「……
グンッ――
「「「きゃっ!!」」」
「「くっ!!」」
ドドドドドンッ!!!
次々に部室の壁に叩き付けられるライザー眷属。
俺――遠山 龍介は、六道『輪廻眼』の力でライザー眷属を吹き飛ばした。
「……これでわかったか?お前たちがいくら束になろうと、俺の足元にも及ばない」
それを見たライザー……いや、花楓と奏、辰巳を除く全員が驚愕していた。もちろんだが、1パ
ーセントほどしか力を出していない。一割出したら、ここの校舎が消し飛ぶからな。
「…くっ!」
ライザーは手が出せずに悔しがっている。
「……グレイフィア、悪かったな。サーゼクスのところへ帰る前に聞きたいことがあるんだ
が……」
俺は輪廻眼を閉じて、普通の目で話す。
「このゲームをかなり理不尽に感じるのは……俺だけなのか?」
突然斜め上にいった俺の質問にグレイフィアは瞑目した。そして目を開けて、返答してくれた。
「……わかりました。お嬢さまの不足眷属分を代表としての参加を認めましょう。このことは私
が責任を持って伝えますので」
「……おふぅ、んん!ありがとうな。……さて、先発メンバーは――」
俺も予想外の答えが返ってきたことに気の抜けた声が出てしまった。まぁ、通るとはだれも思っ
てなかっただろうしな。
「……白音、黒歌、冴子の三人だ」
「「「えっ!?」」」
三人とも指名されたことに驚いていた。
「わ、私ですか?」
「白音は『白虎』を使いこなせている。しかも進化させているなら、それを使わないともったい
ないと思ったしな。それに――」
俺は白音の傍に行き、そっと耳打ちした。
「…………っ!!!!」
俺が呟いた後、白音の目が怖いほどまで輝いた。
『何を言ったのかにゃ?』
俺が白音から離れると、黒歌が周りに聞こえないように訊いてきた。
『ちょっとだけ…白音にとって利益な話をしただけさ。見せるチャンスだとね』
『見せるチャンス?』
『そう。白音に思い人の前で活躍してみろって言ったのさ』
『あぁ~。にゃるほどねぇ~』
納得した黒歌。そうだ、黒歌にもやってみるかな?
『なぁ黒歌』
『何にゃ?』
『俺も期待してるぞ』
その時――。
ボフンッ!
『な、にゃにをいきにゃり~!』
下を向いた黒歌。よく聞こえなかったんだが…いいか。
「……取り込んでいるところで悪いのだが」
後ろから冴子が声をかけてきた。
「ん?」
「どうして人間の私が出るのだ?」
「あぁ~、この前言ってただろ。『手合せしてくれ』って。人としての限界を見られるぞ?」
「……ふむ」
冴子は少し考える素振りを見せた後……。
「…わかった。それなら私も参加しよう」
嬉しそうな表情で承認してくれた。
「(……絶対俺より剣術上手くなるよな)」
俺は少し冷や汗をかいたが、何事もない表情でグレイフィアに言った。
「三人とも決まった。以上で俺の質問は終わりだ」
「……わかりました。私は戻り次第このことを打診してきますので」
「すまないな」
「…そうでした。『レイティングゲーム』は十日後でよろしいでしょうか?」
言い忘れていたことを思い出したかのように確認をしてきた。
「俺はそれで構わない。リアスの下僕に与える時間にしてはちょうどいい」
「そうかしら?私は十分すぎるわ」
余裕気に言い放ったリアス。
「……それでは、俺は帰るとしよう……リアス、次はゲームの時だ」
そう言って魔方陣が輝きだす。……いつの間にか眷属全員が集まっていた。
光が止んだ後、そこには誰もいなかった。
「帰ったか」
「私もここで失礼いたします。お体にお気をつけてください。お嬢さま」
「わかってるわ。おやすみ、グレイフィア」
「では」
こっちも魔方陣が輝きだすと、グレイフィアはお辞儀をした。
次の瞬間には、グレイフィアの姿はそこにはなかった。
「疲れた」
俺は一人、そうボヤいた。
D×D
「~ふふふふん♪」
俺は今、家の浴場で呑気に鼻歌を歌いながら湯に浸かっている。
生前よく見ていた某アニメのオープニングソングだ。そういえば最近、俺たちを転生させた『ロ
リ神』から宅配便が大量に来てたな。
……あれは驚いた。なんせ、生前の『私物』だったからな。しかも三人分。どうやって宅配会社
に頼んだのかが気になったが、訊いたら負けのような気がして電話できなかった。確認の電話が
来たけど。
そうなれば……生前じゃなくなるな。
そのことはまた後にして……イッセーと話でもするか。
「イッセー、そういえばあれから『ドライグ』と話をしたのか?」
「ううん……あれから一度も話しかけてこないんだ。何が何やら……」
「そうか。ふむ……これは重要会議になりそうだ(ドラゴン+俺で)」
その後、俺はのぼせかけて浴場を後にした。
D×D
「お…重い……」
俺――兵藤 一誠は「ひー…ひー…」言いながら、尋常じゃない量の荷物を背負っていた。
「おいおい。イッセー、それでダウンしたら夕飯抜きだからな?」
俺と同じく、隣で兄さんも大量の荷物背負っているのにかかわらず……何故そんなに余裕なん
だ?
「ちくしょう!……俺だってまだまだ――」
その時、兄さんがとんでもないことをしでかしてくれた……俺に。
「青春フルパワー!!加重岩!」
ズンッッ!!!
「んなっ!!」
ボスッ!
俺はいきなり重くなった荷物に耐え切れなく、前のめりにズッコケた。
「……最後についた奴は~、夕飯抜きな~」
「ぐぬぬぬ……!!」
俺は三倍ぐらい重くなった荷物に押しつぶされながら、目的地の『別荘』へひたすら這った。
――別荘――
「つ、着いた……」
俺は別荘に這って着き、玄関前でダウンした。
「おっ!やっと着いたか。夕飯全員で作ってるから、着替えてこい……超軽重岩」
フワッ!!
さっきまで超重たかった荷物が、今の一瞬で羽のように軽くなった。
「よっ……と、すぐ着替えてくる」
そう言って荷物を
えた。
すぐに裏にある庭らしい広場に出ると、みんなで夕食の用意をしていた。
「イッセー、ちょうどよかったわ!この猪切るの手伝ってくれるかしら?ちょっと大きすぎて
大変なのよ」
そこにあったのは……全長六メートルはあろうかというぐらいの大猪が横たわっていたんだ。
「こ、これを切るんですか!?」
「そうよ」
でっけ~。どう切ったらいいんだ?
「ちょっと退いてろ。俺が血抜きしてやる」
そう言って前へ出た兄さん。
「影分身!」
ボンボンボン!
煙が上がったと思ったら、兄さんが四人に増えたぁぁぁあ!!!
「散!」
ババッ!
そのうち二人の兄さんが大猪の前と反対側に移動した。
バチッ!
天に挙げた一人の兄さんの右手から電気を走らせながら、長い鋭利なものが出てきた!!
「
ザシュッ!
それを振り下ろして大猪の首を真っ二つにぃぃぃい!!!
そうすれば、絶対血が噴き出るって!!
ブシャァァア!!
案の定出てきた……と思ったら、飛び散る前に凍り付いてしまった!!
「「「氷遁、
ビュォォォォオ!!
三人の兄さんが口から物凄い冷気の塊を吹いた。
バキバキ……バラバラバラ!!!
振れたところから血が凍っていき、耐えられなくなって次々に折れて地面に落ちた。
「(……すごい。傷口に触れてないことで、血は勢いを保ったまま噴出して凍らされてい
る!!)」
数分後、血の勢いが収まり、滴る程度になったところで兄さんは吹く冷気を止めた。
「さて、解体の時間だ!!」
楽しそうにしている兄さん……違った。みんな(アーシア以外)も目が光っていた!!
その後は言うまでもなく、大猪は全身にかけて解体されていった。
解体ショーが終わり、みんな満足している中……俺だけが何もしていなかった。
「イッセーさん、皮剥き手伝ってくれますか?」
アーシアが俺を呼んだので、そっちに行ってみた。
「うわぁ……こりゃすげぇ」
俺は一瞬尻込みした。だって、剥く野菜が多いんだもん!
「イッセー。皮をむくなら、それをイメージして魔力を使ってみたらどうだ?」
「ん?どゆこと?」
よくわからない俺へ兄さんが手解きしてくれる。
「こうやって、皮を剥くイメージをしながら、魔力を注ぎ込む」
兄さんが一個のジャガイモに触れた。
そして――。
「…喝ッ!!」
バッ!!
皮が綺麗に剥けて
「おぉ!俺も!」
えーと…こうやるんだっけ?
「…喝ッ!!」
ちょーん
ジャガイモの天辺だけが剥げて、情けない姿になった。
「……イッセーは魔力のコントロールが出来てなかったな」
兄さんが言う。
……痛いところを突かれた。
「仕方ないな。俺の分野じゃないが、まあいいか。……いいか?イッセー――」
――数分後――
「ということだ。やってみろ」
「了解!!ハッ!」
俺は兄さんの説明通り、手に魔力を集中して集めだす。
ポンッ!!
「……出たはいいが、才能ないな」
「うそん!頑張ったのに!」
「私はできました!」
アーシアが俺の横で喜んでいる。
「おっ!アーシアは才能があるな」
「……えへへ」
照れるアーシアを褒める兄さん。
アーシアの手のひらには、ソフトボールぐらいの魔力が集まっていた。
「アーシアに負けた……」
俺はその場で崩れ落ちた。
「だいじょうぶです!イッセーさんなら、必ずできます!」
横でアーシアが俺を励ましてくれる。ありがと!アーシア!!
「もう一度!!」
俺は再度挑戦した。
――数十分後――
「できたっ!!見て兄さん!」
俺はやっとの思いでジャガイモ一個を完璧に剥ききった。
「おっ!やったな。ところで皮は?」
「……あれ?」
何故か皮は綺麗に剥けることなく、散り散りにばら撒いてあった。
「……イッセー、何をイメージしたらそうなった?」
「えっ?兄さんが剥いた
「…………」
あれ?兄さんが黙ってしまった。
「イッセー、ちょっといいか?」
「ん?何?」
「ごにょごにょごにょ……」
マジですかっ!!そんなこと思いつきもしなかったぞ!!
「……今のお前ならできるかもしれない。複数同時にやってみろ」
「了解!!」
俺は左手に『
そして、倍加する。
『Boost!!』
もういっちょ上げるぜ!
『
よし。二段階でためしだ!!
『
俺はまだ剥けてないジャガイモや玉ねぎなどに次々と触れる。
「兄さんの提案で閃いた!その名は
パチンッ!!
俺はかっこよく指を鳴らす。
バババババババババババババ――!!!!!!!!
一気にジャガイモや玉ねぎの皮が剥けた!!散り散りに。
「よっしゃ!!できたぞぉお!!」
俺は歓喜の声を上げた。
「……やってしまった」
何故か兄さんは眉間を抑えているけど、まあいいや。
……これ、女子相手に超秘になるんじゃね?そのための名前だもんね!
そして、剥けたジャガイモたちを切っていって、BBQの追加に使った。
もちろんだが、これの応用と名前のことは部長たちには言っていない。
D×D
二日目、俺は木場と冴子さんに剣術を教えてもらっていた。
少しは白音ちゃんたちの稽古相手をしてたから、身の動かし方は何となくわかるけど――。
「遅いよっ!」
ガキッ!
高速で木刀を振ってくる木場。
兄さんとの体術稽古のおかげで、少々速いぐらいなら目で追えるし反応できる。
「まだまだ!もっと速くしてくれ!!」
「…わかったよ。後悔しないでね?」
ヒュン!!
木場が視界から消えた。どこからくる!?
ブン!!
木刀が振るわれる音がした。後ろだ!!
ブンッ…スカッ!!
「…前だよ。ハッ!!」
バシィィ!!
木場の振るわれた木刀が、俺の左横腹を直撃した。
「……うっ!!」
俺は激痛に膝を折って仰向けに倒れこんだ。
「ご、ごめん!!痛かった!?」
「……ふぅ。さすがに今のは効いたな。俺もまだまだか……」
当然っちゃそうだよな。ナイトだもん、木場は。
「……ごめんね、次は少し手加減するから」
なっ!……ちょっと涙目の木場にキュンときちまった!!そうか、木場も女子だったな。
「次は私の相手をしてくれるかな?」
冴子さんと木場のさばき合いが始まった。
そのさばき合いで、冴子さんが木場のスピードについていっていた。
D×D
俺は朱乃さんの特訓には参加しなかった。
兄さんが話したところ、「あらあら、私の出番がなくなってしまいましたわ。でも、イッセーく
んが成長してくれたのは嬉しいですわ」と、兄さんから伝言で聞いた。
アーシアは朱乃さんのところで、一段階上のことをしているらしい。すごいな、アーシアは。
というわけで、俺は部長の下で特訓している。
「ほーら、イッセー、気張るのよ!」
「オッス!!」
俺は険しい山道を駆け上っている。背中には岩が縄で括り付けられている。その上に部長が座っ
ている。
しかもこれが、一定時間立つと、少しずつ重くなるという兄さんの開発した『地獄の大岩』なん
だ。今は始めてから結構経っているから、かなり重くなっている。
「次は腕立て伏せよ!!」
「オ、オッス!!」
重いィィィィィイ!!!
「ほらほら、気張りなさい」
部長が上で喝をいれてくれる。
俺は何回死んだだろうか?
D×D
――修行八日目――
今日は兄さんの提案で修業は別メニューになった。
そのメニューを考えたのは、誰でもなく兄さんだった。
「せっかくの修行の時間を貰ってしまったな……これからすることは、体を動かさない『手作
業』をしてもらう。主にイッセー、アーシア、リアス、祐奈、朱乃、黒歌にしてもらう。それは
これだ」
兄さんが見せたのは、白い粘土のような蜘蛛?
「これは……蜘蛛でしょうか?」
「そうだな。形は蜘蛛だが、これは列記とした爆弾だ」
「「「「爆弾!?」」」」
アーシア以外のメンバーが驚嘆した。
「これが爆弾なのですか?」
かわいく首をかしげているアーシア。
「論より証拠だな。見ていろ」
ボンッ!
突如半身ぐらいの大きさになったその蜘蛛を、兄さんは空高く放り投げた。
「――喝ッ!!」
ドォォオンッ!!
いきなり蜘蛛が爆発した!!
「どうだ?今のが俺の試作品だ……これが材料の粘土だ」
そう言って、アタッシュケースを二つ出してくる兄さん。
「これを明日の昼までに各自好きな形に作ってくれ。もちろんゲームで使ってもらう……性質に
ついて先に言っておこう。それは魔力などの力を吸収すると、その力を取り込んで同質のものに
なる。さっきのは、爆発系のものを流し込んだから爆弾になったわけだ。簡単に説明するとこう
いうこと」
「……兄さん、さっきみたいに動かすときはどうやればいいの?」
「ん?簡単なことだ……ただ念じればいい。製作者だと粘土が感知すれば、それ相応の大きさに
なって動き出す……ただし、人は作るなよ?気持ち悪いから」
……兄さん、物凄くシンプルな回答だったな。
「……ということは、アーシアの回復範囲が広がるとみてもいいのね?」
「そういうことだな。粘土は作者に従順で確実にこなしてくれる」
「なら兄さん、俺の場合はどうなるんだ?」
「そんなもの知らん!実験して自分で確かめろ」
きっぱりと断られた。
「がんばれよ。それ出来たら、昼飯な」
「どういうこと?」
「残り六ケースあるから」
「「「「えぇ~!!」」」」
俺はこうして、ゲーム二日前まで自分の粘土を作った。