幻想仮面少女   作:さわたり

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アリスとルーミアの決め台詞は勝手に考えてたり。


第20話 御柱の戦場

「世話になったよ」

 

妹紅は聖にそう告げ、輝夜たちとともに命蓮寺を後にした。小さくなっていくその背を見送り、聖は早朝の掃除を続けた。

ひとまず問題はないと、妹紅は永遠亭の面々を連れ帰ることにしたのである。

 

「…本当に良かったよ」

 

ぞろぞろと帰路を行く中、通った人里を見渡してみる。その風景は平和そのものであり、災害が収まったのがよく分かるものであった。

チラチラとライダーの名前も聞こえ、妹紅は少しばかり誇らしい気分である。

 

「…やっぱり目下の問題は八坂神奈子…ストームスネイクね」

 

しかし、平和な雰囲気に隠れて深刻な顔つきな者たちもいた。小鈴の理解と協力体制の下、この鈴奈庵はライダーたちが会議に使い始めていた。妖怪が居てもあまり違和感はないから、と自虐を乗せた上での使用許可である。

 

「どうするんだ?最強とはいえ…あたいも苦戦するぞ」

 

ルーミアの発言に乗ってチルノが続ける。呑気な妖怪と妖精の雰囲気ではなく、明らかに口調が重い。こいしと萃香も、いつになく真面目極まる雰囲気であった。

 

「やっぱり一斉に力を合わせるのが賢明だろうよ。…わたしたちで呼びかけをしよう。…これが味方の名簿だ」

 

萃香は瓢箪片手に立ち上がり、メモを卓上に置く。そうして全員と目を見合わせ、続いて言葉を紡いだ。

 

「…すぐに相手側に知れちゃうんじゃない?」

 

「だから急ぐんだ。…明後日の早朝に設定しよう。そこで守矢神社へ向かうよ」

 

「おっけー…チルノ、わたし達は白玉楼に行って声をかけてこよう」

 

「じゃあ私は河童の方に声をかける。こいしは紅魔館へ行ってくれ」

 

「了解!」

 

そうして会議は終わり、面々が散っていった。ルーミア達が冥界の入り口へ向かおうとしたその時、早苗が横に現れる。驚きつつも二人は行き先を説明し、早苗も加わって行動することに。

 

「…」

 

重い雰囲気ゆえか、三人は一切の会話なく冥界へと向かった。何度か早苗が口を開こうとするも、特に何か言い出すことは出来ず、ついには到着してしまう。

 

「…あら、用かしら?妖夢なら今席を外してるわ」

 

そんな彼女らを迎えたのは幽々子であった。主人自らお茶を入れ、その席を用意した。

 

「…手短に言います。明後日の早朝、守矢神社へと攻め込みます。神奈子様…いや、ストームスネイクを倒すためです。ですから…」

 

「協力なら惜しまないわ。…明後日ね、準備ならしておくわ」

 

二つ返事の幽々子に驚きつつ、早苗は頭を下げて全力で感謝を示した。幽々子はそれほどの事ではないと言い、頭をあげるよう言う。

 

「…さぞかし辛いでしょう。おかしくなっているとはいえ自分の神を撃たねばならぬことは。…頑張って。私からかけられるのはその程度の安っぽい言葉よ」

 

寂しげに幽々子が告げたその時、扉を開けてアリスが現れた。

 

「お手洗いありがとね。……幽々子、この子達は」

 

「明後日八坂神奈子と戦うから…付いてきてくれって」

 

「ふーん……」

 

アリスは深く思わしげにうつむいたかと思うと、ルーミアの方へ視線を向けた。そして厳しめに表情を作って口を開く。

 

「リライ」

 

「ルーミアと呼びなさいよ」

 

「フン、あなたの持つ力はとっても危険よ。事情があったにしても…持たせておきたくはないわ」

 

「何を偉そうに」

 

吐き捨てるルーミアに対し、アリスは今一度ため息を飛ばしてその右手を差し出す。そして続ける。

 

「シャドウライトを渡しなさい」

 

「やだね、そもそも出せないわよ」

 

「…じゃあ力ずくよ」

『β・mode ACTIVE』

 

「やっぱそう来るのかー」

 

「「変身」」

 

そうしてお互いがリライとエレンツに変わった、その時。砂煙を巻き上げながら目に悪いカラフルな妖精が着地した。チルノは真っ先に反応し、クロッカーを構える。

 

「イッッッツァ…ルーナーティーック!ッタァーイム!!」

 

『WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!』

 

「変身!」

 

『ばっきーん!うぃんげるふぉーむ!』

 

「…アリス」

 

「分かってるわよ」

 

けたたましい待機音の中、砂を払ってクラウンピースが顔を見せる。そして松明を空中にぶん投げ、構えを取る。

『WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!』

『Hulu!』

「変身!」

『DANGER!DEXIZASUTAXA!大・狂・乱!愚者の一手!破滅の一手!』

 

「おーっと、そのままあたいをリンチってのも心苦しいだろ?今日はお客様をお呼びしてるぜぇ!」

 

松明を蹴り飛ばしつつフールはケラケラと笑った。その松明をランスで弾きとばしつつ、フールの手をかざす方向へリライは一瞥を送る。

見てみるとどうだ、立つのはヘカーティアではないか。

 

「あら…初めましてがいっぱいねぇ。そこの子は知ってるわよん…私の格好に文句つけちゃった生意気な子!」

 

そう言って早苗の方を見る目は、真っ黒なもの。怪しくきらめく瞳は、シャドー怪人のそれであった。

 

「…アリスさんとルーミアさんは妖精を。…西行寺さん」

『start up…』

 

「幽々子と呼びなさいな」

 

「あら、やる気満々ねぇ!」

『Set Tierra power!』

 

「変身!!」

「変身♪」

「変身」

 

『OK!ROKUMONSEN! white monotone!』

 

『Mai bloom!Selezo!』

 

『Perfect!HellGod Tierra!』

 

花びらを桜が振りまく中、それぞれの姿が変わった。そうして構えた瞬間、駆け出したのはモノである。

 

『slash monotone!』

 

ヌサスラッシャーを構え、風に乗り高速で攻撃を叩き込む。対しシャドーヘルゴットもスピード形態だ。ヘルスウェポンロッドを巧みに振るって一撃ずつ防ぎ、見つけた隙に蹴りをねじ込む。

 

「はっ!」

 

が、蹴った直後のそこにトランスフロートソードモードを叩きつけた。シャドーヘルゴットはモノ以上に大きな隙を晒し、さらなる追撃を許す。

 

しかしフールはそうはいかない。三人にとっては慣れない相手なのもあるが、ランパースの部下も巧みに使い、一方的戦闘を展開していた。

 

「やっぱ偽物は偽物だなぁー…っと」

 

余裕気味にそう呟くと、こちらへ来るようシャドーヘルゴットへ声をかけた。

 

「帰りましょご主人様。地獄からの通り道で喧嘩売っただけですから」

 

「そうね。じゃあーねー」

 

そして投げキッスをシャドーヘルゴットが飛ばしたかと思えば、紫の煙があたりを包み、敵の姿はもはやなかった。舌打ちをするリライの方へとエレンツが近づく。

 

「…邪魔者はどっか行ったわね」

 

「体力は明後日に温存しときなよ」

 

「あんたがその石を持ってたらその明後日に何が起きるか分かったもんじゃないわ」

 

「…はぁ、仕方いないなッ!」

 

そうしてリライは槍を構え、エレンツは二丁拳銃を向けた。

 

 

 

「…で、相変わらず決着つかずと」

 

「アホらしいったらないわね」

 

「あたいでもどうかと思った」

 

サグメと天子…さらにはチルノの毒舌がルーミアに飛ぶ。対し彼女は戦いを要求するのは自分ではないとばかりにため息を吐いた。

白玉楼の彼女らはもう向かっておこうと言うことで命蓮寺に来たのである。

 

「にしてもこんだけの人数収容できる空間と布団があるのすごいわよねー」

 

蓮子が行ったのに対し、レミリアも頷いた。紅魔館ほどではないと付け足しつつ、幾分か驚きはあるようだ。

平常に話しながら、緊張も流れる空気の中、一つの風が吹く。

 

「八坂様が…ストームスネイクが弱小妖精を引き連れて…命蓮寺に向かっています!!」

 

文の放ったその言葉を受け、空気が一気に凍りつく。しかしそれも一瞬。ほぼ全員が変身アイテムを持って立ち上がった。

 

「予定変更。…八坂神奈子およびその軍勢に対し、迎撃戦を行う!!決戦だ。身構えておけよ」

 

サグメの一言に、一同の警戒態勢が一層強まる。そして真っ先に動いたのは蓮子だ。にとりへと電話をかけ、命蓮寺に来るようライダー達に伝言を送らせた。

 

「にとりさんがテレパス通信機で可能な限りは来るよう言うみたい」

 

「グッジョブよ蓮子。…さて、奴さんは意外と早い到着みたいだ」

 

「…まさか襲撃を予定した翌々日にそっちから襲撃を企ててたなんてねぇ。タイミングの悪いことこの上なし」

 

天子の目の前に、ストームスネイクが着地した。そしてライダー達も身を構え、変身の準備を終わらせる。

 

『look the fantasy!』

『グランドライバー!』『マックスタァァァァッ!!』

『覚醒!』

『コトダーマ!翼!』『ブレイクオープン!ドレスアップ!』

『人か霊か?』

『南無三宝!』

『Bクリスタル!』『Eクリスタル!』『エレメントフュージョン!』

『がっちーん☆』

『start up…』

『ready…go』

 

「「『大変身!』」」

「変ッ身ッ!!!」

「…変身」

「変身…」

「変…身!」

「変身!」

「変身…!」

「変身っ!」

「変身ッ!」

「変身!!」

「変身…なのだっ、てね」

「変身」

「変身♪」

 

『we are bewitching night fantasy!』

『ブレイク・ザ・ディスパー!!!』

『ジェ・ヴォー・ダン』『ワーラーキーアーッ!ヒャッハッハッハー!!』

『メイクウィング!ワードレス!』

『変・身・承・知!レイノカタ!』

『GRADE UP…… FAZE2』

『light!』『変わらぬ麗光(れいこう)!続くは研鑽(けんさん)!揺るがぬ神仏!』

『バスターエネミー!』

『ばっきーん!うぃんげるふぉーむ!』

『OK!ROKUMONSEN! black monotone!』

『α・mode ACTIVE』

『Mai bloom!Selezo!』

 

けたたましく光が舞う、機械が飛ぶ、アーマーが展開される。鳴り響く音の中ライダー達は一斉にその姿をヒーローのものへと変えた。

 

「「調停の真理…教えてやろう!」」

「土に還してやるッ!」

「さぁ、殺戮の時間よ!」「ショータイムだぜ!」

「運命だと思って…諦めるんだな」

「この私に切れぬものなど…ほぼない!」

「はぁ〜、なんだって私は人間と共闘してんのかな。…ま、あんたは倒すけどね」

「見せてあげましょう…これが法の光!」

「…行くよ」『時が終わりを告げようと、倒すは悪の侵略者!仮面ライダーU!』「『バスターエネミー!』…ってね」

「派手に…ぶち凍らす!」

「勝手に定義するわ。…あなたは食べてOK!」

「…そこまでよ」

「一緒に踊らせてあげるわ」

 

「崇めよ我を!祀れよ山を!讃えよ神を!謳えよ幻を!そして吹き荒れる奇跡の神風を見よ!今ここに…貴方のために!そして神々が恋した幻想郷のために!!我々は立ち上がった。見ていてください神奈子様、諏訪子様。我ら戦士の…勇姿をっ!!」

 

まとまりのない掛け声をまとめたのは涙を押さえたような声の早苗だった。槌を構え、神奈子へと近づいていく。

 

「…やかましい奴らねぇ。相手してあげなさい」

 

『ready…go!』

 

ストームスネイクが指を弾いたのに合わせ、妖精たちが駆け出す。それに対して先陣を切ったのはラビである。前方にダイヤモンダーを展開し、弾幕をかましながら無理やり突っ切った。

 

「邪魔だっ!!」

 

しかしストームスネイクの銃撃で一旦距離を置かれる。そのラビの肩えお飛び台にして、Uが跳ねた。

 

「どりゃりゃりゃりゃりゃ!ていっ!!」

 

赤の杖エイトケインを振るい、フェアリートルーパーを蹴散らしていく。縦横無尽に駆け、ガトリングと共にモノが進むホワイトスネイクへの道を切り開いていく。

 

「どきなさいっ!コンパロコンパロッ!!」

 

さらには星のような瞬きと共に、メディスが駆け抜ける。煌めく輝きと共に毒を振りまき、拳や蹴りを食らった妖精が怯んだ。味方の多いのを考慮して弱めの毒である。だがそれは一発の話。

 

「でやあああああ!!」

 

跳んだかと思えばバタ足のようなスピードで下方へ連続蹴りである。妖精達が消滅していく中で、エクスブライガンを構えていた。

さらにはそこを交差するように片翼が空を舞う。白黒銀の三色がまとまった、ローブのような姿がきらめくウィングワードレスだ。

 

「自分用に調整して緊急実戦だったが……十二分に実用に耐えうる性能だな」

 

金属製の翼を弾幕のように広げながら、シューターフィールの白き光弾をばらまいて妖精を蹴散らす。さらにはすれ違いざまにストームスネイクに一撃をかまし、ほんの小さな隙を生んだ。

 

『finish monotone!』

 

「ライダー!重量クラアアアアアアッッッシュ!!!」

 

そこに「決」のコインを読み込み、跳び寄る勢いそのままに槌を振り下ろした。だが、せいぜい怯むだけ。膝を入れられ、モノは屈み込む体勢になってしまった。

 

「このっ…!」

 

その苦戦に援護を送ろうと、エレンツとヒールからの銃撃が入る。だがエックスゴースターで簡単に撃ち返し、エレンツを大きく怯ませた。ヒールは避けたものの、ストームスネイクを狙うのは難しい状況へ。

 

「…!」

 

だが、エレンツは隙を晒してしまった。フェアリートルーパー達の一斉攻撃を受け、さらにダメージを負う。そんな中、すり抜けて援護に来たのは桜刀であった。

 

「はっ!たぁっ!」

 

確実に妖精達を叩き斬っていき、数を減らす。そしてエレンツに手を貸すと、立ち上がった彼女と背中合わせの姿勢に。

…そして桜刀はエレンツをすり抜けながら切り抜け、エレンツもその援護を行った。

 

『blast α ready…FIRE!』

 

「ブラストスターター!!」

「カクリヨギリ!」

 

さらに水流と爆風の砲撃が妖精達をぶっ飛ばし、そこを斬撃波が襲っていく。そしてその風に乗ってブロッサムが可憐に切り抜けてきた。

 

「だああっ!!」

 

そしてUが暴れるなか、爪をぶん回してジェヴォーダンが現れる。いつも以上に本能全開で剣と斧を振り回すその姿は、悪魔そのもの。

こいしは多少気圧されつつも、エイトケインを構え直した。

 

「チャージ完了!」

 

そして光線を放ち、妖精どもをぶっ飛ばしていく。そしてその中をリライが駆け抜け、銃弾を振りまく。

 

「H・ライジング!バァアアアストッ!!」

 

そして巨大な光弾を妖精達に放っていく。エイトケインとH・ライフルの激しい閃光のなか、今度は機械的な光が飛び出てきた。

 

『armored rider phase blue!』

『armored rider phase red!』

 

「遅れて参上!ここで沈んでもらうよ、あんたにはもう手は残されちゃいない!」

「ここで詰みよ、あなたにはもう進む道はない!」

 

そしてリヴィエル二人がストームスネイクを指差すようにポーズをとりながらKP-010から現れた。みとりはすかさずリモコンを操作し、KPマシン達を一気に呼び寄せた。

そして戦闘機形態と戦車形態のKP-110が暴れ始める。妖精達の数も減り、勝機が見え始める。

 

「トゥデイズルナティックタイム…アゲイン♡」

『大・狂・乱!愚者の一手!破滅の一手!』

『Perfect!HellGod Allien!』

 

だがそうもうまくはいかない。先ほど以上の数のランパースフェアリートルーパー達の援軍が入り、さらにはフールとシャドーヘルゴットまで割り込む。

 

「はあああああ!!!」

 

フールの方へ真っ先に向かったのはドグマだ。こころを模したような法術ライトフォルムは、そのスカート内部のブースター機構での独特な動きを強みとする。

フールと不規則な動きでお互いを撹乱しつつ、扇子と拳がぶつかり合う。

 

『愚者の一撃!』

『波羅羯諦!』

 

炎を纏ったかかと落としと旋風を纏った突進がぶつかり合い、空中で熱風として弾けた。両者着地し、今一度インファイトが始まろうという、その時。

 

「主役は遅れて登場ってな!」

 

「あー?ま、そういうことかしら」

 

霊夢と魔理沙がそのランパース達の間を押しのけて現れた。さらに後ろには華扇、萃香、ヘカーティアが神社から駆けつけたようである。

それぞれ変身の準備を終えており、一人一人構えをとった。

 

「待ってね、この前決め台詞考えたのよ。現代と幻想の……なんだっけ魔理沙」

 

「この際それはいいから」

 

「仕方ないわね…」

 

「「「「「変身!」」」」」

 

『楽園!神の使い!博麗の〜巫女!』

『spark, great miracle magic!White & Black wizard!』

『formname is 金剛鬼 GOGOGO!』

『Perfect!HellGod Luna!』

『monsterside……change modeogress』

 

「退治…開始ッ!」

「行くぜ!!」

「我が信念にかけ…必ず救ってみせる!」

「「さぁ…」」

「宴の始まりだァ!」

「地獄を見せてあげるわ!」

 

石畳を前に、五人の戦士が並び立つ。そしてそれぞれに武器を構え、妖精達の元へと突っ込んでいった。

 

「たあああああぁぁっ!!!」

 

「おらおらおらぁ!!」

 

ヘルゴットと酔鬼はその圧倒的な防御力でもってど真ん中に突撃し、それぞれ剣とシールドをぶん回していた。さらに酔鬼の拳がシャドーヘルゴットに叩き込まれ、ヘルゴットもまたフールへと剣を向ける。

 

「たっ!!」

 

さらにはハセンゴロモで透明に姿を変えたハーミットが不意をつく形でシャドーヘルゴットへ一撃を与えた。だがそれで黙っているわけでもない。

 

『Invocation Deathblow!』

 

鎖をハーミットと酔鬼に絡め、一気に引き寄せる。そしてその斧を振り下ろそうとする…が、ハセンゴロモがそれを捕らえる。

 

「オーグリスドライブッ!!」

 

そして振り下ろされたハンマーがその斧を叩き落とした。さらに酔鬼が構え、空中に盾を投げる。そして跳んで盾を掴み取ると、重力そのままにシャドーヘルゴットにプレスをかました。

 

「カーチーオートーシー!!!!」

 

「うぐあぁっ!!」

 

そして爆風。紫のゲル状のものが飛び散り霧散する。軍勢が減ったフールは流石に焦りを見せ、増援を呼び出していった。

 

「お前だっ…洗脳させてる暇はねぇがな!」

 

そうしてフールは薬剤のようなものを命蓮寺の中に居た村紗を引きずり出してかけ、さらに炎を見せて凶暴化させた。彼女の体はみるみる変異し、水に濡れた刺々しい化け物が現れた。

 

「う…ああああ!!」

 

「行け船女(ふなめ)!!ライダーどもをぶっ殺せ!!」

 

「ぶっころ…す……うううぅぅあああああ!!!」

 

ドグマは真っ先に船女の方へと向かい、フールvsヘルゴットの構図に。しかしそこにワードレスが入り、状況は大差はない。ストームスネイクが居るとはいえ、多少焦りが見られた。

 

「だああああ!!!」

 

だが、ストームスネイクは依然余裕である。モノとガイアの両方の攻撃を軽く受け止め、蹴りを返している。

 

「「はぁっ!!!」」

 

続けてヒールがチェイスナイタースライダーモードに乗って、連続銃撃をかます。だがそれさえノールックの銃撃をもらい、墜落してしまう。

 

「弱い弱い!!」

 

「「こいつ…今までとは格が違う…」」

『四人で撃退がやっとだったみたいね』

『天子が強くなってるとは言え…どうしましょう…』

 

「くそっ…」

 

そんな苦戦の方へ、リブレッスは助太刀に入ろうとした。…だが、突如彼女は裏の方へと向かい始める。スパークもどうしたのだとその後を追い、リブレッスに追いついた。

 

「こっちに何かあんのか霊夢」

 

「…そこの草陰が動いた気がした。気をつけなさい。()()わよ」

 

「……お前の勘なら確実だな」

 

そうして二人が身構えたその瞬間、草むらから影が飛びかかった。

 

「ハァッ!」

 

その一瞬を捉え、リブレッスはすれ違いざまにガイネンブレイカーを当てた。だが怯む様はない。二人は今一度肩を並べ警戒態勢をとる。

 

「ヴゥ…ウォアアアアアアアア!!!」

 

そして立ち止まったことでようやく認識できたその姿に、魔理沙は目を疑った。紫の体に棘が生え、腕が傘のように変質し、さらには紫に染まったその目。…その姿が思いつくのは、八雲紫ぐらいのものだからだ。

 

「アッ…うゔぁああああ!!!!」

 

奇声をあげて飛びかかる『隙間女』の攻撃をかわしつつ、二人は警戒をさらに強めた。そして目を見合わせ、うなずく。

 

「カメ仙!」

 

『なんだ』

 

「目の前の強敵見りゃわかるでしょ。この前言ってたアレよ」

 

『ん、それなら魔理沙のも呼ぶか』

 

カメ仙がそんなことを呟いたかと思えば、バットライダーからコウモリ型のマシン『コウモリマジシャン』が現れ、魔理沙の手の上に収まった。

 

「ううぅぅ…がああああああ!!!」

 

『ほらさっさと変身しろ!』

 

「分かってるよ!」

 

二人は焦った様子で手に持ったマシンを分解し、ベルトに合体した。体が機械とは言え、ベラベラ喋るカメ仙をバラすのはいささか抵抗ありだったものの、気にする暇はない。さらに、それぞれ軽くポーズをとりつつ、マシンの中から取り出したカードをセットした。

 

『読み込み!仙人!』『&仙獣!』

『reading!magician!』『& magical beast!』

 

そうして二人は隙間女の攻撃をスレスレで避けながら、円盤を回転させた。変身シーケンス完了である。

 

「げ、ゲンソウチェンジ!」

「え、何よその掛け声知らないんだけど」

 

『八卦、神通力!神秘なる仙人!!』

『戦乱!閃光!仙獣タートルゥ!!』

 

『mysterious , illusion! beautiful magician!』

『bad?nightmare?not…magical beast!KO・U・MO・RI!』

 

それぞれのボディスーツが、リブレッスは白、スパークが黄へと変わる。さらにカメとコウモリがバラバラになり、その身にアーマーとして着込まれていく。

青緑にまとまったリブレッス センニンフォームと青紫にまとまったスパーク マジシャンフォームにその姿を変えた。

 

「ゔっ!!」

 

隙間女がリブレッスに飛びかかったのを、彼女は腕の甲羅型半円シールドを展開し、両腕を合わせてガード体制をとった。

鋭い右腕による突き攻撃を跳ね返していくが、ついには防ぎきれずその両腕弾かれる。

 

「はっ!」

 

だがその勢いままに背中のタートルセンニンシャクジョウを手にとって、防いだ。同時にスパークは左手のバットウィングアローを展開し、中距離からの射撃を行う。

 

「かったいわね…」

 

「当たってはいるんだがな…」

 

だが、イマイチ大きなダメージではない。バットウィングアローからエネルギーブレイドを広げ、ウィングシザーでの攻撃に切り替え、二人で近接を試みるものの、大きなダメージではないようだ。

 

「こうなりゃ…!!」

 

だが方法があるわけでもない。二人ともゴリ押しで無理やりダメージを与える形での戦闘をとった。

 

 

 

 

「だああ!!」

 

ヘルゴットの斧とワードレスの斬撃が、フールの体にクリーンヒットした。フール尻餅をついたその瞬間、ワードレスはブレスを操作し、必殺を構える。

 

『ブレイクダウン!ウィング!コトダーマエンド!』

 

「くらえ…!!」

 

瞬間、ワードレスの背中からエネルギーでできた左翼が生成された。華麗に空を舞っていき、すれ違いざまに翼でフールを切りつける。

さらにはきりもみキックをくりだし、木へとフールを叩きつけた。

 

「ぐぅあ!!」

 

その変身が解除され、クラウンピースは膝をつく。そして砂嵐を巻き起こしたかと思えば、姿を消していた。

残る船女へと、ドグマは攻撃を続ける。

 

「はあああああ!!!」

 

「そこっ!」

 

飛びかかる船女を避け、その背に舞うような扇子での斬撃を叩き込む。怯んだ船女は土の中に潜航し、不意打ちを狙う。

 

『heavy!光照らせ!その救い!輝く魔界の魂!』

 

そんな中ドグマは腕輪を変え、重装備の中それを待ち構えた。

 

「があああああ!!」

 

そして、目の前に飛び出た船女へとアンカーブレードを振り下ろす。めり込むような衝撃にめまいを起こしたそこに。

 

『波羅羯諦!』

 

「あなたの武器ですよ…水蜜ッ!!」

 

さらに必殺斬撃をくりだし、瞬く間に船女は爆風に飲まれた。

さて、残るはランパースとストームスネイクである。ワードレスは妖精達を片付け始める中、モノ、ガイア、ヒールは相変わらずストームスネイク相手に苦戦中である。

 

「だああああ!!」

 

「っと…」

 

効くと言えばガイアの近接ぐらいのもの。このまま押すには何かが足りないと、そう思ったとき。

白のバイクがストームへと突撃した。そしてさらにウィーリーのような状態でタイヤを押し付け、多少ながら怯みを生んだ。

 

「妹紅!」

 

「…遅れた。ごめんね」

 

「ほら、やっちゃいなさいな妹紅」

 

「オッケー…」

 

そしてフェザーチェイサーから降りた妹紅は、輝夜からの声援を受けつつストームスネイクへ駆け出した。

 

『limit over charge!』

 

そして結晶型のアイテム『ヘリオスコア』をバーンスマッシャーにセットし、炎とともに走り抜けていく。

 

『zero ignition!』

 

「変身!」

 

『burn up complete zero phoenix!』

 

全身に溢れる煙が、その爆炎を閉じ込めるかのようにグレーの鎧が形成された。今までのフェネクスとは比べものにならぬマッシブさを誇るそいつは、明らかな異彩を放つ。

 

「行けっ!フェネクス ゼロブレイズ!」

 

「燃え尽きてもらうッ!!」

 

輝夜のノリノリの紹介を受けながら、その拳をストームスネイクに振るう。とてつもない熱とパワーを受け、大きく後ずさった。戸惑うその隙に、一発、二発。さらにモノとの同時攻撃。

 

「うぐあっ!」

 

少し転ぶほどのダメージである。妖精どもをけしかけるが、フェネクスが軽く殴っただけで爆散し、もはや意味はない。さらに蹴りを叩き込み、戸惑う顔面に頭突きもかます。

 

「上白沢印の頭突きだよ」

 

『zero over driver!』

『XX!…good bye!』

 

続けて三回握り込み、必殺を発動する。対抗してストームスネイクも必殺を発動し、二人がその距離を詰めた。

 

「ゼロッ…プロミネンススマッシュ!!!」

 

「…!!」

 

同時に拳がぶつかり、その力は同じぐらいのもの。どっちが押し負けるかという、その時。

 

『punch eyes!』『punch eyes!』『burst eyes!』

『スーパーグランドフィニッシュ!』『グランマックスエンド!』

 

「「ライダーパンチ!!!」」

「でやあああああ!!!!」

 

ヒールとガイアが必殺をを叩き込む。

ヒール、ガイア、フェネクス。最初の三人の拳が集まり、炎の渦とともにストームスネイクは大きく跳ね飛ばされた。

 

『finish monotone』

 

「ライダー剛力パァアアアアァァァンチ!!!!」

 

さらにそこへモノのパンチがぶつかる。続けて、二発目。

三、四、五、六。

無数の連撃を叩きつけ、最後に頬をモノの拳が捉えた時、静かに爆風が踊った。

 

「うぅ…」

 

「神奈子様!!!!………おかえりなさい!」

 

倒れる彼女をモノは静かに抱きとめ、そしてほぼ同時にランパースは狩り終わった。やっと戻ってきた安心を追うように、強敵を倒した達成感が少女たちの中に爆発した。

蓮子、メリー、天子、そして妹紅は跳び上がり、空中ハイタッチを決める。ガジェットスマートからその様子を眺めつつ、藍は静かに笑った。

 

 

 

 

「…紫が怪人に!?」

 

こんな空気の後である。面々は博麗神社へと移動し、宴会が始まっていた。寺で飲めや騒げやとしないあたり、妖怪といえど人間基準の良識はあるようだ。

だからこそ、霊夢が振った話題に幽々子は目を見開くのである。

 

「私と魔理沙でようやく撃退よ。…苦戦は必至だわ」

 

「そうね、表立った敵は倒せたからともかく…」

 

イマイチ喜びきれない表情で、二人は寝込む神奈子のことを見ていた。体調以外にもやはり精神面での苦痛が見られ、諏訪子が大丈夫だよと慰めても聞く様子はない。

 

「まだまだ問題は山積みね」

 

霊夢はひょうたん片手に爆笑する萃香に視線を移しつつため息をこぼした。

 

to be continued…




「面白いものを見せてあげる」

花が咲き、欲望燃える。

次回、「栄衰幻想郷 〜Flower World〜」

みなさんこんにちは。最近憑依華を楽しんでるサードニクスです。漂う今更感。
しかしねー、感想ないの寂しいわよーん!!
読んでないのかもしれんけど、活躍があった回で応募主の人が反応ないのは悲しいよー!
最近はサウスさんと俊泊さんだけが感想くれる人じゃないかー。
正直わたしは見て欲しくて書いてる面も大きいのだから反応あってくれた方が嬉しいのだ…
しかし遅れてほんと申し訳ない。
にしても今回のギチギチ感。まじでずっと戦っとるやんけ。初登場のオンパレードだったし。これで書き漏らしライダーとかいたらどうしよう。
あと絶対前半の戦い要らなかったよね。反省!

さて、こんな中でもみんなの変身ポーズコーナーです。
リヴィエルは簡単。
にとりが右手で指差し、みとりが左手で指差し。
で、レバー引くだけ。並んで変身が前提。でも地の文の表現の問題でバラバラの方が多そう。
そういうわけでまた今度ー。
次回から新章だよん。
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