幻想仮面少女   作:さわたり

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いつもより早いね。でもこっからプライベートが忙しいから更新超滞るんで、ご留意を。

さてさて、前回第2話は!
天子は月面の天人の旧居住区を探索していた。そんな中、ベルトを発見!しかし同時にロボ達が襲い掛かる。とっさに変身し、天子はそのパワーでボコボコに。そうしてポータルで地上へ向かい、博麗神社へ。同じく博麗神社に来ていた秘封倶楽部へ、バトルを挑むのであった。勝者は天子!仲を深めた三人は人里へ。そこに現れたコウモリ女と戦うも、逃げられてしまい…。
・仮面ライダーガイア グランドアース
・仮面ライダーガイア グランドルナ
・月の戦闘用ロボット
・コウモリ女


第3話 エクステンドフェザー 〜 豪炎人

コウモリ女VSヒールとガイアの戦いから戻ること一時間ほど。トワイライトが竹林の隙間を埋める夕方。藤原妹紅は迷子がいないかと竹林の巡回中であった。

 

「なんだこれ?」

 

その最中、彼女は奇妙な機会を見つけた。輝夜の開いた月万博に置かれていたバイクとかいう乗り物であるということは一目で分かった。しかしこんなブルブルうるさいものであったか?

疑問を抱きつつ触れた一瞬、そのバイクが自分の方を向くように動いたことに驚愕。思わず腰を抜かす。

 

そして謎のリズムを刻むバイク。それがモールス信号であると気づくのにそう時間はかからなかった。

 

「S、E、G、I、V、E、M、E、S、O、M、E、T、H、I、N、G、T、O、W、R、I、G、H、T。…終わった。セ、ギブ、ミー、サムシング、トゥ、ライト…最初聞き逃した所は聞き逃したのはプリーズか?えっと、たしか…何か書くものをくれ。かな」

 

たどたどしくもバイクの意思は汲み取った。彼女は懐から小さい黒板とチョークを取り出した。慧音からもらった、イマイチ使いどころが分からない筆記用具である。

 

バイクリアについた機械の腕でチョークを掴み、器用にもそこに文字を書き始めた。妹紅はロボットアームは河童のものを知っていたので特に驚きはなかったが、それを機械が自由に動かしているという点には驚きがあった。

 

「『えーあい』ってんだっけ。いつぞやに来た外来人の子が言ってたな。あれももう百年前か…」

 

ふと思い出したこの竹林での出会い。もううっすらとしか記憶がないが、紫の服が似合う美少女だったのは覚えていた。長年生きていると物覚えが悪くなる。慧音から受けた英語の授業も他の記憶に流されて結構うろ覚え。

その分経験があるので、余程のことには動じない。

 

「…そう、思っていたんだけどね」

 

しかし目の前のカラクリには動じてばかりである。やはり歳になると文明の発展に置いていかれる。彼女は自分に対して皮肉気味にフッと笑った。

 

「ん、書き終わったの?」

 

バイクがロボットアームの動きを止め、黒板を持ち上げた。そこには以下の内容があった。

まずは自己紹介。名はフェザーチェイサーと言い、蓬莱山輝夜によって作り出されたこと。

次に経緯。永遠亭の住人がネコ怪人へ拐われ、そこから逃げ出してきたこと。

そして願い。妹紅にこの武器とベルトでもって怪人を倒して、輝夜たちを取り戻して欲しいこと。

 

淡々と、そして簡潔にその願いを記した黒板を、ゆっくりと妹紅に手渡した。

その無機質な手はどこか震えているようでもあり、主人を引き剥がされた悲しみを抱えているようであった。

 

その黒板を見つめた妹紅は、自分に対する願いの欄だけを消した。戸惑っているような様子で動きを止めるフェザーチェイサーに妹紅は笑い、こう言い放った。

 

「あいつらを取り戻す?そんなのお前に言われるまでもやるさ。だからこの文はいらない。元から私の願いでもあるんだ。自分のことはよーく知ってるさ。あいつを殺していいのは…私だけ」

 

そうして黒板をしまい、フェザーチェイサーの後ろから置かれたアイテムを持つと、フェザーチェイサーの前に座り込んだ。あたりはすでに暗く、妹紅は照明代わりに、妖術による炎片手に機械を弄っていた。

 

「これ、どう使うんだ?」

 

かちゃかちゃとナックル型の武器とベルトのバックルをいじくり回す妹紅に、フェザーチェイサーはチョークを拾い上げ、書くモーション。妹紅はすかさず黒板を渡し、その手元を照らしてやった。

 

先ほどの願いのあった欄に、図付きの使い方講座を書き加える。変身の仕方、必殺の出し方。丁寧な解説をしっかり読み込み、妹紅はその黒板を箱に入れて懐にしまった。曰く、掠れて消えては困るということ。

 

 

「そこー!撃って撃って!」

 

 

どこからともなく騒がしい声。さらに乗り物の音。このフェザーチェイサーの音にどこか似ている。そう感じた妹紅は、よもやバイクの音ではないかと推察。その予想は正解のようで、鎧を着た女二人がバイクに乗って上空を見上げていた。ヒールとガイアである。

 

「おいおい何してんだお二人さん?」

 

「え!?あんた、いつぞやの蓬莱人!ほら怪人倒してんのよ!上の!」

 

指差すガイア。妹紅はその声ですぐに中身が天子であると理解。聞きたいことはいくらでもあったが、これは長くなりそうだと後に回すことに。

言われた通り見上げてみれば、コウモリのような美しくも禍々しい怪人が空にいた。

 

『あいつなかなか強いのよ!えっと蓬莱人さん?』

 

「藤原妹紅。さんはいらない」

 

『で、妹紅?あなた炎出せるって認識でいいのよね?』

「ほら、左手!」

 

「え?手伝えってこと?」

 

「そうそう!」

 

正直一人の人間から二人分の声が聞こえたことに驚いており、状況も相まって半パニックだったが、そう言ってる暇もない。とりあえず上空の怪人に炎の球を撃ち出す。

しかし大きいダメージは認められない。どうしようかと思った時、彼女の目にフェザーチェイサーのフロントカウルに置かれたバーンスマッシャーとボルコネクターが飛び込んだ。

 

「いいよね!?」

 

そういう妹紅にフェザーチェイサーはサムズアップ。ならばとボルコネクターを腰に巻き、バーンスマッシャーを強く握りこむ。

 

『ignition…』

 

ガチンという音と共に電子ボイス。さらには発火。

手を前に突き出し、こう一声。

 

「変身!」

 

気合いの掛け声と共に前を薙ぎ払うと、炎の竜巻が彼女を包む。その業火を振り払ったそこに、もはや藤原妹紅は居なかった。

 

『burn up complete!phoenix blaze!』

 

「あなたも…仮面ライダー…」

 

メリーがつぶやく横に立つ炎の戦士。白い体と赤のラインが美しく光る流麗な姿。赤き鳥風の装飾と真紅の両目が闇夜に浮かぶ。

 

その名を、仮面ライダー、

 

「…フェネクス。さあ、燃え尽きてもらうよ!」

 

その言葉を放つと、一息。ゆっくりと上空を見上げた。その先にはコウモリ女。こちらの動きを警戒しつつ、されど逃げれば追われる。今ここで仕留めんと上空で留まっていた。

 

フェネクスは一瞬屈むと、炎の翼を作ってハイジャンプ。そのまま空へ舞い、コウモリ女へ向かった。

 

「はあああああああああ!!!」

 

渾身の拳。怯むコウモリ女へ、蹴りを交えた追撃を行なった。

 

「ぐおおおお!」

 

呻き声ののち、牙を見せて飛びかかるコウモリ女。吸血をしようとフェネクスのその腕を噛んだ。しかし無駄である。その腕から放たれた爆炎に、むしろ弱点である口の中を焼いただけであった。

 

「えっと…三回だっけ」

 

黒板の内容を思い出し、ボルコネクターへバーンスマッシャーを接続。グリップを三回強く握りしめた。

 

『over drive!』

 

「ブライトドロップ!」

 

真っ白に白熱した右足を突き出し、コウモリ女へ突撃。そのまま重力を味方に降下する。

 

「近接で仕留めるわよ。メリー、蓮子に代わって」

 

「了解」

 

『look the star…』

『変身!』

『we are star night fantasy!』

 

手早くスターボウモードへチェンジ。フォンブレイドを構える横でガイアも緋想の剣を構えた。

「メリー、武器必殺ってどうやるの?」

『必殺技ってアプリ起動して』

「こう?」

 

『Application!Ready?』

 

「理解理解」

 

剣を構えつつ、スラッシュ、バースト、スピニングのアタックドロップをロード。チェーンソー状になったフォンブレイドを改めて構え直す。その横でガイアも同じく武器を構える。緋想の剣の性能を鑑みれば、必殺など不要なのであろう。

 

フェネクスの右足に押され、燃え盛りながら迫るコウモリ女。そしてヒールとガイア同時の一撃。三人による必殺に、耐えきれずついに爆発。爆炎の中からは、白い服とコウモリの羽が目立つ少女が現れた。倒れ込んでいるが、胸は上下している。安堵の溜息と共に三人は変身を解いた。

 

「この子、赤い館のヴァンパイアじゃないかしら?」

 

天子の一言に、妹紅は頷いた。なら連れて行くかと担ぎ上げたその瞬間、メリーの目の前にメイド服の少女が現れる。

驚いてずっこける蓮子とメリーを交互に見たのち、少女十六夜咲夜はメリーに一言。

 

「お久しぶりですわね」

 

「…この前は、クッキーありがとうございます」

 

その一言にニッコリと笑顔で返す咲夜。その様を目にして、蓮子はある日の出来事を思い出した。

メリーが夢から覚めてクッキーを持ってきたことがあったのだ。夢を覗かせてもらった記憶を思い出すと、確かに紅の館とこのメイドがいた気がする。

あれは事実だったのかと一人驚く蓮子。話しかけようとするも、すでに視界に咲夜はいなかった。

 

「150年近くタイムトラベルねぇ。にわかには信じらんないけどこの目で見たからには事実よね」

 

視界の端ではすでに妹紅とメリーの会話が始まっていた。なんでも会ったことあるとかなんとか。一人幻想郷トークに置いてかれた気がして、蓮子は面白くないと感じた。

 

そうして人里へ帰る道に出た時、黒い影が蓮子を襲った。とっさに天子が緋想の剣で一撃。見ればネコ怪人である。

 

「コイツ…永遠亭を襲ったっていう…」

 

そうつぶやく妹紅に対し、フェザーチェイサーはかぶりを振るようにフロントを横に降る。

次に妹紅の発した別個体?と言う問いにはサムズアップ。困りきった顔で三人を見た。

 

「どうやらもう一体いるみたいだよ。コイツ。いや、怪人化の対象が猫又ならいっぱい居るかもね…」

 

その一言に三人も事態を飲み込んだ。何かあったらと蓮子がアイズバックルを構えた。

 

「悪いけどトゲ刺さって痛いからメリーが変身して」

 

「だってさ。借りるよ」

 

『look the line…』

『we are dream night fantasy!』

 

メリーが手を裏返すポーズののち変身。蓮子が取り込まれ、ヒール ナイトメアモードに。

 

『burn up complete!phoenix blaze!』

『ガイア・ザ・アース!』

 

続けて二人も変身。それぞれバイクに乗り込んだ。

 

「それ慧音に聞いたぞ。母音が来る前はジでしょ?」

 

「そんなこと気にしてたらハゲるわよ」

 

「ハゲてもすぐ生える体だから関係ないさ」

 

軽口を叩き合いつつグラウンドスピーダーにヒールを乗せたとほぼ同時にネコ怪人も立ち、逃げ始めた。

 

「待てー!」

 

その背を置い、二つのバイクが走る。猫だけあって、かなり足が速く、ほぼバイクと等速。埋まらない広がらないスペースに苛立ちつつ、その先を追った。

 

複雑な道を通り、訳の分からないほど同じ道を繰り返す。しかしこの二つのモンスターマシンを前に、巻くとかガソリン切れとかそう言うのはありえない。どこまで行っても無駄。

 

しかしネコ女の目的が別にあることをメリーは察していた。

 

「…分かったわ。これ、移動ルートをキーにする結界よ!」

 

『って、結界暴きのプロフェッショナルは仰ってるけど?』

 

「ならマヨヒガで迎え撃つ気かな。だったら好都合。多分八雲藍の式の…えっと、橙。あいつが操られてるはず。司令塔を叩けば雑魚の洗脳も解けるはず!」

 

『マヨヒガ…まるで遠野物語ね』

 

妹紅の推察に頷きつつ、蓮子はマヨヒガというワードに想いを馳せた。そんな中、魔法の森へ突入。一直線に突っ切ったのち、現れた広大な草原に、ポツンと屋敷が一つ。

遠野物語を知るなら誰もマヨヒガというであろうルックスの建物の周りに、ネコ怪人が集っていた。

 

屋根の上には仕切っているであろうネコ女。猫語で司令を出し、ライダー達に向かわせた。

 

「メリーは本体を叩きに。天子は雑魚どもの対応を頼む!私は輝夜たちの救助に向かう!」

 

その司令に応と返事。それぞれ戦闘を始めた。

 

地面から屋根の上を狙い撃つヒール。しかしガイアの攻撃で多少減るとはいえ、周りの怪人はうっとおしく感じた。

 

『jump eyes!』

 

ハイジャンプで屋根の上へ。飛びのくネコ女に対し、中距離での銃撃戦へ。しかしネコ女はそのスピードで銃撃をかわしつつ接近。両足から放たれるドロップキックをモロにくらい、ぶっ飛ばされて近くの納屋へ壁を貫いて突入。崩れ落ちる納屋から、藁をかき分けて立ち上がるヒール。迫り来るネコ女の蹴りを寸前でかわし、距離を置いた。

 

蹴りと爪による一撃を、体を分解したり穴を開けたりしてトリッキーにかわす。防戦一方で、非常にまずい。そう思った時、蓮子の目に納屋の中にあった何かが飛び込む。

 

『あれバイクじゃない?使えないかしら?」

 

「使えるわけ…」

 

そう言って触れてみると、反応するかのように起動。驚きにメリーは腰を抜かした。

 

『これで逃げれば、追わせながら戦えるはずよ!』

 

「な、ナイスアイデアよ蓮子」

 

戸惑いつつもすぐさま乗り込んだ。二人分のスペースのある、巨大なバイクである。フロントに書かれた『Chase Nighter』の文字で、二人はその名を認識した。

行けるか。多少不安は残るものの、とりあえず発信。砂けむりを巻き起こし、逃げ始めた。予想通り追ってくるネコ女。しかし相手の方が速い点は全く予想外であった。

 

「まずい、追いつかれる!」

 

後ろを振り向いて銃撃にて牽制するが、大した効果は見込めない。

どうしようとメリーが慌てふためく中、蓮子が計器群の中にあるものを見つけた。

 

『このスリット…グリップと似てない?使ってない方。スマホ挿してみなさいよ』

 

「ええ、意味ない………!?」

 

意味ないでしょという言葉が驚きに飲み込まれる。画面に『チェイスナイター』の名を持つアプリが出現したのだ。

訳がわからないまま、彼女はとりあえずそいつを起動した。

 

 

 

 

 

 

同じ頃、月では。

 

「なんですかこれは、サグメ様!」

 

フェムトファイバーに縛られた玉兎たち。その前に立っていたのは、稀神サグメ。自身の部下たちを見下ろし、こう一声。

 

「稀神サグメは……謀反した。そう伝えろ」

 

運命の変動が起こらない程度の軽く簡潔な一言。しかしその中には玉兎たちを絶望に叩き落とすに足る重さがこもっていた。

 

Continued on next episodes.




「さあ、楽しい殺戮を始めましょう」
「行くぜレミィ!」

禍々しく美しく。究極のヴァンパイア降臨!

次回、「ツェペシュの鋭き遺産」
乞うご期待!

みなさんこんにちは。もこけーねも好きだけど圧倒的にてるもこ派のサードニクスです。大事な人を失い続けてもいつでも殺しあえる彼女にただならぬ思いが…みたいな。素敵じゃありません?暁recordsの「Killove fireproof」は対てるもこ信者最終兵器だから聞こう!
こいついつも暁recordsの話してんな。
妹紅の変身ポーズはうどんげっしょーで見せたデレ期はないのポーズです。
コウモリ怪人に大苦戦だったのは単純。レミリアだからです。
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