ハイスクールD×D 力ある者   作:塩基

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悪魔やってます!!

俺――遠山 龍介は、はぐれ悪魔の討伐任務を終え、サーゼクスに魔方陣で連絡をとっている。

 

『……そうか、わかった。それならはぐれ悪魔のリストから外しておこう』

 

「悪いなサーゼクス。迷惑ばかりかけてしまって」

 

『いいんだよ。『親友の困ったときは手を貸す』が約束なんだから』

 

「…本当にすまないな。ありがとう」

 

『いいよ……おっと、そろそろ仕事に戻らないとグレイフィアに怒られる』

 

「…ハハハ、がんばれよ。サーゼクス」

 

『そっちもだよ。龍介』

 

こうして俺とサーゼクスの会話は終わった。

 

「どうだったかにゃ?」

 

部屋に入るが否や、黒歌が開口一番に訊いてきた。

 

「あぁ、俺に一任されたよ。それと、ブラックリストから除外されたしな」

 

そう聞いて安堵する黒歌。

 

『これ、アーシアの荷物っ!?』

 

『そうよ、今日からアーシアはあなたの家に住むの』

 

何か玄関が騒がしいな……そうだったな、リアスが『アーシアを家に住まわせてもらいたい』と

 

相談されたのすっかり忘れてたわ。

 

そんなことを思い出した俺は、急いで玄関に向かった。

 

                    D×D

 

アーシアが家で暮らすようになって数日後。

 

俺――兵藤 一誠は、楽しげに通路を歩く遠山家美少女学生の中にいる。

 

と言っても、小さく分かれているんだけどね。俺の右手を白音ちゃんが握っていて、左側にはア

 

ーシアと夕麻ちゃんが歩いている。

 

俺と同じ学校へ通う奴らの視線が凄まじい。

 

「どうして、アルジェントさんと兵藤が同じ方向から……」

 

「バカな……何事だ……」

 

「嘘よ、白音さんたちだけでなく、アーシアさんたちまで毒牙に……」

 

などと、観衆の悲鳴に近い声が聞こえてくる。

 

それもそうだ。転校初日から全校生徒の間で話題騒然だった金髪美少女たちとも、こうやって毎

 

日登下校している。他者からすれば信じがたい現象だな。

 

「兵藤で大丈夫なら、俺でも!」

 

とアーシアたちに告白した奴も結構いたらしいが、ソッコーで撃沈したらしい。

 

まぁ、全員裏の事情に関わってるから、巻き込めないもんな。

 

それに、この間なんてこんなことがあったんだ。

 

                    D×D

 

「ん~、今日はアーシアたちが転校してくる日か~」

 

俺は教室の自分の机の上で呟いた。

 

そこへ悪友こと松田と元浜が声をかけてきた。

 

「よぉ~、イッセー。お前何かいいことあったか?顔がニヤついてるぞ?」

 

「いや、何でもない。それより今日の昼飯が楽しみだ」

 

「イッセー聞いたか?今日転入生が来るらしいぞ。しかもこのクラスと隣のクラスに二人ずつ

 

だ!」

 

「さすが情報が早いな松田!よし、ちょっとフライングで見に行ってみようぜ!」

 

「よっしきた!行くぞ元浜!」

 

そうして悪友二人は教室から出て行った。

 

――数分後――

 

ダダダダダダダ――!!!

 

「イッセー!凄いぞ!」

 

鼻息を荒げて帰って来た松田と元浜。

 

「これを見ろ!」

 

そう言われて松田から数枚の写真が手渡された。

 

その写真を見ながらお茶飲ん――。

 

「ぶっふー!!」

 

俺は盛大に窓の外へお茶を噴出した。

 

「おっ、お前はどこの写真を撮ってきてんだよっ!!」

 

完全にパンチラ写真だった!!

 

「おっと間違えた。こっちだイッセー」

 

また数枚の写真を取り出した松田。

 

「(松田、一体いつ写真を現像してんだ??)」

 

そう疑問に思いながらも俺は写真を見る。

 

そこに映っていたのは、アーシア、花楓ちゃん、奏さん、冴子さん、理子ちゃん、春奈ちゃんだ

 

った。

 

キーンコーンカーンコーン――。

 

チャイムが鳴り、俺は松田に写真を返した。

 

「全員席に付けー」

 

担任の先生が入って来た。

 

「早速だが、転校生を紹介する。入ってきていいぞ~」

 

少しダルそうに言う先生。

 

ガラガラガラ――。

 

入ってきて教壇の上に立った二人の美少女。

 

「あぁー、右の子から自己紹介してくれ」

 

「は、はい!私は、アーシア・アルジェントと言います。みなさん、よろしくお願いします」

 

「理子は~、毒島理子っていいま~す。よろしく~」

 

わぁぁぁぁ!!

 

教室の野郎どもが歓声を上げる。

 

「ここから質問タイムとする。変なことを聞いたら…わかってるな?」

 

そう言って新聞を読みだした担任教師。

 

「二人は何か特技を持ってますか?」

 

うん。この質問ぐらいなら変なことにはならないだろう。

 

「えーと、私はお祈りぐらいしかありませんね…」

 

「理子は~、変声術ができるよ!」

 

そう言って準備に取り掛かった理子ちゃん。

 

「(変声ぐらいならちょっと凄いぐらいで留まるからいいか)」

 

なんて思った俺がバカだった。

 

「…イッセー、こっちに来てくれるかしら?」

 

「「「「「「っ!!!!!」」」」」」

 

「…………」

 

クラスの空気が止まった。

 

「イッセーくん、少し手伝ってもらえるかしら?」

 

この声は…部長と朱乃さん!!?

 

「…イッセーくん、僕の作った弁当…どうかな?」

 

今のは木場!?

 

「…イッセー兄さま、…その、手をつないでくれますか?」

 

「……わ、我も」

 

白音ちゃんに辰巳!?

 

「……我、感動した」

 

「す、すごいです!」

 

辰巳とアーシアは絶賛してるが、クラスのみんなはまだ固まっている。

 

「最後に――」

 

理子ちゃんが取って置きをという顔をしていたので、俺は止めに入ろうとした。

 

「ちょ――」

 

でも遅かった。

 

「……イッセーくん…私、あなたのことが好きです!私と付き合ってください!!」

 

本当に取って置きだった。爆弾という名の取って置き。

 

夕麻ちゃんの声で、しかも、あの日に言われた言葉をそのまま使われた気がする。

 

俺は隣を見た。隣には夕麻ちゃんが座っているんだ。

 

ボンっ!!

 

顔を真っ赤にして煙を上げている夕麻ちゃん。

 

ギロギロギロ!!

 

教室の野郎どもが睨み付けてくる。その中から――。

 

「おい、イッセー!!これはどう言うことなんだよ!!」

 

ズレたメガネを正位置に戻しながら、元浜が言い寄ってきた。

 

すると、野郎どもが席を立ち始めこっちに来た。

 

ガラガラ!!

 

その時、教室の両方のドアが開け放たれた。

 

「「兵藤一誠はいるか!!」」

 

げっ!これって、隣のクラスと、三年生の――。

 

考えなくても答えが出てきた。というわけで。

 

「よっと!」

 

ベルトに手を当てて、そこにある機械の中からワイヤーを取り出す。そして窓から飛び降りた。

 

飛び降りる直前、ワイヤーについているフックを窓枠に引っ掛けておいた。

 

「イッセー!ここは三――」

 

松田の声をバックに仰向けで降下する俺。

 

キュルルルルルルルル!!!

 

兄さんが作ってくれたこの『万能ワイヤーくん』、その機械の中からブレーキの音がしだす。

 

キュルル――トン。

 

完全に勢いが死んだことで無事に着地した。

 

カチャッ!

 

役目が終わり、機械が勝手にベルトから外れた。

 

「(5センチしかないのによくここまで持ったな。さすが兄さんの発明品)」

 

俺はそのまま林の方へ入り、ちょっと周って旧校舎にあるオカルト研究部の部室に逃げ込んだ。

 

そのまま、辰巳たちが迎えに来るまで部室で寝たんだ。

 

                    D×D

 

回想が終わると俺は、下足箱前にいた。

 

靴を履きかえて階段を上がり、教室に入ると――。

 

「「イッセー!覚悟しろっ!」」

 

前方からラリアット×2を繰り出してきた松田と元浜。

 

「ちょっ!危ない……だろっ!!」

 

俺は瞬時に体勢を低くして、向かってきた勢いを利用した『カウンター』を放った。

 

ごすっ!!

 

見事二人の腹を打ち抜き、気絶させた。

 

「見事です……でも、少し可哀そうです」

 

「自業自得なのよ。向こうから仕掛けてきたのだから」

 

アーシアは優しい子です!

 

「……兄さんの稽古って、厳しすぎるんだよな~」

 

今は体術中心に教えてもらっている。一発も当てたことないけど。

 

「よっと……」

 

俺は二人を肩に担いで立ち上がる。

 

「…大丈夫ですか?」

 

「何……少しコツがあるから、そう重たくはないよ」

 

アーシアは「……そうなのですか?」と心配してくれる。

 

俺は二人を担いで保健室へ行こうと廊下に出た時――。

 

ツルンッ!!

 

こんな効果音が合いそうな、そんな感じなことが俺の身に起きた。

 

濡れ雑巾を踏んでしまい、バランスを崩してしまった。

 

「(やばい!)」

 

俺は瞬時に肩に担いでいる松田と元浜を床を滑るように突き飛ばす。だが、俺自身の受け身が間

 

に合わず――。

 

ガンっ!!

 

思いっきり後頭部を床に打ち付けた。

 

「がはっ!」

 

や、やばい。体が動かねー。

 

「イッセーさん!しっかりしてください!」

 

「イッセーくん!しっかりして!寝ちゃだめよ!」

 

……そう言われても、俺…目が勝手に閉じて――。

 

                    D×D

 

「……うん?ここは…」

 

俺は目を覚ましたが、今の状況が整理できないでいた。

 

「イッセーさん、気が付きましたか?」

 

ん?今の声はアーシア?

 

「あぁ、今起きたばかりだ」

 

俺がそういうと、額の上に冷たいものが乗せられた。

 

「…調子はどうですか?」

 

「……まだクラクラしてる」

 

「…思いっきり後頭部を打ったのよ。そうなってもおかしくないわ」

 

ひょっこりと顔を覗きこんできた夕麻ちゃん。

 

「患部を診るのに起き上がってほしいのですが……無理そうなので、上から治しますね」

 

ポワァァァァ――。

 

暖かい光が俺の額を通して治癒してくれる。

 

「……ありがとう、アーシア」

 

「いえ、私にはこれくらいのことしか出来ませんから」

 

それだけでもありがたいよ。

 

「……そろそろ時間なので、私は教室に戻りますね」

 

ある程度痛みが取れたところで、アーシアは教室に戻っていった。

 

俺と夕麻ちゃんが残された。

 

「……イッセーくん、今この保健室には私とイッセーくんしかいないの」

 

「ん?どういうこと――」

 

俺は言葉に詰まってしまった。なぜなら――。

 

ギィ――。

 

「イッセーくん、この間話したこと覚えてる?私とイッセーくんの関係のこと」

 

「……覚えてるよ」

 

夕麻ちゃんが俺の上に跨って顔を覗きこんできた。

 

「私ね、イッセーくんのこと今でも大好き。でも、やっぱりダメなの。どうしても自分が許せな

 

い。巻き込んでしまった自分が……」

 

悲しそうな顔をしている夕麻ちゃん。そんな顔を見たくない俺は――。

 

ぎゅぅっ!!

 

抱きしめた。強くだが優しく抱きしめた。

 

「今の俺にできることはこれくらいしかない。俺には甲斐性がない。でも、こうしているだけで

 

も落ち着くと思うんだ」

 

「……ありがとう」

 

夕麻ちゃんの声は震えていた。涙を堪えていたのがわかっていたし。

 

俺は夕麻ちゃんが泣き終わるまで、そっと頭をなでてやった。

 

――数分後――

 

「……もう大丈夫だよ」

 

夕麻ちゃんが離れようと、上体を起こし始める。俺は抱きしめる力を緩めて、背中から手を遠ざ

 

けた。

 

「…イッセーくん、ありがとう。もうすぐ龍介さんが迎えに来ると思うから、私は授業に戻る

 

ね」

 

「夕麻ちゃんこそありがとう。結構痛みが引いたよ」

 

「…それはアーシアに言ってあげて。私は何もしてないから」

 

「あぁ。また家でな」

 

夕麻ちゃんが保健室を出て行って数秒後――。

 

「イッセー、迎えに来たぞ」

 

兄さんの声がしたのだが――。

 

「……どこにいるの?」

 

保健室のドアのところには誰もいない。

 

「ここだよ」

 

「うぉう!!」

 

いきなり隣のベッドの上から、カーテンをめくってこっちに顔を出してきた。

 

「そんなに驚く要素があったか?」

 

「あったわ!……というよりも、いつからそこにいたの?」

 

何か、前にもこんな質問したような気がするんだが?

 

「始めからいたさぁ。アーシアが出て行ったとこら辺だが?」

 

ってことはまさか――。

 

「まさか!!って顔してるな。そうだ、全部聞いていたぞ」

 

「なっ!!」

 

全部聞かれていたあぁぁぁぁぁ!!!?

 

「安心しとけ、アーシアにはこのことを言うつもりは毛頭ない」

 

「そうなんだ……ふぅ」

 

俺はそれを聞いて安心した。

 

「ほれ帰るぞ、荷物は俺が持ってやる」

 

「えっ、いいよ「お前は病人だろ?」…わかった」

 

兄さんに丸められた俺は職員室に顔を出して、早退ということで兄さんと家に帰った。

 

                    D×D

 

その日の夜中のことだった。

 

ベッドの上で横になっていると、床の上に魔方陣が現れた。

 

――これ、グレモリー眷属の魔方陣じゃないか!

 

眩い光が止んだ時、魔方陣から人影が現れる。

 

女性のシルエット。紅の髪をした――。

 

「部長……?」

 

魔方陣から姿を現したのは、紛れもないリアス部長だった。

 

「(……なぜ俺の部屋に?)」

 

何やら思い詰めた表情を浮かべている。いつもの部活時より深刻そうだ。

 

部長は俺を確認するなり、詰め寄ってきた。

 

そして、開口一番に衝撃的なことを言った。

 

「イッセー、私を抱きなさい」

 

「……はい?」

 

俺は耳までおかしくなったのか?頭打っただけなのに…。

 

怪訝そうな表情をしている俺に、部長はダメ出しの一言を言う。

 

「私の処女を貰ってちょうだい。至急頼むわ」

 

部長の言葉に俺は頭を抱えた。

 

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