ハイスクールD×D 力ある者   作:塩基

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グレートレッドとオーフィス

目を覚ましたイッセーは、号泣するリアスや朱乃……数人の女子メンバーに抱きつかれていた。

 

「うーん、あれ?何がどうなったんだ?」

 

俺は未だに状況の掴めていないイッセーの近くまで行き、これまでの経緯(できごと)を話す。

 

「イッセー、おまえは暴走して『(ジャガーノー)(ト・ドライブ)』の状態になったんだ。おかげで神殿はこの有り様…。そうそう、シャルバはおまえが倒したよ」

 

実際、ギリギリで退散したようだが……今はそういうことにしておいた方がいいからな。

 

「ヴァーリが助けてくれたのよ」

 

ゼノヴィアに抱きかかえられているアーシアの傍に座ったイッセーに祐奈が教える。イッセーがヴァーリを見ると、ヴァーリは今でも疑問に思っているのか、隠すように苦笑いを浮かべていた。

 

「……あれ?……イッセーさん?」

 

アーシアが気がついたようだ。

 

ドン!

 

起き上がろうとしていたアーシアに抱きつこうとしたイッセー。それを横からゼノヴィアに弾き飛ばされた。

 

「アーシア!」

 

アーシアに抱きつくゼノヴィア。今まで見せたことがないほど号泣している。

 

「アーシア!アーシアアーシアアーシアアーシアアーシア!!私とおまえは友達だ!ずっとずっと友達だ!!だから、もう私を置いていかないでくれ!」

 

アーシアは泣いているゼノヴィアの頭をやさしく撫でる。

 

「よかったわね」

 

「そうね」

 

「一時はどうなるかと思ったわ」

 

「無事だったからよかったっしょ」

 

「ホントにねぇ」

 

マリア、カラワーナ、レイナーレ、ミッテルト、イリナは傍で微笑んだり泣いたりしていた。

 

「ゼノヴィアさん……苦しいです…」

 

あまりに抱きつき過ぎていたのか、アーシアは苦笑しながらそう漏らした。

 

「ギギギギギギギギギギギ」

 

鮫肌も無事に帰ってきたアーシアにすり寄って甘えている。

 

とにかく、一件落着ってところだな…。

 

俺は軽く息を吸い…吐いた。

 

ヴァーリがイッセーに話しかける。

 

「兵藤一誠、無事だったようだな」

 

「ああ。なんだか、世話になっちまったようだな」

 

「ま、たまには良いだろう。それよりもそろそろだ。空中を見ていろ」

 

ヴァーリがフィールドの宙を指さす。釣られるように宙を見たイッセー。

 

感じる……大きな存在の気配を…。

 

バチッ、バチッ!!

 

空間に巨大な穴が開き始める。

 

「あれは――」

 

空間にできた巨大な穴から出現する真紅の巨大な龍を目の前に、俺たち数名以外の全員が驚きのあまりに口が開きっ放しになる…。

 

ヴァーリが口元を緩くにやけさせながら言う。

 

「よく見ておけ、兵藤一誠。あれが俺が見たかったものだ」

 

「デカッ!!」

 

イッセーが我に返ったのか、一言そう口にした。

 

「『赤い龍』と呼ばれるドラゴンは二種類いる。ひとつはキミに宿るウェールズの(いにしえ)のドラゴン――ウェルシュ・ドラゴン…赤龍帝だ。白龍皇もその伝承に出てくる同じ出自のもの。だが、もう一体だけ『赤い龍』がいる。それが『黙示録(もくしろく)』に記されし、赤いドラゴンだ」

 

「……グレートレッド」

 

イッセーがポツリと漏らす。

 

「知っているのか?『真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)』グレートレッドを」

 

「俺が悪魔に転生してから直ぐに兄さんから教えてもらったから…」

 

「そうか、説明が省けたな…。俺が最も戦いたい相手――『(ドラゴン)×(・オブ・)(ドラゴン)』と呼ばれし『真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)』グレートレッド。――俺は『真なる白龍神皇』になりたいんだ。赤の最上位がいるのに、白だけ一歩前止まりでは格好がつかないだろう?だから、俺はそれになる。いつか、グレートレッドを倒してな。だが、その前に倒す人物がいる…。それがキミの義兄(あに)の遠山龍介」

 

……俺かぁ。まぁ、いいだろう…いつか相手になろうじゃないか。

 

「グレートレッド、久しい」

 

俺達のすぐ近くに黒髪黒ワンピースの少女が立っていた。

 

「誰だ、あの()……?あれ?何か、辰巳によく似ているような…?」

 

イッセーがその少女を見て首をかしげていた。リアスたちも似た反応をしている。

 

「――オーフィス。辰巳の片割れ(いもうと)で、『(カオス)(・ブリ)(ゲード)』のトップだ」

 

俺は確認して口にした。すると、イッセーたちが「この少女が!?」的な目でこっちを見た……何だよ、俺を見ても何もないぞ。

 

オーフィスはグレートレッドに指鉄砲のかまえでバンッと撃ちだす格好をした。

 

「我は、いつか必ず静寂を手にする」

 

変わらないな……十五年前の辰巳と――。

 

バサッ――ドスンッ!!

 

空中からタンニーンに乗ったアザゼル、飛段、角都が着陸した。相変わらず、飛段はタンニーンの頭の上に座っていた。

 

カッ!!

 

例の門式魔方陣も現れ、中からアイム、理子、春奈、レヴィ、ベネチア、アリス、マキア、辰巳、エール、奏が潜り抜けて出てきた。

 

「先生、飛段さん、角都さん、おっさん!」

 

「全員、ご苦労さん」

 

「おー、イッセー。元に戻ったようだな。俺もどうなるか怖かったが、おまえならあの歌や女の胸で『(ジャガーノー)(ト・ドライブ)』から戻るかもなんて思っていた。乳をつついて(バランス)(・ブレイカー)に至った(おお)()鹿()()(ろう)だからな。あの歌の作詞をしたかいがあったぜ」

 

「ハハハハ、さすがは乳の好きな赤龍帝だ!――と、オーフィスを追ってきたらとんでもないものが出ているな」

 

アザゼルとタンニーンがイッセーと話した直後、空を飛んでいるグレートレッドに視線を向ける。

 

「懐かしい、グレートレッドか」

 

「タンニーンは戦ったことあるのか?」

 

「いや、俺なぞ歯牙(しが)にもかけてくれなかったさ。龍介のほうはあるのか?」

 

「いや、俺もない。グレートレッドは未知数だ……『人間最強』や『真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)と並ぶ者』なんて通り名みたいのはいくつもあるが、名前負けしているのと変わらない」

 

俺とタンニーンが話し終えると、ヴァーリがアザゼルに話しかける。

 

「久しぶりだな、アザゼル……クルゼレイ・アスモデウスは倒したのか?」

 

「あぁ、旧アスモデウスはアリスが片付けた。と言うより、説教と『尻叩き千回』で終わったけどな。タンニーンの尻尾に辰巳の蛇で縛りつけているぞ」

 

すると、タンニーンが尻尾をもちあげた。そこには、縛り付けられて気を失っているクルゼレイ・アスモデウスが…。

 

「まぁ、 まとめていた奴らが取られれば配下も逃げ出す。シャルバ・ベルゼブブのほうはイッセーが『(ジャガーノー)(ト・ドライブ)』で片づけたみたいだしな」

 

「お兄さまは?」

 

リアスがアザゼルに訊く。

 

「結界が崩壊したからな、観戦ルームに戻ったよ」

 

そのアザゼルがオーフィスに言う。

 

「オーフィス。各地で暴れ回った旧魔王派の連中は退却及び降伏した。――事実上、まとめていた末裔共を失った旧魔王派は壊滅状態だ」

 

「そう。それもまたひとつの結末」

 

オーフィスはまったく驚く様子も無く言う。目的以外なら、どうだっていいのだろうな…。

 

それを聞き、アザゼルは半眼で肩をすくめた。

 

「お前らの中であとヴァーリ以外に大きな勢力は人間の英雄や勇者の末裔、(セイクリッ)(ド・ギア)の所有者が集まった『英雄派』だけか」

 

英雄派か…。厄介なことこの上なしだろうな……。

 

アザゼルが光の槍をオーフィスに向ける。しかし、オーフィスはきびすを返した。

 

「我は帰る」

 

それは良かったと思う…。後ろにいる辰巳が不吉なオーラをまとわせているのが察知できたからだ。

 

オーフィスが消え去ると同時に、近くで空間に裂け目が開いたのを感じ取ってそっちを向いた。

 

「俺たちも退散しよう」

 

ヴァーリがイッセーに向けて続ける。

 

「兵藤一誠、俺を倒したいか?」

 

「……倒したいさ。けど、俺が超えたいものはお前だけじゃない。本気の兄さんも超えたいし、ダチの匙も超えたい。俺には超えたいものがたくさんあるんだよ」

 

「俺もだよ。俺もキミ以外に倒したいものがいる。おかしいな。現赤龍帝(せきりゅうてい)と現白龍皇(はくりゅうこう)は宿命の対決よりも大切な目的と目標が存在している。きっと、今回の俺とキミはおかしな赤白ドラゴンなのだろう。そういうのもたまにはいいはずだ。――だが、いずれは」

 

イッセーが拳をヴァーリに向けた。

 

「ああ、決着つけようぜ。部長や朱乃さんたちのおっぱいを半分にされたら事だからな」

 

「やっぱり、キミはおもしろい。――強くなれよ、兵藤一誠」

 

「じゃあな!おっぱいドラゴン!それとスイッチ姫!」

 

プッ!!美猴のせいでライバルの会話が台無しだ…。

 

「木場祐奈さん、ゼノヴィアさん」

 

背広の青年が祐奈とゼノヴィアに言う。

 

「私は聖王剣の所持者であり、アーサー・ペンドラゴンの末裔。アーサーと呼んでください。いつか、聖剣を巡る戦いをしましょう。では」

 

次元の裂け目に入る直前、俺は引き留めずに言った。

 

「アーシアとイッセーを助けてくれたお礼だ…。いつか暇があれば、家に遊びに来い。ご馳走をふるまうぞ。もちろん、フルメンバーでだ」

 

俺の言葉に全員が驚いていた。反対にヴァーリとアーサーは反応することなく入っていき、美猴は片手を上げて反応した。

 

「――さて、事後処理は向こうに任せておいて、家に帰りますか」

 

俺は珍しく自身で魔方陣を描く。特殊なモノなので、文様もかなり複雑なものだ。

 

「今度こそ帰ろう、アーシア。俺たちの家へ」

 

「はい。皆さんのいる家に」

 

直後倒れる音がした……イッセーだ。

 

そのイッセーの両肩をゼノヴィアとイリナが持ったので、俺は魔方陣を完成させる。

 

タンニーン、アザゼル、飛段、角都は冥界に戻るようなので、ここで別れることになった。

 

クルゼレイは辰巳の蛇に縛られたまま、アリスの魔方陣の上に乗せられて移動している。

 

全員が魔方陣の上に乗ったのを確認した俺は、起動させた。

 

徐々に視界が見えなくなっていき、気がつけば自宅の庭に立っていた。

 

「――着いたな」

 

俺は深く深呼吸した。今から、尋問をしないといけないからな…。

 

                    D×D

 

部屋に戻ると、俺は尋問用の衣服に着替えて部屋を出る。

 

エレベーターの前で待っていると、尋問用の衣服に着替えた黒歌、アイム、ルリエル、サルベリア、ベネチア、ベラナ、マキア、メイル、スバル、アースが俺の前に整列する。レヴィとアリスは、カテレアを軟禁している屋敷にクルゼレイを軟禁しに行っているのでここにはいない。あとはリエと奏と花楓だな。数時間後には学校があるので就寝してもらっている。

 

今、名前を上げた十五人と俺で情報を抜き取る部隊『尋問班』(最近できたばかり…)。飴と鞭(主に鞭だけど…)で対象から情報を抜き取り、サーゼクスやアザゼルたちに報告する。対象者は殺しはしないし、死なないように加減をつけてしている。

 

「さて、尋問の時間だ。対象は男一人と女十二人。男のほうは俺がするから、女十二人は、それぞれ手分けして当たってくれ。手段は何でもいいが、絶対に殺さないこと」

 

俺は全員が頷いたのを確認して、エレベーターから降り、壁に隠してあるドアを起動させて中に入る。

 

階段を下りていくと、もう一つ丈夫なドアが現れる。そのドアもセキュリティーを解除して中に入り、奥へ進む。

 

進んでいくと通路の左右には小部屋が並んでおり、中にはあれやこれやと尋問用の道具が設置されている。

 

俺は尋問部屋で一番広いところへ入り、神威(カムイ)で山椒魚を引きずり出す。

 

カチャカチャと音を立てて腹が開いた山椒魚から拘束していたディオドラの元眷属が転がり出てくる。全員生きているのを確認したが、「んーんー!」と口にガムテープを張り付けていたため、剥がす。

 

俺はディオドラの元眷属の前にかがみこみ、静かに威圧のこもった声で言う。

 

「――ディオドラ・アスタロトは死んだ。シャルバ・ベルゼブブに止めを刺されてな。現魔王であるサーゼクスら四人と堕天使総督アザゼルに頼み込み、おまえたちを拘束した。はぐれになれば問答無用で切り捨てられる。そこに関してこれから俺たちの監視の下で生活を送ってもらうことになった。……とまぁ、前置きはこれくらいにしておいて、本題に入ろうか」

 

俺は死を思わせるように、眼を万華鏡写輪眼(まんげきょうしゃりんがん)に変え、幻術をかけながら続ける。

 

「おまえたち全員はディオドラの情報を持っている。殺しはしないが、羞恥と苦痛を受けることになるぞ。すべてをさらけ出してもらう。情報は命より重いモノだ」

 

俺は幻術をかけるのを止めて立ち上がる。リモコンを持って少し操作をした。

 

ヒュン――。

 

ディオドラの元眷属の女一人とアイムが転送されて消える。

 

そう…今、俺が扱っているリモコンは各部屋に指定した者を転送するもの。

 

次々に転送されていくディオドラの元眷属と尋問班のメンバー。

 

黒歌とアースには二人ずつ尋問を任せて転送する。最後に残った俺も男と共に転送された。

 

ある尋問部屋に転送した俺とディオドラの元眷属の男。俺はその男の四肢を鎖に繋がっている頑丈な手錠で拘束し、手元にあるレバーのスイッチをオンにする。

 

すると、鎖が巻かれて男は壁に張り付けられた状態になる。

 

「さて、俺はプライベートまで探るつもりはないから。ディオドラと『(カオス)(・ブリ)(ゲード)』の関係について話してもらうぞ」

 

俺は椅子に座ってICレコーダのオンにする。

 

「……」

 

「……」

 

「…………」

 

一分が経ち、ICレコーダの録音を切った。

 

「沈黙を続ける気か?それなら、こちらもあれを使わせてもらおうか」

 

俺は男の前に立ち、特殊な魔方陣を手元に展開させる。

 

「これは『生態魔法』と言って、生き物の中にある生態に関する情報を故意に変化させる。そのため、同じ者には『一度きり』しか使用が出来ないし、変更も不可能だ。もちろん戻ることもない。いいのか?情報を吐けば、これを使わないでやるけど…」

 

「…………」

 

「黙秘を続けるか?」

 

「……………」

 

「いいのか?本当に」

 

「………………」

 

「よし、これが最後だ。あと十秒やる」

 

「…………………」

 

「……」

 

「…………………」

 

「十秒だ。約束通り『生態魔法』を使わせてもらう。言い残しておくことは?」

 

「……だ」

 

「よく聞き取れなかった」

 

「おまえに言うことはない…だ」

 

「そうか…残念。――『生態魔法』発動ッ!」

 

俺は手元の魔方陣を起動して、男の腹部に押し付けた。

 

「うっ…うわぁぁっぁぁぁぁッッ!!!!」

 

男は悲鳴を上げながら発光しだす。

 

何が起こるかわからない……それが、この『生態魔法』の仕組みだ。

 

いわゆる『ランダム』で生態を変化させられるという事なのだ。

 

光が収まり、男の姿が――。

 

「…あれ?」

 

何か、胸部が服を押し上げているよね?しかも、身長が少し縮んでいるし、髪は長くなっているし、顔も美少女な系統に入っているくらい整っている…。

 

「性転換ってやつの類だな…これ」

 

――結論、『生態魔法』により、男は美少女に性転換致しました。

 

「…ん……ん?」

 

男…じゃなく、少女は目を覚ます。

 

「お、目を覚ましたな。あ~あ、女相手に尋問なんか出来やしない。ほれ」

 

俺は億劫になり、少女の四肢に填めてある手錠を外した。

 

「……あ、あの…ありがとうございます」

 

「なぜ礼を言われなければならない?」

 

「え、その…何となく…」

 

「何か、性別以外に性格とか変わっているな…」

 

話し方や仕草までも変わってしまっている…。ランダムだからって、変わり過ぎだろうよ。

 

数秒が立った時――突然、少女はソワソワしだした。

 

「ん?どうした?」

 

「あの、………い」

 

俯いて言葉を濁す少女。

 

「すまない、もう一度言ってくれないか?聞き取れなかった」

 

すると、ビクッと体を跳ね上げて静止してしまう。

 

その一秒後、少女は顔を勢いよく上げて叫んだ。

 

「お、お、お手洗いを貸してください!」

 

直後、顔を真っ赤にする少女。頭から湯気が出ている。

 

「あ、あぁ……手洗いなら、そこのドアの向こうにある」

 

少女は一礼してダッシュでドア……トイレに駆け込んだ。

 

それから約一分後、ドアが開いて中から少女が出てきた。

 

「どうだった?」

 

つい、イッセーをからかう時の癖で訊いてしまった!!

 

「え、その……いつもと勝手が違って…少し不便でした」

 

素直に答えてしまっている!これはとんでもない収穫かもしれない。性格が素直になってしまっているんだ……たぶん。

 

「じゃあ、不躾かもしれないが……元(あるじ)のディオドラ・アスタロトについて聞きたい」

 

「……わかりました。でも、その前に訊きたいことがあります」

 

――取引か?

 

「何だ?」

 

「その……これから私…私たちの生活はどうなるのでしょうか?」

 

――そ、そういう事か……。まぁ、言わなくても後でわかることだが、情報と引き換えるなら……言っておいた方がいいかもしれない。

 

「……そうだな、この家から少し離れたところに住んでもらおうと思っている。外には自由に出られないが、それ以外…家の中なら自由にできる。まぁ、魔力とかは使えないけど」

 

俺が後で言うことを話すと、少女は間を開けて頷いた。

 

「…わかりました。約束通り、ディオドラさまと『(カオス)(・ブリ)(ゲード)』についてお話しいたします」

 

少女は淡々と話していく。俺は少女の口実をICレコーダに録音しながら質問を入れた。

 

それから約三十分が経ち、既定(きてい)の時間となったので、聴取を終えて広間に転送される。

 

「どうだった?」

 

「どうもないわよ?全部、話してもらったにゃん」

 

黒歌に訊くと調べは順調だったそうだ……にしては、聴取された二人は抱き合って震えていたけど。

 

他も順調に聞き出せたらしく、全員から録音したICレコーダを預かった。

 

「それで、そこの女の子は誰にゃ?」

 

黒歌が俺の後ろに立っていた少女に指をさして訊いてきた。

 

「え~と、俺が聴取した男だったんだが、『生態魔法』を用いた尋問で性別やその他諸々が転換したみたいで、こうなりました……」

 

俺は少女を前に出して言った。

 

今さらだが、少女と言っても黒歌とあまり身長は変わらない。

 

『えぇぇぇぇ!!!!』

 

俺を除く黒歌たち全員が驚愕の声を上げた。

 

「まぁ、そういう事だから。じゃあ、あとはよろしく頼んだ!!」

 

俺は瞬時に転移用魔方陣を俺以外の全員(元眷属も含める)の足元に展開させて、強制に転移させた。転移先は、軟禁するために建てた家に…だ。

 

俺は全員が転移されたのを確認した後、廊下を渡り、部屋を出て階段を上る。エレベーターに乗って自室の階に着くと、廊下を歩いて自室に入った。そして、そのままベッドにイン!目を瞑って意識を落とした。

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