リブレッス、U、酔鬼のアトムアヴェムとの戦いに、ヘルゴットが到着。確実に追い詰め、ついに撃破。追いついたサグメ達も変身を解き、他の面々へ地上へ戻る準備を促した。
さとりはこいしへ、地上へ向かうことを促す。すぐのちに、地霊殿に映姫が来た。地底の様子に話すのもそこそこに、さとりが彼女用に作ったアイテムを渡す。そして、そこでノヴェムフォックスの襲撃。映姫へ逃げるよう促し、追いつかれそうなところへ巨大なマシーンに乗ったみとりが。一気に地上へと逃げて行った。
霧の湖で、妖精たちを襲うフェアリートルーパーとスズメ女。湖底に逃がれたチルノだが、そこで不思議なアイテムを発見する。直感が当たり、チルノ、変身。ミスティアを正気に戻し、妖精たちを取り戻すことに成功した。ライダーの集まる命蓮寺へと連れて行く。
そのさなか、命蓮寺へストームスネイクの襲撃。みとり達が到着するが、それはつまりノヴェムフォックスも加わるということ。ノヴェムフォックスに対して魔理沙が変身。さらにメディスも新たな形態へ。だが追い詰める様子もなく、取り逃す。
そしてストームスネイクとの戦いは不利の一方。そんな中、早苗は映姫の使うはずのアイテムを手に取り……。
・仮面ライダー酔鬼 金剛鬼
・仮面ライダーラビ ウィンゲルフォーム
・仮面ライダースパーク マホウツカイフォーム
・仮面ライダーメディス スターライトペンタス
第15話 煌々跋扈
「変身!!」
早苗はそう叫び、気取ったポーズを決めてトリガーを引く。瞬間。白い粒子たちが早苗の周りを飛び交った。
『OK!ROKUMONSEN! white monotone!』
そんな音声が流れ、白い粒子が早苗の体を包み込む。純白のスーツと、青と緑のレースが美しいドレスアーマーが形成された。映姫のような早苗と言うのが最も似合う姿であろうか。その名は、仮面ライダーモノ。
「崇めよ我を!祀れよ山を!讃えよ神を!謳えよ幻を!そして吹き荒れる奇跡の神風を見よ!」
前方へと勢いよく手を広げ、そう叫んだ。その声はどこか震えたようなもので、泣いたようなもの。
その様子を見て、ストームスネイクは面白いとばかりに笑った。
「ククク…私の真似事とはよくやるわ」
「…あなたを正気に戻すと約束します。だからこそ、あなたの居ない間も守矢神社を守り抜いてみせます!」
そうして涙ぐみながらも覚悟を込めた目でストームスネイクを見据え、「白」を外し、「剣」のコインをセットしてトリガーを引いた。
するとの彼女の手元に『ヌサスラッシャー』が現れた。名の通り幣を模した剣である。
「でやあああああああ!!!」
「おおっと、速いわねぇ」
ストームスネイクはモノの連続での斬り付けを余裕の表情で受け流しながらそんなことを言った。
その態度がより怒りを煽る。ドグマも飛び出し、殴りかかった。
「無駄!」
「おぐぁ!」
しかし叩き込まれた蹴りに苦しみの声を上げる。そうして怯んでいる間はモノが1vs1の状況である。やはり押され気味どころか、負けかけている状況だった。
「こうなれば…もっと重量が必要ね」
そんな中、ドグマは僧の腕輪を外し、金色の数珠のような腕輪を取り出した。
「力、お借りしますよ星!」
そしてその『仏の腕輪』を左腕に取り付け、レバーを倒した。
『heavy!閃光!救って!栄光!描いて!』
すると変身音がドライバーから響き、ドグマの姿が変わった。閃光と共に白いスーツが着せられ、グレーのプロテクターが重ねられる。そしてそこに虎柄のの超重装がさらに載る。
仮面ライダードグマ 仏術ヘビィフォームである。
「これまた一段と重そうになったねぇ!」
そこにストームスネイクの操作する御柱が突撃した。しかしドグマはそれを胸アーマーで受け止め、手に現れた巨大クロー『タイガースクラッチ』を叩きつけたのだ。
「喰らえっ!」
そして肩のの宝塔型パーツでストームスネイクへと高熱レーザーを浴びせた。ストームスネイクはそれを腕でガードしたが、隙は生まれた。その背中にモノが連続で攻撃を叩き込んだ。
「煩わしいっ!」
ダメージこそないが、うっとおしそうな様子を見せ、エックスゴースターでの射撃を飛ばす。しかしそれはモノの胸の鏡が放った光を受け、反射するのであった。
「いでっ!」
自分の攻撃だからか、多少は効いたようだ。いまがチャンスとばかりにモノとドグマは駆け寄った。
「でやぁ!」「くらえ!」
「くどいぞ!」
しかしストームスネイクのパンチを受け、ドグマは大きく怯み、モノはぶっ飛ばされた。まだ勝てる様子はない。
「だあああ!」
「よいしょっと!大丈夫かいあんたら!」
その時、イシグマスラッシャーとマシンラピスがストームスネイクへと突撃した。
「うおう!危ないねぇ」
ストームスネイクはそれをスレスレでかわし、エックスゴースターでの銃弾を向けた。
「危ないはどっちのセリフだい」
「ああいうのは避けるに限るわよん」
「そいつはごもっとも」
『set confirmed』
へカーティアの一言に同意を見せつつ、酔鬼はマシュヒョウタンをセットし、フォームチェンジするべく姿勢をとった。
『confirmed change standby……3……2……1』
そしてレバーを引き、変身のシークエンスを終えた。その体から重装が剥がれ軽装になり、軽装が剥がれ超軽装になる。その二本角は片方が折れたものであった。
『formname is 狂鬼!GOGOGO!』
その名は仮面ライダー酔鬼 狂鬼である。小刀『総屠』『滅鬼』を構え、ストームスネイクへ駆け出した。装甲の少なさ故の軽さで、身軽かつ高速に攻撃を叩き込んだ。
「小賢しいねっ!」
そしてストームスネイクが拳を振り上げた時、滅鬼は光を反射し、ストームスネイクの目に飛び込ませた。
「目が…!」
だが追い詰めた訳ではない。怯んだ隙を狙って攻撃をしてみるが、今一つダメージは小さい。
あとひと押し足りない。誰もがそう思った時、蓮子の頭の中に一つのものが浮かんだ。
「もしかしたら…!」
そんな希望とともに、ポケットからお守りのネックレスを出した。
「へカーティアさん!これもしかしたら!」
そしてそのネックレスから青い石を外し、ヘルゴットへと投げ渡す。彼女はうまいことキャッチし、瞬時に言いたいことを理解してベルトにセットした。
『Set!Tierra power!』
「やっぱりね…!」
そしてボタンを押し、フォームチェンジのシークエンスを完了した。
『Perfect HellGod Tierra!』
そんな音声とともに青の装甲が着せられ、ヘルゴットはティエラフォームへと変わった。すぐさま状況を理解すると、棍棒『ヘルスウェポンロッド』を構えて、ストームスネイクへ迫った。
「どいつもこいつちょこまかと!」
うっとおしそうに酔鬼を蹴飛ばし、背後に迫ったヘルゴットへ回し蹴りを繰り出した。
しかしそれはジャンプでかわされ、再び回り込まれて酔鬼と一緒の連続攻撃を叩き込まれるのであった。
「やれやれ…」
しかし余裕の態度は崩さない。実際未だにダメージは小さく、うっとおしい以上のことはなさげだった。
『light!』
対しドグマは装甲をパージしてライトフォルムになった。グレー一色にまとまったアーマーと、胸のペンデュラムがナズーリンを思い起こさせる。
「たっ!」
両腰の『マウスダウザー』を手に持ち、連続での斬り付けを繰り出した。そのスピードは先程の重さからは想像できないほど早く、ドグマ、酔鬼、ヘルゴットの猛攻に怯んだ体制を直す余裕は無いようであった。
「このっ!」
「させませんよっ!」
ストームスネイクが耐えかねて御柱を飛ばさんと準備したとき、前にはモノが立ちはだかった。
『OK!ROKUMONSEN! black monotone!』
そしてジャッジメントコインを「白」から「黒」へと入れ替えて、フォームチェンジした。
黒い体にヘビのような尻尾とカエルのような胸部アーマーが目立ち、背には注連縄のようなリング、両腕は御柱のようなデザインとなった姿、仮面ライダーモノ シュバルツディーアティーだ。
「でやああああ!」
『hammer monotone!』
そして「槌」のジャッジメントコインでカエルの頭部を模す巨大ハンマー『フロッグブレイカー』を呼び出し、三人のトリッキーな猛攻に怯んだストームスネイクの胸に叩きつけた。
「くっ…まあいいか、ここは撤退させてもらうわ」
そう捨て台詞を残すと、煙幕を放出し、そこから姿を消した。それが晴れた頃には戦いの残骸と疲れ果てた少女が残っており、命蓮寺の玄関はボロボロだ。
「あー、私らも鍛えにゃいかんねー」
「そうねぇ、変身は出来ないにせよ…戦いの邪魔にならないくらいはしたいわねえ」
村紗と一輪は治療を受けながらそんな話をしていた。慕う聖が戦っているというのに何もできない不甲斐なさが二人の中にはあった。
「多少協力はしたいが…どうすればイイのだか」
「…」
ナズーリンと星もまた同じ感想であり、どうにか鍛えなければと、天子に止められつつ木刀を振る早苗を見ながらそう思った。
時を同じくして、カメ仙ことセンニンタートルと霊夢は河童のアジトへ来ていた。一見洞窟のようであるが、入ってみれば中はまさしくラボである。
『やはりいいものだな。我が家というのは。…ほら、あそこにサォルブドライバーがある。あれが私が殺される直前に完成させたものだ。君にやるよ。カードなら魔理沙にもらえ』
「ん、ありがとう」
そんな風にして、霊夢はカメ仙からいくつかアイテムをいただいていた。
『外にロボットとバイク一セットがある。片方をくれてやるよ』
「それは助かるわね!」
カメ仙の気前のいい様子に、霊夢も大感謝中であった。ケチな河童の癖に一体なぜこんなにも協力的なのかという疑問もあることはあったが、それを吹っ飛ばす気分だ。
「…あんたは」
そうして霊夢が言われたように外のマシンを見てみようと、そう思ったとき。外に立つみとりが視界に飛び込む。
『…みとり!』
「…その声!……おじさん」
みとりの言葉を受け、霊夢は訝しげな視線を送った。対しカメ仙はメカでもわかるほど言葉に詰まった様子を見せていた。
『ちょっとだが……河童は変わった。お前のことも、受け入れるはずだ』
カメ仙が絞り出したのはそんな言葉であった。対しみとりはそう、と軽く答え、霊夢達へ近寄った。
「おじさんは優しかったね、昔から。……お父さんは?」
『……30年前に姿を消したあとは分からない。私も探したが…ついに会えなかった』
「そっか。……にとりはどこにいる?」
『あいつならあっちに居る。用ならそっちに行くといい』
カメ仙の返答に無言で頷き、みとりはその場を去った。しかし少し歩いたのち立ち止まり、振りまかないまま
「でも私は…私を愛さなかった河童を許さないし…私を恐れた人間も許すつもりもない」
そう言い放って去っていった。その背をカメ仙は寂しげに、霊夢は気まずげに眺めていた。
「…河童にも色々あんのね。にとりの姉だっけ?」
『ああ、そして私の姪だ。だがにとりとは腹違いで…人間のハーフさ。だから追い出された。……かつての河童はもっとコミュニティが小さかったんだよ』
「そう、……で、そのマシンってのはどこ?」
『ん、忘れた。あっちに置いてある』
カメ仙は霊夢を案内し、滝の裏へと消える。そのすぐ横の住居へとみとりは向かった。
「人間の匂いだな。魔理沙の紹介か?それとも霊夢か?文か?…いや、河童の匂いもする。ナニモンだ?」
「…半妖じゃないか?」
そんなみとりを迎えたのは、河童二人だった。茶髪と黒髪の二人は不審者に対し訝しげではあったが、半妖である事実に特に疑問や嫌悪はないようである。
「姉さん…!?」
「久しぶり…だな」
目をぎょっと開いて飛びでたにとりに暗く沈み気味な声色でみとりは挨拶をした。
「その錠、ずっと持っててくれたんだ…!」
「お前だってその鍵を…」
みとりは泣きながら抱きついてきたにとりに戸惑う様を見せたが、すぐに笑顔を浮かべた。少し、涙もこぼれた。
「にとりの姉ちゃんってこと?」
「そうなんじゃない?事情わかんないけど」
そんな様子を、仲間の河童達は困り気味な様子で見つめていた。だが、全員で見合わせると、にとりの家族なら仕方ないと結論づけ、みとりを歓迎する姿勢をとった。
「河童が変わったのも嘘じゃない……のかな」
「へぇー、50年でそんなに文明が進歩するものですかぁ!」
同刻の人里にて、メリーと蓮子、そして早苗は焼肉中であった。外の世界にいた三人故にそういった話題でおおいに盛り上がり中だった。
「まあ、これでもだいぶネタバレ控えめにしてるけどね」
「ハハハ、ナイス配慮です。来年は元号も変わるって話ですからねぇ。…まあ、幻想郷にはそんな関係ないですけど」
「そっか、早苗ちゃんって平成生まれなんだもんねぇ。平成生まれの17歳と話すのって不思議なものね」
メリーは空を見上げるような遠い表情でそんなことを言った。そんな中、秘封倶楽部二人の視線は早苗の手に持ったコップへ向かった。
「…お酒?」
「ん?ああ、そう言えばそうですね。外の世界じゃあ犯罪ですね。犯罪的美味しさ。なんてね、ハハハ。…もうお酒に違和感とか抵抗とかないですね。ここってお酒のコミュニケーションがメインなんで」
「そんなもんかしらねぇ」
「どうせ帰らないっていうので後ろめたさもないですよね。…あ、二人はおやめくださいね。あなた達は帰るんで」
そう語った早苗は笑っていたが、目の奥には覚悟にも似た、力強さのような眼光が潜んでいた。
「…それもそうね」
メリーはそういうのには敏感である。早苗はこんなふうに休んでいても、頭の奥は神奈子のことでいっぱいなのだと、容易に考えついた。
「さ、私お腹一杯になっちゃいました!…デザートと行きませんか?紅魔館なんかで」
そんな表情をすぐ一転し、二人に微笑みかけた。二人は顔を見合わせ、頷く。よその館で?と思わなくもないが。ともあれ早苗はそれ受けて立ち上がり、会計を始めた。
「私が払いますよ!」
「いやいやいや。悪いわよ。私達は自分で払うわ」
「いいんですよ。あなた達のおかげで助かってる面もあるんですから!…さ、行きましょうか!」
蓮子達に有無を言わせずすぐに払ってしまった。二人はどうしようかと顔を合わせたが、厚意なら受け取るほかないと、二人は諦めるのだった。
「ほーう、納豆トーストねぇ。意外と美味しいもんなのかね」
その頃の紅魔館には、萃香が来客としてそこにいた。レミリアのテーブルの前に座り、一緒に軽く食事中だ。
「納豆は何にでも合うもんよ」
「吸血『鬼』がよくいうよ」
「全く別物よ。あなた日光平気でしょう?むしろ日光浴とか好きそうね」
「カカカ、違いないね」
そんなくだらないことを話しながら、二人は食事と一緒に酒を嗜んでいた。萃香は初ワインだが、お気に召したようである。
「なんか遠慮気味ね。じゃんじゃん飲みなさいよ」
「いやぁ…でもさ、葡萄酒って高いんだろ?その瓶、いかにも高級そうだし」
「鬼にもそんな気遣いあるのね」
「失礼しちゃうねぇ」
そんなことを話すうちに、食事が終わってしまった。萃香は命蓮寺で食事を済ませていたのと、レミリアは寝起きだったのもあり、食事が軽いものだったのだ。
「さあ、夜風を浴びに行こうかしら。ドラドラ!」
「参上!…またドライブか?」
外に出たレミリアが呼んだのに合わせてドラクリヤーが飛び出た。ドラクリヤーの問いにレミリアは頷きで返し、その上に乗ってヘルメットを被った。
「あんたも行く?」
「もちろん!私のバイクは門の外にあるからさ」
萃香は満点の笑顔で返し、美鈴の横に置かれたイシグマスラッシャーに飛び乗った。
「珍しく寝てないわね」
「寝てたことなんてありませんよっ!」
そんな軽口を美鈴にぶつけると、反論を聞き流しながら霧の湖へと駆け出した。
「いやー、いいねえ。キレーな湖だよねぇー。夜だから若干視界が悪いけどさ」
「そこがいいのよ。月がまん丸って訳じゃないけど…キレーね」
「それって外の世界では愛の告白らしいよ」
「Souseki Natumeぐらい知ってるわよ。でもそれ、本当は言ってないんだってね、フフフ」
レミリアの笑みを受け、萃香は彼女の本気度のつかめなさを今一度認知した。そんな時、イシグマスラッシャーのフロントライトに湖の麓の人影が映った。
「おい、あんた、どうしたんだ?こんな時間帯に外に居ると危ないぜ?」
ドラクリヤーのかけた心配の一言を受け、照らされた女は振り返った。影に紛れていた九本の尻尾が見えたことで、そいつが八雲藍であることはすぐにわかった。そしてその手で、リグル首根っこを掴んでいるのが見えた。
『覚醒!』
『set confirmed』
『confirmed change standby……3……2……1』
二人はすぐさま変身の準備を終え、それぞれ手を顔に重ねるポーズと拳を包むポーズをとった。
「変身」
「変身!!」
『ジェ・ヴォー・ダン』
『formname is 乱鬼!GOGOGO!』
そしてジェヴォーダンと酔鬼が同時にバイクから降り、それぞれドラクリヤブレードと乱喰刃を構えた。
『X!』
「人の顔見るなり剣構えるなんてひどいわね。…醒妖!」
『fox…change』
それを見て彼女もリグルを投げ捨てると、ノヴェムフォックスへと姿を変え、戦闘態勢をとった。
「さぁ、楽しい殺戮と…」「…宴の始まりだ!」
二人はリグルの命のあることを確認し、合図で逃げるよう促した。そして決め台詞を飛ばす。
同時にノヴェムフォックスも駆け出し、二人へ拳を叩き込んだ。
ジェヴォーダンは素早く受け身を取り、酔鬼は避けつつ乱喰刃の圧倒的リーチでカウンターを決めた。
「ふぅーん、結構やるじゃないのさ!」
大したダメージではないが、多少の怯みはあるようだ。ドラクリヤーからのガトリングも受け、大きく隙を作ったその時。
「うぐっ!」
『あんまり暴れないでほしいわねー』
「やれやれ」
スライダーモードのチェイスナイターに乗り込んだヒールと自転車『フルブレッサー』に乗るモノが突撃した。
『ファング!ドラクリヤエンド!』
チェイスナイターにぶっ飛ばされ、転がった隙を見てジェヴォーダンが蹴りを放った。その首を締め上げたその瞬間に、酔鬼からの斬りあげをくらい、爆炎を巻き起こした。
「やったわ…」
「…あんまり舐めないでもらいたいわねっ!」
その爆煙を振り払い、ノヴェムフォックスはかかと落としを叩き込んだ。
「無事…ですって…」
「偽爆発か…ったく…!」
「硬さなら自信ありでね!」
そんな風に胸を張ると、ビーム弾を全方向に放射し始めた。
「危ないわね…!」
「……メディットブレス、知ってる?」
「あ?知らないわよっ!」
「よし、そんなら死んでもうわ!」
ジェヴォーダンの返答を受け、改めて攻撃を強めた。ジェヴォーダンと酔鬼は距離を置かれて一向に攻撃できないままであり、銃を武器とするヒールだけが攻撃できる状況だった。
「くっ…!」
耐えかねたモノはフルブレッサーに乗り直し、ノヴェムフォックスへと近づく。放つ銃撃は反射能力を使ってかわし、ヌサスラッシャーを叩き込める距離まで接近した。
「どりゃ!」
しかしノヴェムフォックスはパワーも武器である。拳を顔面に叩きつけられ、フルブレッサーから叩き落とされた。銃撃をやめた隙に近づいたジェヴォーダンと酔鬼も回し蹴りでふっ飛ばし、乱喰刃が軽く肌を切られるだけであった。
『どうしましょう…メリー…』
「…もう一度試しましょう」
『look the fantasy!』
三人がダメージを負った状態であり、追い詰められているといって差し支えない状況である。
そんな中、メリーは今一度紫のライドレンズを試した。
「うわっ!」
「きゃっ!」
結果はやはり失敗であった。メリーと蓮子は尻餅をつき、さらに追い詰められたのである。
「馬鹿ねぇ、二人の人間が融合なんて無理よ。いったい誰が体を操作するのよ。魂同士が喧嘩するに決まってるじゃないの」
そんな二人を見下して嘲笑を送ると、トドメをささんとエックスゴースターを構えた。
「…くらえっ!」
「誰が喰らうかっての!」
いつのまにかシュバルツディーアティーとなっていたモノが、ノヴェムフォックスの背に迫った。しかし裏拳を叩きつけられるのみである。ふっ飛ばしたモノの方を見て、先にこちらにトドメを刺してやろうと振り向いた。
その瞬間、ノヴェムフォックスの動きが止まった。
「てめぇ……!…………今だ!…私が止めていられるうちに仕留めろ…!」
藍が出たのだ。その隙に三人は立ち上がり、必殺を用意した。その様を見て、蓮子はニヤッと口角を上げた。
「式アプリ…そういうことね!!」
雄叫びのような声をあげ、ノヴェムフォックスの背中にぴったりとガジェットスマートを当てた。
「こっち、来てもらうわよっ!」
そして式アプリを起動し、新規登録タブを押した。一瞬の読み込みのうち、登録完了の画面へと変わった。
「っ!」
その瞬間、ノヴェムフォックスは再び動き出した。しかし、すでに必殺技の準備を終え、三人のライダーはノヴェムフォックスへと迫っていた。
「フランスズナイトメアっ!」
「クイチギリ!」
まずジェヴォーダンがドラクリヤブレードがら出現させた狼のビジョンで空中へノヴェムフォックスを打ち上げた。そして酔鬼が斬り上げを叩き込む。
『finish monotone!』
「ライダー剛力パアアァァァンチ!!」
そこに一瞬遅れて「決」のコインを読み込んだモノが近づき、右拳を腹へと叩きつけた。
「いってぇ…やれやれ」
しかしまだ倒せない。どんな防御力してんだと三人が顔をしかめる中、蓮子だけは得意げな笑顔で立ちはだかっていた。
『ここは…どこだ?』
その手に持ったガジェットスマートからは、藍の声が響いた。驚いたメリーが画面見てみると、そこには3Dモデルとなってキョロキョロする藍の姿があった。
「式を移動できるアプリ…って訳ね。藍さん、協力頼みますよ」
『よくわからんが…まあいいだろう。紫様が自身のものを託すような人間だからな。信頼はするさ』
「…なるほど!私達が操れない融合ボディなら…式が操ればいい!よく考えたわね…蓮子…」
メリーのその言葉を自慢げに受けとると、腰にアイズバックルを巻き、腕にはライドブレスを装備した。
「もっと褒めて貰ってもいいんだけど…そうも言ってらんないわね。行くよメリー!」
「オーケー蓮子!」
『look the fantasy!』
『インディゴブルゥ!』
そしてアイズバックルに紫のライドレンズを挿入し、ライドブレスにガジェットスマートをセットした。
「準備はいいですね?藍さん!」
『ああ、分かってるさ。ライダーだろう?……大変身!』
藍がガジェットスマート越しに掛け声を放ったと同時に蓮子はメリーと手を繋ぎ、レバーを押し込んだ。
「無駄なことをっ!」
そんな彼女達に、体勢を取り直したノヴェムフォックスが銃撃を加えた。あたりは爆発を巻き起こし、豪炎が吹き上がった。
『we are bewitching night fantasy!』
そんな中、けたたましい音と眩い粒子の閃光と同時に、炎の中からゆっくりと足音が迫った。
グレーのボディスーツをまとう体は身長体格共に蓮子ともメリーともつかないもの…いや、二人をちょうど合わせたような体型であった。
そのアーマーは青と黄土色の二色からなり、頭部は金髪を模したものだ。狐風の耳と九尾らしい尻尾型ミサイルポッドが目立つ姿は、まさに八雲藍らしきもの。
何より目を引くのは、紫のツインアイである。
「パクりやがって…九尾の姿は私のもんなのよっ!」
そんな文句を言いながら、ノヴェムフォックスは銃撃を飛ばした。その全てを胸部アーマーで受け止めつつ、ゆっくりと接近した。
「「このフォーム…名付けてエクストラモードだな」」
蓮子とメリーのものが重なった声で、ヒールは言った。その語り口は何者でもなく明らかに藍のものであった。
「「改めて言うが…体、貸してもらうぞ!」」
そう言い放つと、ゆっくりだった足を早め、走る勢いそのままにパンチを叩き込んだ。
「ぐごっ!」
先程のモノとは違う、本気で効いたパンチのようである。さらにそこに、至近距離でミサイルを叩き込み、その怯みにヤクザキックを叩きつけた。
「この…!」
このままやられてたまるかと距離を置き、エックスゴースターでの射撃に切り替えた。
「「やれやれ…」」
そうして手を広げたヒールの手の上に、チェイスナイターから飛び出た小さな狐型マシンが乗る。
「「そっちが遠距離で来るならこっちもそのつもりだ」」
そのマシンを変形させ、ライドグリップと接続し『フォックシューター』を完成させた。そしてライトニングテレガンも組み立て、二丁拳銃スタイルでの射撃へ。
「うおおおおお!!」
そしてノヴェムフォックスがヒールに集中するあまり背面に晒した隙に、ジェヴォーダンは引っ掻きを繰り出した。
「こいつっ!」
ジェヴォーダンから距離をとった瞬間に、モノと酔鬼のキックを叩きつけられた。
ミサイルと銃撃の猛攻もあり、完全に体勢を崩し、転んでしまった。そのまま四人に囲まれる。
「くそっ!」
このままではまずいと判断し、煙幕を展開した。
「「今更足掻くだけ無駄だ!」」
だが、藍は戸惑わない。フォックシューターとライトニングテレガンを合体させ、ショットガンモードへと変えた。
『illusion eye!』
『Enter…Ready…Go!!』
そしてアタックドロップを読み込んでEnterボタンを押し、必殺を発動した。
「「ライダー…キリングッ!!」」
その光弾が煙幕を貫き、ノヴェムフォックスの青い眼光向かって飛んだ。
「撃ち落としてあげるわよっ!」
それを撃ち落そうとするが、グッと軌道を変え、背面からノヴェムフォックスを撃ち抜いた。
「うぐっ!」
今度こそ煙を吹っ飛ばしながら爆発し、中から砕けたエックスゴースターとUSBが転がり落ちた。
「…大丈夫ですか?」
「「近づくなっ!!」
早苗が接近しようとしたその時、ヒールが全力でそれを止めた。しかしそれも虚しく、九尾に首根っこを掴まれた。
「うぐっ!」
「ハハハハハ…ハーハッハッハッハッハ!!」
「「洗脳を受けてなくても…九尾はそう言うやつだっ!!」」
ヒールは九尾の右手を狙って銃撃を放った。避けたことで早苗は離され、脱出に成功した。
「くっ!…それなら!」
そして体に戻ろうとヒールが近づいたその時、九尾は自分の体に火を放った。
「あんた…イカれてんのかっ!」
「あいつに体を奪われるぐらいなら…こうして死んでやるわっ!アーッハーハッハッハッハ!!」
萃香の怒号も受け流し、大声あげて笑ったまま燃え尽き、黒焦げの遺体が霧の湖に沈んでいった。
「「…っ!」」
その様子を見てひとまず戦闘は終わったのだと、ヒールも変身を解いた。
「っぶっはぁ!……変な気分ね」
「っふう…。そうね。ええと、藍さん大丈夫ですか?」
『体を失っても問題はない。…多少面倒だが、新しい体を探すさ』
そう言ってスマホの中の藍が笑ったのを見て、ひとまず事態は解決したと判断し、少女たちは紅魔館へと帰って行った。
to be continued…
「川を荒らさないでもらいたいね」
「「変身!」」
次回、「山は河を惟ひ、河は山を惟ふ」
感想のなさで心がもう息苦しいサードニクスです。
まあでも、最終回には「面白くなかったけど続けた根性は認める」って言ってくれる人ぐらいは現れるはず…!
で、今回以降は、ほぼ全話において新フォームか新ライダーが二個ずつ出ます。尺が足りねえのよ。
そうそう。幻想仮面少女、外伝まで全部書き終わったらシーズン2やろうかなーとか。
募集ライダー数を絞り、そしてシーズン1で未変身キャラへスポットを当ててやろうかなとか。
って思ったんで仮募集しちゃいまーす。そうしないとストーリーができないということですね。これはこのシーズン1を書いてての反省点です。
しかし今回はサードニクス要素てんこ盛りの皆さん的にはクッソどうでもいい回ですよね。ドグマ新フォーム、ヒール新フォーム、モノ初陣ですもんね。
次回はタイトルでお察しのあの子です。
みんなの!変身ポーズコーナー!
今回はリブレッス!すっごく単純!
キーボードにコードに入力します。
そしてゆっくりと右手を握りながら胸元へ近づけます。同時にカードをセット。
そして手を広げつつ円盤を回して変身です。