ハイスクールD×D 力ある者   作:塩基

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もう一人の『僧侶』登場!

――翌日――

 

俺――遠山 龍介は、自室で本を読んでいる。

 

「――はぁ」

 

疲れた…昨日の放課後、オカルト研究部の部室で俺とアリ――理恵の関係を散々訊かれた。

 

それについて俺は『転生前の元カノだった』と答えたのが悪かったのか、黒歌、カラワーナ、辰巳、冴子、アイム、マリアが血相を変えて執拗に訊いてくるんだぞ。地獄にいる気分だった……行ったことはあるけどな。

 

「(俺だって朴念仁じゃない。あいつらの気持ちはわかっているつもりだ……言葉を考えて出すべきだったな)」

 

コンコン。

 

「兄さんいる?」

 

廊下からイッセーの声がした。

 

「……入れ」

 

俺は本を棚の中に直し、ベッドの上に座る。

 

「兄さん…昨日の夜、サーゼクスさまと部長の父さんが泊まっていったでしょ?その時にさ、サーゼクスさまが部長に『僧侶(ビショップ)』について話をして……今日の放課後に部長がそのことで協力をしてほしいんだって。何でも、その『僧侶』が持っている能力が危険なんだってさ」

 

「……わかった。俺もその『僧侶』に興味があるから、手伝うとリアスに言っておいてくれ。それとだが、このことをほかの誰かに言ったか?」

 

「うん。全員知ってるよ。俺から話をしたんだ」

 

「そうか…準備しておく」

 

イッセーは「……ありがとう」と言って、部屋を出ていった。

 

「…さて、ハーフヴァンパイアの登場か」

 

俺は『そいつ』がどっちの性別なのか気になっていた……祐奈の例があるからな。

 

                    D×D

 

――放課後――

 

俺は部室から例の『僧侶』のいる『開かずの教室』の前に移動した。イッセーたちはもちろんだが、家からは黒歌、アイム、カミュも同行している。簡単に言えば、全員が揃っているということだ。

 

部屋の前には『KEEP OUT!!』のテープが幾重にも張り廻られていて、不気味さを醸し出している。

 

「あらあら~、皆さんここで何をしているのですかぁ?」

 

後ろから声がかけられる。

 

「……理恵か」

 

『理恵先生!?』

 

そこにいるのは、身長155cmのおっとりツインテールの『栗栖理恵』こと『アリエル』だ。

 

「何をしに来たんだ?」

 

「私はぁ、あなたたちの不審な動きを察知しましてぇ~……ついてきましたぁ」

 

「……うむ。気配を感じさせないとは…な。理恵」

 

「そう警戒しなくても大丈夫ですよ~。私は『見学』に来ただけですからぁ」

 

にこにこ笑顔で話す理恵(アリエル)

 

あぁ~、黒歌たちの視線が痛いのは俺の気のせいだろうか?

 

「……わかりました」

 

リアスが渋々了承して、扉の術式を展開した魔方陣で解除している。それを隣で手伝う朱乃。

 

俺は『KEEP OUT!!』のテープが邪魔と思い、『傀儡の術』に使う糸を指先から出してテープを一気に剥がした。

 

部室でリアスと朱乃から事前に中にいる『ハーフ吸血鬼(ヴァンパイア)』のことを聞いている。

 

原作通りの『引きこもりの金稼ぎ』だった。もちろん『対人恐怖症』のことも聞いたが、性別のことは訊いていない……イッセーの落ち込む姿が見れたらいいと思っているからだ。

 

「――さて、扉を開けるわ」

 

扉の術式を解いたリアスと朱乃が扉をあけ放った――その瞬間!

 

「イヤァァァァァァァァァァアアッッ!!!!」

 

『――ッ!!』

 

途轍もない声量の絶叫がこだまする。リアスと朱乃は何の躊躇もなく中へ入っていき、祐奈も後に続いて入っていった。

 

『ごきげんよう。元気そうでよかったわ』

 

『な、な、何事ですかぁぁぁぁ!?』

 

『あらあら。封印が解けたのですよ?もうお外に出られるのです。さあ、私たちと一緒に出ましょう?』

 

『やですぅぅぅぅぅぅ!!ここがいいですぅぅぅぅぅ!!外に行きたくない!人に会いたくないぃぃぃぃぃぃいッッ!!』

 

物凄く引きこもり重傷な会話がよく聞こえてくる。

 

俺は中へと歩みを進める。その後についてくる面々。

 

部屋の中はカーテンが閉め切られていて薄暗い。だが、装飾の方は可愛らしくぬいぐるみなどが置かれており、完全に女の子の部屋だった。

 

部屋の奥に棺桶が一つ、装飾としては相応しくないものだ。

 

「(流石『ハーフヴァンパイア』だな)」

 

俺はさらに歩みを進める。

 

リアスたちが床に座り、例の『僧侶』と話しているようだ。

 

その『僧侶』は金髪に赤い相貌した『人形』と形容しても違和感がない。その『僧侶』は床に力なくへたりと座り込んでおり、リアスたち三人から逃げようと震えながら構えていた。

 

「おおっ!!女の子!しかも外国の!」

 

イッセーがその『僧侶』を見るや否や、予想通りの反応を示した。

 

「見た目が女の子だけれど、この子は紛れもない男の子よ」

 

その言葉を聞いた瞬間、イッセーが凍結した。

 

「いやいやいや、どう見ても女の子ですよ。部長!」

 

コンマ数秒後、凍結から回復したイッセーは突っ込む。

 

「女装趣味があるのですよ」

 

朱乃からの補足という、イッセーにとっての『死刑宣告』下った。

 

「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええッッ!!!!」

 

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃいいッッ!!ごめんなさいごめんなさぁぁぁぁぁいッッ!!」

 

予想通りの反応を見て、俺は居ても立ってもいられるわけなく――。

 

「ククク……あはははははははははっっ!!!」

 

腹を抱えて大笑いしてしまう。

 

「「ご、ゴメンなさい…あははは!!」」

 

近くで声を揃えて笑う奏と花楓。

 

「あらあら~。面白いことになりましたねぇ」

 

アリエルもクスクスと笑っている。

 

「な、何事ですかぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

始めと同じセリフを言うハーフヴァンパイア。

 

周りの視線がこっちに集中しているのがよくわかる。

 

「クク……悪い悪い。イッセーが予想通りの反応をしたから、耐えられなくてな」

 

「酷ッ!!兄さん、これでも結構深刻な問題なんだぞ!?」

 

「女装がか?」

 

「そうだよ!完全に美少女な姿で……男だなんて…チ○コがついているだなんて……」

 

「……兄さま、下品な単語は禁止です」

 

「イテテテテ……」

 

いつの間にかイッセーの隣にいた白音が頬を引っ張っている。

 

「話を戻すわ……あなたがここにいる間に増えた眷属よ。『兵士(ポーン)』の兵藤一誠、『騎士(ナイト)』のゼノヴィア、あなたと同じ『僧侶(ビショップ)』のアーシア。それと、彼たちは関係者なの」

 

紹介され『よろしく』とあいさつをする俺たち。

 

当のハーフヴァンパイアは「ヒィィィィ!人がいっぱい増えてる!」と、重傷間違いなしの様子を見せた。

 

「お願いだから、外に出ましょう?ね?もうあなたは封印されなくてもいいのよ?」

 

リアスが優しく言うが――。

 

「嫌です!!僕に外なんて似合わないですぅぅぅぅ!怖い!どうせ、僕が出てっても迷惑をかけるだけ――」

 

「ほら、部長が出ろって言っているだろ」

 

イッセーは居ても立っても居られなくなったのか、ハーフヴァンパイアの手を引っ張っていこうとした。

 

その時――。

 

「ヒィィィィィ!!」

 

ハーフヴァンパイアが悲鳴を上げ、部屋の空気がガラリと変わった。

 

「……停めたか。無事なのは――」

 

俺は周囲を見てみる。

 

「――花楓と奏。それに、冴子と理恵…カミュか」

 

俺はイッセーの方を見ると、ハーフヴァンパイア……女装っ娘が部屋の隅へ逃げていくのが見えた。

 

仕方なく後をついていく。その後ろに無事に動ける五人がついてきた。

 

「……なぁ、今のはおまえの力なんだな?」

 

俺は女装っ娘の前に立つと、声をかける。

 

「ヒィィィィィ!!な、何で動けるんですかぁぁぁ!!?」

 

「……俺たちがおまえより力が上だったんだよ」

 

俺は簡潔に説明した。

 

「それに俺の眼を見ろ」

 

俺は『写輪眼』発動して、女装っ娘に見せてやる。

 

「そ、その眼は??」

 

「おまえと同じ力を持った眼だ。時間は停められないが、心身にダメージを負わせることができる」

 

「ヒィィィィ!!それで僕をどうするつもりですかぁぁ!!」

 

「何もしないさ。ただの自己紹介みたいなもんだ」

 

俺はこっちへ向かって歩いてくる三人の気配を探知して、会話を切った。

 

「――やっぱり発動してしまったわね」

 

リアスたちだ……時間の停止が解けたのだろうな。

 

「あぁ。さすがに時間の停止は怖いな」

 

素直な感想だ。今は俺に効果がなくとも、いずれは俺を停めるものになりかねない。

 

気がつくと、次々に時間の停止が解けていく面々。

 

「――おかしいです。何かいま一瞬……」

 

「――何かされたのは確かだね」

 

「…………」

 

その中にイッセーたちの姿が覗える。

 

「怒らないで!怒らないで!ぶたないでくださぁぁぁぁぁぁぁいッ!」

 

相変わらず叫ぶ女装っ娘。

 

「その子は興奮すると、視界に映したすべてのモノを一定の間停止させることのできる神器(セイクリッド・ギア)を持っているのですが……制御ができないため、大公及び魔王サーゼクスさまの命でここに封じられていました」

 

朱乃が全員に説明する。

 

リアスは女装っ娘を後ろから優しく抱きしめ、俺たち全員に言う。

 

「改めて紹介するわね。この子はギャスパー・ヴラディ。私の眷属の『僧侶』。駒王学園一年生で、人間と吸血鬼(ヴァンパイア)のハーフよ」

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