ハイスクールD×D 力ある者   作:塩基

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京都観光

無事八坂さんを救い出した俺たちは、京都の疑似空間から元の世界に戻り、イッセーたちが宿泊しているホテルの屋上にいた。

 

イッセーと話が終わったアザゼルが俺のほうへ歩み寄ってきた。

 

「ご苦労さん、龍介。イッセーたちは救護班に頼んで運んでもらった。おまえも少し休んでいろ。体力の消耗と左眼の一時的な失明…」

 

「あぁ、そうさせてもらうよ。たまには年上の言うことも聞かないとな……。まぁ、明日ぐらいには体力のほとんどを回復できているだろうよ」

 

――あぁ、そうそう。英雄派との戦闘のことは留守組に伝わっている。京から帰ったあとでそのことを訊かれるみたいだ……頭痛がしてきたぞ…。

 

俺はアザゼルの背中を見送ると、ベンチを立ってホテルの階段へ歩を進める。

 

『私も一緒に帰る』

 

俺の服の裾を軽く引っ張ってきたので、振り返るとメモ帳に書かれたかわいらしいゴシック調の文字が目に入った。

 

「……ユーか」

 

俺はそれだけを返して階段を下りていく。ユーは時折ふらつく俺を横から支えてくれる。

 

バラバラに宿泊しているホテルの部屋に帰還した俺たちは、それぞれの方法で疲れを癒していく。

 

俺は部屋に整備されているシャワーで汗を流したあと、ベッドの上に横になってそのまま意識を落とした。

 

                    D×D

 

翌朝――。

 

少し眠ったことで俺は体力を回復した俺は、目を覚まして体を起こす――。

 

「……って、いつもながらに両腕が重いんですが?」

 

俺は起き上がれず、その原因である両腕に視線を配らせてみる…。

 

「……むにゃ」

 

「……お腹いっぱい…」

 

可愛らしい寝言を漏らしているパジャマ姿のスコルとハティ。若干色違いなのは着間違えをしないためだとか何とか……。

 

――コンコン。

 

ちょうどそのとき、部屋のドアがノックされた。

 

「あっ、はいはーい」

 

俺は両手腕にしがみ付いていたスコルとハティを、神威(カムイ)で腕だけをすり抜けさせてベッドから下り、ドアを開けた。

 

「……おはよう、リュースケ。モーニングコールをしに――」

 

部屋へ入ってきたアイムがベッドの上で寝ているスコルとハティを見て……固まった。

 

「……ん?何かな……この光景は……?」

 

髪がゆらゆらと逆立ちはじめ、俺へ向けられる鋭い視線と殺気。

 

「あぁ……これは――」

 

俺は言い訳もさせてもらえないまま、アイムにタコ殴りにされた。

 

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あのあと、痛む体を引きずりながら朝食を終え、京都タワーで街の風景を眺めたあと俺は八坂さんと九重とセラフォルーと京都駅の新線ホームで一足先に帰るイッセーたちを見送りに来ていた。

 

「赤龍帝」

 

九重が八坂さんと手を繋ぎながら、笑顔でイッセーを呼ぶ。

 

「イッセーでいいよ」

 

そうイッセーが言うと、九重は顔を真っ赤にしてもじもじしながら訊く。

 

「……イッセー。ま、また、京都に来てくれるか?」

 

「あぁ、また来るよ」

 

ピピピピピピピ――。

 

発車の音がホームに鳴り響く。九重は叫んだ。

 

「必ずじゃぞ!九重はいつだっておまえを待つ!!」

 

「あぁ、次は皆で来る。今度は裏京都も案内してくれよ?」

 

「うむ!」

 

それを確認すると八坂さんが言う。

 

「アザゼル殿、赤龍帝殿、そして悪魔、天使、堕天使の皆々、本当にすまなかった。礼を言う。これから魔王レヴィアタン殿、闘戦勝仏殿、遠山殿と会談するつもりじゃ。良い方向を共に歩んでいきたいと思うておる。二度と、あのような輩によってこの京都が恐怖に包まれぬよう。協力態勢を敷くつもりじゃ」

 

「あぁ、頼むぜ、御大将」

 

アザゼルもそう言い、八坂さんと握手を交わす。そこにセラフォルーも手を重ねる。

 

「うふふ、皆は先に帰っていてね☆私はこのあと八坂さんと猿のおじいちゃんとリューくんと楽しい京都を堪能してくるわ☆」

 

流れ的に俺も重ねないといけない気がしたので、三人の手に俺も手を重ねた。

 

――あ~あ、あいつら全員引きつれて京都の観光になるのか……。しかも、アルセウスたちも連れていくことになりそうだ…。

 

俺は心の内でため息を吐き、イッセーに言う。

 

「先に帰ってカラワーナや冴子たちに伝えといてくれ。それと、左眼のことは心配するな」

 

俺はイッセーが俺の左目を見て何かを言おうとしたので、寸でのところで遮っておく。

 

イッセーたちは新幹線に乗車する。

 

「ありがとう、イッセー!皆、また会おう!!」

 

手を振る九重に新幹線のなかからイッセーたちが手を振る。

 

プシューと、閉じる新幹線の扉。発車しても九重はイッセーたちの乗った車両に向けて手を振り続けた。

 

遠ざかっていき、あっという間に新幹線は京都駅から見えなくなった。

 

                    D×D

 

それからすぐに会談をおこなう会場へ向かった。

 

会場は裏京都の例の屋敷だ。

 

俺は用意させた座布団の上に腰を下ろし、手渡されたお茶を一口飲む。

 

『それでは妖怪側代表の八坂、三大勢力代表の魔王レヴィアタン、須弥山代表の闘戦勝仏初代孫悟空、暁代表の遠山龍介による会談を始める。各者異論はない?』

 

ユーの司会によって会談は始まった。

 

                    D×D

 

一時間にもわたる会談が終了し、妖怪勢力、三大勢力、須弥山、暁は無事に協定を締結することができた。

 

「おつかれさま、ユー。いきなり司会なんか頼んで悪かったな」

 

『別に気にしていない。少しおもしろかった』

 

相変わらずの無表情で俺の顔を覗いてくるユー。

 

「さぁて、(ウー)(ロン)が京の料理を食べたいと言っておるのでな、お昼にでもよかろうと思うがなぁ」

 

サイバーなサングラスをかけた初代の爺さんがそう言う。

 

「わかりました。京都の案内の前に昼食としましょう。――こちらへどうぞ。すぐに用意をさせますので」

 

八坂さんが綺麗な姿勢で立ち上がると、隣の部屋へ案内してくる。

 

「うわぁ、広いな」

 

俺の感想はこの一言だ。

 

大勢人が座って宴会などをするための広間だろう…。相当な広さだ。

 

――というより、初めからここで昼食をとるつもりだったんだな?

 

その広場にはしっかりと人数分(数えたくないので適当)の座布団とお膳立てが用意されていた。

 

「うぉ!すげぇいい匂いがするぜ!!」

 

さっそうと背後から登場したのは――人化して今風の私服に身を包んだ(ウー)(ロン)だ。

 

『――キタ(゜∀゜)コレ――!!!!』

 

ユーも興奮気味だ。すごい豪華だもんね……。

 

皆はそれぞれ席に着く。

 

八坂さんが食事の前に言う。

 

「京都の各食店で働いておる妖怪たちに腕を振るってもらっておるのじゃ、遠慮はなさらず言っておくれ」

 

「よし!俺決めた!!」

 

…早っ!!(ウー)(ロン)決めるの早いよっ!一秒も経ってなかったぞ?

 

――こうして京都めぐりの前に豪華な昼食をとった俺たちであった。

 

                    D×D

 

昼食を終えたあとに八坂さんから京都の町を案内してもらい、あれやこれやと見て回った。

 

最後によった場所では、夕方に放送されている時代劇の撮影やそれに使われている江戸の町のセットがある施設だ。

 

八坂さんのお奨めの場所の一カ所だそうだ。

 

団体で入場料を払いなかに入ると、目の前に広がるのは――。

 

「すごいな……」

 

江戸時代にタイムスリップしたような感覚が襲ってくる……そんな町並みのセットが目の前に立っている。

 

八坂さんの先導で進んでいく俺たち。

 

「……何か、こそばゆいな」

 

周囲のお客さんの視線が俺たちへ向けられているのが分かっているため、何だかこそばゆい。

 

施設を一通り回り、いくつかのアトラクションを体験してみた。幽霊屋敷だったり、ニンジャの試練だったり、弓撃ちだったり、etc……。

 

九重も楽しそうに八坂さんと回っていた。終始手を繋いでほんとうに楽しそうに……。

 

「……」

 

ついつい笑みがこぼれてしまった。

 

『笑ってる』

 

ユーがそっと見せてきたメモに目を落として、「そうだな」とだけ答えた。

 

相変わらず俺は左眼を眼帯(黒いやつ)で隠しているが、ここはそういう格好でも怪しまれたりしない。むしろコスプレ風に思われていたりして…な。

 

最後に全員が衣装を借りての記念撮影だ。

 

「少しきついかな…」

 

俺と飛段と角都と初代の爺さんとと(ウー)(ロン)ラティオスは紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)を着て、女性陣は打掛(うちかけ)を身にまとっている。

 

八坂さんと九重を中心に並び、写真に収めてもらう。

 

そのあとは少し買い物をして泊まりのホテルへ八坂さんと九重に送られ初代の爺さんと(ウー)(ロン)は帰り、ホテルで待機していた護衛と天狗の爺さんと共に八坂さんと九重は裏京都へ帰っていった。

 

自室に戻った俺はベッドにイン!全身を気怠さが襲ってくる。

 

それから風呂と夕食を楽しんで就寝し、翌日の昼前に京都駅で護衛付きの八坂さんと九重に見送ってもらい、俺たちは京を発った。

 

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