タイトルは神霊廟&ゆゆさまという点から
光るそば
アレマジでMAX大草原
「やっぱりしっかりとした対策が要るということね」
玄武の沢での戦闘を終え、神社へ帰った霊夢は、疲れ果てた表情でそんなことを吐き出した。来客の冥界二人と、ヘカーティアも深刻そうにため息。
どうすればいいのかと会議が始まった。
「やはりそれなりに協力が要るのでは」
そう言ったのは、もう一人の来客である聖白蓮である。ツレのこいしもうんうんと頷き、それぞれが考え込むような様子を見せた。
「ところで…あんたは何で来たわけ?」
霊夢がそんな疑問を向けたのは、幽々子であった。彼女は用がなきゃ来ちゃいけないの?と軽い様子で答えるが、この状況を思えば、わざわざ幽々子のような立場のある人間が来るとは考えづらいのである。
「…んー、まあ言っておいても良いかしら」
少し迷ったのち、幽々子がちゃぶ台の上に置いたのは、機械と扇子だった。何だコレと言う少女たちの視線に対し、分からないと彼女は首を振る。変身アイテムのようだとただ予想を立てるのみだ。
「どうせなら怪人とかでも現れた時に試し切りしようと思ってたのだけれどね。その前に神社で今後について少し話をしておこうかなと思ったの」
「だったら尚更早いうちに言っておきなさいってのに」
「フフフ、ごめんなさい」
そんな風にニコニコとしている彼女らを見て、妖夢は困り気味な様子でため息を続けた。
「あのね、霊夢。そんな風に言うなら、なんだってお祭りを敢行するなんて馬鹿げたこと言ってるのよ。4時半からだっけ?怪人が狙ってくるなんて簡単にわかるじゃない。浅慮がすぎると思うんだけど」
クドクドした説教を続け、呆れ気味に語る妖夢に対し、幽々子はつまらなさそうな顔をした。
「そんなつまんないこと言う子に育てたつもりじゃないんだけどなぁ。妖忌ならそんなこと言わないわよ?それともあなたが未熟ってだけ?」
「え?幽々子様はお祭りに賛成なんですか?」
「…霊夢が堂々としてなきゃ人里は折れちゃうのよ。そこに悪意はつけ込むわ。いい?どんな敵がいても、問題ないって言う態度を取らないと人里の方に不安が広がっちゃうの」
「この状況で祭りの中止を叫べばどうなるか…。想像には難くないと思うわよん」
「…そーゆーこと。幸いこの神社は空、外の世界、石段以外の出入り口はないわ。だから見張りさえ徹底すれば問題ないわけ」
その言葉を聞き、妖夢は納得したと同時に、少し恥じる様子を見せた。幽々子はその頭を撫でると、コレから成長なさいと言葉をかけた。
「…さ、私は一旦帰るとします。この後協力してくれるであろう人の元へ行くのですが…」
「私がついていくよ」
「それなら私も向かわせていただきましょう」
聖の語りかけに真っ先に答えたのはこいしと華扇であった。そして幽々子に背中を押され、妖夢もそちらへと向かった。その背を霊夢達は見送る。
「さて、私もどっかしらに声掛け行こうかしら」
そんなことを言ってヘカーティアが立ち上がった、その時。
ドゴン!という衝撃音とともに、境内に何かが降りてくる。
「早速お空からの侵入者ね」
「一体なんなのよ…」
「ゥレディイイィス、ェァアアンドッ!レァディィイイィィス!!」
降りてきた何者かが、ハイテンション気味に声を張り上げた。そしてその手に松明を掲げ、参道へとゆっくり歩み寄る。
「イッツ、ゥルナティック…テァァーイムッッ!」
続けて叫び声を上げるその声は間違えようもないクラウンピースのものであった。ヘカーティアは顔を引きつらせながら、戦闘態勢を取った。
「…この子、洗脳済みよ」
『Set!Alien power!』
その言葉を受け、霊夢もサォルブドライバーを装備する。対しヘカーティアは素早く変身を準備し、ピースへ駆け寄っていった。
「あはは、ご主人様ってば必死ですねぇ!」
クラウンピースは嘲るような様子で叫ぶと、彼女もまたバックル『アルカナドライバー』を装備し、戦闘態勢を取った。
『EMAXAJENSIXI!WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!』
待機音が響く中右手で松明を掲げ、左手でタロットカードをバックルに挿入した。
『Hulu!』
そして入れ替えるように右腕を下げたかと思えば、松明を空中へとぶん投げる。同時にヘカーティアも掛けながらボタンの上に指を乗せた。
「「変身!」」
『DANGER!DEXIZASUTAXA!大・狂・乱!愚者の一手!破滅の一手!』
『Perfect!HellGod Alien!』
赤黒のオッドアイがきらめき、炎のオブジェが目立ち、そのスタイルはスマート。落ちてきた松明を蹴り飛ばし、構えをとった。
現れたその仮面ライダーフールと、ヘルゴットの拳がぶつかる。果たして押し負けたのはヘルゴットであった。そこに、援護をせんとリブレッスが駆け寄った。
「みんなまとめて笑顔にしてやるぜっ!行くぞランパースどもっ!」
そんな中、フールは指を弾き、仲間の地獄妖精達を呼んだ。そしてまとめてフェアリートルーパーとなり、リブレッスへと向かった。
「…教育が要りそうね、ピース」
「最近外の世界で虐待とか問題じゃないですか。もっとコンプライアンスを意識して発言してくださいよっ!」
「どうでもいいわよんっ!そんなこと!」
ヘルスウェポンアックスを構え、フールへと振りかざした。フールはそれを簡単に掴み、開いた腹にドロップキックを叩き込む。さらに腕力で立ち上がりつつの両足サマーソルトをかまし、大きく怯んだところにパンチをぶつけた。
「くっ…」
「随分と弱くなっちゃいましたねぇ!」
そんな苦戦の様子を見て、リブレッスもそちらへ助けに入ろうとした。だが、ランパースたちが強いがために、フェアリートルーパーもそこそこ強くなっている。数で行く手を阻まれれば、手が出せないのも致し方ないのだ。
「…試してみようかしら」
そんな時、幽々子は手の中の機械に『チェリムドライバー』の名を付け、腰へと装備した。やはりそれは変身用バックルであったらしい。
「これで仮面ライダーになっちゃうのね」
少しワクワクを込めた様子で扇子『フロードジャビ』を広げ、舞のようにくるんと一回転すると、その手を前に構えた。
「見てなさい…私の変身♪」
歌うようにそう言うと、バックルへと素早くフロードジャビをセットした。桜吹雪が散ると同時に、その身に鎧が着せられていく。
『Mai bloom!Selezo!』
「一緒に踊らせてあげるわ♪」
そんな決めゼリフを放ち、ブレイドモードの武器『トランスフロート』を構え、リブレッスの元に向かった。
ピンクとスカイブルーを基本とし、桜の花びらが散るデザインである。桜のような顔パーツがその気を引く。
仮面ライダーブロッサムである。
「はっ!」
舞うようにその刃を振り上げ、さらにくるっと回りながら優雅にその斬撃を当てた。フェアリートルーパー達は大きく怯むが、そう簡単にはやられないようである。
「やれやれ…」
改めてリブレッスは構え直す。ゲンソウスペルレッカーを剣モードに変え、さらにガイネンブレイカーをブレードモードへ。二刀流スタイルでズタズタ斬り込んでいく。
「これ結構いいかも…どりゃああ!」
仮面の中で少し満足げに笑ったかと思うと、さらに連続での斬撃を放つ。ブロッサムの斬撃が同時にヒットし、ファアリートルーパーのうち一体が爆散した。その勢いままにブロッサムは花びらを散らしながら舞う。
「たぁっ!!」
さらにふわっと飛び上がると、ピンクの弾幕を展開させ、その奔流のなかで舞を見せつけた。斬撃と旋風がランパースたちを襲い、リブレッスがそれにつなげる。このコンボを繰り返し、さらにトランスフロートをガンモードへ変え、光弾を散らした。
「めんどくさいわね…こうなりゃまとめて!」
『必殺でも撃つ気か?それよりいいもんがあるぞ』
「カメ仙じゃないのよ。なんだって急に」
『いいから見てろ。あいつを呼ぶ』
あいつってなんだという視線を受けつつ、カメ仙は得意げに電波を送った。同時に、雲の隙間を割って機械的な龍が現れる。ギョッとするリブレッスへ、カメ仙はタートルライダーを見やり乗れと言うふうに仕草で促した。
「乗ってどうすんのよ……ってうわあぶねっ!!ちょっとあんた!あのポンコツ龍!私の方撃ったわよ!!」
『おちつけ』
「無理に決まってんじゃないの!さっさと幽々子の援護に入りたいんだけど!?」
『ほら、すぐ終わるさ』
カメ仙が余裕の様子でそんなことを言ったかと思えば、突如龍『メガミーリュウジン』が変形を始める。同時にタートルライダーも変形を始め、両機が合体した。戸惑うリブレッスであったが、その手のハンドルが自分が今乗る巨大女神型マシーンの操縦桿であることを、『勘』で理解した。
「でぃやあああああああ!!!」
早速思いの儘に操り、フェアリートルーパーたちを一瞬吹っ飛ばした。そしてさらに必殺を続ける。
『巫女!ムソウカイホウ!』
「メガミィ…フウウウゥゥゥゥィン!スタンパァァァァァアアアアアアア!!!」
虹色の光をその足に纏いながら、メガミーリュウジンが急降下した。そして着地の衝撃波で、フェアリートルーパー達が一掃される。唯一避け切ったフェアリートルーパーを前に、今度はブロッサムが構えた。
『fullburst!』
「サイクロン…ドロップ!」
桜吹雪を纏いながら空を舞い、優美な舞ののち飛び蹴りを叩き込む。ふわりと投げ出されたかと思えば、空中で爆散した。
「おっと、三対一をやる体力はないなぁ」
フールはそんなことを言うと、最後にヘルゴットに膝蹴りを決め、飛び去って行く。その背にリブレッスとブロッサムは銃撃を飛ばしたが、簡単に避けられそのまま姿を消してしまった
「くそっ…」
霊夢は変身を解きつつ悔しげにそう吐いた。
「はっ!ふっ!」
「あんた休憩したら?はっ!だっ!」
「こっちのセリフよ!たっ!はっ!やっ!」
同刻の命蓮寺にて、レミリアと天子は木刀を振っていた。あまり気分の上がらない曇り空であったが、むしろレミリアには好都合。二人は庭で特訓中である。
「どちらも休みなさい。天人と吸血鬼とはいえ、休憩なしで続けられることでもないでしょうに」
そんな二人に言葉を贈ったのは聖だ。一旦帰って、こいしと華扇とともに今一度人里へ向かう準備中であった。二人の修行風景を見る聖の目には、今まで以上の強固な覚悟と焦りに似た険しさがこもっていた。
「…私も強くならなきゃ」
妖夢も何かが動かされたのか、木刀をとって訓練に加わる。それを見て、聖の目の奥の光は一層固まった。
「…こんなことして欲しかないんだけどね」
「姐さんがやりたがってんだから仕方ないでしょ」
命蓮寺を発つ聖のその背を見ながら、村紗と一輪はそんなことを話した。せっかく封印も解けて若返ったと言うのに、いまだに戦うべく奔走する。宗教家争いはまだ楽しんでいるようにも見えたが、今は苦しみさえ抱えているようである。その様子をよく思わないのは、他の面々も同じようである。
「ま、確かに聖様って人助け好きだもんなぁ」
うっすらとした苦笑いを浮かべつつ、小さく消えるその背を見つめていた。
「お前のとこの神が企んでるんだろ!白々しいぞ!」
「ですから、私たちはそれを救うべく!」
「何もできてないじゃねぇか!」
「今後の活動で!」
人里を行く聖の目に、早苗が映る。ヤジの飛ばされる様は見ていて胸糞の悪いもので、聖は柄にもなく舌打ちなんかを飛ばし、険しい顔で見つめていた。
「…おねぇちゃん、僕は信じてるよ」
話を終え、暗い顔の早苗に一人の少年が話しかけた。綺麗な茶髪に目の隠れたその少年は、その手に和綴じのノートを抱えながら心配そうな様子を見せた。
「…ッ!」
早苗は、鈴奈庵でその子を見た覚えがあった。そして、その少年の妖気が分からないはずもない。なんと皮肉なことだろうか、彼女に理解を寄せたのは、退治対象たる妖怪だけだったのだから。
「ありがとうございます…。ええ、本当にね…」
感謝と申し訳なさを噛みしめるような顔でその少年の頭を撫で、自嘲気味に笑った。去る少年を見つめるその肩に、華扇が手を置いた。
「お昼、一緒にいかがです?」
それだけ告げる。振り向いた早苗の目に、屈託のない一つの笑顔と柔らかな二つの笑顔が映った。早苗はその嬉しさを隠すことなく頷いた。それに応え、聖を先頭に一行は歩き始めた。
「いらっしゃい!」
四人が入ったのは蕎麦屋であった。全員おもいおもいの付け合わせとざるそばを頼み、待つ姿勢に入った。そんな時、店主が早苗の元に近づく。また何か言われるかと、彼女は俯いた。
「…色々言われてるみてーだが、まあ、頑張れよ。ここんとこの不作だ地震だ、そういうの終わらせるって」
「…?」
しかし、彼女が向けられたのは意外にも感謝であった。驚く早苗に対し、店主が言葉を続けた。
「この店さ、宇佐見ってのとハーンってやつがなった…仮面ライダーだっけ。そいつに守られたことがあるんだよな。あいつらの守らなきゃって意思がさ、カッコよかったんだよ。守屋の巫女さん、あんたも仮面ライダーなんだろ?…見せつけてやりなよ。あんたに文句を言う輩にさ。おっと、そば作る手伝いしねぇと。かみさんにぶっとばされるぜ」
店主はそれだけ残すと、そそくさと厨房に戻って行った。だがその言葉は、早苗の心の不安を晴らすに十分なものであった。
「こう言う風にあなたを信じてくれる人もいるってことです。自信を持つといいわ」
華扇はそんな勇気づけをおくり、彼女を鼓舞した。だが聖からしてみれば、その言葉は自分へのものを兼ねているのは想像に難くない話である。なんとも言いがたい感情をその顔に浮かべた。
「みんな辛気臭いよー。せっかくご飯なんだから明るい話しようよ!」
こいしの言葉に、三人はそうかと気を抜く。これから真面目な話をしに行くのだからここでそんなことを話す必要はないと、話題を変えた。それとほぼ同時のタイミングでそばが来る。
「「「「いただきます!」」」」
四人は元気よく食事を始めた。会話の内容は、至ってくだらないものたちである。夕食がどうのとか、お祭りがどうのとか、そんなこと。
そうこうしてるうちに、四人は昼食を終えてしまった。丁寧にごちそうさまを告げ、そのお代全てを聖が持った。申し訳ないからと他が言うが、彼女は気にするなと告げ、店を出て行ってしまう。
「悪いですって」
「いいんです。人の厚意は受け取れと言うでしょう?」
お金を取り出した華扇にもいいのだと押し返し、そそくさと歩き始めた。早苗は予定のためここで分かれ、再び三人で人里を行く。
「…つまり!八坂神奈子を救うべく、一致団結が要るのだ!この戦いにおいて、目に見える敵はいない!今震わせるのは報復の怒りではない、応援の喉である!」
そんな中、三人の元に演説の声が届く。今ので締めだったらしく、以降演説主からの声は続かなかった。その声に、聖はニヤリと口角を上げる。
「見つけましたよ、神子さん。この時間帯なら居ると思ってました」
「ん?ああ、君か聖」
演説を聞き終えて散っていくオーディエンスの隙間から、まっすぐと聖が出た。対し神子も彼女の元に近づき、視線を合わせる。
「相変わらず妖怪くさい生臭坊主ですこと」
「あらあら、ガチガチ頭の仙人がなんか言ってますね。ファミコンでも入ってます?」
「なんだそれは」
「あら、そういえばあなたの記憶媒体は木簡だったわね!」
デコでも擦り付けるようなメンチ切り合いの状況の中、華扇がどうしようかとオロオロする。対しこいしはニコニコとその様を眺めていた。
「あの二人あれで結構仲良いから気にしない方がいいと思うよ。…ぼんやりとした読心だけど、少なくとも悪い感情は持ってないみたいだしね」
ニヤッとして語るこいしを見て、華扇は一応納得したような様子を見せた。たしかに冷静に見れば、乳繰り合いにも見える。急に微笑ましさを覚え、こいしのニコニコ観戦へと加わった。
「…っていうか、そんなこと言いに来たんじゃありませんよ。私には別で言いに来たことがあるんです」
「なら最初に言ってよ」
「あの、太子様。この場合だと多分喧嘩売ったあなたに問題ありです」
屠自古の冷えたツッコミを受け流しつつ、神子は本題に入れと告げた。聖の様子から、ただ事でないことは容易にわかる。聖も静かに頷き、口を開いた。
「ここのところ戦いが激化しています…」
「だから手伝って欲しいと?」
「いきなり欲を読むのは失礼ではないんですかね」
「読心妖怪を連れてよく言うよ。…ま、協力なら惜しまないさ」
「え?寺に協力を?良いのですか?別に反論では無いのですが…。我としては…」
何かを言いかけた布都の口に人差し指を乗せ、一度静かにしてくれと伝える。そして聖の方に向き直ったかと思うと、胸元からゴソゴソと腕輪を取り出した。
「一応私も変身を準備してるんだ。力になれるよう尽力するさ」
「…ふむ」
「布都、君は頭が回るわりに考えないで物を話しすぎる。よく冷静になれ。ここで寺と対立したらどうなる?」
「…分かりました。申し訳ありません!それと、無礼を働いた、すまないな聖殿」
帽子を抑えつつ、ぺこりと頭を下げた。聖は申し訳なさげにやめてくださいと言い、神子へと話を続けた。
そんな時、どこからともなく楽しげな声が響く。聞けば、今夜のお祭りのことである。そのタイミングで、神子が思い出したように目を開いた。
「そう言えば縁日じゃないか、今日。確かこころが踊るんだったか…」
「本当ですか?それはいいことを聞きました!…もう向かっておきましょうか!」
「ん?みんな行くの?私も行く!」
こいしの声に続いて華扇も頷く。そうして神霊廟一行も連れ、博麗神社へと足を進めた。
そんな時、ふと聖の視界の端に椛が映った。そして、その手のエックスゴースターも。
「間違いないわ…。待ちなさい!!」
「聖!…屠自古と布都は先に行っててくれ、私は聖を追う!」
「私達も追いますよ!」
「了解!」
駆け出した聖の後を、三人が追う。布都はつまらなさげにその背を見送り、神社へと向かった。
「そこで立ち止まりなさい!」
「誰が止まるか!」
脇道を抜けながらであったが、椛は博麗神社へ向かっているようである。走っているだけに、布都達より先に石段の前にたどり着いた。まだ人もおらず、階段の目の前に、少女たちだけが居る。
「ここを…!」
そんな中、椛は何やら札を取り出した。その様子を見た聖が青ざめ、弾幕を放つ。一発ヒットしたようで、階段を転げ落ちた。
『X!』
「こうなれば…。醒妖!」
『wolf…change』
転がり落ちる勢いままに煙を払い、中から純白の走行の怪人が現れた。ノーザンウルフである。素早く態勢を立て直し、今一度階段を上らんとする。
「「「変身!」」」
『光照らせ!その救い!輝く魔界の魂!』
『Humanside……change modehermit!』
『戦士の力が時代を呼んで、高まり続ける向上心!仮面ライダーU、ライジングアップ!』
同時に三人がライダーとなり、ノーザンウルフの行く手を阻む。特にドグマは前へ前へと出て、行く手を塞ごうとした。その手の札が何者か見破っていたがゆえである。
「結界破壊の札…。祭りに備えて今神社の周りに貼られてる、対怪人用の結界。それを破壊するつもりです!」
自分が確認した事実を他にも伝え、その危険性を語る。それを聞き、真っ先に駆け出したのは神子であった。空中に舞い、弾幕と剣でもってその足止めをする。しかし大きな効果は見られず、ダメージは内容である。
「オオオォォォォォォォン!!!」
そんな中、ノーザンウルフが突如咆哮をあげる。かと思えば、神子の空中浮遊が強制終了し、そのまま重力に従い始めた。姿勢を直そうとしても直せない。このまま地面にたたきつけられれば…!ハーミットの茨も捕らえきれず、一瞬一瞬と床に近づく。
「させない!!」
そんな時、ドグマが飛び降りる。何事かと驚く少女たちをよそに、下方向へブースターを展開して神子を抱きとめた。そしてそのまま、自分を下にして地面に墜落する。
「君…危ないだろうが!また死んだらどうするつもりだったんだ!!」
「危ないのはあなたじゃないの。…こころの異変の時、あなたは任せろと行ったわね。今度は私が戦う番なんです。あなたを生かすために」
「…フフフ、ハーハッハッハッハッハ!!!君は本当に面白い人だよ!そうさなぁ、君が戦うと言うなら…これを託そうじゃないか」
そう言うと、先ほどの腕輪をドグマに渡し、ゆっくりと立ち上がった。聖もその意図を汲み、しっかりと頷く。
「術で鎧を形成するんだ。君なら使えるさ」
「分かっていますとも。任せることです!」
そうしてドグマは僧の腕輪を外し、『ロウズマジェスティックリスト』をその腕にはめた。そして大きくポーズをとり、今一度レバーを倒す。
『heavy!』
『変わらぬ
音声と同時に重装がまとわれていき、そこに仮面ライダードグマ 法術が爆誕した。グレーとパープルのツートンに金が入ったそのボディに、黒と紫と水色の鎧が着せられ、赤いマントがなびく。耳のようなデザインが神子を彷彿とさせるその体には、大量の重火器が着せられた。
「これこそ法の光!」
「見せつけてやれ!」
ハーミットとUが必死に押さえつけるノーザンウルフに、銃型武器『シャックシューター』を向ける。そして放った光弾が敵の足を捉える。さらに階段を駆け上がりつつ、肩の『ディッシュアタッカー』『ツインカノン』から皿弾とグレネード弾を放ち、大量の炎でもって攻める。
「それなら!!」
そして追撃とばかりにUが空へと飛び出した。
「飛んだか…。それなら!!ゴオオオオオォォォォォォォ!!!」
ノーザンウルフは再び、飛行バインドの声を上げる。しかしUは汗ひとつ垂らさず、そのままかかと落としを叩きつけた。
「飛んだじゃあなく跳んだだけっ!これで分かったよ。あなたのオタケビが飛行を止めるものだってね!」
威勢よく叫びつつ、素早く関節技につなぐ。さらにハーミットの蹴り上げとドグマのビーム弾をくらい、階段を転がり落ちる。しかし中程で体勢を立て直し、今一度登ろうとする。
「させませんよ!」
『Checking……Checking……』
『Confirmation Exit』
そしてハーミットはノーザンウルフに接近しつつ、その手をキセンドライバーの、もう一方の怪物のような手にかざす。そして動き出した手を握り、光がハーミットを駆け巡る。
『monsterside……change modeogress』
そして光の中からは、打って変わった男性的フォルムのライダーである。オーグリスモードがその名だ。赤い素体に緑の装甲、そして煙のような装飾が目立つ姿である。
「でやあああああああ!!!」
そして背中からハンマー『ゲキメツコン』を手に取り、ノーザンウルフの腹に叩きつける。そうして体勢を崩したところに、ドグマのももの『ライトニングバスター』による電撃をくらい。大きく怯みを晒した。
「だああああ!!」
「はあああ!!」
さらにハーミットの蹴りと、ドグマの零距離射撃をくらい、再び転げ落ちる。しかし落ちきる前に飛び、空中からエックスゴースターによる射撃を向ける。しかし遠距離装備の塊であるドグマには無意味。展開した『ブレストミサイル』を一気にもらい、墜落と同時にUとハーミットのキックをもらうのみである。
「お前ら…!!」
ノーザンウルフの焦りと怒りは限界に。爪を展開してUとハーミットを切りつける。大きなダメージではなかったようだが、一瞬の怯みは生まれた。ドグマの砲撃をかわしながら、ジャンプも交えて石段を登っていく。
「でやああああ!!」
それを、ハーミットがハンマー投げで止めんとする。が、それを跳び避け、Uに向かって投げ返す。重力加速度も加わったその重量に耐えきれず、転がるまでもなく宙に投げられて墜落していく。
「大丈夫ですか!?」
「うん、一応ね』
その腕をドグマがしっかりと掴んで止めた。しかしながらゲキメツコンは下に落ちてしまう。変身していない神子がもって運べる重さでもなく、回収は難しい。自分を止めるものがまたひとつ消え、ノーザンウルフはさらに駆け抜ける。
「やめろっ…!」
Uはダメージを負ったにも関わらず、今一度登ろうとする。そんな彼女の意思に答えてか、いつの間にかその手にクリスタルが現れる。
「なんだろ…。いや、考える暇はないよね!」
『Wクリスタル!』
『Gクリスタル!』
新たなクリスタルをアンノウンドライバーにセットし、その中央のスイッチを押す。瞬間、光が彼女を包み込む。
『エレメントフュージョン!』
「いくよ…!」
『ウィンドギャラクシー!』
現れたのは、黒のボディに赤いラインが走り、緑の差し色が目立つ姿である。風を纏いながらまっすぐに駆け出し、ノーザンウルフの顔へとハイキックをぶつけた。
『風が銀河に吹く時に、受け継がれしは英雄譚!仮面ライダーU、ウィンドギャラクシー!』
その口上が語った英雄は、今一度構え、下の段のノーザンウルフへじりじりとにじり寄る。そして背中の方にはハーミットがおり、さらにドグマが下から砲を向けている。動いた瞬間やられる。この状態で、ノーザンウルフはゆっくりとエックスゴースターを構えた。
『XX!…good bye!』
そして必殺を発動する。爪でハーミットとUを滅多打ちにすると、今度はドグマへ大量の銃撃を向ける。
『波羅羯諦!』
「フル・バースト!!」
対しドグマは全射撃で対抗する。光弾が爆風が閃光が雷撃が。ノーザンウルフのビームを搔き消しながら押し寄せた。
『放て!受け継ぎし力!』
『ヒーロータイム!』
『ダブルクロスシュート!』
「でぃやあああああああああ!!!」
さらにUもX字の光線を放ち、そこに向かって蹴り込む。爆風を浴びながら、蹴りとともに地面へと接近していく。そして銃弾の雨は止まない。さらにはハーミットが地面に駆け下り、ゲキメツコンを構えた。
「オーグリスドライブっ!」
そして落ちて来るノーザンウルフへと叩きつける。打撃、蹴撃、銃撃。その挟み撃ちに耐えきれず、ノーザンウルフは爆散した。晴れた煙の中には、気絶した椛と砕け散ったエックスゴースターが。
「やれやれ。これで洗脳は解けるんだっけ?」
変身を解いたこいしの言葉に対し、これまた変身を解きながら二人は頷いた。そうして彼女を抱きかかえたとほぼ同時に、布都と屠自古が追いつく。その様子から戦闘を察したようで、力になれずに申し訳ないと告げた。
「いいんだ。彼女らがどうにかしてくれたさ。さ、ちょいとばかり早く神社に着いたんだ。お祭りの準備を楽しもうじゃないか!」
そう行って駆け出す神子の背を、少女たちはまっすぐに追った。
to be continued…
「私が私らしくあるために……もう誰も、悲しませないっ!」
「今なら、天道さまだって私の味方だ!」
決着をつけろ!仲間のために!愛する者のために!
次回、「今宵は優艶なエゴイスト 〜 Egoistic dreamers(Long ver)」
ひじみこ流行らせコラ!!!!!!険悪な雰囲気にちらっと信頼とかが見えるのがステキなのだ!!!
はい、みなさんこんにちは。始原のビートつい最近まで原始のビートだと思ってたサードニクスです。(至言)のビート。
いやしかし遅れて申し訳ない。ヘカーティア風のSDガンダムつくってたら遅れました。ツイッターにアップしてるから見て。
にしてもヘカーティア、幽々子、霊夢とかいう謎メンバーはこの幻想仮面少女以外で見ることはそうそうないと思う。しかもvsクラピーが謎を加速させる。謎は加速する…メイドインヘブンッ!
そして聖華扇早苗の敬語トリオ!女言葉ばっかで区別つかないってのはよくあるけどこれは初だ。
布都ちゃんはこういうキャラ。実は頭いいけど生き方が勢いメインだからバカっぽい設定。
ウィンドギャラクシーくんは今後もっと活躍するから許して。
まあそんなこんなでみんな変身ポーズコーナー!
今回はモノ!
下のポーズののち右手でベルトを操作します。
【挿絵表示】
絵ぇ下手すぎひん?MMDとか使っちゃおうかな。
そういうわけでまた今度!
先週できなかった分今週は多分二話更新よん