいんだけど!」

 

「.........」

 

「.........駄目か?」

 

「.........その内、テレビを付けたら、嫌でも聞えてきますよ。それに.........案外すぐ聴けるかも知れませんよ?」

 

 彼女はそう言って、屋上から立ち去った。ギターケースを背負った背中は、とてもかっこよくて、僕は、その後ろ姿に見惚れていた。

 

「あいつ、とんだビッグマウスだな。でも.........嘘には聞こえないかった」

 

「すぐ聞ける.........か。どんな音なんだろ、やっぱり繊細でかっこいいのかな」

 

 そして、この翌日。

 

 僕は氷川紗夜の音に、命を救われた。




紗夜さん知的すぎてセリフ思いつかないぽよ.........でもやっぱり、この2人は会話多めの方が面白そう。気づいた人もいるかもしれませんが、ちょっとこの小説「物語シリーズ」に影響を受けています笑 まぁ私の文章力では足元にも及びませんが笑

前日にこんな会話をしといて、明日飛び降りなんて、普通の人ならしません。彼は普通ではないのです。

鬱の時って、気分の波がすごくて、楽しかったこととかが不意に、楽しくなくなったり、いきなり辛くなっちゃうんですよね。だから、彼は昨日の会話を忘れて、飛ぼうとしたんです。でも、それを紗夜さんが止めてくれた。そんな解釈で大丈夫です。

更新ペース上げていきます!どんどんついてきてください!

では、今回はこの辺で。

お読みいただき、ありがとうございました!
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