幻想仮面少女   作:さわたり

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真冬に真夏の話を書く違和感。


第16話 山は河を惟ひ、河は山を惟ふ

「…つまり、地震が近々起きるってわけ?」

 

「…ええ、そうです」

 

夕食を終え、皆が寝静まった中、天子はただ一人命蓮寺の縁側でボーッとしていた。

そこに訪ねたのは衣玖であった。

 

「しかも連続的に。…なおかつ大きいのが。だから総領娘様も気をつけてくださいね。…あとこれ、プレゼントです」

 

衣玖が告げたのは、地震のことである。要は彼女の本業だ。そんな中、彼女は背中に抱えた袋を丁寧に天子に渡した。

 

「…幸い、あなたのお父様はあなたの活動を応援しています。…地上を救いなさいと、そうおっしゃいました」

 

「てっきり比那名居家の長女がどうのとか言われると思ったら…」

 

袋の中は要石だった。その手にしっかりと受け取ると、衣玖に感謝を述べた。

 

「ありがとう、衣玖」

 

「全く、説得大変だったんですから。…いつからこんなにあなたに首突っ込むようになったんですかね。私は」

 

「…私は、あんたがご近所さんでいつも助かってるわよ」

 

「やれやれ…」

 

衣玖は恥ずかしげに顔をかくと、視線を変えてあからさまに話題を逸らした。

 

「あと、一つ。伝えておくことがありました」

 

「なによ」

 

「…比那名居家は神官の家系。…だからあなたが託された力も、あなたならうまく使える」

 

「…は?」

 

「洩矢様に、手を握られたりしましたね?そういうことです。というわけでこれも渡しておきます」

 

疑問を浮かべる天子を気に留めずバンバン話を進め、続いてアイテムを投げ渡した。

それが何か思い出すのには、少し時間がかかった。

 

「…これ、サグメの変身アイテム…?でも、色も文字も無い…」

 

「ブランクのものです。彼女にワードレッサーを借りるなり、中身を出すなりしてください。……あと、託された力も、何もなしには開花しませんからね?…では、私は他にも伝える所があるので」

 

そう言い残すなり、羽衣で風に乗り、ふわふわと飛び去っていった。聞きたいことはいくらでもあったが、天子は彼女の背をひとまず見送ることにした。

 

 

 

 

 

翌日の魔法の森で、ルーミアは朝の散歩中であった。そこで見かけた灰色の厚い円盤型の宝石に、彼女は興味津々。

 

「きれいな宝石ねー…。もらっちゃお」

 

周りに持ち主がいないことを確かめ、それをポケットにしまった。一応「宝石はもらいました。ルーミア」と地面に書き、散歩を続けた。

 

「…んー、そろそろかなー」

 

そんな中、反対側のポケットから懐中時計を取り出し、時間を確認した。ルナチャイルドからもらったお気に入りのアイテムである。

 

「チルノと合流しなきゃ」

 

今日は散歩だけが目的ではない。怪我をした親友のお見舞い、それも目的の一つなのだ。

 

「おーい!ルーミアー!」

 

「お、チルノー!」

 

霧の湖で二人は合流した。お互い目を見合わせると、人里へ足を進めた。

 

「…それにしてもどうしたのよ、その服」

 

「え?いや、えっと、いめちぇん…ってやつ?」

 

彼女を一目見たルーミアの一言はそれであった。長袖を着たチルノは珍しく、寒くもない、むしろ暑いこの季節に着ているのは違和感の凄まじいものなのだ。

 

「腕に怪我でも?…でもすぐ治るしね。まあ、いいや」

 

「ファッションだってば!あたいはいつもどおりだって!」

 

多少の疑問を抱きつつも、とりあえずルーミアは真っ直ぐ目的地に向かった。

 

「やっぱ活気があるわねー」

 

「だからあたいは人里もすきなのよ」

 

怪人被害が落ち着いた人里は、あの時のような警戒と閉塞感のあるものではなかった。しかし地底の実働隊が倒された関係で、地上での活動が激化するのは目に見えたこと。

しかし無邪気な妖精と妖怪はそんなことを知るはずもなく、ただただ純粋に元気を取り戻したというふうに感じていた。

 

「でも…なんで稗田家なんかに連れてかれたんだろうなー」

 

「レミリアの話だと逃げた先の人里で倒れてたとこ見つかったみたいよ。で、夜だったから竹林に行く余裕もないし人里の病院も閉じてたんだって。だから見つけた阿求が自宅に運び込ませたらしいわ」

 

「ふーん、大変だなー」

 

そんなことより早く行こうとルーミアが急かしたのを受け、急ぎ気味に稗田家に入っていった。

思った以上にしっかりともてなされたのに多少驚きつつ、客間に寝る患者の元へ向かった。

 

「私のためにわざわざお見舞いありがとね…」

 

上半身を起こし、患者リグルは二人へ感謝を口にした。二人はそんなこと気にすんなと返し、リグルの元へ座り込んだ。

 

「大丈夫なのかー?」

 

「そうだよ、首絞められたって」

 

「うん、そのあと投げられたけど、まあ大丈夫。もう帰ってもいいぐらい」

 

「それならいいんだけど」

 

元気そうに語るリグルを見て、二人は安堵の表情を作った。訳あって来れなかった大妖精とミスティア、そして響子と三月精にも伝えなければと思い、見舞い後の予定を軽く決めた。

 

「…幽香さんにも心配かけちゃうなあ」

 

「幽香さん…って、ああ、そういえばリグルって幽香のところに住ませてもらってるんだっけ。いいなー、あたいもレティあたりの家に押しかけようかなー、三月精でもいいなぁー」

 

「風見幽香かぁー、怖いって聞くけど…」

 

「変わった人だけどすごくいい人だよ!私も色々面倒見てもらってるんだぁー。ちょっと怖いけど」

 

その言葉を受け、二人は少し意外そうな様子でふーんと返した。その時、足音が客間へと近づいた。

 

「んー?リグルじゃないの。なんだってここに?」

 

「九尾に攻撃されて怪我してたのよ」

 

通り過ぎようとしていた天子、そして蓮子とメリーの三人だった。ふすまが開いていたために、寝ているリグルの様子が見えたのだ。

 

「ヒール…と、ガイアっ!」

 

突如リグルは目の色を変え、布団の中から飛び出すと、エックスゴースターを取り出した。

 

『X!』

 

「醒妖!」

 

『firefly…change』

 

「ッ!…洗脳されてるわよっ!」

 

閃光と炎が彼女の鎧を形作り、緑の怪人バーニングバグに姿を変えた。驚愕する面々だったが、チルノはすぐさま前に立ちはだかり、秘封倶楽部と天子に逃げるように促した。

 

「ここはあたいが戦う!あんたらは目的があるんでしょ?まかせなさい!あたいは最強だからね!」

 

そうして左の袖を捲り上げ、クロッカーを露出させ、手からカチカチとウィンタースフィアを固め上げた。

 

「成功…!あたいはやっぱ冬の力を持ってるのね!」

 

「…どうする、メリー」

 

「任せましょう。チルノちゃんだっけ?問題あったらすぐ呼んで!すぐ向かうから!」

 

「了解!」

『がっちーん☆』

 

自慢気味に氷をセットし、クロッカーのレバーへと手を向けた。

 

「仮面ライダー…だったんだね。チルノちゃん。それなら始末させてもらうよ!」

 

「やれるものならやってみなさい!…にしても、やっぱダサい腕輪だなあ…だからわざわざ隠してたのに…。まあいっか、変身!」

『ばっきーん!』

 

自分へとエックスゴースターを向けるバーニングバグをしっかりと見据え、くるんと周り、ピースサインを決め、クロッカーのレバーを180度回転させた。

 

『うぃんげるふぉーむ!』

 

氷が砕けると同時に、花びらが散る。冷気が彼女のスーツを形作り、胸には氷の花が咲いた。

 

「派手に…ぶち凍らす!」

 

ファイティングポーズをとり、ホバー移動で真っ直ぐに接近していった。しかし、近く途中でそういえばこの姿近接に弱かったと思い出し、ぐるっと軌道を変え、バーニングバグを庭に誘い出した。

 

「くらえ!」

 

予定通り誘い出されたバーニングバグはその名の通りと言うべきか、ラビへと火炎弾を放射した。

 

「うおっと、危な!」

 

すんででかわし、ダイヤモンダーを発射した。しかし相手の火炎放射をくらい、弾丸は一発残らず溶け落ちてしまった。

 

「このっ!」

 

素早く回り込み、続けて弾を放った。一応当たったものの、いとも簡単に溶かされ、氷での拘束は叶わない。

 

「だっ!」

 

さらにまっすぐ飛び蹴りを叩きつけられ、一気にダメージをもらった。

 

「おごっ…げほっ!」

 

防御力が低いラビには大ダメージであり、当たりどころが悪ければ変身解除や一回休みもあり得る威力である。

ラビは警戒を強めて立ち上がった。

 

「…くらえ!」

 

そしてもういっぱつ蹴りをぶち込もうとした時、バーニングバグにルーミアが掴みかかった。

 

「離して。あなたを傷つけるつもりはないんだよ」

 

それを軽く投げ飛ばし、再びラビへと視線を向けた。

止めなければと、今一度体に力を入れた時、ポケットから先ほどの石が転がり落ちた。

 

「…」

 

何気なく拾ったその瞬間、石はルーミアの体内へと消える。驚く彼女をよそに、バックルへと変化して彼女の腰へ出現した。

 

「…もしかして!」

 

彼女は確信のもと、バックル『シャドウライト』の上部のボタンを押し、両手を勢いよく広げた。瞬間、灰色の宝石から白の成分は消え、真っ黒に変わった。

 

「へーん、しんっ!」

 

ルーミアの掛け声に合わせ、黒い光が彼女を包み込んだ。

その様子を見て、バーニングバグはラビ、ルーミア両方が視界に入る位置に移動した。

 

「まさか…ルーミアも」

 

バーニングバグが視線を送ったと同時に黒の輝きは消え、中からは漆黒の戦士が現れた。

 

「ま、なんとかなるのだー!…なーんてね!」

 

仮面ライダーリライ S・ダークフォームである。

その首にはためく白のマフラーが逆に黒さを目立たせるその姿は、朝の庭にはなんともミスマッチで、昼間っから闇をまとって飛ぶルーミアらしいものであった。

 

「氷と闇…どっちも火の弱点だと思うんだけどね!」

 

そうしてバーニングバグはリライへと向かった。リライは素早くかわすと、ハイキックを横顔へ叩きつけた。

 

「うぐっ…結構痛いことしてくれるね…!」

 

今度はエックスゴースターでの火炎放射を飛ばした。リライはそれをスライディングでかわし、さらに直感のもとベルトに手を当て、そこから『S・スピアー』を召喚した。

 

「だあああああ!」

 

そして槍を突き立て、蹴りを叩き込んだ。ラビの足元に吹っ飛ばされ、さらにラビからはかかとのフォールアイシクラーでの攻撃をぶち込まれた。

 

「ぐう…こうなれば!」

 

突如拳のアーマーをかちんかちんとぶつけ始めた。何をするのだと身構える二人をよそに、彼女は思いっきり手を広げた。

瞬間、閃光が放たれ、二人の目に直撃した。

 

「うぐっ…ずるい……光るのはオスだけなんだぞ!」

 

「私自身、ちょっと光ってみたかったんだよね」

 

騒ぎ立てるラビへとゆっくり近づき、エックスゴースターを向けた。

 

「させない…!」

 

そんな中、リライはバックル下部のボタンを押した。すると、シャドウライトの色が白へと変わり、光がリライを包んだ。

 

そして彼女はH・サンフォームへ。純白の体に黒のマフラーがはためく、先ほどとは真逆の姿だ。

 

「これなら…!」

 

ベルトから出現したのはライフルであった。その『H・ライフル』を構え、光弾をバーニングバグへ発射した。

 

「いでっ!」

 

どうやら効果はあった模様。もう一度足止めをしてやるとばかりに、閃光を放った。だが、それはリライが吸収し、エネルギーに変わるのみ。光をまとったパンチを胸に叩き込んだ。

 

「うぐぁ!」

 

さらにその背後にはラビが居る。背中へと拳を叩き込み、肩からフリーズパーフェクターを出現させ、背中へとミサイルを押し当てた。

 

「こいつっ!」

 

「正気に戻れっ!」

 

バーニングバグが避けようとするも虚しく、空中へと一気にぶっ飛ばされる。

 

「えっと…そう、かやく。かやく割り増しにしといたから、綺麗な花火になるといいわね」

 

そう決め台詞を決めた瞬間、リライもH・ライフルへとエネルギーを集め、空中のバーニングバグへと撃ち放った。

 

「うぐああああああ!!」

 

そして空中ではまだ東にいる日光を浴びながら、花火が咲いた。

 

「よっと」

 

「危なっ」

 

落ちてくるリグルを二人でキャッチし、今一度先程の布団に寝かせた。

 

「やれやれ、またお休みだよ」

 

ルーミアがため息をつく。二人ともリグルのそばに座ろうとしたその瞬間、大地が大きく揺れだした。

チルノは完全に座りかけだったので、派手に足を投げてずっこけてしまった。頭を庇いながら立ち上がった彼女の元には、さらに地震が襲った。

 

「ただごとじゃ…なさそうだね。よく分かんないけど」

 

 

 

 

 

そこから戻ること数十分前。

天子と蓮子、メリーの三人は阿求の元で最近の人里のことを聞いていた。

 

「あー…つまり、ここんとこ洪水とか害虫被害が相次いでると…」

 

「ええ、いまいち原因が分からなくて…」

 

報告書の束を文章に書き起こしながら、阿求は困り気味に告げた。人里の雰囲気こそ明るいが、奥には妖怪や巫女への不信感が募っているとか。

 

「そいつはヤな話だねぇ」

 

そんな中、にとりが阿求の後ろからひょっこりと現れた。天子は若干驚きつつ、何故ここにいるかと尋ねる。その横にはみとりもおり、ただ黙々と阿求の作業を眺めていた。

 

「…災害やらそういうのは我々としても困るんだよ。どうにかしたいんだけどね。誰にせよ、川を荒らさないでもらいたいね」

 

みとりがそう答えたのに頷き、天子は資料へと視線を戻した。その横にみとりが近づいて耳打ちを送る。

 

「姉さんは…人里がどうなってるか知りたいんだ。110年ぶりぐらいの地上だからさ」

 

天子はそれを聞いて頷き、ニヤッと笑顔を浮かべてみせた。

 

「フン、この地上は私のものさ。案内ぐらいならしてやらんでもないが?」

 

「…助かるよ」

 

にとりは気取った様子の天子へ感謝を告げると、阿求へ軽く礼を言い、姉を連れて外の調査へと出た。

 

「ほら、来てよ天人サマ」

 

「はいはい」

 

にとりに招かれ、三人も彼女の後を追って人里の中心部へと出た。

 

「うおっと!」

 

そんな中、地面が揺れる。なかなか大きな揺れで、蓮子は転びかけてメリーに助けられるほど。

 

「…思ったよりデカイわね。案内なら今度するわ。今は一旦解散して調査といきましょう」

 

それを聞き全員が納得し、秘封倶楽部、河城姉妹、天子へと別れ、それぞれ調査を始めた。

 

「…ん、あんた、河童の…えっと、にとり!文から話は聞いたわよ。私は姫海棠はたて!新聞記者!」

 

そんな河城姉妹の元に飛びよったのははたてであった。にとりは一応文から話は聞いていたので、軽く挨拶を済ませ、先を急ごうとした。

 

「もしかして…災害のことについて調査中?」

 

その背に、まさに図星の言葉が投げかけられた。

 

「何か知ってるのかい?」

 

「守谷神社…それだけ。八坂神奈子が怪人になった情報を持ってるなら…まあ、どうすべきかはわかるんじゃない?」

 

それを聞き、にとりは行動指針を決めた。対しみとりもそこに行くことに同意し、二人は妖怪の山へと足を進めた。

 

「…それならこいつの出番だね」

 

そう言うとみとりはリモコンのようなものを出し、『KP010』を入力した。にとりの何をしてるんだという視線に対し、ドヤ顔で応えた。

 

「うおおおおお!ロマンっ!全河童の浪漫ッ!」

 

「ふふ……まぁ、私もその血が流れてるってわけよ」

 

瞬間、巨大トレーラーKP-010が空を飛んで二人の元に降り立った。にとりは目をギラッギラに煌めかせ、みとりとKP-010を交互に見つめた。

 

「ここの獣道なら通れるね。行くよにとり」

 

「ほいほーい!」

 

ハイテンション気味に操縦席に乗り込み、二人は頂上めがけて駆け出した。

 

「へいへいへーい、これ絶対河童の機械だよな?にとりー、乗ってるー?」

 

そんな中、魔理沙が箒に乗って並走した。呼びかけを受けたにとりはスピーカーを展開し、マイクへ返答を返した。

 

『にとりだよ。ほらほら、姉さんも』

 

『久しぶりだね。相変わらずムカつく顔だな霧雨魔理沙』

 

「おおーう、みとりも居んのか。勇儀とは仲良くやってるかー?」

 

『それなりにね』

 

それを聞いて、魔理沙は優しい笑みを浮かべ、そうかと返した。

 

「さ、ここを登りゃ…!」

 

魔理沙はそう言うとサォルブドライバーを装備し、変身の準備を始めた。

 

「うぐっ!」

 

その時、悲鳴とともに早苗がフルブレッサーごと石段を転がり落ちた。

 

「大丈夫か!?」

 

「おい、早苗!…気絶してる」

 

「一人で戦ってたのね…」

 

魔理沙が駆け寄ったと同時ににとりも操縦席から顔を出し、早苗の様子を見た。しばらく考えたのち、KP-010に早苗を乗せ、石段へとペダルを踏んだ。

そうして三人が到着した守谷神社には、すでに戦っていたであろうストームスネイクの姿はなかった。

 

「…奥にいるのか?」

 

「さあね、もう別の場所で行動中かも…」

 

二人はKP-010から飛び降り、警戒を解かぬまま境内を見渡し始めた。

 

「あら、いらっしゃい、もう八坂様ならいないわよ」

 

その時、神社の方から声がかかった。にとりにはあまりにも聴き慣れた声で、思いっきり振り向いてしまった。

 

「…遊びたいなら、私が相手してあげるわ」

 

雛である。その手にはエックスゴースターとUSBが握られていた。

 

「…変身!」

 

『reading!shrine maiden!』

『eden!great miracle power!shrine maiden!』

 

魔理沙は手早くスパークに変身を終え、ゲンソウスペルアンロッカーを構えた。何気なく取ったカードは巫女だ。紅いボディスーツと頭はそのままに、アーマーがリブレッスのものとなっていた。

 

『X!』

 

対し雛も変身すべく準備をし、エックスゴースターをゆっくりと前へと突き出した。

 

「醒妖!」

 

『disaster…ready』

 

瞬間、どす黒い煙がくるくると回りながら雛を包み込んだ。すぐさま煙は晴れ、薄暗い緑の鎧の怪物が現れた。厄女だ。

 

「ふふふ…あなたが相手してくれるのねっ!」

 

「いくらでもしてやるぜっ!まぁ、一瞬でお前の負けだけどな!」

 

そうして睨み合うと、二人はお互いに突撃した。攻撃を仕掛ける一瞬、スパークはゲンソウスペルアンロッカーを投げ捨て、戸惑った厄女の胸に拳を叩きつけた。

 

「…まぁ、結構強いじゃない?」

 

しかし余裕の態度である。スパークの頭へと蹴り上げを叩き込み、エックスゴースターを接射した。倒れこむスパークを再び蹴り上げると、空に浮いたスパークへ回し蹴りをぶつけた。

 

「くっ…。なぁ、にとり。これ武器とか積んでないのか?機銃とかそういう」

 

「うーん…姉さん、どう?」

 

「ない事はないけど…もっといい方法がある。これを読み上げなさい」

 

そうしてみとりが取り出したのは一つのメモ用紙であった。にとりに持たせると、読むように今一度促した。

 

「こ、コアドライバー、コード2…?」

 

『set up Code 02』

 

「!?」

 

言われた通りその言葉を口にしたにとりの腰に、突如銀色のバックルが現れた。

 

「まさか…ナノマシン!?さ、さすがだよ姉さんっ!」

 

にとりは驚愕したままベルトと姉を交互に見たが、厄女が戦闘態勢を取っているのを見やると、にとりもゆっくり身構えた。

 

「これを使いなさい」

 

「了解!」

 

『phase blue!version 0.1!』

 

渡された青い記録媒体『サファイアコア』を『コアドライバー』にセットし、ゆっくりと相手を指差すポーズを取った。

 

「さ、妹とその友達ばっかにやらせてもいられないね。コアドライバーコード1!」

『set up Code 01』

『phase red!version 0.1!』

 

みとりもルビーコアをセットし、にとりの隣で同じく指差すポーズを取った。

 

「「変身!!」」

 

「姉妹仲のいい事でっ!」

 

その時、厄女が駆け寄って接近した。ゲンソウスペルアンロッカーの銃撃も気に留めずに跳び上がると、二人に当てるべく両足でのキックを繰り出した。

 

『armored rider phase blue!』

『armored rider phase red!』

 

当たろうかというその瞬間、二人はレバーを引き変身シークエンスを完了した。すると二人の全身にパイプが巡り、厄女の両足を跳ね飛ばした。

 

「どりゃああ!!」

 

そこにスパークからのキックをもらい、厄女は姿勢を崩した。そして、同時に変身を終えた河城姉妹が蹴りを繰り出す。

 

「ここで沈んでもらうよ、あんたにはもう手は残されちゃいない!」

「ここで詰みよ、あなたにはもう進む道はない!」

 

パイプが放った水蒸気から、緑と黄の眼光がきらめく。歩み出た細い赤と厚い青のシルエットの戦士。

 

「貴女は…」

 

「この姿?…仮面ライダーリヴィエル、レッドフェイズ!そう呼びなさい!」

 

「それなら私はブルーフェイズってとこかな?…さ、行くよ!」

 

真っ先にリヴィエルブルーフェイズが駆け出し、腰からグリップを取り出した。そのグリップから緑のビーム曲剣が生成される。C2ブレードである。

 

「でやあああ!!」

 

その重々しい一撃をくらい、厄女は大きく怯んだ。そしてブルーフェイズの背を飛び越え、レッドフェイズが一撃を叩き込んだ。さらに軽く何発も斬りつけ、最後にブルーフェイズが重いのをぶつける。

 

「…なーるほど、にとりってば強いじゃないの。にとりのお姉さんも…でも、無駄っ!」

 

だが厄女に大きくダメージのある様子はない。平然と立ち上がり、スパークに銃撃を浴びせると、目の前の二人のリヴィエルに連続で回し蹴りを叩き込んだ。

 

「他のライダーよりかは多少弱いみたいね。一人ずつなら潰せるわ!」

 

「やめてくれ…雛っ!」

 

真っ先にリヴィエルブルーフェイズの元へ駆け出し、その首根っこを掴んで壁に叩きつけた。片手で迫り来るスパークへ銃撃を当てると、首を掴むその手を一層強くした。

 

「にとりっ!…いいだろう、リヴィエルの真髄を見せてやるわ!」

 

そんな彼女を尻目に、リヴィエルレッドフェイズは素早くリモコンを操作した。すると、KP-010が展開し、中からバイク飛び出る。その『KP-110』は厄女を跳ねてブルーフェイズを救出し、レッドフェイズの前へと戻った。

 

「さ、吹っ飛んでもらうよ!」

 

そう言って続けてコードを入力すると、KP-110がのタイヤが90°回転し、スライダーのような形へ展開した。

その後ろへと小型のマシン『KP-310(みと)』が合体し、戦闘機のような形態へ変化した。

 

「なによ…そ、うっごぉ!?」

 

ようやく起き上がったかと思うと、その胴へとKP-110のボディが再び追突した。先ほどより長距離ぶっ飛ばされた、その隙に、スパークは銃撃を飛ばした。

 

「そりゃあ!!」

 

そこへとさらにチョップを叩きつけ、リヴィエルブルーフェイズの斬撃も入る。ついには転んでしまい、大きく隙を晒した。

そしてKP-310からのビームカッターをくらい、さらにダメージを負った。

 

「さぁ、フィニッシュだ!」

 

『climax charge!KP red!』

 

そしてリヴィエルレッドフェイズは腰からグリップをとってKP-110へと接続し、必殺を発動した。

 

「くっ…!」

 

「おっと、逃がさないぜ!」

 

『shrine maiden!wrecking spark!』

 

「くらえっ!」

 

『climax charge!KP red!』

 

逃げようとする厄女を狙い、二人はそれぞれレバーを引き、円盤を回す。必殺を発動し、空中へ飛び上がった。

 

「スプラッシュスライダアアアアッ!」

 

「オンミョウ張り手!!」

 

激流を右足に発生させ、キックをかました。スパークは同時に張り手を繰り出した。

 

「…切り札にしといて良かったわ」

 

だが二人の攻撃は()()()外れた。お互いにぶつかってかき消えたと同時にKP-310からの大量のビームカッターが放たれる。

 

『XX!…bye-bye!』

 

対し厄女も必殺を発動した。そして飛び交うカッター弾を回し蹴りで全て跳ね返し、銃口をリヴィエルレッドフェイズへ向けた。

勝った。マスクの中で雛がニヤッと笑ったとき、KP-310の主砲が光った。

 

「…なに、ビームもあるの!?」

 

油断しきっていた厄女はそれを避けきれず、全身でその光線を受け止めてしまった。瞬間、爆風が三人んを撫で、中からは砕け散ったエックスゴースターとUSBが転がり出た。

 

「八坂神奈子…許さない…!よくも雛を操ってくれたな!」

 

真っ先に変身を解いたにとりは、ゆっくりと雛を抱きかかえた。そして、戦う決意を固めると、雛の無事を確認してKP-010へ乗せた。

 

「…人里で災害が増えてたのはこいつの厄のせいだったわけだ」

 

魔理沙は溜息をつくと、自宅へとそそくさと帰った。みとりはその背を見つめつつ、KP-010に乗り込んで玄武の沢へと戻ることにした。

 

 

 

 

 

「…!?地震か?けっこうでかいぜ」

 

「…これはひどいわねー」

 

突如起きた地面の揺れに、魔理沙は目を覚ました。

彼女は影狼と呑んでいるうちに寝てしまい、人里の彼女の家に居たのだ。

 

「…なんか外もやかましいぜ」

 

そして、外のガヤガヤとした騒ぎ声を聞き、扉を開けて外に出た。

そんな彼女の目に飛び込んだのは、真っ赤に燃え盛る向かいの家であった。

 

「…ここんとこ火事多いなぁー、地震も」

 

やれやれという様子で放った影狼の言葉に、魔理沙は顔をしかめた。…おかしい、雛はもう厄を振りまいては居ないはず。

 

「原因は他にあんのか!?」

 

焦った様子で博麗神社へと飛んでいくその背を、路地裏で女の影が見つめていた。

 

「…せいぜい、頑張るといいわ」

 

青白いオーラを放ちながら、女は影へと消えた。

 

to be continued…




「…あなたにその力を持たせちゃいけない気がするの」

母の言葉に、従って。

次回、「ブルシヴァントの人形師」

みなさんこんにちは。圧倒的エタリグ信者サードニクスです。ゆうリグも好きだしこの小説はゆうリグ推しだけど。
個人的にルーミアはバカルテットの中では飛び抜けて頭がいいイメージです。でもバカっぽい雰囲気と話し方で特に頭良さげに認識されてない…っていう。
アホの子が聖者は十字架に〜って言わんでしょ。っていう感じ。
対してクロッカーのアホみたいな音声大好きです。固い見た目をぶっ飛ばす音声。☆がつく音声とか初めて見ましたよ。そこはやっぱセンスですなー。
そうそう、平ジェネfinal見ました!
いやぁー、名作でした。ネタバレするとクウガがサムズアップします。


みんなの!変身ポーズコーナー!

今回はラビ!割と地味。
まず、ウィンタースフィアを精製します。
氷精なので、冬以外はできない模様。で、クロッカーにセットでがっちーん☆。
そしてピースサインの右手を左肩の前にやり、「変身!」
レバーをぐるっと回し、押し込んでばっきーん!
手を広げ、うぃんげるふぉーむ!で変身完了です。
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