ハイスクールD×D 力ある者   作:塩基

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コカビエルVSオカルト連合軍《後篇》

「許さないッッ!!」

 

マリアさんは二発目を放とうと、二本のエクスカリバーを掲げる。

 

祝福の聖剣(エクスカリバー・ブレッシング)破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)に聖なる加護を!」

 

カァァァァァッッ!!!

 

祝福の聖剣(エクスカリバー・ブレッシング)が輝きだして、その聖なる光が破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)へ移動した。

 

すると、破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)が光輝きだした。

 

ブンッ!

 

マリアさんは二本のエクスカリバーを振り下ろすと、聖なる光がコカビエルへ放たれた。

 

「ぬぅぅぅぅぅぅうううううんッッ!!」

 

コカビエルは真正面から、その聖なる光を受け止めた!?

 

徐々に軌道をずらしていく光。

 

完全に明後日の方向へ軌道を逸らされた聖なる光は、空へ消えていった。

 

「っ!!」

 

なす術をなくしてしまったマリアさん。

 

「フハハハハハハ!!聖剣使いが神の不在を知ってもなお戦えるとは……おもしろいぞ!」

 

カシュッ――。

 

マリアさんが膝を折ってしまう。手には力が入っていないせいか、聖剣を地面に落としてしまった。

 

「……戦意を喪失したか。つまらないな」

 

その時だった。

 

ゴオォォォォォォォォォォォォォォォオオオッッ!!!!!!

 

突然地面が揺れ出した!!

 

「一体、何が起きているの!?」

 

部長たちも何が起きているのか、状況がつかめていない。

 

『グオォォォォォォォォォォオオッッ!!!!』

 

突然上がる魔物らしき鳴き声。そこにいるのは、奏さんだ。

 

その体は徐々に大きくなり、尾が二本増えていた。

 

「イッセー、ここから全員を避難させろ……もう、俺たちの怒りは止まらない」

 

兄さんが異常なまでの殺気(プレッシャー)を放っており、俺の脚が震えていた。

 

「イッセーくん、花楓たちはコカビエルを必ず倒すから。リアスさんたちを避難させて」

 

いつの間にか俺の隣にいた花楓ちゃんが、そう言い残して金色の翼を羽ばたかせた。

 

「……わかった!」

 

俺は半回転して、皆に指示を出す。

 

部長はマリアさんに肩を貸し、朱乃さんは気絶しているアーシアを背負い後退。他の皆もそれぞれ手を貸して後退していく。

 

残った俺はゼノヴィアと木場の傍に行き、「ごめん」と謝ってゼノヴィアを背負い、木場をお姫様抱っこした。直後、一旦リセットしてから再度貯めていた倍加を解放した。

 

部長に許しをもらっていたプロモーションを『兵士』から『戦車』へ変更する。

 

ドンッと力が全身に湧き上がり、その場を駆け出す。

 

俺の背中にいるゼノヴィアは、神の不在を知って泣いていた。

 

木場も転生するまで信じていた神が不在なことを知って、俺の胸の中で泣いている。

 

俺は皆が避難したテニスグランドに到着した。

 

背負っているゼノヴィアと抱えていた木場を下す。

 

「俺は兄さんたちの傍に行けないけど、それでも近くに行きます!」

 

「っ!!ダメよっ!!巻き込まれるわっ!!」

 

それを聞いて部長が叫んだ。

 

「…………」

 

俺は振り返らずにその場を駆け出した。

 

                    D×D

 

俺は旧校舎を周り、体育館の入り口についた。

 

体育館のガラスはコカビエルの槍と、異形の姿をした奏さんの攻撃の衝突による爆風ですべて割れてしまったんだ。

 

俺は兄さんたちを見る。

 

ギギン!ギン!ギン!ギギギンッ!!

 

兄さんはコカビエルの槍による猛攻撃を二本の大剣で防いでいた。

 

ギン!ギンッ!!

 

花楓ちゃんは一本の大剣を握ってコカビエルと肉薄している。

 

次元が……俺たちと次元が違う。

 

「(兄さんのあんな剣裁きを今まで見たことがない!……花楓ちゃんだってそうだ!)」

 

ドオォォォォオオンッッ!!!!

 

――直後、激しい戦闘をしていた三人を赤いモノが包み込み、爆発した。

 

爆風はここまでゆうに届く。

 

発射源は……奏さん。

 

粉塵の中から二本の大剣が飛び出し、宙で霧散した。

 

粉塵が収まると、そこにいたのは全身ボロボロのコカビエルだけだった!

 

少し離れたところには、大剣を握った花楓ちゃんの姿があった。

 

でも、どこにも兄さんの姿がない!!

 

「コカビエルッッ!!これで最後だぁッッ!!!!」

 

                    D×D

 

「コカビエルッッ!!これで最後だぁッッ!!!!」

 

俺コカビエルの頭上……上空十数メートル付近にいる。

 

仙法(せんぽう)――」

 

俺は仙術を再度一気に練りこんだ。

 

そして、(てのひら)に収縮させたモノに仙術を混ぜ込んで巨大化させる。

 

超大玉螺旋丸(ちょうおおだまらせんがん)ッッ!!!」

 

俺はそれをコカビエルに向かってぶつけた。

 

「…こん……な…もの!!」

 

ボロボロの体で俺のそれを受け止めるが……受け止めきれなかった。

 

ドゥルルルルルルルルルルルッッ――ドゴオォォォオオンッッ!!!

 

コカビエルは高速回転しながら校庭に叩きつけられる。

 

クレーターの中心に横たわるコカビエル。……完全に伸びてしまったようだ。

 

「終わった……」

 

俺はコカビエルの傍に着地する。

 

その時だった。

 

「――ふふふ、うわさ通りだな」

 

上空より聞こえた声。

 

俺は上を見上げて言った。

 

「――白龍皇か」

 

全身に白き(プレートアーマー)を身に纏う存在。

 

そいつが口を開いた。

 

「アザゼルから聞いている……最強の存在だと」

 

「あいつがか?……最強は評価しすぎだ」

 

そいつは少しだけマスクを動かした。

 

「……そこの二人からも、異質な力を感じるな」

 

俺は振り返る。そこにいたのは……元の姿に戻っているが九尾の衣を纏っている奏と、『神威霊装・十番(アドナイ・メレク)』に身を包んで『鏖殺公(サンダルフォン)』を片手に握っている花楓が立っていた。

 

こいつら(コカビエルたち)は連れていくのか?」

 

「あぁ。アザゼルに無理やりにでもいいからと言われていたのだが……手間が省けたな」

 

「……そうか。俺は用が済んでいる…連れていってくれ」

 

そう言った俺の言葉に首を振った白龍皇。

 

「全員は無理だな。ふむ、バルパーは置いていく」

 

予想外の返答に、俺は目を瞑って頷いた。

 

「……万象天引(ばんしょうてんいん)

 

俺は離れたところに突っ伏しているフリードを、輪廻眼…天道の能力で引き寄せて投げ渡す。

 

「……見たこともない能力だな」

 

白龍皇はそう言い残して、コカビエルとフリードを担いで立ち去ろうとした。

 

その時、物陰から声が聞こえた。

 

『無視か、白いの』

 

聞き覚えのある声。

 

そこから出てきたのは……イッセー?

 

『起きていたか、赤いの』

 

今度は聞き覚えのない声。

 

発信源は……白龍皇だ。

 

『せっかく出会ったのにこの状況ではな』

 

『いいさ、いずれ戦う運命だ。こういうこともある』

 

『しかし、白いの。以前のように敵意が伝わってこないが?』

 

『赤いの、そちらも敵意が段違いに低いじゃないか』

 

『お互い、戦い以外の興味対象があるということか』

 

『そういうことだ。こちらはしばらく独自に楽しませてもらうよ。たまには悪くないだろう……また会おう、ドライグ』

 

『それもまた一興か。じゃあな、アルビオン』

 

二天龍……その二体の会話が終わり、白龍皇がイッセーに声をかける。

 

「……キミが現赤龍帝か。これだけ恵まれた者の中にいるんだ、いずれ戦うことになる。それまでに強くなってくれよ?俺の宿敵くん」

 

白龍皇はそれだけを言い残して、白い閃光となり飛び去って行った。

 

俺はイッセーに声をかける。

 

「――イッセー」

 

「っ!!ごめんなさい!その――」

 

慌てて謝るイッセー。俺はそんなイッセーを見て安心した。

 

「……別に『そこ』いたことを怒る気はないんだがな。それより、奏を頼む」

 

俺はフラついている奏を支えて言う。

 

「さっき力を使いすぎたんだろう。……完全に疲れ切っている」

 

そう言ってイッセーに奏をあずける。

 

――少しは成長したな……イッセー。

 

俺は校庭に残っている切り株やらの後片付けに入ることにした。

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