環境汚染が深刻な
『ここで一人寂しくってのを邪魔するようで悪いけど、どうせ死ぬんならもう少し楽しまない?そのための猶予と予算は当然用意するわ』
そうして用意された先で待っていたのは、それまで無縁だった
『折角
そう言ってまだ
すでに金属を思わせる巨躯は限界を迎え、細部が徐々に砕けていき、対峙する『アインズ・ウール・ゴウン』の面々を苦戦させてきた再生能力は機能していない。最早
「さっきのもそうだったけど、やっぱコイツ等のタフさは異常だわ。
いくら相手が運営権限を持つ半公式のボスで、『ワールド・ディザスター』の自身が後のことを考えて温存されていると言え、通常ならここまで苦戦することは考えられないとウルベルトが攻撃しながら漏らすが、イースレイはその場で
「スポンサー特権って奴か?確かにありそうっちゃありそうだよな、わざわざ終了に合わせてこんな大規模
「確かに大分
様子を窺いながら話に乗った弐式炎雷に答えるイースレイだが、左前脚の欠けた下半身は最早動くこともままならないようで、その場に留まったままで、直後背後から迫るグランディス・ブラック、紅白鰐合戦、ブルー・インパルスの攻撃も、無理矢理上半身を捻って受け止めた左腕がバラバラに砕け散る。それが決定打となったようで、伝搬するように砕けていき、遂には口のない頭部だけが残る。
「尤も流石にここまでみたいだが、な。まぁ自画自賛だが、相応に相手できただろうと思っておくよ……」
やがてそれもボロボロに崩れていき消滅すると、次の
「イースレイがやられたか。ならば私の出番もここまでだな。当人も言っていたが、お前ら複数人を相手に良く立ち回ったよ」
「よくやったな、お疲れさん。ってもこっちはまだかかりそうだけどな」
「なんだまだやる気か?すでにイースレイは倒れて
宣言通り先に進ませるつもりの武道に対し、武人建御雷はまだ終わるつもりではないようで、ロープに体を押し付け下がっていく。
「そりゃそうなんだろうけどよ、ここで終わっちゃアンタも不完全燃焼だろ?だから折角だし、これで決着を決めようぜ」
「……ふ、いいだろう。だがここで負けても文句は言うなよ?」
やがて武道も提案に乗り、同様に下がって勢いをつけていく。
「これで終わりだ!『
「ぜりゃああぁぁぁ!!」
そして両者がロープの反動で直進しすれ違う瞬間、先程とは比べ物にならない音と衝撃が周囲を包み、しばしの沈黙が訪れる。
『期限はあるけど、そこまでなら好きなだけ追求できる場を用意してあげる。あなたもこの世界に満足してないんでしょ?私もなの。だから最後は派手に決めようって、あなたみたいなのを集めてるの』
元々は些細な興味から始めた武術の追求だったが、いつしか本格的なものになっていき、様々な文献や映像に目を通していく中、壁に当たってしまう。今現在普及しているのは、いつしか金持ちの道楽に成り果てた、動きにキレも技術もない、さながら「紛い物」とでも呼ぶべき様な陳腐過ぎる有様の物で、到底期待も納得も出来なかった。
だからこそ『彼女』が示した破滅への片道切符は、非常に魅了的に感じたのだろうと、今でも思う。
ピシリ、と何かが割れる様な音がすると、武道に身を包む道着にひびが広がり、やがて砕け散るとともに本来の姿――ギリシャ神話の神像を思わせる風貌をしたザ・マンが現れ、リングに倒れ込むとともにどこからかゴングの音が鳴り響き、試合の終了を告げた。
「見事だ、武人建御雷……最後にお前ほどの猛者と戦えて……感謝する、ぞ……」
「こっちこそアンタとの大勝負、楽しかったぜ」
表情が変化したならば、おそらく笑顔で交わしたろうやり取りが終わるとともに、ザ・マンが消滅し、これでこの
「すまんなモモンガさん、勝手な真似しちまって」
「いえいえ。さすがに無事とは言えませんが、こうしてお互い勝利できたんですし、あのまま不完全燃焼にしない方が後腐れなかったでしょうから、よしとしますよ」
「おかげで大苦戦したけどな」とヤジが飛ばされたが、結果としてはボス担当者を2人撃破できたのだから、充分と言えよう。
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