ハイスクールD×D 力ある者   作:塩基

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コカビエル登場!?

「――と言うわけだ」

 

家に帰宅後、街に出ていた皆に連絡して集合した。

 

兄さんがフリードの襲撃、逃走後ゼノヴィア、イリナ、祐奈が追いかけて行ったことを説明した。

 

「…わかったわ。連絡が入り次第、私たちも動きましょう」

 

兄さんの説明を聞いて、部長が納得していた。

 

「……ギギギギギギ」

 

「(…ン?何か聞こえた気が…気のせいか)」

 

「ギギギギギギギギ」

 

気のせいじゃなかった!!

 

「兄さん!背中の『それ』は何!?」

 

「今頃気が付いたか。……そうだな、こいつは大刀『鮫肌(さめはだ)』。こう見えても生きた刀だ」

 

兄さんは『それ』を床に降ろして、包帯をとっていく。……全部の包帯が取られた『それ』を目のあたりにした俺たちは、驚愕していた。

 

『……生きた刀か。こいつはかなり厄介だな』

 

俺の中にいるドライグが語りかけてきた。

 

「(どういうこと?)」

 

『いいか、相棒。普通の刀は太刀筋が見える……だが、『あいつ』は動いて太刀筋が読めない。相手が使用していたら確実に負ける』

 

うげっ!どんな代物だよ!生きた刀『鮫肌』怖っ!

 

『補足しておくのを忘れていた。……俺は生きた刀を初めて見たぞ』

 

「(初見でそこまで予測できたドライグって、凄いぞ)」

 

『…褒めても何も出ないがな』

 

兄さんと同じこと言われた!!

 

俺はドライグとの会話を終えて、『鮫肌』の方を見た。

 

「……ギギギギギ」

 

鮫肌はアーシアの膝に柄を乗せた。

 

……って、何か四本の尖がったモノを足代わりに動かしているし!!

 

「え、えっと……」

 

アーシアが反応に困っていた。

 

そこへ兄さんが言った。

 

「よかったな。どうやら、アーシアの魔力の量と質が気に入ったらしい。早々いないぞ?こいつに気に入られる奴はな」

 

「そんなに凄いの!?」

 

「あぁ。教えてやろう、イッセー。こいつに気に入られた者は餌として少々力を食われる代わりに、その身を守ってくれる。それに、相手から奪った力を回復の力に変えて使用者を癒すことができる。アーシアにとって、いいこと尽くめだ」

 

それを聞いていたアーシアは納得したのか、鮫肌を撫でていた……鱗の向きに。

 

「よろしくお願いします。鮫肌さん」

 

「ギギギギギギギギギ」

 

アーシアの腕に柄が絡まる。

 

「それは親愛の証だな。主と認めた者のみにする行為だ」

 

兄さんが鮫肌の行為の補足をした。

 

「何だか……くすぐったいです」

 

「……それとだが、そいつの重量は羽並みに軽くしてあるから」

 

そう言って、腕を振るジェスチャーをする兄さん。

 

「こ、こうですか?」

 

柄を待った手を上にあげるアーシア。鮫肌は柄を伸ばして上に持ち上げられた。

 

「すごく軽いです!ありがとうございます。リュースケさん」

 

「ギギギギギギギギギギ!!」

 

突然柄が伸び曲がって、鮫肌が俺の方に飛んできた!?

 

ガブリ!

 

俺は回避することができず、そのまま鮫肌の口に頭を噛まれた。

 

「ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ!!!!!」

 

「通訳するぞ……『お前の力異質、少し気に入った。ご主人様の餌になれ』だとよ」

 

「ええぇぇぇぇぇぇぇぇええッッ!!!!」

 

うそん!!俺、アーシアの餌になるの!?

 

「餌と言っても、鮫肌の食事のことだな。……倍加すれば問題ない」

 

さらっと言い切った兄さん。それ酷くないっすか!?

 

「あわわわわわ……鮫肌さん!!イッセーさんの頭に噛みついてはダメですっ!」

 

説教気味に言うアーシア。

 

『Boost!!』

 

『Explosion』

 

俺は兄さんの説明通りに倍加して、解放した。

 

「ギギギギ」

 

すると、僅かにだが俺の力を鮫肌に持っていかれた。そして、俺の頭から離れてくれた。

 

「まあ、こんなところか?」

 

「痛ぇ~。いくら甘噛みでも歯形が残ってるし」

 

俺は額を撫でる。そこにちょっとだけへこんだ後の感覚があった。

 

「そうそう、鮫肌は背中に乗せると自分で固定してくるから移動も楽にできるぞ……少し用を思い出した」

 

兄さんは最後にそう言い残して、リビングを出ていった。

 

兄さんが出ていってしまったことで、今まで緊張していた空気が一気に和らいだ。

 

「匙、ゲームするか?」

 

「何のゲームなんだ?」

 

「カーチェイス」

 

「おっ!俺もカーチェイス好きなんだよな!」

 

「そうかそうか!よし、俺の部屋でするか!」

 

「よっしきた!兵藤には負けねぇ」

 

「俺も匙には負けねぇぞ!」

 

俺と匙は、自室でゲームすることになった。

 

                    D×D

 

「……ん!!」

 

俺は目を覚まして飛び起きた。近くで寝ていた匙も俺と同じように飛び起きていた。

 

そう。俺と匙はゲームをしていて、いつの間にか眠ってしまった……じゃなくて!今までに感じたことのないプレッシャーに飛び起きたんだ!…あっ、兄さんのがあったような…。

 

俺は急いでリビングへ移動した。匙も同じくリビングに移動している。

 

リビングに入ると、庭に皆が集まっていた。

 

俺と匙は急いで庭に出る。

 

「初めましてかな、グレモリー家の娘。紅髪が麗しいものだ。忌々しい兄君を思い出して反吐が出そうだよ」

 

「ごきげんよう、落ちた天使の幹部――コカビエル。それと私の名前はリアス・グレモリーよ。お見知りおきを。もう一つ付け加えさせてもらうなら、グレモリー家と我らが魔王は最も近く、最も遠い存在。この場で政治的なやり取りに私との接触を求めるなら無駄だわ」

 

――コカビエル。

 

宙に浮いている黒い羽を広げた堕天使。

 

――こいつが夕麻ちゃんたちを殺す命令を下した張本人!!

 

「「「……コカビエルさま…」」」

 

声は夕麻ちゃんたちから発されたもの。

 

「…裏切り者か」

 

「っ!ふざけんじゃねぇ!!」

 

コカビエルが夕麻ちゃんたちに発した言葉に俺はキレた。

 

「裏切り者だと!!裏切ったのはそっちじゃねぇか!!」

 

突然切れた俺に、全員が驚いていた。

 

「信じていた者に裏切られた気持ちがどれだけ、どれだけ辛いと思うか!!」

 

「ふん、そんなことは知らん……それより土産だ」

 

ヒュッ。

 

「お、おわっ!」

 

ドサッ!

 

俺は反射的にコカビエルが放ったモノをうまくキャッチした。

 

俺の腕の中にいたのは――血まみれのイリナだった!

 

「お、おい!イリナ!」

 

俺がイリナに呼びかけるが、呻くだけで返事がない。

 

「アーシア!急いでイリナを診てくれ!」

 

俺は離れたところにいるアーシアを呼んだ。

 

「私に貸しなさい。家の中へ連れていくわ」

 

近くにいたカミュが、イリナを抱き上げてアーシアと一緒に家の中へ入っていった。

 

「さっきの奴はな、俺たちの根城まで来ていた。それなりの歓迎をしたのだが、残りの二匹は逃げたがな」

 

そうか、木場とゼノヴィアは逃げられたのか。

 

さっき気づいたが、イリナはエクスカリバーを持っていなかった。

 

俺の疑問なんてお構いなしにコカビエルは会話を続ける。

 

「魔王と交渉などというバカげたことはしない。まあ、妹を犯してから殺せば、サーゼクスの激情が俺に向けられるかもしれないな。それも悪くない」

 

俺はとっさに部長の前に出た。

 

「そんなことはさせねぇ!お前の目的は一体何なんだ!!!」

 

俺の問いにコカビエルは嬉々として告げる。

 

「お前たちの根城である駒王学園を中心としてこの街で暴れさせてもらうぞ。そうすればサーゼクスも出てくるだろう?」

 

「そんなことをすれば、堕天使と神、悪魔との戦争が勃発するわよ?」

 

こめかみに青筋を立てた部長が言った。

 

「それは願ったり叶ったりだ。エクスカリバーを盗めばミカエルが戦争を仕掛けてくると思ったが……寄越したのが聖剣使いが三名だ。つまらん!あまりにもつまらん!!――だから、悪魔の、サーゼクスの妹の根城で暴れるんだよ。ほら、楽しめそうだろう?」

 

こいつ…狂ってやがる!兄さんが戦闘狂って言っていた意味がようやく分かったぜ。

 

「ようよう!またのご対面!クソども!」

 

暗闇から現れたのは――フリードだ。

 

「またお前かよ」

 

「おやおや、イッセーくんはキレているのかな?キレてますね!俺っちうれしい!殺気の視線浴びるのたまんないんだよねぇ!」

 

こっちも狂っているんだった。

 

「俺っちのボス最高でしょ!?このイカレ具合が素敵でさ。こんなご褒美までくれるしね」

 

そう言うフリードが取り出したのは――エクスカリバー!

 

しかも、両手に一本ずつ!腰にも二本帯剣してやがる!

 

「右のが『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』、左のが『夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)』、腰のは『透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)』でござい。ついでにさっきの娘さんからは『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』もゲットしちゃいました!もう一人の女の子が持っている『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』と、そこにいる女の子が持っている『祝福の聖剣(エクスカリバー・ブレッシング)』もゲットしたいところですなぁ。いや!今すぐゲットしちゃうぜ!」

 

ゴンッ!

 

庭に入ろうとしたフリードが、結界に頭をぶつけてひっくり返った。

 

「痛てぇ~。何でござんすか!?この結界は!」

 

「その結界は兄さんの張った特株な結界だ。魔王でも入れるかわからないって兄さんが言っていたな」

 

それを聞いたコカビエルが眉を吊り上げて、嬉々とした声で言う。

 

「ほう、そいつは見ものだ。――戦争をしよう!魔王サーゼクスの妹リアス・グレモリーよ!」

 

カッ!

 

フリードが閃光玉を発光させる!

 

またこれか!しばらくして視力が戻ると、コカビエルとフリードは姿を消していた。

 

タンッ!

 

その時、目の前に人影が現れる。

 

「……悪いな。こんな土壇場にいなくて」

 

その人影は兄さんだった。

 

「ううん、それよりも学園が大変なんだ!」

 

「聞いていたさ。…先に二人を慰めてやれ」

 

兄さんの視線の先には――。

 

「……そうだね」

 

俺はしゃがみ込んでいた夕麻ちゃんとミッテルトの傍に膝をつくと、二人を抱き寄せた。

 

「……イッセーくん…」

 

「…イッセー……」

 

「……泣いてもいい。俺の肩でよかったら」

 

「……っ!…うぅ…」

 

「…グスッ……悔しいよぉ…」

 

二人は俺の肩に額を当て、全身を預けて泣いていた。

 

俺は兄さんの方をそっと見る。

 

「…………」

 

カラワーナさんも兄さんの胸に顔を埋めて泣いていた。

 

俺は俺の中の怒りがグツグツと煮えたぎっているのを感じていた。

 

                    D×D

 

三人が泣き止んで家の中に入る。

 

「兄さん、学園へ行くけど……理子ちゃんたちは留守がいいよね?」

 

「いや、留守は怪我人のイリナと世話のカミュ、辰巳だけだ。二人が参戦すると、学園が跡形もなく消し飛ぶ」

 

「酷い言い方ですね。私は手加減できないと思っているんですか?」

 

「いや、ミスしたらのことだ。……それに、世話やここを守るものがいないといけないだろ?」

 

うわ…物凄い言い訳だ。

 

「……わかったよ。今度は参戦させてよね」

 

「わかった。辰巳は難しいかもな」

 

「ん。我『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』だから、狙われる可能性ある」

 

そっか。辰巳は今でも、狙われるかもしれないんだった。

 

「さて……理子、例の物だ」

 

「おぉぅ!!これが例の物!!」

 

目を輝かせている理子ちゃん……渡された物は、木刀?

 

シャキッ!

 

木刀の中から刃が!!仕込み刀!?

 

「さて、準備もできたことだし…出動!!」

 

『はい!!』

 

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