ハイスクールD×D 力ある者   作:塩基

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アーシア救出に行きます!

「くそっ!!」

 

ゴンッ!!

 

「(……初めて見た。兄さんがここまで追い込まれた姿なんて…)」

 

俺――兵藤 一誠は、今目の前で壁を殴った兄さんを見ていた。

 

「……今からアーシアを助けに行く。俺とイッセー、白音、黒歌、祐奈、レイナーレが教会へ表

 

から行く。裏からはリアス、朱乃、花楓が行ってくれ。辰巳、カラワーナ、ミッテルト、カミュ

 

は部室で待機。この3人を守ってやってくれ。……グランドは俺と花楓で片付ける。全員用意を

 

していてくれ!」

 

兄さんは冷静さを失っているようにしか見えない。……たぶん焦ってるんだと思う。

 

「兄さん、本当に大丈夫?もうすこ「大丈夫だ」…そう」

 

「悪いな…心配させて。…俺は落ち着いている。何…どんな風に蹴散らすか、そこで見てた方が

 

身の安全だぞ?」

 

「……兄さんが落ち着いてるならいいけど……何をするつもり?」

 

この部屋にいる全員が兄さんに注目していた。

 

「…ただ、俺は正面から焼き払うだけだ。…あとは、花楓が『屋上』から叩き潰す……そ

 

れだけだ」

 

そう言い残して、兄さんは花楓ちゃんを連れて部室を出て行ってっしまった。

 

「「「「「「「「………………」」」」」」」」

 

全員が黙ってしまい、気まずい空気になってしまった。

 

「……信じるしかないにゃ」

 

沈黙を破ったのは黒歌姉さん。

 

「ああ見えて龍介は策士にゃ。二人とも私たちの見たことないモノばかり持ってて強いにゃ。だ

 

から私は二人を信じて待ってるにゃ」

 

…黒歌姉さんがそこまで言えるのは、物凄い信頼があってこそなんだと思う。

 

「…我もそう思う。龍介我より強い。もしかすると、グレートレッドより強いかもしれない」

 

「「「「「………」」」」」

 

グレートレッド?……誰のことなんだ?

 

「……辰巳、その…グレートレッドって誰?」

 

「……イッセー、『赤い龍』と呼ばれる龍は2種類いる。1つはイッセーに宿るウェールズの古

 

のドラゴン・・・・・・『ウェルシュ・ドラゴン』。赤龍帝だ。…だが、もう1体だけ『赤い龍』がい

 

る。それが『黙示録』に記されし、赤いドラゴンだ」

 

いつの間にか俺の隣にいた兄さんが教えてくれた。

 

「…先に言っておくが、俺は分身体だ。本体(オリジナル)は花楓と共にいる」

 

俺の思っていたことを瞬時に判断したのか、教えてくれた。

 

「…そのことは後で説明する。先にさっきの続きだ」

 

兄さんはそう言って話を戻した。

 

「『真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)』グレードレッド。『真龍』と称されるドラゴンだ。または『D×D(ドラゴン・オブ・ドラゴン)

 

とも言われている。自ら次元の狭間に住み、永遠にそこを飛び続けている。辰巳……無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)

 

のライバルであり、この世界の全てにおいて現トップに君臨している。いわゆる『最強の存在』

 

ってことだ」

 

「…そんな存在があったんだ」

 

俺は豆鉄砲を食らった鳩みたいになっていた。

 

「……始まるぞ。下を見てみろ」

 

兄さんの言葉で部室にいる全員が窓から下を見た。

 

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!

 

兄さんが大きな複数の火の塊を広範囲に吐き出した!!?

 

それで前衛にいた大半の集団悪魔祓い(エクソシスト)が焼滅した。

 

「……あれは『火遁・豪火滅却(かとん・ごうかめっきゃく)』だ。大量の火の玉を壁の如く広範囲に広げて焼き尽くす。火力

 

が高いから、こういった広い開けた場所なら結界ありで発動できる。……上を見てみろ」

 

解説してくれた兄さんが、上(空中)よと指をさす。

 

その通り上を見てみると……

 

ブワッ!

 

大きな影が映りこんで……

 

ドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!

 

集団の悪魔祓いの中衛に着地した。

 

「ギュオォォォォォォォォォォォォォオッ!!!!」

 

そこには見たことのないサイズの大猪が大半の集団悪魔祓い(エクソシスト)を屠っていた。

 

――2分後――

 

五百近くいた悪魔祓い(エクソシスト)が、今は一人も残っていない。

 

「…さて行くとするか。全員準備はできてるな?」

 

「…準備万端です。龍介お兄さま」

 

「私もできてるにゃ」

 

「こちらも出来てます」

 

「準備できてます。龍介さん」

 

「私も出来てますわ」

 

「それじゃ、行きましょうか」

 

「よし」

 

出撃組全員の状態を確認した兄さん。

 

「あっ、そうそう。全員の首についてるアクセサリー外すなよ?大事なものだから」

 

その言葉に全員が自分の首元を見た。

 

「「「「「「「「「いつの間に!!!!!!!」」」」」」」」」

 

俺も見て驚いたよ。

 

「黒歌、魔方陣を敵アジト裏と表に展開を頼む」

 

「…わかったにゃ。連続はきついけど」

 

そうも言いながら、魔方陣を描く黒歌姉さん。

 

「…花楓ちゃんたちは「もう行ってるぞ」…はやっ!」

 

「分身の俺はここに残る。本体(オリジナル)と花楓はもう協会についてる頃だろう。向こうについたら……

 

っ!今本体から連絡が入った。堕天使トップと連絡(コンタクト)をとった。……『全滅させて構わない』だそ

 

うだ。…これで心置きなく闘れるな?リアス」

 

「……っ!!堕天使トップと!?……えぇ、それなら遠慮なく消滅させてもらうわ」

 

驚いた部長だったけど、すぐに納得した表情になった。

 

「準備できたにゃ。全員入って!」

 

魔方陣が二つ。右は黒で左は白。

 

「黒が裏側、白が表にゃ!」

 

全員割り当てられた魔方陣に入る。

 

「行くにゃ!」

 

黒歌姉さんが魔方陣を発動させた。

 

パァァァァ!!

 

魔方陣が光りだし、俺たちは一瞬で場所を移動した。

 

                    D×D

 

「おっ!来たか」

 

俺――遠山 龍介は、教会の表で強襲組を待っていた。

 

目の前に魔方陣が現れ、数人の影が転生されてきた。

 

その影はイッセー、白音、黒歌、祐奈、レイナーレ。どうやら上手くいったようだな。

 

「お疲れ……と言いたいところだが、それはこの作戦が成功してからだ。……突入するぞ!」

 

「「「…はいっ!」」」

 

「「了解にゃっ(です)!!」」

 

「(……万華鏡写輪眼(まんげきょうしゃりんがん)須佐能乎(スサノオ)!!)」

 

俺は須佐能乎の片腕のみを出して、教会のドアを吹き飛ば(破壊)した。

 

ドゴォォォォォォオン!!!

 

ドアは勢いよく吹き飛び、中央の床を滑っていく。

 

ちなみにこの万華鏡写輪眼はイタチのモノと全く同じだが、永遠の万華鏡写輪眼にしている。…

 

もちろん合成で。

 

「……不気味ですね」

 

白音が中の様子を窺いそう言った。

 

パチパチパチ。

 

突然聖堂内に響く拍手。柱の物陰から人影が現れた。

 

「……またお前か」

 

俺は警戒した……こいつ、ゴキブリ以上の生命力だ。

 

「ご対面!再開だねぇ!感動的だねぇ!」

 

フリード・セルゼン……相変わらずふざけた笑みを浮かべているな。

 

「俺としては二度会う悪魔はいないってこと『俺は人間だがな』…それはちょっとした例外だね

 

ぇ。…ほら俺、メチャクチャ強いんで悪魔なんて初見チョンパなわけですよ!『花楓に止められ

 

てたにゃ』…あのビッチ、俺の時間を止めやがって…ムカつくわけでさ!死ねと思うわけよ!つ

 

ーか死ねよ!このクソ悪魔とクソ人間のクズどもがよぉぉぉぉぉぉぉぉおッッ!!!」

 

「(喜怒哀楽の激しい奴だ……面倒だな)」

 

俺は背中に隠しておいた隠し刀(十束の剣の一振り)を抜き取った。

 

チャキッ!

 

「……二重加速(ダブルアクセル)ッ!!」

 

                    D×D

 

「……二重加速(ダブルアクセル)ッ!!」

 

ダダッ――

 

僕――木場 裕奈は目の前の出来事に唖然としていた。

 

龍介さん…イッセー君の兄で、部長のお兄さん(魔王様)の御親友の人。その人が僕たちの目の前で、二人

 

に分裂して高速で突っ込んでいった。

 

「(は、速い!僕より速いなんて……人間のできる芸当じゃない!)」

 

「おせぇよっ!」

 

はぐれ神父が前方の龍介さんを懐から取り出した光の剣で斬った。

 

ハシュッ!

 

カシュッ!

 

斬られた筈の龍介さんは残像で靄のように消えた。その瞬間、手に持っていた隠し刀を床に突き

 

立てていた。はぐれ神父はその一瞬で驚愕の表情になった。…はぐれ神父は龍介さんの速さに目

 

が追いついてなかったんだ!

 

ドゴンッ!!

 

鈍い音がはぐれ神父から聞こえた。

 

ガラガラガシャーンッ!!

 

並んでいた木製の長椅子を派手に吹き飛ばしていき……はぐれ神父は窓ガラスを割ってどこかへ

 

吹っ飛んで行ってしまった。

 

「…………」

 

これには龍介さんも呆れてモノが言えないでいた。

 

「すっ、スゲー!兄さん!いつの間にあんなものを!?」

 

「(……イッセー君は…悪魔になったばかりだし、仕方ないよね…)」

 

「全員下がってろ。床を突貫する」

 

……突貫っ!!地下までどうやって!?

 

「…龍介の言うことにゃ。何か策があるんだと思うわ」

 

黒い着物を纏っている黒歌さん。一番龍介さんを理解している人。

 

少し離れたところで龍介さんがこっちを見て、僕たち全員を確認していた。

 

フワァァッ…

 

龍介さんの足が地面から離れた。

 

「(えっ!!龍介さんが宙に浮いてる!!)」

 

塵遁(じんとん)――」

 

龍介は僕たちに背を向けて、何か印を結んでいる動作をしている。

 

原界剥離の術(げんかいはくりのじゅつ)!!」

 

                    D×D

 

原界剥離の術(げんかいはくりのじゅつ)!!」

 

キューン――スサァァァ!!

 

棒状に伸ばした塵遁が、真下の床を塵と化しながら突貫していく。

 

「……少しは(けず)れたな」

 

俺は白眼で地下の状況を窺っている。

 

俺の撃った術は敵の集団のど真ん中。そのど真ん中の奴らは、今ので大半が消滅した。

 

ズゥゥゥゥゥウッ!!

 

俺は両目を写輪眼に変え、神威(カムイ)を使って大きなヒョウタンを取り出す。

 

ザァァァァ――

 

そのヒョウタンの中の砂を操って、人一人が乗れるサイズの浮く砂クッションを人数分作り出

 

す。

 

「全員その砂に乗ってくれ。見てわかると思うが、この突貫した穴から地下へ侵入する」

 

ヒョイヒョイ――

 

イッセー以外は難なく乗れたが……

 

「…兄さん、これ位置が高くて乗りずらい」

 

何故かイッセーのだけ高い位置に砂が停滞していた。

 

「……何やってんだ?」

 

俺はそう言いながら、その砂を動かして丁度いい高さに設定してやる。

 

「……全員しっかり掴まっておけよ?」

 

「……掴まるところないんだけどにゃ~」

 

黒歌からの突っ込みがあったが、あえてそこはスルーさせてもらった。

 

スゥゥゥゥゥゥゥ――

 

ゆっくりと砂が動き出し、穴の中へ侵入していく。

 

全員が侵入したのを確認した俺は、砂の降下速度を少し加速させる。

 

「うわっ!!」

 

イッセーの声がした。恐らく突然の加速でバランスを崩しかけたんだろう。

 

「……仕方ない。全員それに掴まっておけ」

 

ズズズ――

 

俺以外の砂からスクーターの様な持ち手が現れた。

 

ズゥゥゥゥゥウッ!!

 

俺は神威でもう二つ砂のヒョウタンを取り出し、それを到着点目がけて投下&解放した。

 

ズザァァァァァァァァァァァァアッッ!!!

 

ヒョウタンの中から圧縮された砂が勢いよく出てきて、中が空になるとヒョウタンも砂に戻って

 

地下へと降下していった。

 

「(これで…ある程度は足止めできるな)」

 

出口が近づいてきてるのを確認した俺は、全員の砂の速度を減速させた。

 

ざわざわざわ――

 

出口付近から多くの声が聞こえてきた。

 

「(どうやら、さっきの砂で混乱しているようだな)」

 

俺の奇襲は思った通り、敵の集団に大打撃を与えていた。

 

手加減もしていたので、地下の床に穴は開いていない。

 

俺は天井の穴(出口)から出ると、集団の動き()を完全に奪うための動作に入る。

 

「……砂縛柩(さばくきゅう)!」

 

これで床に撒かれた大量の砂が瞬時に固まり、集団の動きを止めてしまう。

 

「足が抜けない!!」

 

あちこちで声が上がっているが、俺は聞き流しながら次の動作に入った。

 

砂瀑送葬(さばくそうそう)ッッ!!!」

 

バキボキバキッ!!!

 

「「「ギャァァァァアッッ!!!!」」」

 

砂に埋まっている全員の足が潰れ、持ち主(エクソシスト)たちが悲鳴を上げていた。

 

「……意外と兄さんって、惨いことするんだね」

 

「私より惨いと思うにゃ……」

 

「……そうですね」

 

「「…………」」

 

今のは聞かなかったことにしておこう。

 

俺は周りを見渡すと、ある一か所に目が留まった。

 

十字架に磔にされたアーシア・アルジェントと、傍で何かの術式を弄っているドー

 

ナシークがいた。

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