ハイスクールD×D 力ある者   作:塩基

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己の道

俺たちは今、グレモリー邸へ戻るために列車に乗っている。

 

先ほどまでアジュカの魔方陣で内にある駒の情報を見てもらっていた。

 

これが想像以上の現象で、目のあたりにした能力の解放(暴走)はごく一部の現象らしい。しかし、それは俺によって制御されているので簡単にはなることはないそうだ。

 

こう見えても俺は異世界の転生者。いくら力があろうとも、無知では意味をなさない。

 

悪魔に転生することはできなかったが、永遠に近い寿命と新たに力を得ることができた。俺は元々長寿な体なのだが、それにも限界がある。ここにいるリエだけは別なのだが。

 

俺は五人に今後の活動について説明した。

 

角都と飛段はグレモリー邸に着いた後、当主に挨拶をして領地へ移動する。

 

あ、そうそう。領地はちゃんともらっている。相当広範囲で自然が豊富な場所だ。ただ、グレモリー邸からかなり離れており、歩けば確実に二週間はかかる距離だ。

 

まぁ、そこは何とか転移系のモノでできるとして、その領地を六等分にして各々のところに印をつける……冥界の地図に。

 

六等分にしたはいいけど、これが結構変わった配置になっていたりする。

 

俺を中心に北から西北西がリエ。西北西から西南西に花楓。西南西から東南東に奏。東南東から東北東に飛段。東北東から北に飛段と、完全に囲まれている状態。まぁ、俺の領地はアジア大陸並みに広い。使い道に困るなぁ……。

 

冥界には海がないために大陸続きになっており、手のつけられていない領土が多いとのこと。

 

――話を戻す。

 

領地に顔を出したら、俺の領地の中心部に集合するよう言う。

 

転生をしたことにより力の出力などが不安定なため、力の安定を図ることを目的とした修行を行うことにした。

 

そのことをアザゼルとリアスに連絡したところ、二人からは『十五日には本邸に戻ってこい』と言われた。

 

何でも魔王主催のパーティを開催するらしい。原作でも同じ行事をしていた。

 

「(ん~、何かを忘れているような……?)」

 

俺は何かに躓きながらも、そのことを後回しにした。

 

一応アザゼルには飛段と角都のことは話してもいいと伝えたが、俺たちが駒の力を得たことは内密にしてもらっている。あることを条件(脅迫)として。

 

説明を終えるころには、グレモリー邸の前に停車した。

 

約束通り角都と飛段には当主に挨拶をしてもらう。

 

その後、二人は部屋へ案内されて、飛段が俺の部屋に置いていた武器を取りに来た。俺は少しの間、リエたちと冥界を観光してくると無理のある内容をカミュ、リアス、アザゼル、ルリエル、エール、アースに魔方陣を通して話しておいた。

 

以外にも話が通ったのは、日ごろの行いのおかげだろう。

 

準備が整い、俺の右肩に乗っていたミニ・オシリスの(てん)(くう)(りゅう)に指示を出す。すると、上空で光り輝きだして召喚時と同じ大きさになった。

 

俺たちは降りている尾から乗っていき、俺たちが乗ったことを確認したオシリスの(てん)(くう)(りゅう)は上昇を開始する。

 

グレモリー邸がどんどん離れていき、見えなくなってしまった。

 

それから十数分、無事領地に到着した俺たちは各々顔を出しに解散した。

 

俺は全員が戻ってくる前に泊まれる宿を創ることにした。

 

木遁(もくとん)連柱家(れんちゅうか)

 

印を組み、何もない地面から木造の宿を二軒創りだす。

 

数日前の偵察同様、室内温泉を創ったりして数時間が過ぎた。

 

丁度その頃、顔出しに行った五人が帰ってきていて、俺が寝ていた大広間に入ってきた。

 

空には月……魔力で創った月が昇っている。

 

俺は全員が集まっていることに気づき、体を起こした。

 

「お帰り、領の様子はどうだった?」

 

「……誰もいなかったけど?」

 

花楓の言葉に全員が瞑目した。

 

どうやら、この地域には住民はいないようだ。

 

「(さすがに疲れた……)」

 

「あ~、明日から少しの間だけ各々の能力を見ようかな~って思っていて、特に二人の能力の確認を中心にしていきたいと思う」

 

俺は飛段と角都の方を見て言う。

 

「それは、『手合せ』と受け取っていいんだな?」

 

「そういうことだな。手合せでどのくらい力量があるのか確かめようと思っていてな」

 

話は進み、数十分話し合った後は、リエたち三人には隣の女子用旅館を使ってもらい、俺たちはここの旅館内に設置した温泉に入った。

 

面白いことに、角都はそのまま入るのではなく……背中から四体の異形なモノたちを出現させて湯に浸かる。しかも、その四体も温泉に浸かってくつろいでいた。笑える光景だった。

 

――数日後――

 

期日の十五日になり、グレモリー邸に戻ることになった。

 

支度をして宿を出る。五人はとっくに用意をしていて、俺が出てくるのを待っていたようだ。

 

「悪い、支度に手間取った」

 

俺は一言謝りを入れ、ミニ・オシリスの(てん)(くう)(りゅう)に指示を送って、乗れる大きさになってもらった。

 

今は少し急いでいるので、飛んでいるオシリスの(てん)(くう)(りゅう)に多少なり速く飛んでもらうことにした。

 

行きより断然速くグレモリー邸の上空に到着した俺たち。

 

下から見上げている影――イッセーたちだ。

 

近くにはドラゴン――タンニーンもおり、オシリスの(てん)(くう)(りゅう)に視線が釘付けだった。デカいもんな、こいつ。

 

オシリスの(てん)(くう)(りゅう)は尾を地面につけてホバリングして、全員が降りた直後にミニサイズになった。

 

「――では、俺はこれで。魔王主催のパーティには俺も出席する。また会おう、兵藤一誠、それとドライグ」

 

「うん。おっさんありがとう!!パーティでまた!」

 

『すまんな、タンニーン。また会おう』

 

「あぁ、俺も楽しかった。あのドライグに協力したのだからな。長生きはするものだ。そうだ、俺の背に乗ってパーティ入りするか?」

 

「本当にいいの?」

 

「あぁ、問題ない。俺の眷属を連れて、パーティ開催時にここへ来よう。詳しくはあとでグレモリーに連絡を入れる。――では、明日、またここへ来よう。さらばだ!」

 

イッセーとドライグ、タンニーンの会話が終わり、タンニーンが飛び去って行った。

 

「――よう、大分元気そうだな。イッセー」

 

俺が声をかけると、イッセーが振り返った。

 

「……兄さん、さっきの龍は?」

 

「あぁ、こいつのことか」

 

俺は肩に停まっているミニ・オシリスの(てん)(くう)(りゅう)を指差した。

 

「こいつは『オシリスの(てん)(くう)(りゅう)』。俺の(セイクリ)(ッド・ギア)で創りだした神獣さ」

 

「神獣!?」

 

度肝を抜かれたように驚いたイッセー。

 

「今更、驚くことはないだろ……」

 

疲れを隠せない俺。トーンが低くなっていたことに気づいたが、あえて直さないで話した。

 

その後、所々が破けたジャージ姿の祐奈とミイラ女へ化したゼノヴィアと合流する。

 

城門付近で数人の気配を感じた。皆知っている気配だ。

 

「イッセーさん!祐奈さん、ゼノヴィアさんも!」

 

城門から姿を現したのはアーシア。

 

「外出組は、全員そろったようね」

 

続いてリアスが出てきた。

 

その後ろからは……エールとルリエルたち八人。

 

「さて、皆。入ってちょうだい。シャワーを浴びて着替えたら、修行の報告会をしましょう」

 

俺は皆が城門へ入っていく最中、あることに気がついた。

 

「(イッセーのオーラが……桁違いに上がっている?)」

 

さっきまでは感じられなかったが、たった今……リアスたちと合流した直後に感じ取れた。

 

                    D×D

 

全員がこうして集合できたのは約三週間ぶりだ。俺たちが一時的にここへ帰ってきたときは、全員出払っていて会っていなかった。だが、黒歌と白音が修行中に倒れたとき、俺たち以外のほとんどのメンバーが集合したらしい…………二日ほどの入れ違いで。

 

イッセーの部屋で各自終了報告をしている。何故イッセーの部屋でかと?そんなこと俺は知らない。――まあ、大体予測はついている。ここが集まりやすい部屋なのはね。

 

祐奈が師との修行の顛末、ゼノヴィアも修行の内容を。レーティングゲームに不参加の者は、参加する者の手伝いをしていたということ。

 

俺は角都と飛段の経緯について報告したあと、サーゼクスたちに頼んで『(イーヴ)(ィル)(・ピ)(ース)』をもらって転生した経緯を話した。アザゼル以外このことを知らない全員が驚いていた。内容も『悪魔に転生できなかった』と話すと、全員が軽く引いたような反応をしていた。その反応は……悲しいよ、お兄さんは。

 

一応その証拠として、各々に演出を見せてもらった。

 

角都は大出量のチャクラを練り上げる。飛段はプロモーションを。リエは変身なしで近くの大きな花瓶を持ち上げてみせる。奏は素のままで神速の移動を見せている。花楓は俺に向けて魔法をぶっ放してきた!?

 

俺は花楓のぶっ放してきた魔法を、腕から出現させた大きな半透明の蛇で飲み込んだ。――八岐大蛇(やまたのおろち)こと叢雲(ムラクモ)の力で。

 

それを見た瞬間、全員の……この場の空気が凍りついた。

 

「…………おいおいおい!!今のは……まさか――」

 

どうやらアザゼルは気がついたようだ。――俺の中にいる存在に。

 

『――初めましてだな。我は八岐大蛇(やまたのおろち)こと「霊妙を喰らう狂龍(ヴェノム・ブラッド・ドラゴン)」。名は叢雲(ムラクモ)

 

腕から出現している半透明の大蛇が自己紹介をしている。なんというシュールな光景……。

 

名前を聞いて、大半が動揺を隠せないでいる。

 

知らない者――特にイッセーとアーシアは頭の上に?が浮かんでいた。

 

「どういうことだ!?龍介!」

 

アザゼルが激怒するが、俺は冷静に内を話した。

 

「――そういうことか」

 

話せばわかるとはよく言ったもの。アザゼルは冷静を戻し、話を聞いてくれた。

 

「……でも、蛇やドラゴンって、(ドラゴ)(ン・スレ)(イヤー)が苦手じゃなかった?」

 

イッセーが疑問をぶつけてきた。そうだったな、コカビエルの時の件か。

 

「すべてと言ってもいい蛇とドラゴンは、(ドラゴ)(ン・スレ)(イヤー)が弱点だ。だが、この叢雲(ムラクモ)(ドラゴ)(ン・スレ)(イヤー)事態に耐性を持っている唯一のドラゴンだ。かの有名な聖剣――天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)、または草薙剣(くさなぎのつるぎ)といったな。その聖剣の能力は、(ドラゴ)(ン・スレ)(イヤー)(キャ)(ンセ)(ラー)(ドラゴ)(ン・スレ)(イヤー)の力を受け付けない力を持っている。その生みの親がこいつ……八岐大蛇(やまたのおろち)なんだよ」

 

俺の説明を受けてポカーンとしていたイッセーは、ハッと我に戻って結論に至った。

 

「……そういうことなんだ。だから、(ドラゴ)(ン・スレ)(イヤー)の能力を持ったグラムの効果が効かなかったわけなんだね」

 

「そういうこと。ただし、受け付けないのであって、他のドラゴンは関係なくダメージを受ける。おまえも感じていたはずなんだが……」

 

それを聞いて、イッセーは首を縦に振った。

 

「まあ、俺とメンバーの報告は以上だな」

 

その後、イッセーの報告を聞いた俺はとんでもないものだと同情してしまった。

 

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