俺は一旦立ち止まると仙術を練って仙人モードになり、周囲を探知する。
「……さすがに、もう一体遭遇とかシャレにならない。……ん?」
周囲数キロ単位で探る。念のために首都も探ってみると……。
「…どういうことだ?子供たちが…この気は…ソーナたちか?」
俺は探知を終える直前に感知する。
…この気は……英雄派の…ジャンヌとヘラクレスだな。
「俺が行く。…兄さんたちは、あのジャバ…何とかを止めるんだろ?」
サスケの問いかけに、俺は少し頭を悩ませ…了承する。
「わかった。サスケ、あまり派手に暴れるなよ?子供たちまで巻き込んだら、元も子もない――」
「そのぐらいはわかっている。いつまでも、子ども扱いはしないでくれ…」
サスケはそう言い残し、首都の方角へ走っていく。
「リュースケ、よかったの?サスケが抜けた分…かなりきついと思うけど…」
奏がそう言うが、俺は先ほど感知した気のことを言う。
「奏、俺たち以外にも『
…まぁ、そいつらは黒歌たちなんだけどね。
『…主、我も参加してよいか?あの魔獣、何となく気に入らなかったもんでな』
内から話しかけてくるムラクモ。気に入らなかったって…。
『それとだが、……十尾とか言っていたな?そいつはとっくに起きていやがるぞ。狸寝入りしているがな』
…起きてたのか。狸寝入りって…守鶴がするんじゃないのか?
好奇心には、誰も勝てないってところらしい…。
「早く終わらせる…リュースケ、力を解放できる?」
龍巳がそう問う。
「あぁ、内にいるムラクモと十尾にも力を貸してもらう。最終形態の須佐能乎なら、一気に勝負がつく」
「私も皆の力を一点に集中させるから、一気に終わらせよう!」
「……っ!」
奏がそう言ったときだった!
「ど…どういうことだ?サスケの向かっている方向に…新たなチャクラを感じ取ったぞ…っ!!」
その言葉に全員が驚愕の表情をする。
「お兄ちゃん…、敵?…それとも……」
花楓の言葉に、俺は黙って瞑目した。
D×D
「――ここだな?兄さんが感知したのは」
俺は首都へ辿りつくと、そこそこ高い高層ビルの最上階――屋上に立つ。
遠目に黒い巨大な龍が巻き上げている様子が見える。
「……あれは、確か」
この区域で一番高い高層ビルの屋上から、翼を広げて飛ぶシルエットが複数と宙を飛ぶシルエット二つが見えた。
「行くか」
俺は須佐能乎の翼を展開して、その方向へ飛び出した。
D×D
龍王と化した匙くんの姿が見えた場所――高層ビル群が建ち並ぶ区域の広い車道に降り立った僕たち。そこはすでに戦火に包まれており、建物や道路、公共物が至るまで大きく破損されていた。
人気を感じ取れないのは幸い。車も車道を走っていないし、歩道にヒトが歩いているわけでもない。この区域の非難はほぼ完了しているみたい。
「グレモリー眷属!」
聞き覚えのある声に引かれてそちらに振り向くと――タイヤが外れた一台のバスを守るようにして囲むシトリー眷属女子陣あった。
――バスのなかには大勢の子供たちが乗っていた。
「状況は?」
部長がシトリー眷属『
「このバスを先導している最中に英雄派と出くわしてしまいまして……。相手はこちらがシトリー眷属だとわかると突然攻撃をしかけてきたんです。バスが軽く攻撃を受けて機能を停止してしまったのでここで応戦するしかなくて……会長と、副会長と、元ちゃんが……っ!」
涙混じりにそう言う巡さん。
「あれを!」
ロスヴァイセさんが右手側を指さす。ショップが立ち並ぶ歩道で、英雄派の巨漢ヘラクレスにのどもとを
すでに匙くんは体中が血だらけとなっており、意識を失いかけている様子だった。その近くで路面に横たわるソーナ会長と、英雄派のジャンヌと戦っている真羅副会長の姿が目に入った。
ヘラクレスは匙くんをつまらなそうに放り捨てると、倒れているソーナ会長の背中を踏みつける。
「ぐぅっ!」
悲鳴を上げるソーナ会長!!
ヘラクレスは嘲笑い吐き捨てるように言う。
「んだよ、レーティングゲームで大公アガレスに勝ったっていうから期待してたのによ。こんなもんかよ」
「ふざけないでッ!子供の乗ったバスばかりを執拗に狙ってきたくせに!それを庇うために会長も匙も実力を出し切れなかったのよッ!そうするように仕掛けたのはあなたたちじゃないのッ!」
真羅副会長が涙を流しながら激昂していた。その表情は悔しさと怒りに染め上がっていた。普段、会長よりもクールな真羅先輩がそこまで表情を露わにするなんて……。よほど悔しかったに違いない。
そして、その理由は……ヘラクレが子供たちの乗っているあのバスを狙ったから……?
あまりに卑劣なおこないに僕は内心で爆発しかけていた。
……敵はヘラクレスとジャンヌのみ。曹操とゲオルクが見かけられない。別行動?
真羅副会長を聖剣で突き返すジャンヌが嘆息する。
「私はそんなことするのやめておけばって言ったけど?まあ、ヘラクレスを止めることもしなかったけれどっ!」
ジャンヌが周囲に聖剣の刃を幾重にも発生させて、真羅副会長の足場を破壊する!
体勢を崩した副会長のもとにジャンヌの剣が襲いかかっていく!!
僕は瞬時にその場を駆けだした!
一瞬で間合いを詰めてた僕は鋭く放たれたジャンヌの一撃を抜刀したグラムで防ぐ。
「いい加減にしてくれないかな」
僕は低い声音でそう向けた。
ジャンヌは僕が手にしている得物を見て仰天する。
「……グラム!?まさか、ジークフリートが!?」
「そう、僕たちが倒したよ。このグラムは僕を新しい主に選んだらしい」
僕の腰にはグラムと――彼が持っていた魔剣すべてが鞘に収まっている。
彼を倒したあと、この魔剣たちも僕を主として認めてきたの。
「へっ!こんな奴らに負けるなんて、あいつもたかが知れてたってわけだ」
ヘラクレスは彼を嘲笑うだけだった。
「……英雄派の正規メンバーがやられ続きか。グレモリー眷属と暁にこれ以上関わると根こそぎ全滅しかねないな」
後方から第三者の声。――霧と共に現れたのは霧使いのゲオルクだった。……やられ続き?もしかして、例の『
ゲオルクが言う。
「悪いな、ヘラクレス、ジャンヌ。そのヴリトラの黒い炎が予想よりも遥かに濃かったものだから、異空間での解呪に時間がかかった。解呪専用の結界空間を組んだのは久しぶりだ。――伝説通り、呪いや縛りに長けた能力のようだ、ヴリトラめ」
「はっ!未成熟とはいえ、龍王の一角をやっちまうなんてな!流石は
ヘラクレスは彼を称賛した。そうか、ゲオルクが中心となって匙くんを打ち倒したのか。
この魔法に長けた
「――
『……っ!!』
そのとき、上空から声が発せられた。…直後、僕の前に一人の影が出現する!
「兄さんが二人と言っていたが…いいか」
目の前に現れたのは、二日前に突然現れたリュースケさんの弟――確か、『うちはサスケ』って名乗っていた。
「さて、まずは人助けからか…」
彼は右手を前に着きだして、その手のひらに黒い炎の剣を出現させた。
「炎遁、加具土命!」
薙ぎ払われた剣から、黒い炎が散弾してジャンヌとヘラクレスに迫っていく。
両者は軽々と黒い炎を避ける。
「さて……」
瞬間、目の前から彼の姿が消える!その直後にソーナ会長と匙くんのもとに移動していた!……なんて速さだろう、僕の目に捉えれないなんて!
青紫のオーラが彼を覆っていくと、大きな腕らしきものがソーナ会長と匙くんを摑んでいた。
「速いな!」
ゲオルクの手元に魔法形式の魔方陣が出現する!
彼はゲオルクのほうを向くと、右目を閉じる。
ゲオルクが放つ巨大な炎の球体!炎の魔法!!
僕はグラムを両手で握りしめて、彼に襲いかかっている炎の球体へ向かって走り出そうと一歩踏み出した――その瞬間だった。
僕の全身を悪寒が襲い、脚が震えて動けなくなった。……一瞬のことで何が起きたのかわからなかった。
そして、炎の球体が彼を襲う直前、その炎の球体は彼に当たることなく…黒い炎に包まれて消滅していた。
僕は硬直が解けると周囲を見渡す。ここにいる者たち全員が体を硬直させて立ち尽くしていた。
ゲオルクが彼に驚嘆の言葉を漏らした。
「……すごい殺気だ。いまの一瞬でこの場にいる者が動けなくなった……」
「俺の殺気にあてられただけで動けなくなるとはな…。兄さんに比べれば、俺は爪楊枝並みのものしか出していない」
そう言い残して彼は飛び上がると、僕の前に着地して二人を地面に寝かせる。すると、彼の周囲に出現していた青白いオーラが消失していく。
「…こいつらを運んでくれ。少しだけだが、あいつらは俺が相手をする」
僕はうなずいて龍の騎士団を出現させて、ソーナ会長と匙くん、真羅副会長を運んでもらうように命じた。
騎士団は彼女たちを抱えるとそのまま部長たちのもとに向かっていく。僕もその後ろについて移動した。
「――お返しだ」
直後、ゲオルクへ向けて彼が大きな炎の球体を放った。
僕は部長たちのもとへ着くと、龍の騎士団へ指示を送って二人を寝かせる。
「しっかりしてください!」
アーシアさんがソーナ会長と匙くんの回復を始める。彼女を中心にして緑色の淡いオーラが発生していく。効果範囲の広い回復だ。
僕は彼のほうを見る。三人を相手に攻撃をいなす、または相殺しつつ攻撃をしている。
そのときだった!彼がゲオルクの魔法を相殺した直後、片膝をついてしまった!
三人の攻撃が彼を襲う!僕はグラムを握りしめて駆け出そうとした。
「――回天!絶!!」
瞬間、彼を中心に爆風が巻き起こり、僕はグラムを地面に突き立てた。
D×D
「――回天!絶!!」
俺の目の前まで迫っていた三人が、一瞬で吹き飛ばされていく。
軽く息を吸うと、立ち上がって眼前に立っている人物を見据えた。
「……お久しぶりです、先輩」
そいつは構えを解くと、俺のほうを向く。
「……おまえは…誰だ?」
俺の一言にそいつはショックを受けるが、すぐに引きつった笑顔で言った。
「…私ですよ、
「美柑…」
俺は生前の記憶を思い出す。
「……あぁ…思い出した。おまえ、近衛美柑か?」
「やっと思い出してくれましたね。…っと、先にあの人たちの相手をしないと」
美柑は再度構えを取る。俺はボロボロの体に鞭を打って美柑の隣に並び立った。
「無理しないで下さいよ、先輩」
「…いや、まだいける」
俺の言葉に、ふっと美柑が微笑む。
「向こうと全然変わっていないんですね。先輩」
「あぁ、俺は何も変わっていない。何もな」
D×D
「――いたわ!『
私が前方を指さしてそう叫ぶと、カミュがホバリングで『
「それにしても…大きいわね」
私たちが見上げても、頭は遥か上空にあるように小さい。
「……さて、私たちの奥の手を披露しましょう」
ベネチアが黒い微笑みを浮かべながらそう言う。私も、ベネチア…皆と同じに感情が高ぶっていた。
さっ…と、全員が散開する。幸い屋上は結構広く、ドラゴンの姿でいるカミュを中心に円を描くような配置で立っていた。
ゴォォォォォォォオオオ――
地面――建物自体が地鳴りと共に揺れだす。
私は深く息を吸い…吐く。
周囲の気に集中し、それに自身の気を合わせていく。
混ざり合う気と気…。私は薄く黒い気に全身を包まれていた。
――黒歌モード。
私はこの状態をそう名付けた。……リュースケは、『厄猫モードじゃないか?』なんて言っていたけどね。
周囲を見渡すと……スバルは蒼雷に身を包み、メイルは体のいたる場所から冷気を発している。
アースは禍々しいオーラをまとい、カミュは人の姿に戻っているけど……全身を紅蓮のオーラで包み込み、表情は憤怒へ豹変している…。
ルリエル、レヴィ、ベラナ、アリスは、悪魔の――魔王の翼、六対十二枚を展開していて、破壊、絶氷、暗水、灼熱のオーラをまとっている。
マキア、ベネチア、サルベリアは、悪魔の翼、五対十枚を展開して、暴風、業炎、豪雷のオーラをまとっていた。
冴子は鬼姫と化し、全身から紫のオーラを放っていた。
マリアとカラワーナは特に何も変わっていない。いつもと同じ戦闘の姿だった。
「「先手は私たちからッ!」」
スバルとメイルがお互いに手を握り、天へ突きだす。すると――、
バヂッ…ヂヂヂヂヂッ!!
蒼雷が一つの球体へ形を成していく…直径はおよそ五メートル。
それに続いて球体の周囲を氷が覆い尽くしていく!
瞬く間に蒼雷を氷で閉じ込めてしまった!!
「「ブリザード・ティアラ!!」」
ドゴォォォォォォォオオン!!
二人の技は直撃して爆風が吹き荒れた!しかし、『
「手を休めず、次々に仕掛けるぞ!」
ゴバァァァァァァァアア!!
超出量の火炎をまとったカミュがそう言い、『
軽くフラついている『