ハイスクールD×D 力ある者   作:塩基

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戦闘校舎のフェニックス
赤龍帝と赤き龍


「…ここは、どこだ?」

 

俺――兵藤 一誠は、何故か教会(チャペル)らしき場所にいた。

 

「ちくしょう!イッセーがなんで結婚なんて!」

 

「何かの間違いだ!これは何かの陰謀だ!」

 

坊主頭の松田、メガネをかけた元浜。悪友二人が恨めしそうに贈ってくれている。

 

「イッセー!おめでとにゃ!」

 

「…イッセー兄さま、おめでとうございます」

 

「イッセー、よくここまで育ってくれたのぅ」

 

黒歌姉さん、白音ちゃん、カミュが嬉しそうに言葉を贈ってくれた。

 

俺は全身を見渡す。その格好は、白のタキシード。

 

「(これって……俺の結婚式!!??)」

 

唐突で呆気に取られるが……こうなると嫁さんは?俺の相手(パートナー)は誰なんだ?

 

「イッセー、きょろきょろしてはダメよ」

 

隣から聞き覚えのある声がする。横を向けば……部長がいた!!

 

「(……ウエディングドレス姿が眩しすぎて直視できないぜ……とっても綺麗です!部長)」

 

……ってことは、俺の相手(パートナー)は――。

 

「いついかなる時も――」

 

…っ!俺と部長はいつの間に祭壇に立ってたの?

 

「……って、兄さん!?」

 

白い髭をつけて神父の服を着ている兄さんが、目の前でありがたいの言葉を言っていた。

 

頭の中が混乱してきたぁぁぁ!!!!

 

「それでは誓いの口づけを」

 

兄さんの言葉でこっちを向いたリアス部長。

 

キス!?マジですか!!?

 

俺は覚悟を決め、部長のヴェールをまくってキスを――。

 

『随分と盛り上がってるじゃないか、クソガキ』

 

……っ!?

 

俺の頭の中に低く…でも、とても身近にいるような声がする。

 

『そうだ。俺はお前の傍にいる』

 

……誰だ?

 

周囲を見渡すと、教会は消えていて部長も誰もいない。

 

どこにいいるんだ?

 

周囲は闇、闇しかない。

 

「さっきの声は一体……」

 

『俺だ』

 

「うわっ!」

 

当然だ。目の前に巨大な怪物が姿を現せば誰でも驚くさ。

 

大きな目、血のような赤い目、耳まで裂けた口に鋭い牙が何本も生えそろっている。

 

俺はフィクションの世界で出てくるこの存在を知っている。

 

――ドラゴン。

 

『そうだ、その認識でいい。俺はずーとおまえに話しかけていた。だが、お前が弱小すぎたせい

 

か、今の今まで俺の声が届かないでいた。やっとだ。やっとお前の前に出現できた』

 

「マ、マジかよ!!じゃ、じゃあ、俺を食べる気なのか!?」

 

『食べる?不味そうなおまえをか?冗談はやめてくれ。そうじゃない。これからともに戦う相棒

 

に挨拶をしたかっただけだ』

 

「相棒!?どういうことだ?意味がさっぱり――」

 

「ほう、ここがイッセーの精神の空間か」

 

第三者の声が後方から聞こえた。俺はその『よく聞く声』の方に顔を向けた。

 

「っ!兄さん!?」

 

「そうだが、そう驚くことでもないだろう」

 

『…っ!!どういうことだ?ここは俺と相棒の他に入ってこれるはずがない空間だぞ!?』

 

マジで!?俺と目の前の赤いドラゴン以外は入ってこれないって、兄さん……いったい何をした

 

の?

 

「……そうか、俺は相手の精神や夢の中に出入りできる……イッセーはよく見ている筈だが?

 

…この目を」

 

兄さんがこっちを向いた。その眼は――。

 

「……そういうことか!だから出来たんだ」

 

「そういうことだ。この目の能力で、相手の精神内に入り込んで会話することができる」

 

……万華鏡写輪眼(まんげきょうしゃりんがん)。最近兄さんが見せてくれたモノ。

 

『…そういうことか!!ふふふ、おもしろい。お前の名を訊いておこう!!』

 

「名は…遠山 龍介だ。赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)ドライグ、義弟(イッセー)をあまり虐めないでくれよ?」

 

『龍介…覚えておこう。相棒、また話そう』

 

フワァァ――。

 

意識がどんどん遠退いていき、目の前が真っ白になった。

 

                    D×D

 

目を開けると、そこは見慣れた自室の天井だった。

 

「…起きたか、これでも咥えておけ」

 

体を起こすと目の前には兄さんがいた。しかも、いきなり何かを咥えさせられたし。

 

「…もぐもぐ」

 

咥えてあるものを食いちぎってみると、それは市販で売ってある『カロ○ーメイト』だった。

 

「もぐもぐ……兄さん、さっきのあのドラゴンは?」

 

「……赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)『ドライグ』。お前の神器(セイクリッド・ギア)に封印されている天龍だ」

 

「…マジ!なんか、凄いんだけど」

 

「それより――」

 

クイクイ

 

兄さんが窓の外を指さす。

 

兄さんの隣から下を見てみると、我が家の門前で紅い髪の美少女――リアス・グレモリー部長が赤いジャージ姿で立っていた。

 

『早くしなさい』

 

苦笑しながら、そう口を動かしていた。

 

「今行きます!」

 

俺はソッコーで寝間着からジャージに着替え、兄さんから残りの『カロ○ーメイト』を貰って部

 

屋を飛び出した。

 

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