幻想仮面少女   作:さわたり

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全ライダー描こうと思ったけど、デザインがみんな似通っててうーんなんだよな…。描いたヒールとガイアはいつかUPるかも


第19話 今宵は優艶なエゴイスト 〜 Egoistic dreamers(Long ver)

「だあああああああ!!!」

 

「いででで!あぶないあぶない!」

 

朝っぱらから、魔法の森は喧騒に包まれる。騒がしい爆音と銃撃音の波に木々が揺れた。リライvsエレンツが巻き起こすその騒ぎを眺めるのは、魔理沙とそいつに連れ出されたみとりである。

 

「がんばれー!」

 

「やれやれ…」

 

魔理沙の叫び声に鼓舞されて、エレンツが力を強める。リライも対抗せんと反撃を返した。そうして拮抗したまま戦いは終わらない。

 

「やめてってのに…!」

 

「やめて欲しきゃそいつを渡しなさい!」

 

そんな状況だがあまり緊迫感はなく、ポップコーン片手に見てられるような軽いテンションである。

 

「でやあああああ!!」

 

「このお!」

 

だが二人は必死である。H・サンとツバイスターターによる弾幕勝負のような中距離戦が展開される。一方が逃げ、一方が追うような変化のない戦いに、魔理沙は少し飽きを感じてきた。

 

「ああ!もう付き合いきれないわよっ!逃げるのだー!!」

 

リライの叫び声に呼応するように、シャドウライトからバイクが飛び出る。驚きつつも利用しない手はないとばかりに『カオスグライダー』に飛び乗り、森の中逃亡を始めた。

 

「逃がしゃしないわよっ!」

 

また同時にアリスは呼び出したバイク『ドールシャイナー』に乗り、突如魔法の森バイクチェイスが始まった。展開が変わり、魔理沙はウキウキ気味に飛んでその先を追う。みとりも仕方なさげにその後についた。

 

「待ちなさいっ!」

 

「しつこいわねぇ〜!」

 

エレンツの銃撃を撃ち落としながら、リライは先に先にと逃げていく。そんな時、突如正面から強力な銃撃をぶつけられる。衝撃のあまり吹っ飛ばされ、エレンツへと体をぶつけた。

 

「あー、ごめんアリス」

 

「あんだけされといてよくごめんとか謝れるな」

 

魔理沙はそんなジョークを飛ばしつつ、銃撃の主の方へ視線を寄せた。その先には、エックスゴースターを構えるストームスネイクが立つ。そうして、四人は完全な警戒態勢をとった。

 

「…一時休戦よリライ」

 

「ルーミアと呼びなさいよ。そもそも開戦なんかしてないし」

 

そんな言葉を飛ばし合う二人の前に出ると、魔理沙とみとりは変身アイテムを構え、ゆっくりとポーズをとった。

 

「…ふーん、ゴミが四人よって勝てるんでしょうかねぇ?」

 

「…フン、言ってなさい」

 

「「変身!」」

 

『spark, great miracle magic!White & Black wizard!』

 

『armored rider phase red!』

 

そうしてスパークとリヴィエルも変身を終え、ストームスネイクの方へと向かった。対しスネイクは改めて構え直し、来いとばかりに武器を用意する。

 

「でりゃああ!」

 

まずスパークの連続蹴りが入る。さらにリヴィエルが連続でC2ブレードをぶつけ、連続パンチをぶつけた。さらに数歩引いた距離からリライとエレンツの銃撃が舞う。

 

「おっとっと…」

 

しかしダメージは大きくない。余裕の態度で向き直ったかと思えば、思い出したかのように飛び始めた。すでにバイクに乗っていたエレンツは真っ先にその後を追い、リライも乗り直す。

 

「…こうなりゃカメ仙の奴が言ってたので行くか!」

 

スパークがそう言ったかと思えば、ロボットのコウモリが彼女の元へ飛びよってバイクへと変形を終えた。そうして素早く乗り込み、二人に続く。『バットライダー』こそそのマシンの呼び名である。

 

「やれやれね」

 

そんな中、リヴィエルはコントローラーにて110と310を入力。呼び出したKPマシン二期が合体し戦闘機モードへと変わる。リヴィエルは素早く乗り込み、空ルートで回り込むようにストームスネイクを追った。

 

『wizard!wrecking spark!』

 

「バットッ!!ツインスパーク!!」

 

対しスパークはリライトエレンツを押しのけると、ど真ん中から突っ切って行ったのちビームをチャージした。放たれた極太の光線が森を焼きながらストームスネイクを襲う。流石に警戒し、両腕での防御体制をとった。

 

「やはりなっ!!」

 

『climax charge!KP red!』

 

瞬間、ストームスネイクの背をビームカッターとエネルギーの弾幕が包む。流石に防ぎきれず爆発を巻き起こした。強烈な爆風のあまり、四人が防御体制をとるほどだ。

 

「困った人たちだわ」

 

『XX!…good-bye!』

 

…しかし、ダミー爆煙である。驚く暇すら与えず、御柱が四人にに激突した。吹っ飛ばされた魔理沙が目を開いてみれば、もはやそこには誰もいない。彼女は悔しげに木を殴りつけた。

 

 

 

 

 

 

「…準備は終わりました。本当に、ありがとうございました」

 

「いや、いいんだ」

 

さとりの深々とした礼に、妹紅は謙遜を返す。

彼女の開発が完成し、ライダーにずっと守ってもらう必要がなくなった。故に妹紅とサグメは、味方の多い地上で永遠邸の住人を保護することにしたのである。

 

「こいしも地上に向かいました。…どうかあの子にも色々見せてあげてください」

 

「それは命蓮寺のやつらに伝えておくさ。…さあ、向かうぞ妹紅」

 

「ああ、行こうか。さとりも頑張ってね」

 

その妹紅の声掛けにさとりはしっかりと頷き、去って行く少女たちを見送った。視線の向けられるライダー二人の背は一抹ほどの不安もあったが、それでも大丈夫と言い聞かせるに十分なものである。

 

「やっと地上に戻れるわねー」

 

「そうですね!日光を浴びれるんだー!」

 

住処のことへと想いを馳せつつ、先を目指して歩みを早めて行く。しかし流石に距離というものがあり、早朝の出にも関わらず、命蓮寺への到着は昼過ぎとなった。

 

「んっ、妹紅じゃないの!!」

 

その姿を最初に見つけたのは天子である。その声に呼ばれ、命蓮寺に留まる居候どもがひょこひょこと飛び出した。

 

「お、みんな帰還だー」

 

村紗が素早く部屋の準備をすませると、六人を案内した。歩き疲れたためか、サグメ以外の五人はお昼寝を始める。その様をしばらく眺めたのち、彼女は風呂に入らせてもらうこととなった。

 

「…私、どうすればいいのかしら」

 

強がる口調も抜けて、深く深くため息が飛び出た。

 

「ドレミー…」

 

「お呼びしましたぁ?」

 

ふと親友を思ったその時、張本人からの声がかかる。サグメは驚き交じりに湯船から飛び出し、胸元からコトダーマを取り出した。

 

『シューターフィール!』

 

変身よりまず先に銃撃を展開し、ドレミーヘ光弾を飛ばす。夢塊がそれを防ぎ、ドレミーはため息をついた。

 

「せめて動くなとかの警告はないんですかね。お風呂のぞいちゃったのは謝りますって」

 

「黙れ。今の貴様はドレミー・スイートではなくズェッケロティパーとして扱う」

 

「あー冷たい。お話をしに来ただけなんですがねぇ」

 

「…聞く気は無い。たとえ親友でも、今は敵だ」

 

その言葉を受け、ドレミーは残念そうに息を吐き、去って行った。誰もいないからんとした風呂場の中、サグメは静かに落胆した。

 

「…風呂長いわねあいつ」

 

庭掃除の聖を眺めつつ、木刀を振りながらレミリアはそんなことを呟いた。一旦休憩に水を飲み、一つ思考を広げてみる。何気なく妹の顔が浮かび、彼女は一度帰宅することにした。

 

「紅魔館?なら私も同行するわ」

 

そんな中天子も素振りを止めてグラウンドスピーダーに乗り込んだ。そして傘をさしたドラクリヤーと並び、命蓮寺を後にする。

バイクゆえに到着にそう時間はかからない。昼のうちに紅魔館の正門へとたどり着いた。

 

「お嬢様!おかえりなさいませ!それに天人さんも。お客様が来てますよー!」

 

「お客様?」

 

歓迎の美鈴の言葉に、レミリアは誰だと返した。それに対し、会ってみればわかりますとにこやかに答えて見せる。仕方ないとレミリアはロビーへと向かった。

 

「待ってたよ。主サン」

 

そんな彼女を迎えたのはにとりであった。まあ、彼女の方が客人なのだが。

 

「…要件は?」

 

「単刀直入に言えば技術的協力だ。あんたの友人の魔術とか、あんたの個人的研究とかそういうのの協力をお借りしたい」

 

「なんで私の生物研究を知ってるかわかんないけど…、まあいいわ」

 

「よし。あんたにももちろんメリットはある。紫外線を周りに散らせるマシンをお試しで作ってみたんだ。あとで使ってみなよ」

 

にとりの自慢げな顔へ感謝を送ると、レミリアは咲夜に客へ紅茶を出すよう命じた。

 

「…ずいぶん深みのある紅茶だな。外国の茶自体あんま飲んだことないんだけどね」

 

「私も好きなのよ。天人に似合う高貴な味だわ」

 

そんな軽い調子の三人であったが、表情は和らぎ切ったとは言えないものだ。誰しも、脳裏によぎるのは幻想郷中の災害のことである。そこかしこに被害が散らばっており、安心できるとは到底言いがたい状況なのだから。

 

「…原因が貧乏神だと大きく報道された今、あんたに自作自演の疑惑がかかってるらしい」

 

最初に口を開けたのはにとりであった。視線とともに言葉を受けた天子は、どういうことだと表情を険しくする。

 

「それは…」

 

「私たちはあんたが仲間で、少なくともそんなことはしないとわかってる。むしろ、アイツを取り戻したいんだろ?」

 

「ああ、私を全く予想外に持っていけるのはあいつだけだ。今回も例外でなく、ね」

 

帽子を手のひらでくるりと回しながらつまらなさそうに吐き出して見せた。続けて、レミリアが言葉を紡ぐ。

 

「つまりあなたが戦ったらなお怪しまれるわけね」

 

「…でも、あいつを取り戻せるのは、私か肉親だけだ」

 

「肝心の肉親はあんなだものね。それにアイツには私も借りがあるわ…」

 

「ずいぶん硬い意思だな。ま、それならそれでいいんだ」

 

そんな風に話がひと段落した時、強烈な揺れが彼女たちを襲った。落ちかけたカップをうまいこと受け止め、紅茶を飲み干すと天子はゆっくり立ち上がった。

 

「…来たわね」

 

「行くよ!お嬢さんは日陰で休んでな!」

 

ここで決着をつけてやろうとばかりに決意を固め、二人はベルトを装備しつつ駆け出した。

 

「あ、いたいた、天人様だ!」

 

「…変身!」

「変身!!」

 

『ガイア・ザ・アース』

『armored rider phase blue!』

 

立ちはだかる禍女へと二人は同時に拳をぶつけた。ほんの少しばかり怯む禍女へとリヴィエルはビシッと指をさした。

 

「ここで沈んでもらうよ、あんたにはもう手は残されちゃいない!」

 

「さあ、こちらに帰れ!」

 

素早く決め台詞を向けたあと、さらに攻撃を開始した。だがそうなんども食らうわけではない。次は両手で受け止め、二人を投げ飛ばす。追撃の標準はリヴィエルだ。思い蹴りが腹に沈んだ。

 

「このっ…」

 

それならばと距離を置き、KP-110、-210を呼び出した。そして合体ののち、戦車のような形態となる。リヴィエルの合図と当時に、一気に放射を始めた。さらにC2ブレードのグリップをセットする。

 

『climax charge!KP blue!』

 

「コードブルー・フルバースト!!」

 

そして副砲が禍女を襲いかかり、幾多もの爆風が巻き上る。さらに主砲が禍女を狙う。

 

『XX!…bye-bye!』

 

黒煙の中、禍女は必殺を発動した。そしてKP-210のチャージも終わったという時に、禍女は天へ銃撃を飛ばした。どうしたのかと訝しげにするが、そんなのはもはやどうでもよかった。リヴィエルはそのグリップを引いた。

 

結論から言えば、そのビームは当たらなかった。盾となったのは隕石である。そのままリヴィエルに激突し、変身解除へと追い込んだ。

 

「最大の厄災のお味はどうかしら?…最大火力だとキョーリューだって滅びるわ。ま、私には無理だけど」

 

そんなことをぼそぼそと呟きながら、今度はガイアへと視線を向ける。勝機を疑う彼女の元へ、追い討ちのように女苑まで現れた。

 

「言ったでしょ。グズの姉さんでも、それ以下のあんたらには救えないと」

 

『X!』

「醒…妖!」

『fortunate…ready!』

 

「…まずいな、コレはっ!」

 

そんなピンチに立っていられず、傘を持ってレミリアが駆け出した。そしてガイアのもとに寄るが、だからと言ってできることもない。ただただ二人して立ち尽くすだけであった。

 

「どーすんのよコレ…」

 

「こっちのセリフだ!全く…。私が倒すしかないでしょ」

 

「…陽の中で動けたなら!」

 

レミリアの悔しげな声を聞き、にとりの中で何かが弾けた。ボロボロの体から残る全てのエネルギーを使って駆け出して行く。

 

「ドラクリヤー!!ちょっと体貸せ!」

 

そうして、駆けつけたドラクリヤーへと件の対日光装置を乗せた。すると装置はばらけていき、ドラクリヤーの体にしっかりと装備された。

 

「こいつはあんた用の『防具』だ。行けっ!!」

 

「助かるぜ河童!」

 

駆け抜けて行くドラクリヤーを見送り、一旦にとりは気を失った。

 

「あんたはもともと日光は大丈夫なハズ…あっ!私が乗ればいいってわけ!?」

 

「そうだ。でも…」

 

レミリアの発言に対し、肯定はしつつも言い切りはしない。そしてその顔は、得意げなものだった。

 

「オイラに秘策ありだ。…今のレミィならいける」

 

「ドラドラ…?」

 

「任せたぜ!」

 

そんな言葉と共に、ドラクリヤーのリアより、バックルのようなものが飛び出た。それがどう使うかは、なんとなく分かる。

 

「あっっっっっづ!!!」

 

そんなレミリアの横で、突如ガイアが騒ぎ立てる。腰の横にマウントされた熱源たるブランクコトダーマを持ち上げ、覗き込んでみる。

何も書かれていなかったそこに、『地』の文字が刻まれた。

 

「…そういうことか。感覚として分かったぞ!」

 

かと思えば、ガイアはそのコトダーマを握って粉々にすると、中から蒼くきらめくオーブを取り出した。

 

「…準備はいいわね、天子」

 

「聞かれるまでもなし!」

 

様子見していた怪人二人も、しびれを切らし駆け寄って来た。そんな中、二人は己の敵を見据えて準備を開始する。

 

『覚醒!』

 

『マックスタァァァァッ!!』

 

かたやバックルを合体させて装備し、かたや新たなオーブを入れる。傘を持たぬ右手で顔を隠すポーズを決め、またいつも以上に激しめに体を構える。

 

 

「「変身!!」」

 

 

二人の声が重なり、同時にレバーが引かれた。怪人二人が同時に銃撃を放つ。しかしそれは、光と岩とドラクリヤーに弾き飛ばされる。

 

『ジェ・ヴォー・ダン』『ワーラーキーアーッ!ヒャッハッハッハー!!』

 

『ブレイク・ザ・ディスパー!!!』

 

そして音声が叫び続ける中、鎧が彼女にまとわれ、七色の光が彼女を包み込む。

騎士を思わせる意匠とコウモリのような姿のが特徴的な仮面ライダージェヴォーダン ワラキアフォーム

水色の体に銀の目がきらめく、爽やかかつマッシブな仮面ライダーガイア マックスグランド

新たな姿と共に二人の戦士が降臨した。

 

「私が私らしくあるために……もう誰も、悲しませないっ!」

 

「今なら、天道さまだって私の味方だ!」

 

そうしてキメたところで、二人は異変に気づいた。

 

「…要石と緋想の剣は?」

「…ドラクリヤーは?」

 

持ち物と、相棒がそこから消えていたのだ。そんな中、二人は「よもや」とばかりに自身のアーマーを見た。

 

『少なくともオイラはそうだぜ』

 

それを言われて初めて、レミリアは自分の肩に乗ったタイヤに気がついた。

 

「…私も要石と剣がアーマーと合体した感じかな」

 

そんな風に確認をしていたが、そんな場合でもない。目の前に迫った禍女へと、ガイアはパンチを繰り出した。

その一撃目は意図せずともクロスカウンターである。結論として、押されたのは禍女だった。

 

「でりゃあああ!」

 

「おごっ!」

 

さらにその足が叩き込まれる。今までより自身が確実に強いのを、その手でしっかりと確かめた。

 

「だあああああ!!!」

 

そして、ジェヴォーダンもまた福女に少し優勢を見せていた。巨大斧ヴァンパイアックスを振るい、重い一撃を叩き込んで行く。

さらに巨大槍ワラキスピアーに持ち替え、グングニールとの二槍流スタイルで攻めた。

 

「このやろ…!」

 

福女は立ち上がり、今一度拳を振るった。ジェヴォーダンの回避によりその拳はガイアへと向かう。だが、ガイアはむしろそれを背で受け止め、肘打ちを返すのみであった。さらにそこにジェヴォーダンの追撃が叩き込まれる。

 

「どらあ!」

 

続けてガイアは怪人二人に連続でキックを叩きつける。禍女は一瞬体制を崩すが福女は怯まない。エックスゴースターでメダル型弾幕を展開し、一瞬の攪乱を行った。

 

「やっぱここじゃ最大限は無理そうね…来いっ!怨霊ども!!」

 

その福女の呼び声に惹かれ、周囲にエネルギーが溢れ始める。よもやと思ったその時にはすでに視界は暗転し、ゆっくりと街灯が煌めいた。異世界生成である。

 

「行けっ!」

 

ボディガードのような男たちをジェヴォーダンの方へとやり、彼女は禍女の方へと向かった。しかしガイアがそれを阻み、しかもジェヴォーダンは一瞬にて雑魚どもを切り払った。

 

「依神女苑!貴様の敵はこの私!レミリア・スカーレットだ!」

 

そう高らかに叫び、今一度福女へと向かった。だるそうに仕方ねぇなと呟くと、標的を変えてジェヴォーダンの方へと拳を向ける。

 

「このおおお!!」

 

悔しげな声と共に禍女は落雷を放った。しかし、その『気質』はもはやガイアのものである。ガイアは自身の周りに小さな電気を発し、その落雷を取り込んだ。驚愕の様子の禍女へと、雷撃をプレゼント。さらに拳でもって追撃をぶつけた。

小さいながら確実な怯みは生まれている。しかしやられてばかりの紫苑でもない。近接戦の間になすりつけた不運のエネルギーがじわじわと襲う。

 

「どりゃああ!!」

 

「おごっ!」

 

禍女の一撃は、腹へと大きく入った。そこは、いまだにストームスネイクのダメージが響く場所である。目眩さえするような強烈な苦痛に、その体制を大きく崩す。

 

「天子ッ!!」

 

「…ビビらせてくれましたね、天人様ぁ…」

 

「うぅ…」

 

「なっさけないわね。そんなんで姉さんを救うとかほざいてたわけ?」

 

周りからの言葉を受け、天子は仮面の中で血が出るほど歯を食いしばった。地に這いつくばる思いは、二度とごめんだと、怒りが溢れ出す。しかし、やっと立っても腹のダメージはいまだ響く。そんな天子の元へレミリアが駆け寄った。

 

「…大丈夫かしら?」

 

「…やってやるわ」

 

「提案なのだけど…あいつらに対抗するならアレでどうかしら?」

 

「あんた、アレやったことあるわけ?」

 

「パチェと試したことはね。…マスターは私よ」

 

それを聞き、天子は仕方ないなと、どこか嬉しげに吐き出す。そしてお互いの合意の下、『完全憑依』が成立した。

 

「一対二の状況わかってんの?」

 

「わかってるともさ!」

 

ジェヴォーダンは今一度ヴァンパイアックスを構え、二人へと攻撃を続けた。

 

「…さて、天子があんたに叩き込んだ攻撃は18回!バラせば666!!分かってるな…*デビルズナンバー666!*」

 

そして、禍女へと追撃としてオカルトラストワードを叩き込む。『呪いそのもの』こそがその力である。

 

「うぐっ…胸がっ……お前、都市伝説の異変でっ!」

 

「あの時はハデには動かなかったけど…やらせてもらったよ!お前が不幸を扱うならこっちは呪いだっ!」

 

心臓を刺すような痛みが、禍女の足止めをする。その隙にジェヴォーダンは福女へと斧を叩き込んだ。そしてドラクリヤブレードとの無理やりの二刀流にシフトチェンジ。連続で斬撃を叩きつけた。さらにはバックルを斧に取り付け、必殺技を発動する。

 

『ワラキアカーニバルッ!!ヴァンパイアックス!!』

 

空中より生じた魔法陣が鎖でもって一気に福女を引き寄せる。そこへと、ジェヴォーダンが一撃を振り下ろした。

 

「うぐぁ!!」

 

「そしてっ!貴様も18回食らったな!」

 

さらに呪いが追撃する。そんな頃天子は回復し、スレイヴ側の出番である。ジェヴォーダンの攻撃に加えるように、そのまま蹴りを繰り出した。さらにパンチを叩きつけ、立ち上がって襲いかかってきた禍女は回し蹴りで退ける。

 

「邪魔をするな…!!!」

 

「…もうやめにしよう。自分が救うと躍起になるのは結構だが、犠牲を生みながらする事じゃないぞ」

 

「黙れ…!今まで虫ケラを踏み潰しながら生きてきたお前に何がわかる!」

 

「わかるとも!お前が姉をどう思っているか、お前の身じゃないがわかるさ。私は目に見えるものすべて救う!いくら下賤でもだ!踏み潰す?抱擁の間違いだわ」

 

「ふざけるなああああ!!!」

 

福女はその拳を振り上げる。防御しようとしたその隙に首根っこを掴み、腹に重い連撃を叩き込んでいく。レミリアが替わろうかと言うのを断り、天子はスーツの中でその怒りを受けとめ続けた。

 

「HAARP…!!」

 

そして静かに、されど確実に、己のオカルトを吐き出した。まずいとばかりに警戒態勢をとる福女へ、容赦なき雷撃が激しく襲う。

 

「うぐぁ!!」

 

「…目は覚めたか?さもなくば、これが目覚ましだ!」

 

さらに蹴り上げを叩きつけ、迫る禍女共々回し蹴りでぶっ飛ばした。

 

「…冷静になりなさい。あんたが本当に想うなら、それが正しい行動じゃないでしょ?…意地だけが前を突っ走っているのよ」

 

「…」

 

「私は散々迷惑がられたけどね、『自分』を曲げたことはないわ。本当にしたいことを考えなさい」

 

「…愚妹に説教はありがたいんですけどぉ…、一応私はあなたを倒さなきゃいけないんですよねっ!!」

 

どうやらレミリアが引っ込んだことで呪いが弱化したようだ、調子を取り戻し、禍女はガイアの元へと向かった。

 

「答えを出すんだ。本当にアイツを救うために…!」

 

「……」

 

「隙だらけですよ天人様!」

 

「レミリア、同時に行くわよ!」

 

「了解…!」

 

立ち尽くす福女をよそに、ガイアとジェヴォーダンは禍女の方へ向かった。禍女も禍女で全力を振り絞り、二人のパンチを両手で受け止めていた。そんな中、福女がゆっくりため息を吐き出す。

 

「…ったく!」

 

『XX!…bye-bye!』

 

「でやあああああ!!!」

 

駆け出す。ライダー二人の肩をがっしりと掴んだ

…そして二人を無理やり退けると、禍女へとパンチを叩き込んだ。続けて、ライダーを一瞥。

 

「グズグズすんなッ!偉そうに説教垂れた身分でぼーっとしてんなっ!」

 

「言われずとも!」

 

「助かったわよ疫病神!!」

 

『スーパーグランドフィニッシュ!』『グランマックスエンド!』

 

『ファング!ドラクリヤエンド!』『オーバードライブ!ツェペシュ・オブ・ファーング!』

 

禍女に生まれた大きな隙を見て、二人は同時にレバーを引いた。二人は飛び上がり、キックの態勢をとる。

 

七色の光が天子の足を包む。

尖った赤い光がレミリアの全身を覆う。

 

二つの衝撃が禍女の体を貫いた。

巻き起こる爆風の中、砕け散ったエックスゴースターが転がり出る。

同時に女苑も変身を解き、あたりは紅魔館の前へと戻った。

 

「やっとだ…。おかえり、紫苑」

 

「やけに甘い声で…。天子らしくもないわねぇ」

 

煙の中に横たわる細すぎる体を、天子はゆっくり抱え上げた。そこへ、女苑が近づく。

 

「…これ、もう要らないわ。あんたが役立てなさい」

 

差し出したのはエックスゴースターとUSBであった。天子はしっかりと受け止め、去っていこうとする女苑の背へ声をかけた。

 

「…聖がお前を心配してたよ」

 

「あの生臭坊主が?フン、考えてやるとだけ言っておくわよ」

 

その言葉とともに、完全に森へと姿を消してしまう。

少女たちは一度、紅魔館へ戻ることとした。

 

 

 

 

 

「この季節にマフラーなんて怪しすぎますよぅ。暑いですしー」

 

「仕方ないだろ。姿を隠すのよ」

 

後日、天子は人里へ買い出しに来ていた。命蓮寺に居座る都合上買いに行かせてもいいのだが、実は天子、料理への興味のあまり材料へもこだわり始めているのだ。

だが、件の自作自演疑惑というものがある。あまり派手にも動けず、変装するほかなかった。

 

そして、八百屋を物色する、その時…。

 

「かわいそうだよな、例の天人も」

 

「!」

 

自分の話題が聞こえ、そちらへ耳をすます。よく聞こうと近づくが、どうも人の気配がない、ゆっくり見渡してみるが、その声はどうも虚空から聞こえる気がする。

 

「…この声、どうもこいつからっぽいですよー」

 

紫苑がそう言って指差したのは、まぎれもない箒であった。言われれば、不思議な気質を示している。

 

「おお、ご本人登場じゃのう」

 

突如後ろからかかった声に驚き、後ろの方へと緋想の剣を向けた。

 

「おいおいあぶないのぅ、わしじゃ、マミゾウじゃ」

 

「例の狸ね。…何の用?」

 

「この付喪神の様子見じゃ。どうだ、ちゃんと働いてるか?」

 

その言葉に、天子はどういうことだと視線を向ける。対しマミゾウは、ニヤッと余裕のある様子だ。

 

「お前さんの疑惑を晴らすように噂を流しとるんじゃ。お前は陥れられたって具合に」

 

「なんでそんなことを…」

 

「妹紅殿の頼みじゃ」

 

それを聞き、天子はぎょっとしつつ嬉しいような様子を見せた。そしてそこに、文が現れる。

 

「マミゾウさんにこの前の貧乏神さん!…それと?」

 

「私だよ」

 

「ああ、天子さん!」

 

そんな三人へ、新聞を手渡して行く。号外らしく、お代はいただかないと続けた。

 

「当然よ。誰がインチキ新聞に金なんて…『いたずら天人の素顔。この里を守る姿勢に涙!』…ですってぇ?」

 

「うわー、天人様が一面だー!」

 

「…伊吹様が、あなたの疑いを晴らす記事を作れって言ったんですよ。だったら、あなたの仮面ライダーの顔を取り上げるチャンスでしょう?」

 

そう言い残すと、そそくさと去って行った。目指す先は鈴奈庵である。

 

「…まったく、どいつもこいつも勝手に粋なことしやがる」

 

どこか嬉しげにため息を吐き出し、新聞をしまいつつ彼女は通りへ戻って行った。無論マフラーと上着は脱ぎ、帽子はいつもの物に替えて、だ。

 

To be continued…




「決戦だ。身構えておけよ」

全ての力が、激突する!
次回、「御柱の戦場」

お  ま  た  せ
というわけでハローみなさん。最近CJD×CJDに目覚めたサードニクスです。
CJDわかる?コスプレ女装男子。
私最近蓮子コスやっててですね。いつか聖もやりたい。見事にここのライダーだね、うん。
いあやーホント遅れて申し訳ないっす。忙しかったという一応の言い訳はしときましょう。
結構大事な話で、10話時点でもう決まってたんですけどねこの話。
何がいけなかったんでしょうねー。
今回はオカルトや完全憑依など原作に寄せた感じ。そういえばガイアこの前も原作技使ってたな。
レミリアは『666』、天子は『HAARP』ですね。
あ、令和楽しみですねー!!五月ですっけ。

そういうわけで久しぶりにみんなの変身ポーズコーナーです。
リライ!
まずクウガっぽい感じでシャドウライト出現!そして左手を前に突き出します。
そして胸元に持っていき、パッと下げてボタンを押します。
そして聖者は十字架ポーズ!彼女のみを闇か光が包んで変身完了です。
そういうわけで、チャーオ!
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