幻想仮面少女   作:さわたり

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さて、前回の第8話は!
地底に向かった少女達が地底に到着した。蓮子、メリー、レミリア、妖夢、萃香、メディスンがそのメンバー。そんな彼女たちの前火焔猫燐が現れ、ゾンビフェアリーをけしかける。勝利するライダーたちだが、お燐は去ってしまう。そしてお燐は文と何やら企んでおり…。
お燐の撃退ののち、萃香はみとりの元へ。彼女にアイテムを託し、メリーとメディスンに合流して勇儀の元へ向かった。その前に、文が立ちはだかる。
その頃、地霊殿の一室で、妹紅とサグメは永遠亭の面々を保護していた。そんな地霊殿に、地獄からヘカーティアが避難してきた。彼女の髪は黒く…。曰く、クラウンピースが操られ、その力を奪われたようだ。
そんな時、外での戦いの炎を妹紅とサグメが発見。向かってみれば、それは文と酔鬼、メディスの戦いだった。追い詰めたかに思われたが、一気に盛り返される。しかし助けに来た輝夜がフェネクスの強化アイテムの存在を語る。それにより新フォームへ。そのまま文を倒し、その洗脳を解いた。
「真相に迫る何かがあるのでは?」と、メリーは不安に、萃香は楽しみに感じた。
・仮面ライダーフェネクス フェニックスフォーム
・ブラックキャッツ
・ファストクロウ


第9話 戦月のスペルワード 〜 Lunatic Blade

「…戻ったぞ」

 

「妹紅は?」

 

「外で姫様とガヤガヤやってる」

 

ファストクロウとの戦闘を終え、サグメは一足先に地霊殿に戻っていた。先程の部屋にはさとりはおらず、へカーティアが本を読んでいるだけであった。

 

「…それは?」

 

「さとりが書いた本。心理描写が素敵よ」

 

そう言ってへカーティアはしおりを挟んで本を閉じ、机の上に置いた。

 

「その子は?」

 

「メディスン・メランコリー。今回の騒ぎの首謀者を探して地底まで来たらしい」

 

「ふーん、なら私と目的は同じね。協力しましょう」

 

「…あなた人間?」

 

へカーティアの差し出した手に対し、メディスンは訝しげな視線を送った。その様子を見て、へカーティアはニヤッと口をゆがめた。

 

「神様よ、地獄のね」

 

「ならいいわ。友達になりましょう」

 

そう言って握手に応じたメディスンに対し、へカーティアは満面の笑顔を向けた。

 

「あっはっはっは!面白い子ね。真っ先に聞くのが人間かどうか、で、この反応。あなた色々と見込みあるわよん」

 

そんな事を言いながら笑うへカーティア。突如、何かを思い出したかのようにピタリと止まって自身のスカートの中をゴソゴソと探り始めた。

 

「おい、どうした急に」

 

「……これ、月の技術でどうにかできたりしないかしら?」

 

そう言ってへカーティアは薄汚れた機械を取り出し、机の上にどんと置いた。

 

「地獄で見つけた機械よ。私の部下が勝手に作ったのか何なのかわからないけど…もしかしたら武器だったり何だったりしないかしら?」

 

「…魔術による身体強化装置じゃないか?」

 

サグメはそれをまじまじと見てそんな事を呟いた。その最中、扉を開けてさとりが部屋へ戻った。

 

「あら、お戻りでしたか。……それはそれは」

 

第三の目をへカーティアへ向け、事情を読み取ったのかうんうんと頷いた。

 

「…見せてください。それ」

 

へカーティアが差し出した機械を受け取りつつ、さとりはその隣に座った。

 

「ふーむ…なるほど…これ、貸していただけませんか」

 

「え?」

 

戸惑った様子のへカーティアをよそに、演説でもするようなテンションで立ち上がった。

 

「私が地底にいる間、していたのがよもや読書と執筆と怨霊管理だけだとでも?」

 

「違うのか?」

 

「違いますとも。暇で暇で……バイクとパワードスーツの研究なんかをしちゃいましたから。この機械に格納するなんて朝飯前です。へカーティアさん。変身…したいと思いませんか?」

 

得意げにそう告げるさとりに対し、二人は驚いた様子であった。数秒ののち、へカーティアは強く頷いた。

 

「頼んだわよ」

 

「…頼むのはこっちですよ。どうか私のペットを…敵の支配から自由にしてあげてください」

 

対しさとりは頭を下げてそう言った。サグメもへカーティアも頷き。メディスンはどう言うべきかと戸惑った様子を見せた。

 

「…あの子、素敵な人形ね」

 

そんな中、突然メディスンは外を指差してそんな事を言った。全員が目を向けたその先にはこいしがフラフラと歩いていた。

 

「こいしったらあんなところにいたのね…。ある意味人形と言えるわ。無意識下の操り人形。それを言えば我々も意識の人形ですが。…空っぽな分あなたにはお仲間のように見えるんでしょうね」

 

そう語ったさとりに対し、メディスンはよく分からないという表情を作った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なかなかいいわねここ。日が差さないからもはや私の天下じゃないの」

 

所変わって旧都。レミリアと妖夢は聖の残した木札の語る『オウカオー』を探して探索をしていた。

 

「知らないなー」

 

そう言うキスメに対し、妖夢は軽く肩を落として礼を言うのであった。こう言った聞き込み形式で続けてはいるが、イマイチ成果はない。かつて地獄にいたと言う鬼からその伝説を聞くぐらいのものであった。

 

「オウカオー…最近聞いた気がするわね」

 

そんな中、橋姫のパルスィは聞いたことあるという反応を示した。妖夢は心の中で喜びつつも、「聞いた気がする」という曖昧な情報ゆえに信用しすぎてはいけないと自分を落ち着かせた。

 

「なんだったかしら。えっと…うーん…地霊殿が関係してたような気がするわ」

 

「だったら地霊殿に向かいましょう。さ、行くわよドラドラ」

 

レミリアは手早く準備をし、行くように促した。妖夢もとりあえず地霊殿に行ってみようという事になり、歩き出した。

 

「おいおい、オイラには乗らないのかい?」

 

「あなた三人の荷重に耐えきれるわけ?」

 

「…うーん、耐えることはできるけどスペースがないな」

 

ドラクリヤーは残念そうに首を振るモーション。結局三人と一匹(?)が歩いて向かうことに。

 

「しかし…あんたは別にわざわざ来てもらわなくていいのよ?面倒でしょ」

 

「そんな事ないわよ。細かいこと思い出すかも知れないしね」

 

レミリアの一言に対し、パルスィは軽いテンションで返した。レミリアは思っていた印象と若干のズレを感じつつも、地霊殿へと進んだ。

 

「うーん、どこで聞いたんだったかしら」

 

「思い出したら言ってくださいね」

 

少し悩ましげなパルスィを横に、彼女達はまっすぐ道を進んだ。ドラクリヤーに外で待つように言うと、そびえ立つ地霊殿の扉を開けさとりの元を目指して中央のロビーを進んだ。そこに

 

「ちょーっと待った!あんまり探って欲しくないんだよねえ」

 

 

突如ブラックキャッツが飛び出た。戦闘態勢をとるレミリアと妖夢をよそに、パルスィへとエックスゴースターを向けた。

 

「洗脳してる暇はないからねぇ…暴走だけでお願いね!」

 

避けようとするも間に合わず。銃口から飛び出た煙を浴び、倒れ伏すように眠り込んだ。

 

「パルスィさん!」

 

「さあ、名付けて緑目女!戦えー!」

 

ブラックキャッツの指を弾く合図と同時に立ち上がり、エネルギーを放出。暗い緑のオーラを放ちながらその姿を怪物へと変えた。

 

「パルスィさん…!」

 

「…こいつは私が相手する!妖夢は火車を追いなさい!」

『覚醒!』

 

レミリアはヴァンパイアリングを装備しつつ緑目女へと身を構え、妖夢に対しあごで合図。妖夢はそれに対して頷くより先に変身の準備をして駆け出した。

 

『人か霊か?』

 

「変…「変身」…身!」

 

かたや緑目女へ、かたやブラックキャッツへと駆け出しつつ変身シークエンスを終えた。

 

『ジェ・ヴォー・ダン』

『変・身・承・知!ヒトノカタ!』

 

「でやああああ!」

 

爪による乱暴に、猛々しく、鋭く、そして美しい連撃。一瞬の怯みに対し、ドラクリヤブレードでさらに斬りつけ。

吹っ飛ばされた緑目女を蹴り込んだ。

 

「強サ……妬マシ…イ!」

 

意志を感じさせないカタコトの一言。起き上がりつつ放つ言葉に多少警戒しつつも、ジェヴォーダンは攻めに出た。

 

「ぎょああああ!」

 

「うおおおおおお!」

 

互いに怪鳥のような絶叫を上げつつ、その拳をぶつけた。果たして吹っ飛んだのはジェヴォーダンの方であった。

 

「パワーが上がってる…わね」

 

手をブンブンと振って痛がるようなモーション。ドラクリヤブレードを構え直し、斬撃での攻撃をメインへとシフトチェンジ。攻撃を避けつつの攻撃へ。

 

「…ドラドラ!」

 

しかし、それでは追っつかず、ドラクリヤーを呼び出した。ステンドグラスを突き破る!……のは気が引けたのか、ドアを乱暴に開けつつ突入した。

 

「おらああああ!」

 

緑目女を軽く撥ねてUターン。起き上がった緑目女へとガトリングを叩き込んだ。

 

「ぎぎぎ…妬マシイ…!」

 

声を上げつつ、再びジェヴォーダンへと駆け出した。

 

 

 

 

 

 

「追い詰めたわよ…!」

 

桜刀は廊下の奥までブラックキャッツを追い詰めた。側面に幾らか部屋はあるものの、隠れ切れる構造ではない。とはいえそれは誘い込んだとも言える。一度戦った経験があるとはいえ、ブラックキャッツが強い点に疑いようはない。桜刀は警戒を解かぬまま詰め寄った。

 

「やれやれ…あれを使うとしますか!」

 

ブラックキャッツは依然余裕を見せた様子で奥の扉へ。無駄なあがきをなどと毒づきつつ、その後を追った。

 

「ハッハッハ!行くよ!あたいが主人だオウカオー!」

 

薄暗い部屋の中では、ブラックキャッツが置かれた何かの上に乗っていた。「なんだそれは。今オウカオーと言ったか」と、そう問おうとした。しかし口を開くより先に強烈な閃光と轟音がそのオブジェクトから放たれた。

 

「バイク…!?」

 

自身めがけて駆け出したバイクを桜刀は全力で押さえ込んだ。しかしながら、その馬力は凄まじく、押されていってしまう。

 

「くっ…」

 

悔しげに声を上げるも虚しく、ブラックキャッツの斬りあげクローでぶっ飛ばされて壁に叩きつけられた。

 

「そのままミンチになりな!」

 

そして再びエンジンをかき鳴らし、突撃。潰される!恐怖に目を瞑った妖夢。しかし、バイク、オウカオーは桜刀の元へはたどり着かなかった。

 

「なんで動かないのさ…!?」

 

恐る恐る目を開けると、そこにまっすぐフロントのライトが飛び込んだ。彼女は、オウカオーが自分を見つめていると、そう感じた。

 

「だああああ!」

 

桜刀はブラックキャッツの戸惑う様に隙を見つけた。とっさに立ち上がり、すぐさま白楼剣を勢いよく納めるモーションを二回行ってジャンプ。右足を伸ばした。

 

「ヒトライダーキック!」

 

その足をブラックキャッツの胸に叩きつけ、オウカオーの上に着地。ブラックキャッツはダメージこそ少ないものの、転げ落ちてバイクのハンドルを完全に離した。

 

「怨霊ならバイクに突っ込んでも操れると思ったんだけどな…主人の孫が出りゃそっちに従うか…」

 

ため息混じりに立ち上がり、エックスゴースターを桜刀へ向ける。連続で放たれる銃撃をオウカオーで駆け回りつつ避け、さらに轢こうと接近。スレスレで避け、窓際へ。

 

「この狭い部屋でこれはやだな。めんどくさいし」

 

そういうとブラックキャッツは窓から飛び降りた。急いで駆け寄って見下ろすが、そこにすでに姿はなかった。

 

「…ど、どうしようかしら。逃げられちゃった…レミリアさんに追ってと言われた手前…うーん…いや、助けに行かなきゃ…いけないよね」

 

戸惑いつつもオウカオーにまたがり、元のロビーへ。未だにジェヴォーダンは緑目女と戦っていた。

 

「レミリアさーん!」

 

「妖夢…ちょっと手伝ってくれるかしら?」

 

レミリアの一言に頷きつつ、緑目女へ突撃。撥ね飛ばしたのち、オウカオーから飛び出して思いっきり斬りつけた。

 

「…何よそのバイク」

 

「奥にありました。オウカオーの魂が入ってるらしいですけど…」

 

「居るってそういうことだったのね」

 

ジェヴォーダンは一人納得するような様子を見せ、再び構えた。視線を合わせて二人は頷き、同時に必殺の準備。

 

『ジェヴォーダンフィニッシュ!』

 

ドラクリヤブレードをかざしつつレバー操作。その横で桜刀は剣を納め直すモーションを一回。緑目女へ駆け出した。

 

「フランスズ…ナイトメアッ!」

 

「ゲンセスラッシュ!」

 

ドラクリヤブレードからオオカミの頭のようなオーラが出現。緑目女噛み付いて持ち上げ、地面へと叩きつけた。さらには桜刀の一閃。緑目女は一瞬うなだれたのち爆発。煙の中からパルスィが倒れ出た。

 

「助かったわ妖夢」

 

「…いえ、そんなことは」

 

二人は同時に変身を解除。レミリアは安堵の息を吐いてパルスィを抱え上げた。

 

「この子、家の方に連れて行くわね」

 

「ありがとうございます」

 

扉が閉じると同時にバイク音。ドラクリヤーに乗って去っていったのだ。妖夢も妖夢で目的は果たした。あとは主人に戦闘があったことについて詫びを入れなくては。

そう思って剣を収めた。

 

「なんだ今の爆音は!」

 

そこに妹紅が飛び出た。あたりを少し見渡し、カーペットの焦げに目をやった。

 

「戦ってたの?」

 

「はい。レミリアさんと一緒に、怪人と。レミリアさんは今暴走させられてた人を帰しに行ってます」

 

「そっか。さとりなら今出てる。私達が居る部屋で待ってるといいよ」

 

「助かります」

 

そう言って頭を下げると、レミリアに対しての書き置きをロビーに残し、輝夜達を匿う部屋へと案内した。

 

「あら、妖夢じゃない」

 

「あ、鈴仙。…永遠亭のみなさんが居るんですね」

 

見渡したのち、鈴仙の隣に座った。すでにさとりとメディスン、そしてへカーティアはおらず、永遠亭のメンバーと妹紅、サグメの六人であった。

 

「あなた達交流あったの?」

 

「人里でたまーに会うだけです」

 

「そう…しかしあなた、結構怪我してるわね」

 

鈴仙の返答に頷いたのち、永琳は妖夢へと顔を向けた。切り傷や擦り傷、打撲があちらこちらに見え、少し痛ましい見た目であった。

永琳はどこからともなく薬箱を取り出すと、怪我の手当てを始めた。

 

「あなたも変身して戦ってるらしいわね。仮面ライダー桜刀…だったかしら?」

 

「はい…でも、まだ未熟で…弱くて…他の仮面ライダー人達にも…全然及ばなくて…負けて…」

 

暗い表情で俯く妖夢。それを見て永琳は溜息をついた。

 

「あなたが弱いわけないじゃない。他の仮面ライダーって…戦闘経験ほぼ0の外来人も居るのよ?」

 

「…実際、その人ほどの人助けもできてませんし、負けてばかりで……」

 

「…あなたの敗因がわかったわ」

 

湿布をゆっくり貼り付け、上着を着せたのち、わざとらしく妖夢の前に座り込んでほほ笑んだ。妖夢は少し驚いた様子で見上げた。

 

「自信。圧倒的に自信がない。決断に対してきっぱりと割り切れてないのよ」

 

「…自信」

 

永琳の言葉をしっかりと反芻し、脳内でどういうことか探った。思い当たるフシはいくらでもあった。

 

「無責任に自信を持てなんていえないけど…割り切りなさいと、それだけは言うわ。その決断を間違えても、誰もあなたを責めない。誰かが責めるのなら…私と、多分幽々子はあなたの味方で居るわ」

 

腕に包帯を巻き終え、妖夢の目をしっかりと見据えて言った。妖夢も目を離さず、しっかりとその言葉を受け取った。?

 

「…八意様はきっぱり赤青ですものね。真っ二つに割ってみたいです」

 

「冗談が言える余裕があるなら結構」

 

そう言うと手当てを終え、永琳は座り直した。妖夢の顔が心なしか明るくなっているのを確認し、少しだけほほ笑んだ。

 

「ハッハッハ!感動的ねぇ!」

 

その空気を叩き斬る笑い声。全員が振り向いた影の中に、青い眼光が煌々と輝いていた。その光の形、そしてうっすらと見えるエックスゴースターを見て、ブラックキャッツのような怪人である点は簡単に察せた。

 

「貴様…!」

 

手早く変身の準備をする三人。そんなライダー達をよそに、影に潜む女はゆっくりとエックスゴースターを構えた。

 

「下準備はキャッツがやってたみたいね。…『ライダーを殺せ』…これでよし!」

 

エックスゴースターからマイクを展開。声を吹き込むと、部屋全体に広がる大量の煙を発射した。

 

「なんだこれ!」

 

「伏せてっ!」

 

全員が口元を押さえて屈む中、女は物陰からゆっくりと歩み出ると、エックスゴースターとUSBメモリを2セット地面に投げ置いた。

 

「安心しなさい。これが効くのはこの二人だけだからね。じゃ、任せたわよ」

 

煙の中、誰もそのしっかりとした姿を認識できぬまま女は姿を消した。

 

「…げほっ」

 

程なくして煙は晴れた。軽く咳き込みつつ一同は立ち上がり、周囲を見渡した。

 

「任せたって…まだ敵が!?」

 

『コトダーマ!観!』

 

『ignition…』

 

『人か霊か?』

 

一行が変身の準備をする中、てゐと鈴仙はゆっくりとエックスゴースターとUSBを拾い上げ、セットした。

 

『『X!』』

 

「「醒妖」」

 

そして上へと振り上げ、トリガーを引いた。煙と粒子が彼女たちを包み、その姿を変える。

 

『『rabbit…change』』

 

「行くわよてゐ」

 

鋼鉄の妖兎は目を合わせて頷くと、ドアを蹴り壊して廊下へと駆け出した。変身する暇もなく三人はその後をバイクで追う。しかし追いつくことはなく、結局ロビーへ。二人が正面ドアを蹴り開けて飛び出たのを三人は追おうとした。

 

「おーっと!あたいが相手するからサ、先には行かせらんないんだよね!」

 

しかしそうは問屋が卸さない。再び現れたブラックキャッツがその行く手を阻んだ。

しかしフェザーチェイサーの咄嗟の判断によりフェネクスだけは外へ。少なくとも現在一番の戦力を持つのが彼女であったので、サグメと妖夢は任せることに。それぞれオウカオーとコードランナーを降り、変身の準備をした。

対しブラックキャッツも怨霊とフェアリートルーパー達を呼び、行くように合図した。

 

「怨霊を操るなら…霊で斬る!」

 

「今度は逃さん。アナライズよりこっちだな。…力、借りますよ。依姫様!」

 

『コトダーマ!戦!』

 

対し妖夢とサグメはそれぞれ楼観剣と紫のコトダーマを用意。それぞれ剣を構えるポーズと、親指を下げるポーズを取った。

 

「変…「変身……!」…身!」

 

『ブレイクオープン!ドレスアップ!』

 

そして楼観剣を挿入、レバーを引き上げる。妖夢の半人が消えたかと思うと、半霊が人型となって鎧は出現。その横では紫の粒子が甲冑のような鎧を形作った。

 

『変・身・承・知!レイノカタ!』

 

『メイクバトル!ワードレス!』

 

黒いスーツの上に黒い陣羽織をまとう桜刀 レイノカタ。紫目が輝く鎧のバトルワードレス。並び立ち、白楼剣とアタックフィールのレーザーブレードを構えた。

 

「この姿を…斬れる者は、ほぼいない!」

 

「運命だと思って…諦めるんだな!」

 

そして同時に駆け出し、あたりのザコたちを蹴散らしつつブラックキャッツへ。対しブラックキャッツはベアハッグの体勢で攻撃。しかし当たったのはワードレスの方にのみ。それさえブレードに塞がれている。どういうことだと振り向いたその先には、自分の体を貫通しつつ移動する桜刀が。

 

「にゃぁに〜!?」

 

驚きつつエックスゴースターより銃弾をばらまくが、避けようとする様子すら見せない。全て貫通し、ステンドグラスの雨を降らせるのみ。一瞬ビクつく桜刀であったが、振り切るように頭を振り、空に胸を張った。

 

()()()()のよ…私は霊体。恐れちゃいけないっ!」

 

迷いを捨てる。永琳のその言葉を咀嚼し、強く頷く。そして今一度白楼剣を構え、ブラックキャットへ斬りかかった。

 

 

 

 

 

「何の騒ぎよ!」

 

場所は変わって旧都。妹紅がフェザーチェイサーで突っ走る横に、ドラクリヤーに乗ったレミリアが接近。妹紅が指差した先のウサギ怪人二人を認識し、スピードを上げた。

 

「あいつを追うのね!」

 

さらに加速。追いつこうかというとき、妖兎二人は二手に分かれた。鈴仙の変身するクレイジィラビットは妹紅が、てゐの変身するハピネスラビットをレミリアが追った。

 

「そこの人形!えっと…」

 

「メディスンよ。メディスン!その兎を止めて!」

 

道を曲がった先にいたメディスンへドラクリヤーは叫んだ。それを補足しつつレミリアも叫んだ。しかし、あまりに急なコト。驚いてる間にその横をハピネスラビットが駆け抜けていってしまった。

 

「乗せて!」

 

しかし咄嗟にドラクリヤーに掴まり、後ろに飛び乗った。レミリアはすごい反射神経だと驚きつつもその手は止めず。さらに追った。そんな中、ふとハピネスラビットは振り返り、戦闘態勢をとった。

 

『覚醒!』

 

対しレミリアとメディスンもドラクリヤーから降り、ベルトを装備した。

 

「変身」

「変身!」

 

『ジェ・ヴォー・ダン』

『GRADE UP…… FAZE1』

 

「さあ、楽しい殺戮を始めましょう」

 

「…いくわよ」

 

 

 

 

同じ頃。家も見当たらない岩場にて、すでに変身を終えたフェネクスの目の前でクレイジィラビットも止まっていた。

 

「ごめんね妹紅。でも誰かが私に言うの。ライダーを殺せって。…戦えなくなってもらうわ!」

 

「全く…まあいいさ、燃え尽きてもらうよ!」

 

バーンスマッシャーをその手に、クレイジィラビットへと駆け出した。

 

 

 

 

 

 

「だあっ!」

 

ブラックキャッツの一撃。しかしワードレスには避けられ、桜刀へは当たらない。その一瞬の隙にビームブレードと楼観剣が襲う。大きくないとはいえ、怯む程度のダメージはもらう。少し警戒を強めつつ、高く飛び上がってシャンデリアの上に。

 

「そっちがそのつもりなら!」

 

指を弾いて部下たちに合図。怨霊を桜刀へ向かわせ、フェアリートルーパーをワードレスへ。しかし軽く蹴散らしてしまう。

 

「…強化攻撃準備」

 

妖精達が意思を感じさせない声を上げ、イーヴィルトリガーの引き金を引き続けてチャージ。ある程度溜め終え、ワードレスへ放射。鋭いレーザー達が向かう。

 

『シューターフィール!』

 

「言ったろ、諦めろとな」

 

対しワードレスは銃撃で対抗。イーヴィルショットを撃ち落としつつゾンビフェアリー達を撃破した。

同じく桜刀もまとめて怨霊達を一刀両断。上で様子を伺うブラックキャッツへ視線を上げた。

 

「なかなかやるじゃないのさ」

 

そう言ってエックスゴースターを構えるブラックキャッツへワードレスが銃撃。得意げに避けるものの、シャンデリアを吊るすパーツを破壊。ブラックキャッツもろとも重力に従い始めた。

 

「え、ちょちょちょちょ!」

 

「行くぞ」

『ブレイクダウン!バトル!』

 

「ええ!」

 

焦りつつ飛び降りる準備をするブラックキャッツに対し、二人は必殺の準備。それぞれその剣と銃口を構えた。

 

『コトダーマエンド!』

「バトルエンド…!」

 

「カクヨギリ!」

 

ワードレッサーからの巨大なビーム。そしてそれとはさみ打つように迫る斬撃波。二つがぶつかり、大爆発。ガラスが散り、雨のように降り注ぐ。かたや鎧で弾き、かたや体をすり抜け。あたりが静まったのを見て、二人は変身を解いた。

 

「…倒れてないな」

 

「逃げちゃったみたいですね…」

 

二人は困り気味にあたりを見渡すものの、何かできるわけでもないので、とりあえず妹紅の後を追うことにした。

 

 

「助かったよ、お空」

 

「あそこでお燐がやられてたら困るもん。さ、行こっか」

 

地霊殿の外の暗がり。二人はエックスゴースターを片手に座り込んでいた。空が立ち上がったのに合わせ燐も立ち、一時撤退。闇へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

「…よし、これで寝れば治るはずさ」

 

「ありがとうございます…!」

 

「そんな頭下げるなって。そのかわり、解決したら一発戦わせてくれよ?」

 

その頃、勇儀宅。萃香が瓢箪を煽る横で、蓮子は眠っていた。例の薬をもらい、あとは覚めるのを待つのみ。やっと気の抜ける感覚に、メリーは安堵の息を吐いた。

 

「この子って、宇佐見蓮子ってんだよね?」

 

「そうですけど?」

 

「宇佐見といやぁ…そんな名前の外来人が地上から逃げてきたって話だよ」

 

「本当ですか!?」

 

驚きのあまり、メリーは詰め寄るような姿勢で聞き返した。勇儀は若干仰け反りつつ頷き、話を続けた。

 

「菫子と言ったか…ジョシコーセーっていう人類最強種族って聞いたけど」

 

「多分それ冗談ですよ」

 

「え…そうなのかい?」

 

「ええ、……菫子?それって……」

 

笑っていた様子から一転。考え込むような様子に。そしてはっと目を見開いた。

 

「おじいちゃんは婿養子で菫子……それって!」

 

「ど、どうしたんだい急に」

 

「それって……蓮子の…おばあちゃんよ…!」

 

奇跡の出会いに目を見開くメリーであったが、鬼二人はメリーの語る意味がよくわからず首を傾げているのであった。

 

to be continued…




「酒がなくてもいいって聞いたけど…どうなんだろ」

地底を肴に飲め!唄え!

次回、「地底の国の鬼ヶ島 〜 Waking Power」

『キャッツアイ』とか『キャッツパンチ』ってぇのはよーくわかる。スゲー(ディ・モールト)よくわかる。c()a()t()()s()()()()()()()()()だからな。でもよおおおぉぉぉ!ブラックキャッツって何だよッッ!『猫の』何なんだよおおおおお!!舐めてんのかッ!くそッ!くそッ!『複数形』でも()()()()()()()()だろうがよおおッ!!くそッ!くそッ!ブラックキャットだろうがテメェーはッ!
というわけでこんにちは。ギアッチョもといサードニクスです。
なんかレミリアと妖夢にセット感が生まれてますね。原作で繋がりあったっけ?一応春雪異変で咲夜が解決に走ったなら知ってるんかね。
桜刀が噛ませ役ばっかだったのはこの回で学ぶシーンのため。以降は活躍するんでご安心を!
ちなみに。次回はこんなタイトルですが萃香そんなに活躍しません。実は別ライダーの変身イベントだったのを捻じ曲げてるんですよね。許して。

みんなの!変身ポーズコーナー!
今回は桜刀!
まずはオビドライバーを装着!個人的解釈だけどアマゾンズドライバー的な構造。
そして背から抜いた刀を右手に持ち、右下に向けてビシッと背を伸ばします。
そして鞘の鯉口に峰の付け根を当てつつ「変…」
そしてゆっくりと引いて切っ先を鯉口まで持ってきて…「…身!」で納めます。
「居合 納刀」ググるとイメージがつかめるかと。
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