ハイスクールD×D 力ある者   作:塩基

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夏です!プールデス!ある意味ピンチ!?

サーゼクスさま来訪から数日。

 

「さて、今日は私たち限定のプール開きよ!」

 

そう!今日はプールです!!待ちに待ったプールの日です!!

 

俺たちオカルト研究部は生徒会からの命令でプールの掃除を任せられていた。

 

プールを一番最初に使っていいことを条件に部長は掃除を快諾している。

 

というわけで、始めますか!!

 

「兄さん!お願いします!!」

 

そう!俺は掃除を兄さんの能力でしてもらうことにしたんだ。兄さんも『泳がせてくれるなら、手伝ってもいいぞ』と快く了解してくれた。このことは部長にも報告済み。

 

水が抜かれたプールの近くに兄さんが立つ。

 

「よし、全員下がっていてくれ」

 

ボンボンッ!!

 

兄さんが分身を出して、手元に丸い球体と渦を巻いている水を出現させた。

 

「「颶風水渦(ぐふうすいか)!!」」

 

ズオォォォォォォオオッッ!!!!

 

二人の兄さんが掌の球体と渦を巻いている水を合わせて放った瞬間、それは大きな渦となってプールの浴槽にこびり付いている(こけ)を削り取っていく。

 

数分すると……プールの浴槽は完全に苔が落とされて、きれいになった。

 

「水も張るか――水遁(すいとん)爆水衝波(ばくすいしょうは)ッッ!!」

 

ドバァァァァァァァッッ!!!!

 

分身が消えたあと、兄さんが大量の水をプールに張った。

 

たった数秒で水が張ってしまった。

 

任務完了(ノルマクリア)

 

兄さんが背伸びをしながら、こっちを向いた。

 

                    D×D

 

拝啓、天国の父さんと母さんへ

 

初夏となりました。らんらんと輝く太陽は、暖かな陽光を届けてくれます。

 

「イッセー、ウォーミングアップに少し泳ぐか?」

 

「……兄さん、今いいところだったのに」

 

俺と兄さんは、水着に着替えてプールサイドに立っている。

 

「ん?」

 

「……何でもないよ。兄さんって泳げたっけ?」

 

「何を言う。二十五メートルを七秒経つ前に泳ぎ切るぞッ!!」

 

「…何か、嘘くさい」

 

「む?勝負するか?」

 

「いいぜ!絶対勝ってやる!!」

 

俺と兄さんは、軽く体を動かして飛び込み台に乗る。

 

「合図はおまえがしろ。何でもいい」

 

「りょーかい。――スタート!!」

 

俺は合図の直後に息を吸い込んで飛び込んだ。兄さんより先に飛び込んだのがわかっていたため、慌てずに泳ぐ。

 

スィー。

 

俺の横を何かが通り過ぎて行った。

 

「(……って、兄さん!!何で魚の脚になってんの!!?)」

 

兄さんだった。きれいな泳ぎであっという間にゴールしてしまった。

 

「――ぷはぁ!」

 

遅れてゴールした俺。

 

「どうだ?速かっただろう?」

 

「……卑怯な」

 

「卑怯じゃないさ。約束通りのことをしただけだ」

 

負けた……確かに『七秒以内』に兄さんは泳ぎ切ったんだ。

 

「あら、二人は何をしているのかしら?」

 

声がした方向…上を見ると、薄い上着を着ている部長がしゃがんで覗いていた。

 

「えーと…兄さんが七秒以内に二五メートルを泳げるって言ったので、試しに競争したら本当に七秒以内に泳いでしまったんですよ」

 

「そうなの?」

 

「まあな」

 

兄さんがプールサイドに上がる。脚は人間の物に戻っていた。

 

「イッセー、さっきのは接収(テイクオーバー)という魔法の一部だ」

 

「テイクオーバー?」

 

「生き物……人間以外の体の一部をコピーして、自分が使うとイメージすればいい」

 

「……よくわからないけど、結構すごい魔法なんだな」

 

「ドラゴンの腕くらいなら、できるかもな」

 

「……兄さん、俺の腕見て言ったでしょ?」

 

「あ、バレタ?」

 

兄さんの意地悪!

 

「……さて、俺は逃げる用意をしますかな?」

 

「…逃げる?」

 

「逃げるさ。イッセーは……天国かもな」

 

「何?その意味深な言い方」

 

「言葉通りさ。……来たか」

 

兄さんの視線の先を見ると、そこには女性陣の皆がいた。

 

皆いろいろな水着を着ている。

 

接収(テイクオーバー)!」

 

兄さんがプールに飛び込みながら、さっきの魔法を使った。

 

ザプーン!

 

水しぶきを上げて着水した兄さん。脚は人魚になっていた。

 

「ねえ、龍介みてにゃい?」

 

丁度すれ違いで黒歌姉さんとカラワーナさん、辰巳、冴子さん、アイム、マリアさん、花楓ちゃん、奏さんがきた。

 

「兄さんはたった今、プールの中に逃げましたよ?」

 

俺がそう言った瞬間、八人の目の色が変わった。

 

「いくにゃ!」

 

ザバーン!!

 

八人同時にプールへ飛び込む。

 

「(うわぁ……兄さん、完全に修羅場になっているよ)」

 

俺は兄さんが、無事成仏できるよう祈ろうと思ったけど…やめた。俺、悪魔だからダメージ受けるし。

 

「(死んでも骨は拾うから)」

 

うん、これでよし。

 

「ねえ、イッセー」

 

俺の後ろから部長の声がした。

 

部長の方を向いた瞬間、鼻血を噴き出した。

 

「私の水着、似合っているかしら?」

 

赤いビキニ!布面積の小さいブラ!エロ過ぎてサイコーです!

 

「あらあら。部長ったら、張り切ってますわ。うふふ、よほどイッセーくんに見せたかったんですわね。ところでイッセーくん、私の方はどうかしら?」

 

と、朱乃さんも歩いて近くまで来ていた。

 

部長とは対極的の真っ白なビキニ。同じく布面積が小さい!

 

「イッセーさん、わ、私も着替えてきました」

 

振り向くとそこにはアーシアがもじもじしながら立っていた。

 

アーシアはスクール水着か。金髪にスク水って、何かと途轍もない破壊力を持っている!胸元にひらがなで『あーしあ』って書かれた名前が素晴らしい!

 

「アーシア、よく似合っているぞ」

 

「えへへ。イッセーさんにそう言われるとうれしいです。白音ちゃんも同じスクール水着なんですよ?」

 

そう言われてアーシアの後ろに目を移すと、白音ちゃんが隠れるように立っていた。

 

ブッ!

 

何故か勢いを増した鼻血。

 

そこに夕麻ちゃんたちも来て、俺の鼻血がフィーバー!

 

色々な水着を見た。可愛いものから布面積の小さいビキニまで。

 

「あぁ――」

 

俺は失血が多いせいで、気を失ってしまった

 

                    D×D

 

気が付いたら、プールサイドに立てていたパラソルの下で寝ていた。

 

「――気が付いたか」

 

近くから兄さんの声。横には兄さんが座っていた。

 

「……逃げ切れた?」

 

「いや、捕まった」

 

兄さんは苦笑いながら答えてくれた。

 

「追加で…デートの約束を取り付けられた」

 

「……誰に?」

 

「八人」

 

「全員!?」

 

驚くのが普通だろう!うらやましいけど……ご愁傷さま。

 

「…イッセー、俺は少し用がある。お前はもう少し休んでから泳いだ方がいい」

 

そう言い残して兄さんは更衣室に入っていった。

 

「……何か買ってこようかな?」

 

のどが渇いたことだし……プールで遊んでいる皆に差し入れでもしようと用具室の前を通った時、誰かに腕を引っ張られて中に引きずり込まれた。

 

ガチャ。

 

ドアが閉められる。

 

「ゼ、ゼノヴィア!?」

 

俺を引きずり込んだ張本人は――ゼノヴィアだ。

 

「お、おまえ……プールにいなかったけど、ここで何をしているんだ?」

 

「……初めての水着だったから、その…似合うかな?」

 

女子更衣室があるのに……こんなところで着替えていたのか?

 

「あ、あぁ。似合ってるぜ。えーと、水着が初めてってことは……教会の規則が厳しいから?」

 

「まあ、そうだね。というよりも、こういうものに私自身興味がなかったんだ。周囲の修道女たち…女性の戦士はその手のものに触れられなくて不満を漏らしていたけどね」

 

「(そっか。ゼノヴィアは戦闘している方が性に合っているタイプだもんな)」

 

「…む、何か失礼なことを考えてなかったか?」

 

「い…いや、そんなことは考えてイマセンヨー」

 

やべぇ、動揺しちまって片言になってしまった!

 

「…ふむ。それは置いておくとして、兵藤一誠。折り入って話がある」

 

「イッセーでいいよ。ゼノヴィアも仲間なんだし」

 

「ではイッセー。改めて言うが、私と子供を作らないか?」

 

「…………」

 

「…聞こえなかったのか?よし、もう一度言うぞ?――イッセー、私と子作りをしよう」

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええッッ!!?――むがっ!」

 

「しーっ!大声を出してはいけない。気づかれる」

 

「(…大声を出すなって、そりゃ無理があるだろう!)」

 

「…お、おまえな……そんなことをいきなり――」

 

俺は目の前にあるゼノヴィアの顔に言葉を失う。

 

その表情は少し悲しそうだったから――。

 

「私は子供のころから、これといって夢や目標というものが、すべて神や進行に絡んだものだった」

 

ゼノヴィアはいつもの表情に戻ると、突然語りだした。

 

「破れかぶれとはいえ悪魔になった今、私は目標…夢がなくなったと言えるんだ」

 

「…あ~、それはわかったけど……それが子作りに繋がったわけ?」

 

「うん。神に仕えていたときは女の喜びを捨てることにしてた。我が身、我が心はすべて信仰のために封印してきたんだ。けれど、今は悪魔だよ?何をしていいか、最初はわからなかった。主であるリアス部長に訊ねたら――」

 

『悪魔は欲を持ち、欲を叶え、欲を与え、欲を望むもの。好きに生きてみなさい』

 

「――そう言われた。だから、私は封印していたものを開放し、それを堪能しようと思う」

 

「………」

 

「そして、私の新たな目標――夢は、子供を産むことなんだ」

 

「……理由はわかったけど、何故に俺?」

 

事後のことを考えていたとしても……わからない。

 

「…イッセーがいいんだ。キミはあの時私を助けてくれた。――それに、赤龍帝を宿しているからだろうか、日に日に徐々にだが…ドラゴンのオーラを身につけだしている。最初に会った時より、少しオーラが増している」

 

「……そうなのか?全く気が付かなかった」

 

「……私は子供を作る以上、強い子になってほしいと思っている。――そこでイッセーが一番適任だと思った。伝説の赤龍帝の力――神器(セイクリッド・ギア)自体が子に受け継がれなくても、オーラは受け継がれるかもしれないだろう?これは好機なんだ……そういうわけで、ここには人気がない。さっそく試してみよう。何事も早め早めがいい」

 

話しが終わるや否や、水着に手をかけて――。

 

ぶるんっ!

 

躊躇いもなく脱ぎだした!

 

タラり……。

 

俺は眼前の光景に鼻血を流す。――てか、俺は今日どれくらい鼻血を流しているんだ?

 

「……残念なことに私は男性経験がない。これから覚えていくつもりだが、性知識の豊富そうなイッセーに今は合わせよう――抱いてくれ。子作りの過程であれば何をしてもかまわない、好きにしてくれていい」

 

そう言って抱きついてくるゼノヴィア!胸が、俺の胸におっぱいが当たってる!

 

そのときだった!

 

ドゴンッ!!

 

用具室のドアが吹き飛んだ!?

 

「……イッセー?これはどういうことかしら?」

 

「あらあら。ずるいわ、ゼノヴィアちゃんったら。イッセーくんの貞操は私が貰う予定なのですよ?」

 

「うぅ、イッセーさん……。酷いです。わ、私だって言ってくれたら……」

 

「……油断も隙もありませんね」

 

「イッセーくん、覚悟できてます?」

 

そこに立っていたのは女性陣の皆さん。

 

「(……ちょっと待て!最後の言葉発したの夕麻ちゃんだよね!?ものすごく嫌な予感がしてたまらないんだけど!!)」

 

「どうした?イッセー。さあ、子供を作ろう」

 

ゼノヴィアの『子供を作ろう』という言葉に、女性陣の顔の色が変わった。

 

ガシッ!

 

俺は部長と朱乃さんに腕をつかまれ、プールサイドの方に引きずられていく。

 

「イッセー、隙あらば私はキミと子作りするから、それだけは覚えておいてくれ。覚悟も決めておくように」

 

「ゼノヴィアァァァァァァアアッッ!!ちったぁ助けろぉぉぉぉぉぉおおッッ!!」

 

こうしてゼノヴィアから新たな火種をもらい、俺はプールサイドで追い掛け回された。

 

                    D×D

 

「(あ~、刺激的で痛い一日だった……)」

 

俺はプールから出て、校庭の方へ歩いていた。

 

校舎を出ようとした時、校門の壁際に銀が映り込む。

 

「……」

 

銀髪の美少年が校舎を見上げている……グレイフィアさんの銀髪より濃い、ダークな銀髪だ。

 

ふと、その少年が気がついたのか…視線がこっちに移る。透き通った蒼い眼、外国人だろうか? 

「やあ、いい学校だね」

 

「え~と…まあね」

 

無理やり作った笑顔のせいか、声が若干震えてしまった。

 

「…ふっ。緊張しているのか?」

 

「…いや、ちょっと風邪気味で」

 

「そうなのか。――俺はヴァーリ。白龍皇――『白い龍(バニシング・ドラゴン)』だ」

 

……へっ?今なんて言ったの?

 

「ここで会うのは二度目か、『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』――赤龍帝。兵藤一誠」

 

「……痛っ」

 

間違いないみたいだ……俺の左腕が反応しているのが証拠だ。

 

身構える俺へ『白い龍(バニシング・ドラゴン)』は不敵な笑みを見せる。

 

「そうだな。たとえば、俺がここで兵藤一誠に魔術的なものをかけたり――」

 

ザザッ!!

 

白い龍(バニシング・ドラゴン)』の左手の指先が俺の鼻の先端に迫った瞬間、二本の剣が奴の首元に突きつけられた。

 

気配を感じなかった……祐奈とゼノヴィアは『聖魔剣』と『聖剣(デュランダル)』を『白い龍(バニシング・ドラゴン)』に突きつけている。

 

「何をするつもりなのかは知らないけど、冗談が過ぎるんじゃないかな?」

 

「ここで赤龍帝との決戦を始めさせるわけにはいかないな。白龍皇」

 

祐奈もゼノヴィアもドスの効いた声音だ。

 

「やめておいた方がいい。――手が震えているじゃないか」

 

確かに二人とも手が震えている。

 

「誇っていい。相手との力量差がわかるのは強い証拠だ。――俺とキミたちとの間には決定的なほどの差がある……が、俺より強いやつがいるね」

 

白い龍(バニシング・ドラゴン)』は俺の後方を見ている……そこには、辰巳と花楓ちゃんが立っていた。

 

「……アルビオン、久しい」

 

『…この声は、オーフィスか?』

 

「その名前、我の『片割れ(いもうと)』のもの。今は『遠山辰巳』……それが我の名前」

 

『……変わったな。少し前までは『次元の狭間』へ帰りたがっていたのにな』

 

「…それはずっと前のこと。今はこの楽しい生活がいい。――我は『次元の狭間』へ戻る気はない」

 

『そうか…』

 

白い龍(バニシング・ドラゴン)』の光翼が出現したと思ったら、そこからあの日と同じ声が聞こえた。

 

『……ドライグ』

 

『何だ、アルビオン』

 

今度は俺の『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』からドライグが話し出した。

 

『俺はうれしいぞ』

 

『…どういうことだ?』

 

『おまえの宿主はこれから先、大きく成長するだろうな』

 

『…さあな』

 

『俺は楽しみにしている。最高の戦いを』

 

『……そうだな』

 

「アルビオン、会話の途中で悪いが……来たみたいだ」

 

俺は一瞬(?)が浮かんだが、その言葉をすぐに理解した。

 

「……兄さん」

 

そう、兄さんが俺の隣に立っていた。

 

「…白龍皇。堂々と姿を現すとはな」

 

「さすが、不動の存在と対等なだけはあるな」

 

白い龍(バニシング・ドラゴン)』がそう言う。

 

「……不動の存在か。俺にそこまでの力はないよ」

 

兄さんは自嘲するように言った。

 

「――二天龍(にてんりゅう)と称されたドラゴン。『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』と『白い龍(バニシング・ドラゴン)』。過去、関わった者はろくな生き方をしていないが……今現在、違った方向に進んでいる」

 

俺の後ろに話すように言う『白い龍(バニシング・ドラゴン)』。

 

「白龍皇、何のつもりかしら?」

 

そこには部長とオカルト研究部のメンバーが揃っていた。

 

「今日は別に戦いにきたわけじゃない。ちょっと先日訪れた学び舎を見てみたかっただけだ。アザゼルの付き添いで来日していてね、ただの退屈しのぎだよ。――ここで『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』とは戦わない。それに――俺にもやることが多いからさ」

 

奴――ヴァーリがそう言い残してこの場を後にする。

 

アザゼル、そして『白い龍(バニシング・ドラゴン)』――ヴァーリ(白龍皇)。望んでもいない者が俺たちのもとへ集まりつつあった。

 

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