幻想仮面少女   作:さわたり

36 / 43
劇場版ってことにしといてください


劇場版幻想仮面少女 後悔の山 前編

『TUKISSA!』

 

「…変身!」

 

椛が変身したライダーが構えるその目の前で、ドレミーはライドウォッチを起動した。金と赤の装飾のそれをジクウドライバーにセットし、ベルトを回転させる。

 

『RIDER TIME!仮面ライダー!トゥキッサーッ!!」

 

「…さて、お眠りいただきましょう!」

 

白と赤を基本とし、金の歯車の装飾が腕をメインに彩る。頭部も刺々しいながらリボンにも見えるものである。その仮面ライダートゥキッサが迫りくる。椛ライダー、エラーブルも迎え撃つべく武器を構えた。

 

「うぐぁ!!」

 

「弱いですねぇ…こっちが眠くなるっ!」

 

だが一方的な戦いである。仮面の中で血を吐きながら、椛は剣『オータムブレイド』を杖のようにして立ち上がる。今一度斬りかかるが同じように吹き飛ばされ、トゥキッサはトドメを刺さんとブレイニコを振り上げた。

 

『全てをcontrol…アルナブジェネラル!』

 

「椛ッ!!」

 

そこへ、鈴仙が仮面ライダーアルナブへと変身しながら駆け寄る。ピンクとネイビーがメインの、鈴仙らしさを感じるうさぎ風デザインだ。人差し指を伸ばして手を銃の形にし、光弾を放っていく。

 

「甘いですね」

 

「ぐあっ!!」

 

だがそれさえも大したダメージとはならず、一歩ずつ確実に近づいていく。そして隙を晒したところで斬りあげを叩き込まれてしまった。膝をついたアルナブへ、トゥキッサは近づく。

 

『ARNEB!』

 

「いただきましたよぉーんっと」

 

そしてブランクウォッチを押し当てたかと思うと、その力をライドウォッチへと封じ込めてしまった。さらに、鈴仙へトドメを刺す。急所は外したようだが、状況的に死んだふりをしている。その隙にエラーブルは近づく。

 

『シジュワイフ!仮面ライダーフィニッシュ!ザ・シジュワイフ!』

 

「でやああああああ!!!」

 

肩に装備した『ホーンキャノン』から連続で砲撃を叩き込み、一瞬だけ隙を作った。その隙に腕のライドウォッチホルダーからアルナブのものを盗み取り、追撃で至近距離砲撃必殺を叩き込んだ。

 

「くっ…」

 

「今の内に文さん!!」

 

「ええ、行くわよ、変身!!」

 

同時に文は尖った形状のバックルを巻き、レバーのように動かす。同時に赤黒い魔法陣が彼女を包みこみ、仮面ライダーハーフカースとしてそこに立った。西洋風な姿が特徴である。

 

『RESURRECT ON』

 

「まだ不完全…ですね」

『私の復活には程遠いでしょう。しかし、時間の問題!あなた方の世界を救うという約束は違えません。さあ、我が力を使うのです射命丸文!』

「もちろんですとも!…喰らえっ!」

 

「ぐぅっ!」

 

衝撃波をまとったパンチをもらい、トゥキッサは大きく怯みを晒した。同時に三座トライク『レーサートリニティ』に乗ったはたてがエラーブルとハーフカースを拾い、逃げ去っていく。

 

「変身したってことは…!」

 

「ええ、準備完了よ。行きましょう、異世界へ!!」

 

去っていくレーサートリニティを、トゥキッサはタイムマジーンに乗って追う。ナイトメアオブキメラ時のマシーンのようなそいつからの猛攻をかわしながら、三人は姿を消した。

 

「…っと。我々クォーツァーから逃げようとは、甘いことこの上なしですねぇ」

 

 

 

 

 

劇場版 幻想仮面少女

 

後悔の山

 

 

 

 

「見つけましたよ〜っと!」

 

暗いアジトの中、椛はもう一人の椛を縛り、肩に担いだ状態で部屋へと入った。縄の中にいるのはこの世界の椛であり、逆に担いでいるのはエラーブルの椛だ。

 

「こっちも準備完了ですよ!」

 

「んぐー!んぐ〜!!」

 

また、文やはたても似た状況である。何かしらの薬品投与を受けていたはたてを殴り倒し、異世界のはたてが縛り付ける。その様子を見て、この世界の文は抵抗するべく構えた。

 

「三対一よ、こっちの私」

 

「こっち…?意味のわからないことを言わないで!」

 

そう言って構え直したその時、はたてが拘束から紐をちぎって脱出し、その姿をカラス女へと変えた。暗い部屋の中暴れまわり、異世界の三人は煩わしげな様子を見せる。

 

「まだ計画の途中だったのに…!薬品の投与が不十分だったから!!」

 

「こっちの世界での計画かしら?まあいいわ、私が倒す!!」

『RESURRECT ON』

 

ハーフカースへと変身したかと思うと、宿す悪魔『マルファス』の魔術を解放し、土と岩でカラス女を追い詰めていく。そして墜落したところへ蹴り込むと、トドメとばかりにかかと落としをぶつけた。

 

「うぐっ…ああっ!!」

 

さらに爆発まで起こし、その姿はすぐにはたてへと戻った。彼女を縛っていく様子に耐えきれず、こちらの文も、鋭い形状のバックルを装備する。

 

「はたてと椛は連れていかせませんよ…!!変身!!」

『儂の力を使うか…』

『りぃざれぇくとぉ!ぅおん!』

 

そうして、ボタンを押して歌舞伎調な声とともに和風な装甲の戦士へと変わった。だが、ハーフカースは余裕の態度どころかどこか笑っているようでさえある。立ち向かった彼女へと、拳を構える。

 

「そのライダーに名前は?」

 

「え?まだ決めてないけど?」

 

「なるほど。じゃあプレカースと呼んであげるわ。私の仮面ライダーカースの合成素材ってとこね!!」

 

そうしてクロスカウンター式に拳がぶつかり、双方が怯む。だが、踏み直したのはハーフカースの方である。無慈悲に拳と膝を叩き込み、プレカースからベルトを剥ぎ取った。

 

「戦い慣れの問題ねぇ?さ、力を借りますよ崇徳上皇」

 

『儂の名を知っているのか』

 

「ええ、もちろんですとも。厳密に言えば…」

 

『皆まで言うな。儂の復讐を手伝ってくれるならどの射命丸文でも構わん』

 

「柔軟で助かりますよ。さ、ちょうどいいですしこっちの世界の計画も利用させていただきましょう」

 

そんなことを言うと、こちらの文を拘束してしまう。さらにこちらのはたてが先ほどまで座っていた椅子にはたてを座らせ、プロジェクトフォトグラフの計画書を渡した。ほくそ笑む二人を背に、椛は別の目的のため目的地を後にする。

 

「さて、どっからかかりましょうかねぇ」

 

「どこにも行かしゃしないよ。コアドライバー、コード2ッ!!」

『set up Code 02』

 

「ここで止まりなさい。…残念なことに天狗たちの救助はもう無理そうだけど」

『get started!』

 

そうして玄武の沢を降りていくその前に、立ちはだかるような形でにとりと雛が現れた。訝しげな椛の視線を受けながら、それぞれコアドライバーとターンブレイカーを構える。椛が四角形のアイテムを取り出したと同時に、二人はシークエンスを終えた。

 

「変身!」「醒妖ッ!!」

 

『phase blue!version 0.1!』『armored rider phase blue!』

『turn on!spinning girl!フェイツ!』

 

「ここで沈んでもらうよ、あんたにはもう手は残されちゃいない!」

 

リヴィエル ブルーフェイズと、赤と緑メインの刺々しく禍々しい姿の怪人フェイツがその姿を見せた。同時に椛は手の上の『エラーブルローダー』へと指を乗せる。

 

『scanning user authentication』

 

「よいしょっと」

 

そして腰に出現した『ミュンテーションベルト』へとエラーブルローダーを装填した。同時にベルトへとエネルギーがチャージされていく。

 

『link!5…4…3…2…1…』

『change Material』

 

「させるかっ!!」

 

C2ブレードを構えるリヴィエルを前に、椛の体にアンダースーツが装備された。さらに彼女の真上に、工場を思わせる機械の塊が出現する。リヴィエルの斬撃とフェイツのキックをいなし、構えをとった。

 

「変身!」

 

そして飛び込むように機械へとジャンプし、その身にアーマーが装備されていく。一瞬での変身ののち、地面へとキメながら着地した。

 

『complete』

『ヘンカ!ショウカ!止まらぬシンカ!カメンライダー・エラーブル!』

 

「さて、行きましょうか!!」

 

そうして『オータムブレイド』を構えたかと思うと、リヴィエルへと斬り込んでいく。押され気味ではあるが、そう簡単にやられる河城にとりでもない。リモコンを操作したと同時に水中から合体済みのKP-210が出現した。

 

「さらにはオカルトで追い討ちさ!いけー!!」

 

同時に武装したネッシーも現れ、KP-210のレーザーと共に砲撃を加えていく。爆風を食らって怯むそこへ、フェイツの重い蹴りが入っていく。しかし、体制を立て直しながら仮面の中で彼女は笑う。

 

「ならこいつだ!」

 

そうして構えたのは銃兵器『フォールバスター』である。何発か光弾をフェイツにぶつけたかと思うと、ツマミを操作。今度はネッシーとKP-210に放った。

 

「…?ダメージはないじゃんか。弱いね!さあやっちゃえ!」

 

にとりが命令を飛ばす。…が、何故か呼応しない。ネッシーも弾が出ないと首を傾げているではないか。さらにはリヴィエルへと銃弾を放った。ガードして余裕の態度であったが、謎の異常を起こし始める。

 

「…この銃は外界のバグスターウイルスとかいうのの技術を応用してましてね。コンピュータウイルスを実体化させてるんです。ダメージはないですが…それは機械以外に限った話です!!」

 

そんなことを語りながら、迫り来るフェイツを斬りつけ、さらにはリヴィエルへと剣を突き刺した。

 

『…entry』

 

「でやああ!」

 

続けて斬り返しをくらい、リヴィエルは変身解除へと追い込まれた。その様子を見たフェイツは今一度体制を立て直し、エラーブルへと駆け出していった。

 

「くらええええええ!」

 

「誰が喰らいますか」

 

そんなフェイツを前に、エラーブルは剣からUSBメモリ『マスカレイドコア』を抜き取り、ミュンテーションベルトのスロットへセット。ボタンを押した。

 

『リヴィエル!仮面ライダーフィニッシュ!ザ・リヴィエル!』

 

「…!?」

 

同時に彼女の右腕にKP-210に酷似した砲身とレーザー射出器が現れ、フェイツへと巨大なビームを浴びせた。爆発ののち、ふらふらと雛がその姿を現す。

 

「おおっと、逃げられると思わないでくださいよ!」

 

そんなことを言ったかと思えば、腕で壁に叩きつける形で、雛の首を押さえ込んだ。にとりが目を見開き、痛む身体へと鞭打って立ち上がる。

 

「…にとりのアレはまあ河童の技術で納得行きますよ。でもあなたはデザインとか以前にシステムが根本的に別の者に作られたと思しきものを使ってましたね。誰のものですか」

 

「言うもんですか…」

 

「なるほど命は惜しくないと…!!」

 

「やめろ!!…天人だ、比那名居天子だ!!」

 

苦しむ雛の姿に耐えきれず、にとりが言葉を放つ。それを聞いて仮面の下で満足げに笑うと、今度はにとりへ近づいた。

 

「じゃあ、天子さんはどこに?」

 

「…天界。有頂天だ」

 

「いい子ですね。じゃあ向かうとしましょう」

 

『サブジュゲーター!』

 

「これなら天界にも行けますかね」

 

そして左脚にアーマーを展開したかと思えば、空間に青娥のように穴を開け、姿を消してしまった。身を引きずりながら、二人は悔しげに顔を歪める。

 

「…間違いなさそうです」

 

そうしてたどり着いた天界では、どうやら天子は留守のようである。比那名居邸へと入り込み、白昼堂々空き巣を始めた。真っ先に天子のコンピューターを見つけ、機材にデータを取り込んでいく。

 

「完了っと!」

 

「…逃しはしませんよ。はぁ、なんだって休みの日に泥棒なんて来るんでしょう」

 

去ろうとする椛の目の前で、心底面倒臭そうに衣玖が立ちはだかった。睨み合いつつ、両者エラーブルローダーとターンブレイカーを構えた。

 

『scanning user authentication 』

『リヴィエル!』『アルナブ!』『ターンブレイカーズ!』

 

『get started!』

 

出現したミュンテーションベルトへと3つマスカレイドコアを挿入し、対し衣玖もUSBをターンブレイカーにセットした。そしてほぼ同時に変身シークエンスを終える。

 

「変身!」

「醒妖…」

 

『link!5…4…3…2…1…change Material』

『turn on!』

 

機械の塊が装備を形作ると同時に、静かに黒と青を基調にしたアーマーが衣玖にまとわれていく。装備が増えたエラーブルを前に、赤いリボンたちが揺れる。

 

『complete ヘンカ!ショウカ!止まらぬシンカ!カメンライダー・エラーブルブレイカー!』

 

『dragonic girls!レガレクス!』

 

「とうっ!」

 

「だあああああああ!!!!」

 

レガレクスがターンブレイカーを構え雷撃と共にパンチを繰り出すが、同時に至近距離砲撃が叩き込まれる。さらにはアルナブをもとにした光弾まで飛び交う。

 

「こう言うおまけもあるんですよ!」

 

「…!?」

 

そう言ったかと思えば、エラーブルの手の上にレガレクスのUSBが現れる。これがターンブレイカーズマスカレイドコアの力である。驚くレガレクスを前に、ベルトの残り一つのスロットへ差し込んだ。

 

『レガレクス!ファントムフィニッシュ!ザ・レガレクス!』

 

「でやああああああ!!!」

 

「うぐぅあああ!」

 

そうして一回転ののち電撃をまとったキックを叩き込み、爆炎とともに吹き飛ばした。気を失う衣玖へ煽り気味に別れを告げると、地上へと戻っていく。

 

 

 

「あ、お目覚めですね!」

 

蓮子が目を開けたと同時に、その視界に赤い髪が入る。起き上がってみてみれば、巨大な図書館である。自分へと視線を合わせる小悪魔に会釈を送ると、同じく目を覚ましつつある相棒の方へ視線を向けた。

 

「ここは……」

 

「紅魔館です。レミリアお嬢様やメイド長とは会っているはずですね」

 

「ああ、ええ、会っているわ。でも地下に図書館、それもこんな大きいのがあるだなんて」

 

そうして興味深げにあたりを見回すと、その視界にパチュリーが入る。彼女もこちらに気づいたらしく、のっそりと歩き始めた。

 

「…パチュリー・ノーレッジ。親友のレミィが世話になってるわね」

 

「…あ、ときどきレミリアが言うパチェって」

 

「私よ。あの子外で私の話を…」

 

「まああなたのこと知らなかったんでよくわからなかったですけど…大抵愚痴に見せかけた自慢でした」

 

「…ふん、余計なことを」

 

どこか照れ臭げに言いながら、秘封倶楽部の二人が寝るソファの前にテーブルを挟んで置かれた椅子に座った。コーヒーを口に運びながら、読書を再開する。

 

「しかしあのネコの子もまだ未熟だったのねぇ」

 

「橙ちゃん。忘れたらかわいそうよ。私たち帰る予定だったんだけどね…」

 

どこか残念そうに起き上がり、二人はソファへと座り直した。二人の言葉を聞き、パチュリーはどこか訝しげな表情になる。

 

「八雲藍の式神にやらせたのね。彼女を擁護するってわけじゃあないけど…、今博麗大結界には妙な呪文がかけられているわ。そのせいよ、きっと」

 

「あら、じゃあ橙ちゃんは悪くないのね。ごめんなさーい!!」

 

『ホントよ!』

 

空に向かって謝るような様子を見せたかと思えば、どこからともなく返答が返ってくる。あたりを見回す蓮子であったが、メリー、パチュリー、小悪魔、三人揃って蓮子を見ていた。

 

「え…どういう………まだるっこしいわね!!この体ちょっと借りるわよ!」

 

「…蓮子?」

 

「違う!私は橙さ!」『…な、なによ』

 

瞬間、蓮子は急に様相を変える。メリーが覗き込むが、その様子と漏れるように聞こえる声から蓮子が橙に体を奪われている状態なのは容易にわかった。柄にもないモーションで動き回る相棒に複雑な表情をしながら、心配げである。

 

「まあいいじゃん!しばらく借りてるわ!そうだ、外に出ましょう。藍様とか私の体が心配だわ!」

 

「…そ、そうね。ちゃんと蓮子は解放するんでしょうね」

 

「そりゃそうよ!」

『じゃないとマジで困るわ』

 

そうして小悪魔の丁寧な見送りを背に、二人は外へと駆け出していった。レミリアに挨拶をしようとするものの外出中とのことだ。残念そうに紅魔館を出た時、空から影が降りてきた。

 

「…あんたらは」

 

「天狗さんじゃないですか!この前の電波女の件は…」

 

「ふぅーん、こっちの世界の私と交流ありかぁ」

 

そう語ったはたての腰には、バックル状の外骨格が出現していた。そしてゆっくりと駆け出して加速するそこへ、横切るようにオウカオーが停車した。ヘルメットを外しながら幽々子と妖夢が降り、二人が同時にベルトを装備する。

 

「結界が変だと思ってみれば…あなたはどうもこっちの世界の子じゃなさそうね」

 

「…その異世界というのがよくわからないのですが。まあ幽々子様がそう言うなら敵でしょう」

 

『人か霊か?』

 

「変身!」

「変身♪」

 

『Mai bloom!Selezo!』

『変・身・承・知!ヒトノカタ!』

 

ブロッサムと桜刀が同時に剣を構え、はたてへとじわじわと近づいた。同時にはたても軽めにポーズをとると、その姿を変えながら駆け出す。

 

「…変身!!」

 

そうしてその肉体が変化していく。深紫の外骨格をメインに、体系に沿った姿で、黒や白が差し色に入り、ブラウンが頭部へと入る。ツインテールに見えなくもない頭部飾り含め、それはまさに姫海棠はたてであった。

 

「そうね…名づけるならば、仮面ライダーグラフィ!」

 

爆誕したグラフィはブロッサムと桜刀の斬撃をかわし、二人の背中に拳を叩き込む。さらに手に持ったガラケーが変化し、スマホ型メリケンサック『ストライクフォトグラフ』へ。強力な拳をぶつけ、さらには光刃が追い詰めていく。

 

「けっこう…強いじゃないの」

 

「…助けに入るわよ橙。変身!」

 

『dream night fantasy!』

 

グラフィの背後にヒールが入る。ナイトメアがその姿であり、テレガンでの中距離攻撃を行う。だがグラフィにたいした怯みは見られない。さらにはストライクフォトグラフを銃モードに変型させ、銃撃戦を展開した。

 

「くそっ…それなら!」

 

膝をついたヒールがドロップを読み込もうとするが、それさえ妨げられる。その隙に桜刀が斬り掛かり、ブロッサムは銃撃を放った。が、グラフィは黒の翼を展開してその攻撃を避けてしまう。

 

『…どうすればいいのかしら』

 

『さあね…』

 

「藍さんも居なくて………!」

 

バックルの中で話す蓮子と橙を見て、メリーは何かに気づいたようである。おもむろに紫のライドレンズを取り出すと、青に取り替える形でバックルに挿入した。

 

「…橙。あなた他人の体の操作できるのよね」

 

『できるけど…』

 

「OK。じゃあいけるわ!」

 

『look the fantasy!』

『オレンジ!』

 

戸惑う蓮子を横に、メリーはレバーを押し込んだ。飛び出した蓮子とメリーの体が融合していき、ライダーのスーツが装備されていく。さらにライドブレスにガジェットガラパゴスをセットした。

 

「これにはシステム演算補強昨日があるわ。…さあ、せーので大変身よ。せーのっ!!」

 

「「『大変身!』」」

 

『we are scratching night fantasy!』

 

そうして融合体が構えた瞬間、その身に赤と黒をメインとしたアーマーが装備された。猫耳が目立つその姿はまさに橙である。右腕にクローが装備されており。180°回す形でマウントされている。

 

『…ヒールの、新しい姿?』

 

『橙が居る間の期間限定フォームよ!」

 

「「急だなぁ…まいいや、暴れてやるさ!」」

 

『OK!腰にあるグリップを取るのよ!』

 

メリーの言った通りヒールは二つのグリップを手にする。右手で握ったライドグリップのトリガーを握ると同時にクローが展開。さらに左手のライトニンググリップを握ると、ガジェットガラパゴスから電撃をまとったエネルギークローが飛び出た。

 

「「いいねこれ、イケる!」」

 

そうして構え直し、グラフィへとクローを食らわせていく。大きいものではないが確実に怯みを見せたかと思うと、続けて連続引っ掻きを叩き込んだ。

 

「「にゃにゃっ!!」」

 

「…っと、さっきよりかは効くじゃないの!」

 

余裕の態度ではあるが、勝っているというわけでもない。拮抗したその状態に桜刀が斬り込んでいき、さらにブロッサムから舞うような連撃が入った。今度こそグラフィは確かに怯みを見せる。

 

「…ったく」

 

そうボソッと言ったかと思うと、グラフィは今一度構え直し、拳での攻撃へと切り替えた。ヒールとの押し合いにはギリギリ勝ち、がら空きの胸に拳を叩き込む。さらに桜刀とブロッサムには銃撃をぶつけ、回し蹴り。転げ回る二人を背に、ヒールへと迫った。

 

「本気出させてくれちゃって…!」

 

そうして駆け出したその瞬間、スライダー形態のチェイスナイターがグラフィへと突進をかました。空を舞って軽く避けるが、思わぬ援軍である。上に乗った化け猫姿の藍はサムズアップを送り、チェイスナイターをヒールに渡した。

 

「「ありがとうございます藍様!」」

 

『礼には及ばないさ』

 

「乗り物が増えたからなんなのよっ!!」

 

そう言って、グラフィは翼で加速しながら接近する。対しヒールはチェイスナイターの上に立ち、すれ違いざまに爪をぶつけた。転んで姿勢を崩したグラフィを前に、アタックドロップを読み込む。

 

『spinning eyes!』

『dash eyes!』

『punch eyes!』

 

「「ライダードリル!!!」」

 

そして発進したかと思うと、急ブレーキで飛び出す。さらにその腕をまっすぐ伸ばし、横回転。まさに全身をドリルにするような攻撃で吹っ飛ばした。

 

「行くわよ妖夢!せーの!」

 

「はいやぁ!」

「たぁ!」

 

さらに吹っ飛ばした先で、二人が斬撃攻撃を繰り出した。さらにダメージを負ったようであり、グラフィは膝をつく。しかし三ライダーみな疲弊しているが、グラフィはその様子は見せない。軽い調子で飛ぶと、ヒールの必殺が当たった場所だけをゆるくかばいながら立ち上がった。

 

「残念だったわね!このまま………あ?もしもし!ん?え?ああ、はいはい。人使い荒いわねまったく」

 

トドメを刺してやろうと構えるが、同時に文からの連絡である。何かを話したかと思うと、あたりに銃撃を飛ばして去っていってしまった。悔しげに膝をつきながら、少女たちはその様子を見送る。

 

 

 

 

「ったく…よく飽きないわね!!」

 

「使命だもの!」

 

同じ頃、魔法の森では相変わらずのリライvsエレンツが展開されていた。横でラビとフールも戦っているが、アリスはそれを意に介さない。ただ黙々と二丁拳銃でリライを追い詰めていく。

 

「オラオラどうしたチルノぉ!!その程度じゃあたいにゃ勝てないぜ!」

 

「うっさいわね…!!」

 

そうして弾幕と光弾が飛び交う中、突如ラビがどこかへ視線を向ける。本来なら隙だが、そこは妖精のおつむである。ピースもそちらへと目を向けた。

 

「椛が…椛を運んでる…?」

 

「偽物じゃないか?」

 

「何でもいいわ!」

 

「えー、あんなのほっといてあたいと遊ぼうぜチルノ!!」

 

駆け出すラビを抑えたことにより、再びラビvsフールとなってしまう。だがその騒ぎをリライとエレンツも見ていた。さすがはヒーローということもあり、一時休戦という形で椛を呼び止めた。

 

「…あんた」

 

「うげっ。人通り少なめなとこ選んだんですけどねぇ……。ま、いいか」

 

『scanning user authentication 』『リヴィエル!』『アルナブ!』『ターンブレイカーズ!』

 

「変身!」

 

『link!5…4…3…2…1…change Material』

『complete ヘンカ!ショウカ!止まらぬシンカ!カメンライダー・エラーブルブレイカー!』

 

素早くシークエンスを終え、ライダー達の頭上を飛び上がる形でアーマーを装備する。すぐ横ということもあり、ラビはブリザードダイヤモンダーを向け、連続射撃を繰り出した。

 

「煩わしい…!」

 

「…!!」

 

そしてエラーブルがフォールバスターを向けたと同時にラビはフールを盾にして攻撃を防いだ。エラーブル的にはどうでもいいので、そのままフールへとウイルス弾を当て、さらには斬撃もぶつけていく。

 

「…動きづらい!?」

 

「そうですよ〜。さて、データももらったことですし、このまま変身できなくなってもらいます」

 

『エラーブル・バスターブラスト!』

 

「たぁっ!!」

 

続けて放ったウイルスの塊のような光弾を、フールは避けようとする。バグにより動作は不良であるが、ギリギリでエレンツを盾にすることに成功した。瞬間、エレンツのアーマーが弾け飛び、一切の怪我なくアリスが変身解除に追い込まれた。

 

「…ベルトが反応しない!?」

 

「そりゃそういうウイルスですからねー」

 

さらにエレメンツドライバーから一瞬でデータを回収し、メモリへ。ミュンテーションベルトへセットしたかと思うと、必殺を発動させながらリライの方へ駆け出した。

 

『エレンツ!仮面ライダーフィニッシュ!ザ・エレンツ!』

 

「とぉーう!」

 

そして左足に生まれたツインツインガンのような砲身で蹴り、W・カオスに変身する暇すら与えず至近距離で発射した。ぶっ飛ばされながら変身解除に追い込まれるリライへとラビは駆け寄り、心配するような様子を見せる。

 

「ルーミア…」

 

「…あー、いってー。あとは任せるのだー」

 

「任せるって言われてもなぁ…」

 

「勝てませんしねぇ?」

 

煽りげに言うエラーブルを睨みながら、ラビは銃口を向けた。しかし華麗な様子で攻撃をかわすと、オータムブレイドで一撃。怯んだ彼女へと、追い打ちで必殺を発動した。

 

『エラーブル・ブレイドスラッシュ!』

 

「でや!」

 

「うぅっ!」

 

「…この剣はやっぱ直接データ取れるのが便利ですねー」

 

爆発を起こして倒れるラビを背に、今度はフールの方を向く。果敢に駆け出すフールであるが、誰が有利かは目に見えた状況である。無慈悲にも先程の斬撃で作ったフールマスカレイドコアをオータムブレイドへとセットした。

 

『フール・ブレイドスラッシュ!』

 

「だあああ!!」

 

「うぐあああ!!」

 

すれ違いざまに炎を纏った横切りを叩き込み、一発にしてフールを変身解除へ追い込む。ご満悦の様子で去ろうとしたその時、ちょうどあたりを歩いていたメディスンがその様子を目撃した。

 

「…これは」

 

「ちょうどいい、データ貰いましょうかね」

 

「逃げなさいメディスン!!勝てないわ!!」

 

メディットブレスを構えるが、アリスの声を受けてメディスンは後ずさった。そんな彼女に、アリスは全力で何かを投げ渡す。キャッチして見てみれば、何かの鍵である。

 

「…部屋の中に入って!私からのプレゼントよ!!そこのバイクも貸すわ!!」

 

「注文が多いわね!!」

 

ゆっくりと歩みの速度を速めていくエラーブルに背を向け、メディスンは駆け出した。しかし歩幅が違いすぎる。言葉に甘え、メディスンはドールシャイナーに飛び乗って発進した。トライサイカーと同じくアリスであることもしくは人形であることが条件である。簡単に起動した。

 

「全く…!」

 

そうして追いついてやろうと踏み出した時、アリスが後ろから組みつく。何事かと驚くエラーブルであるが、すぐにエラーブルローダーを抜き取られ、椛をへと戻ってしまった。アリスは得意げにエラーブルローダーをタッチする。

 

「頂いたわよ!」

 

『error』

 

「…え?」

 

「指紋認証ですよ。貴女じゃ変身できないんですよね!!」

 

得意げに言いながら、アリスへと殴りかかった。しかし素直にやられるアリスというわけでもない。それなりに格闘戦を展開する。

 

「甘いわね!」

 

「…!」

 

目の前にドール爆弾を投げつけ、さらにはゴリアテ人形まで呼び、弾幕までも広げての総力戦である。椛も椛で盾でのガードや剣での跳ね返しなど使える限りを使って対抗した。

 

「たぁっ!!」

 

「はうあっ…!」

 

しかし、哨戒というのも体を張った仕事である。格闘に持ち込めばほんの少しであるが椛が優勢である。たまたま空いた右頬へフックをねじ込み、エラーブルローダーを奪い返した。

 

「くそっ、時間は稼がれましたね…」

 

そう吐き捨ててアリスにヤクザキックをかますと、その場を去ろうと踵を返した。だがその前に、今一度クラウンピースが立ち上がった。椛を睨みながら、アルカナドライバーを装備した。

 

「緊急用の切り札だけど…。今は超の付く緊急事態だよなぁ?いくぜ、ルナティックタイムだ…」

「…はぁ」

 

『SUN』

『リヴィエル!』『アルナブ!』『エレンツ!』『ラビ!』

 

「変身!!」

「…面倒ですねー。変身!」

 

『RISING!GURO-RIASU!超・高・熱!太陽の一手!審判の業火!』

 

『complete ヘンカ!ショウカ!止まらぬシンカ!カメンライダー・エラーブルブラスター!』

 

強烈な閃光があたりを包み込んだと同時に機械が鎧を組み立て、フールとエラーブルが睨み合う形で変身を終えた。

フール、サンフォーム。太陽らしく全身が燃え盛るようなデザインであり、目はオレンジとイエローのオッドアイだ。一本角のような姿が目立ち、さらには背後には巨大な炎の光輪がきらめく。

 

「姿が変わろうと無駄ですよ!!」

 

「どうだかな。あたいは無性に腹が立ってるんだ。奴らとかはもうどうでもいい。あんたを倒す!!」

 

二人同時にパンチを繰り出し、拳と拳がぶつかり合う。エラーブルは今だとばかりに光弾を放つが、効いている様子ではない。高熱を力とするサンフォームには無駄であるのだ。

 

「どりゃりゃりゃりゃ!!」

 

「うおっと…あちちっ」

 

「その程度で済まさねぇぜ!!」

 

さらに蹴りも交え、炎での激しめの攻撃である。あれほど脅威であったエラーブルが、はっきりと押されつつある。敵であるフールであるが、アリス達はなかば応援しているようでさえあった。

 

「だったら!!」

 

「二度も三度も食らうかっつーの!!コンピューターウイルスとかいうが…実態があるなら!!」

 

続いてウイルス弾を連続で放つがフールの放った爆熱によって消滅してしまう。目を見張って驚くエラーブルへパンチを叩きこみ、さらにその手からフォールバスターを弾き飛ばした。

 

「それなら水妖エネルギーですっ!!」

『リヴィエル・ブレイドスラッシュ!』

 

「無駄だっつってんだろ!!」

 

続けて水をまとった斬り付けを放つが、熱によって蒸発し、ただ煙を生むのみ。悪い視界の中、光を放ちながらフールは拳を叩き込んでいく。エラーブルもすぐやられるほどヤワではないが、確実にダメージは入っている。

 

『太陽の一撃!』

 

「であああああああああ!!!!」

 

「…ったく!」

『リーヴス!ファントムフィニッシュ!ザ・リーヴス!』

「ウオオオオオオォォォン!!!!」

 

炎をまとった飛び蹴りに対し、エラーブルはターンブレイカーの椛怪人の技を読み込んだ。飛行バインドの攻撃ゆえ、フールは地面に落ちる。が、その勢いままにドロップキックを叩き込んだ。吹っ飛ばされたエラーブルが膝をつき、フールは着地した。

 

「ぐぅっ…」

 

「このままぶっ殺して……!?」

 

さらにフールが詰め寄ったそのとき、突如彼女は歩みを止める。そして猛烈に熱がりながら、うごめき始めた。その様子を見てエラーブルは仮面の中でニヤリと笑う。

 

『フール!仮面ライダーフィニッシュ!ザ・フール!』

 

「もっと燃えるといいですよ!!!」

 

そして炎の蹴りを叩き込むと、フールはさらに苦しみ始める。オーバーヒートだ。ついに耐えきれず爆発するようにスーツが燃え尽き、ピースはあたりの草の灰の上に倒れ伏した。

 

「…やれやれ、焦らせてくれましたね」

 

そんな捨てゼリフとともに、ウイルス弾をアルカナドライバーへと撃ち込み、完全に機能停止へ。そして今更メディスンの後を追って宙へ舞った。

 

「…やっと追いつきました。アリス邸にご用ですか?」

 

「!!」

 

ドールシャイナーを停めて家に入ろうとする彼女を見つけ、エラーブルは迫っていく。そんな時、彼女の道を塞ぐようにレーサートリニティが停まった。乗るのは文とはたてである。

 

「なーに油売ってんのよ。ほらあんたと文はやることあるんでしょ。さっさと向かってなさい。…こいつの相手なら私がする」

 

そうして文と椛を送ると、バックルを出現させながらはたてはトライクを降りた。メディスンもメディットブレスを腰に装着し、睨み合いつつ距離感を作る。

 

「「変身!」」

 

『GRADE UP……… FAZE2』

 

直接スターライトペンタスに変身し、高速で飛びかかって蹴り込んでいく。同時に変身を終えたグラフィも腕で防御し、隙をついて拳をぶつけた。

 

「いったいわね…。肌ってかこの外の硬いとこ溶けてんじゃないのよ」

 

「…治ってる」

 

「そうね、結構すごい治癒力ね。グラフィ、ますます気に入った!」

 

毒で焼けたはずの外骨格はすぐに治っていき、毒のダメージには期待できなさそうである。今度はランチャープルーネラでの爆撃を繰り出していくが、空を舞ったグラフィに簡単に避けられてしまう。

 

「くっ…!!」

 

メディスも高速で空を飛びながら攻撃を放つが、避けられるかダメージが少ないかである。さらには直線移動のタイミングで銃撃を当てられ、墜落した。

 

『INCREASE EFFECT』

 

「当たれッ!!」

 

「バレットカッティング!」

 

今度は空中のグラフィへと連続射撃である。だが、グラフィはストライクフォトグラフのカメラを起動。撮影と同時に光弾が消失した。

 

「なによそれぇ!!」

 

「さあね!!」

 

悪態をつきながら構え直したメディスへ、グラフィは急降下パンチを叩き込む。吹っ飛ばされたと同時に、メディスの装甲の毒の流れが不安定になった。

 

「…鎧の負担が。ならっ!」

 

『GRADE UP……… FAZE1』

 

これ以上スターライトペンタスで戦っていられないと、今度はブラッドリリィへフォームチェンジする。そして今一度エクスブライガンを向け、今度はアイスドロップでの銃撃を行った。

 

「っと!!」

 

イナバウアーの姿勢で避けながら、グラフィはメディスへと向かっていく。着弾地点の木が凍ったのを確認しつつ、殴り込んでいく。さすがにスターライトペンタスよりも下位のフォーム故に、さきほど以上に押され気味である。

 

「フン、弱いわね!!」

 

「くっ…」

 

一撃自体の威力はスターライトペンタスより高いが、それでもダメージには不十分な毒である。蹴り上げをもらい、ごろごろとその場を転がった。

 

「もう終わりにしましょ。ウィンドフルホーミング!!」

 

「くそっ…」

 

さらに、グラフィが技名を叫んだと同時に、ファインダー型のエネルギー体がメディスを狙った。そしてそのまま飛び蹴りを放つ。バックステップでかわすが、軌道を一気に変え、追跡する形でメディスへとヒットした。

 

「うぐぅああ!!」

 

「よいしょっと」

 

爆破ののち、メディスンがそこに転がる。もう用はないと踵を返した、そんな時。

 

『Two systems down…. Reloading…emergency treatment. Unlock prototype』

 

「…あ?」

 

「…これは?…頭が………阿弥…。…?だれよそいつ…ううっ…」

 

メディスンが頭を抱えながら立ち上がる。同時にメディットブレスからカプセルが飛び出し、慌ててそれをキャッチした。謎の記憶が反芻するなか、涙とともに彼女はそのカプセルをセットし、パーツを畳んだ。

 

「…変身」

 

『GRADE UP……… FAZE0』

 

ビキビキと赤いラインが血走り、拘束具のようなアーマーが装備されていく。それは間違いなく仮面ライダープロトメディスで、フォーム名で呼ぶなら…プロトリリィというところか。

 

「行けるって気はしないけど…!!」

 

拳を構え直すと、今一度グラフィへと殴りかかった。腕でガードする彼女であるが、どうやら毒は強力で、先ほどと違い一瞬ではない。さらにメディスが攻撃を止めるわけでもないので、追っつかずどんどんと肌は焼けていく。

 

「なんなのよこいつ!」

 

「こっちが知りたいわよ!」

 

今度は双方銃を構えての銃撃戦である。これに関してはやはりグラフィの方が有利であり、彼女はこちらで戦うことに。それならばとメディスも得意な戦い方を繰り広げることにし、近接格闘へ持ち込む。

 

「うぐぁ…!」

 

「手間かけさせてくれたわね…!!」

 

『INCREASE EFFECT』

 

「ライダースラップ!!!」

 

グラフィが一瞬見せた怯みに対し、メディスは思いっきり平手打ちを叩き込んだ。後ずさって木に背をつけながら、グラフィは苦しみの声を上げる。

 

「あぁ…うぅっ……うあああああ!!!」

 

「…くっ」

 

しかし同時にエネルギーが切れ、メディスの方も変身が解けてしまった。とはいえグラフィも反撃できるような感じではなく、そのまま飛び去っていく。

 

「…やれやれ」

 

ため息をつきながら、メディスは膝をついてひとまず安堵の吐息を吐いた。

 

 

 

 

「ぐぅっ!!!」

 

守谷神社にて、攻撃の末変身解除に追い詰められ、這いずりながら早苗はエラーブルを睨みつけた。対しそれを意に介さない様子で、何か巨大なマシンを起動させる。

 

「…文さん、あなたの方の準備もOKですか?」

 

「ええ、始めましょう!これがステップ1よ!」

 

そう高らかに叫んだ瞬間、守谷神社を中心に気候が変化していく。葉もオレンジに染まっていき、その季節は一気に秋へと変動した。神社に居るものに限らず、幻想郷中がざわめきはじめる。

 

「季節があっちに揃って…融合の準備完了。ほらほら、見えてきたわ!!」

 

「おぉ…エニグマとかいうマシンはすごいんですねぇ。あと48時間でしたっけ」

 

そう言って見上げる上空の遠方には、もう一つの幻想郷が迫っていた。ぶつかるその瞬間を心待ちに見上げていたが、突如その動きが止まる。

 

「…これは」

 

「誰かが融合の時を止めたんだわ。紅魔館のメイド長か輝夜さんとかね」

 

「どうします?」

 

「消しましょう。行きますよ!」

 

そうして、二人はレーサートリニティに乗り込んだ。




フォーム名:セカンドモード
概要:蓮子とメリーの体が完全に融合した形態。しかし意思の主導権の関係で操作できずにいたのだが、なんか取り憑いていた橙に操作させる形で解決した。
グレーの素体の上に赤と黒の軽いアーマーを装備する。頭部は紫のツインアイと茶髪風のデザインと耳風のデザインが特徴的。
武装:
『ライトニングクロー』
ガジェットガラパゴスから飛び出る電撃ビーム三本爪。オーズのトラクローに近い。ライトニンググリップで操作する。
『ライドクロー』
右腕のクロー。ライドグリップで操作する。
変身アイテム:
『ライドブレス』
ガジェットを接続出来るブレスレット。ガジェットを充電できる以上の機能はないが、スーツに接続することが出来るのを応用的に利用している。
『ガジェットガラパゴス』
システム制御補助機能により、橙が二人の体を操作するのを支えている。
『ライドレンズ』
菫子が開発した紫色の物。二人が完全に融合できる。
変身シークエンス:
1:片方がベルト巻く。蓮子とメリーどっちでも良し。
2:ライドブレスを巻きつけ、ガジェットガラパゴスを接続する。
『オレンジ!』
3:ライドレンズを挿入する。
『look the fantasy!』
4:橙の「変身!」の掛け声と同時にレバー押し込み。
『we are scratching night fantasy!』
必殺技:
「ライダードリル」
チェイスナイターで飛び出したのち、手を突き出して高速回転でゴリゴリ攻撃するフォーム。



アルナブが先行登場ライダー、クラピのサンフォームが先行登場フォームですね。そして上記セカンドフォームが劇場版限定フォームってわけです。
プロトメディスの登場は予想外だったのではと思います。
いやーしかしずっと戦ってますねぇ…。特別編なんだしそういうもの!許せ!
いつもの1.5倍ほどなので、後半もこうなら大体冬映画と同じ尺ですわな。ちょうどよし。
そういうことで、次回の後半に続く!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。