幻想仮面少女   作:さわたり

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なんか色々コメントいただけました
後半も感想くるといいなー


劇場版幻想仮面少女 後悔の山 後編

「…さて。貴女達に任せていいかしら?」

 

「ヤバけりゃ連絡するわよ」

 

「それは心強い。頼んだわよ」

 

勇みながら三人してレーサートリニティに乗り込んだがいいが、誰かはここに留まるべきということに。守谷神社にてエニグマXを操作することになったのは文であり、椛とはたてがトライクに乗り込んだ。

 

「……あら、お出迎えとは有り難いですね」

 

「馬鹿ってのも居るものねぇ」

 

そうして少し進んだ先にて、レミリアと妹紅が立ちはだかる。その視線から、戦う準備はできているようだ。輝夜と咲夜にやらせた時点で、二人とも命を狙われるという事はわかったようである。

 

「やっぱなんかする気だったらしいね。悪いけど輝夜を殺すのは私だよ」『over change!』

 

「オイラ達の予想通りだぜ」

「こっちは守んなきゃいけない大事な部下がいるものでね」『覚醒!』

 

「「変身!!」」

 

『burn up complete!phoenix feather!』

『ジェ・ヴォー・ダン』『ワーラーキーアーッ!ヒャッハッハッハー!!』

 

「燃え尽きてもらうよ!」

「さぁ、楽しい殺戮を始めましょう…」

 

変身を終えて歩み寄る二人。はたては椛に目配せをしたかと思えば、変身の準備をしながらゆっくりと近づいた。椛もまたミュンテーションベルトを出現させ、準備完了である。

 

『リヴィエル!』『フール!』『エレンツ!』『ラビ!』

 

「「変身!」」

 

『complete ヘンカ!ショウカ!止まらぬシンカ!カメンライダー・エラーブルバースト!』

 

そうして、二対二の勝負が始まった。ウイルス弾をばらまくエラーブルであるが、ジェヴォーダンがガードし、駆け寄って殴りかかった。そしてフェネクスはグラフィへ向かう。

 

「そうか…。肉体変化と単なる鎧!あなたたちにこの銃弾は効かないわけですか」

 

「どうやらね…!」

 

距離を寄せながら、ワラキスピアーとグングニールでの二槍流で一気に斬り込んだ。対しエラーブルは避けながら距離を取り、砲撃を連続で放っていった。だが、ジェヴォーダンは動じない。

 

「やっぱ結構防御力あるんですねぇ…」

 

「一応そのつもりよ」

『ワラキアカーニバルッ!!ワラキスピアー!』

「はッ!」

 

今一度エラーブルが離れたタイミングで、ジェヴォーダンは必殺を発動。思いっきり槍を振り下ろし、同時に地面から大量の槍が飛び出た。

 

「いででっ…!やれやれ…!!」

 

いくらかダメージを食らいつつも立ち上がるその上で、フェネクスとグラフィによる高度な空中戦が展開されていた。チェイスブラスターによる高温砲撃を避けるなりファインダーで切り取りながら、グラフィが銃弾を放つ。

 

「危ないね…!!」

 

「そいつはこっちのセリフ!」

 

フェザーシューターを撃ち落としつつ、グラフィは近接戦を仕掛けた。しかしナックルという武器さえも同じ状況だ。バーンスマッシャーとストライクフォトグラフがぶつかり、両者体勢を崩した。

 

「くっ…」

 

「やれやれ…」

 

しかし相手のスピードや性能もあり、少しだけグラフィが優位をとった。落下していくフェネクスへ、ファインダーが現れ、爆発することで追撃を加える。地面に叩き出されつつも、フェネクスはすぐに体勢を直した。

 

「…熱いんだけどな、これを使う他なさそうだ!」

 

『limit over change!』

 

『zero ignition…』

 

「おえっ、煙ったいわね……!!」

 

煙を払うグラフィの前で、フェネクスはグリップを握りこんだ。同時にフェザーチェイサーがグラフィに突撃していき、さらに凄まじい熱量がフェネクスを覆った。

 

『burn up complete!zero phoenix!』

 

「ったく…」

 

そしてゼロブレイズへと姿を変え、グラフィへゆっくり近づいていく。その状況に、彼女は不利を感じた。

 

「ったく…」

 

「見つけましたよ。白狼天狗も変身してます!」

 

さらに援軍としてブロッサムと桜刀まで駆けつけた。それぞれグラフィとエラーブルの方に向かっていき、戦況はさらに混沌としていく。

 

 

 

 

 

「…援軍が来ちゃった上妹紅さんが強い?ハイハイなるほど」

 

はたてからの連絡を受け、文はエニグマXに問題がないことを確認したのち山を降りるべく駆け出した。しかし彼女の元に、左右を邪魔する形で二人が現れる。

 

「…さて、こっから行かせないわよ!」

 

「我々の叛逆に邪魔なんだよ」

『『get started!』』

 

針妙丸と正邪である。二個同時にターンブレイカーを起動したかと思えば、片方を針妙丸に投げ渡し、自分はもう一方を構えた。

 

「醒妖!!」

「醒妖」

 

『turn on!little girl!ラルジュネヌ!』

『turn on!chased girl!リヴァーシブル!』

 

そして現れたのはラルジュネヌと、正邪のリヴァーシブルである。赤と白をメインとしたデザインが、刺々しくきらめく。そして二人は同時に駆け出し、針とクローを構えた。

 

「…なるほど。ちょうどいい、カースの完成祝いです。肩慣らしでもしましょう」

 

「舐めてくれるねぇ…!!」

 

二人の前で、こちらの世界の文から剥ぎ取ったプレカースのバックルを取り出す。そしてハーフカースのものと合体させ、カースドライバーを完成させた。

 

「じゃ、行きましょうか」

 

『RIZAREKUTO ON』

 

近づいてくる二人の前でカラスの側頭部のようなバックルの口を開き、ボタンを押した。同時に黒い術の文字列と赤い魔法陣が彼女を飲み込み、仮面ライダーカースが誕生する。赤黒い和洋折衷な外見が特徴であり、ところどころ漢字の意匠も見られる。

 

「さて、お二人の復讐のお手伝いといきましょう」

『その前にあなたの悲願があるのでしょう』

『その後に暴れさせてもらおう』

 

「今ここで負けるやつの態度じゃあねえなぁ!!」

 

飛びかかかったリヴァーシブルの写真を撮ると、そのまま流れるようにソバットを放った。怯んだリヴァーシブルに続いて突撃してくるラルジュネヌは、血の文字が描かれた剣『ノロイコロース』で迎えうった。転がるラルジュネヌも写真に納めると、二人の方へ顔を向ける。

 

「カッコいい鎧じゃありませんか。死装束にはもったい無いぐらい」

 

「勿体無いついでにあんたが死ね!!」

 

すぐさま起き上がったかと思えば、リヴァーシブルとの同時攻撃である。抜群のコンビネーションでの攻撃であるが、カースに効く様子はない。軽い様子で押し返され、さらには追撃までもらった。

 

「骨がないですねぇ!!」

 

『もういいだろう。トドメを刺してしまえ』

 

「ええ、そうしますよ!」

 

そうして、ノロイコロースを構え直し、二人に向かった。マスクの中で血相を変え、リヴァーシブルは駆け出した。そして、ターンブレイカーを押し込み、構える。

 

『リヴァーシブル!turning-breaking!salut!』

 

「たああああ!!」

 

爪をぶつけるような姿勢で飛びかかり、斬撃を食らいながらも詰め寄っていく。だがカースの斬り下げをもろに食らってしまい、爆発とともに倒れこんだ。

 

「正邪!」

 

「…来んな!姫は逃げて…!」

 

「誰が逃げるってのよ!」

 

「あーあーもう良いですって逃げてください。私は向かうところがあるんで」

 

息絶え絶えの正邪を背に、カースは翼を広げて舞った。エラーブルとフェネクスのもとにたどり着くのにそう時間はかからない。すぐに到着した。

 

「とぅ!!」

 

着地と同時にジェヴォーダンを斬りつけ、大きな隙を作る。土で固めたのち、エラーブルからの強烈な砲撃が叩き込まれていく。

 

「ちょうど良いですね、感謝しますよ文さん!」

 

『ラビ!仮面ライダーフィニッシュ!ザ・ラビ!』

 

さらには凍結弾によるガトリングである。全身が凍ったのち、カースとエラーブルの同時攻撃をもらい、変身が強制解除されてしまった。倒れ伏すレミリアを横目に、カースとグラフィは続いてフェネクスへ。エラーブルは白玉楼コンビの方へ向かった。

 

「だぁっ!!!」

 

「あづっ!!!はたてこの人熱い!」

 

「だーっ、強いって言ったでしょうーに」

 

続いてフェネクスに剣と拳での攻撃を繰り出すが、押している様子はない。それどころか同時にフェネクスのパンチをくらい、吹っ飛ばされてさえいる。構え直す二人だが、不利気味だ。

 

「ったく、世話が焼けますねほんとお二人は!私より年上でしょう!」

 

『エラーブル・バスターブラスト!』

 

「うっさいわね!」

 

「んだっ…これっ!」

 

噛みつきつつも、エラーブルの銃口の方へフェネクスが向くようにグラフィは仕向けた。急なことで避けきれず、ノイズが走ったのちスーツが消滅する。妖術で戦いを続けようとするも、グラフィの膝蹴りで完全に意識を失ってしまった。

 

「さて、あとはあなた方ですねぇ?妖夢さんに幽々子さん…!!」

 

「よし、じゃあ…」

 

「いえ、さっきからちょっとしか戦えてないし…試運転させて。私だけで結構!」

 

「信じていいんでしょうね…」

 

グラフィとエラーブルへそう告げて行かせたかと思うと、カースは桜刀とブロッサムの方へと向き直る。そして二人の写真を撮影し、怪しげに笑った。

 

「遺影なら撮ってあげました。これで存分に死ねますよ!」

 

「あいにくもう死んでるわよ」

 

ノロイコロースで斬りかかったのを、二人は楼観剣とトランスフロートで迎えた。剣としての優秀さもあり、押し返していくのは楼観剣である。ブロッサムは一歩引き、銃モードにて射撃を飛ばした。

 

「…痛いですねぇ!!」

 

「!!」

 

対しカースは、真っ先に攻撃対象としてブロッサムを選ぶ。ブロッサムはカースが地面から出現させた塔のようなオブジェにぶっ飛ばされ、転がっていった。心配して振り向いた桜刀を殴りつけ、怯んだ隙に斬撃を連続で叩き込む。

 

「くっ…!」

 

「サクラノカタでもあればねぇ……」

 

「あれは奇跡だと幽々子様も言ってたでしょう。いいから行きますよ…!!」

 

立ち上がって再びカースへと向かっていくが、確かにダメージをくらって行き、そのダメージは致命的なものである。もう一度膝をついた時には、もはや立ち上がる気力はなかった。

 

「…さて、終わりにしましょう」

 

そんな二人を前に、カースは構え直す。そうして駆け寄ったかと思えば、暴風とともに飛び回し蹴りを繰り出した。ブロッサムは咄嗟に前に飛び出ると、完全には防げなかったが盾になる形で桜刀を庇った。

 

「…嘆きと涙の復讐劇(ヴェンデッタ)

 

「うぅっ…!!」

 

「幽々子様ァ!!」

 

技名を静かに呟きながら、カースは着地した。片方のダメージが大きいとはいえ、二人とも食らったことには変わりはない。同時にその変身が解け、生身の妖夢は気絶してしまった。

 

「フフフ、私の勝ちですね」

 

「待ちなさい!」

 

そう笑って去っていこうとする背中に、幽々子は声を飛ばした。どうしたのかと視線を向けるカースの目の前でチェリムドライバーを投げ捨て、妖夢の腰からオビドライバーを外す。

 

「…まだ勝負は終わってないわ」

 

「盾になって妖夢さんを守ったというのにまだ戦いますか。フフフ、いいでしょう」

 

「あなたを逃すわけにはいかないのよ」

 

『人か霊か?』

 

「そんなの決まってるじゃないの!変身♪」

 

『変・身・承・知!レイノカタ!』

 

素早く装備をし、レイノカタへと変身した。これでも妖忌から習っていた身である。その構えと目つきは鋭く、いつものどの顔とも違う『剣士』のものであった。

 

「たあぁああッッッ!!!」

 

「おぅっ!?」

 

普段の声色から想像もつかない威嚇のごとき絶叫とともに、凄まじいパワーでの一撃を放つ。とっさに妹紅を盾にするが、その妹紅を真っ二つに斬り裂きながら、カースへと斬撃を叩き込んだ。

 

「…ごめんなさいね」

 

「幽々子…てめっ……」

 

リザレクション中の妹紅へと声をかけつつ、静かににじり寄っていく。間合いが掴めずカースは不安定な動きでノロイコロースを構えた。次の一撃を土壁でどうにか防ぐが、石程に硬い土の塊をバターの切ってしまい、そのままカースへ斬り込む。

 

「危ないですねっ…!」

 

「…はっ!!」

 

ノロイコロースですぐさま防ぐが、桜刀は鍔迫り合いはしない。ぶつかった瞬間、刃を引いた。カースによる斬撃が腹を切ったのち仮面にぶつかり、半分が砕け散った仮面はごとりと地面に落ちる。口から血を垂らしつつも、幽々子の目つきは変わらない。

 

「ふっ!!」

 

「ふぐぁっ!!」

 

肉を切らせて骨を断つというやつか。腹を抑えることもなく、むしろ力を入れて、渾身の斬撃を放った。ノロイコロースがばきんと折れ、驚愕する間もなく次が放たれる。

 

「私を舐めないでいただきましょう……」

 

「…ごぶっ」

 

しかし、カースが一瞬だが早かった。光弾を宙を舞う刃のかけらに飛ばし、その勢いままに桜刀の胸に突き刺さった。げほげほと血を吐き出す彼女の写真を撮りながら、文は変身を解いて木に寄りかかる。

 

「呪術入りの斬撃はどうでした?あなたは死にはしないようですが…死ぬほど痛いでしょうね…。いい顔してますよ、剣士の顔そのものです」

 

足取りのおぼつかないまま去っていき、幽々子の負けという形で終わってしまった。先に行かせた以上、二人に追いつくなら飛ばなくては。めんどくさそうに羽を広げた時、目の前には停車中のレーサートリニティが居た。

 

「待っててくれたんじゃないの…なんだかんだ優しいわねぇ」

 

「ちょっと息上がってますけど?」

 

「あんな余裕ぶっこいといてそれって…」

 

「それ言えばあなただって妹紅さん相手に!!」

 

「はぁ…ほら、行きますよ文さん、はたてさん」

 

二人がメンチを切りながら言い合うのを横目に、椛は運転席に乗り込む。呼ばれた二人も後ろに続き、トライクは発進した。

 

「…仲よくて結構です」

 

「なに、あんたも混ざりたいわけ?」

 

「誰が」

 

くだらない会話をしながらアジトへと向かってみるが、そんな三人の前に、誰かが立ちはだかった。急いでトライクを止め、警戒の眼差しを三人は向ける。そんな中、文だけは顔をしかめた。

 

「…隠岐奈さん」

 

「例の異変以来だねぇ、天狗の。というかお前たちみんな天狗だったか」

 

「その手のものは…」

 

余裕気味な態度で語る隠岐奈の手には、ターンブレイカーが握られていた。椛が前に出たのにあわせ、隠岐奈も準備を始める。

 

『get started!』

 

『scanning user authentication』『フェネクス!』『ブロッサム!』『リヴィエル!』『エレンツ!』

 

「他人の作品を借りるのは乗り気じゃないんだがね。醒妖!」

 

「知ったことですか…。変身!!」

 

『turn on!hidden girl!グランシャリオ!』

 

『link!5…4…3…2…1…』

『change Material』

『complete ヘンカ!ショウカ!止まらぬシンカ!カメンライダー・エラーブルエレメンタル!』

 

二人に同時にアーマーが着せられていき、仮面ライダーエラーブルと、怪人グランシャリオがその姿を現した。エラーブル剣を構えて斬りかかったのに対し、グランシャリオは掌底で跳ね飛ばす。

 

「どうした犬走椛。その程度か?」

 

「…っ!」

 

対しエラーブルはフェネクスの拳のようなアーマーを装備し、爆炎とともに殴りかかった。グランシャリオは少し熱そうにするが、その態度は余裕しゃくしゃくである。

 

「なら急速水冷です!」

 

『リヴィエル・バスターブラスト!』

 

「頭を使うね」

 

続けて赤熱しているグランシャリオの装甲に向かって、水妖エネルギーを全力でぶちかました。しかしその中をゆっくりと歩み寄りながら剣で思いっきり斬りかかるのみ。

 

「…私も行くわよ」

 

「まだジャマなんではたてさんは下がっててください。文さんもです」

 

「邪魔って…」

 

ベルトを出現させるはたてを止めると、にじり寄ってくる隠岐奈を見据え、エラーブルは地面に腰をついたまま待ち構える。警戒をしながらも歩んできたグランシャリオに対し、今度は立ち上がってゼロ距離でフォールバスターを当てた。

 

「そう来るか」

 

『エラーブル・バスターブラスト』

 

「きっと予想外ですよ!」

 

ガードの姿勢をとったグランシャリオに思いっきり銃弾を当てた。すると、怪我はないまま、隠岐奈のアーマーが弾け飛んだ。ウイルス弾の効果である。

 

「…ま、想定内だ。……はぁぁぁああああああ!!!!」

 

「…!?」

 

変身が解けた隠岐奈は、今度は手をクロスしたのち気合いを入れるようにシャウトを放った。瞬間、彼女の体が変異し、服が術によって消滅。まごうことなき怪人のものに姿を変えた。

 

「…ふぅ、自我を保ったままこの怪人になるのは大変なんだよな」

 

「そう来ますか…。今度こそ手伝ってください。文さんも拗ねないで。さっきは間合いを見る必要があったんですから」

 

「はいはい…」

 

「「変身!」」

 

『RIZAREKUTO ON』

 

そうしてカースとグラフィが並び立った。三人同時に相手の『扉女』へと駆け出していく。折れたノロイコロースも短剣として見れば十分なもの。三人は絶妙なコンビネーションで扉女を追い詰めていった。

 

「あなた自身が強くとも怪人化の伸び率が低ければダメってわけです!」

 

「そうかい!」

 

カースの攻撃を扉に飛び込んで避け、さらには上から扉を出してかかと落としを叩き込む。しかしグラフィがガードし、その隙にエラーブルが斬りつけた。

 

「私達いいトリオなれるわね!」

 

「すでにそのつもりでしたが」

 

「ツンデレって奴ね椛!」

 

どうにか軽口を叩けるほどには余裕は出たようだ。しかし優位寄りの互角という程度のものである。扉女とグラフィのパンチがぶつかった瞬間に押されたのはグラフィの方だった。痛そうに手を振りつつ、構え直す。

 

「…もう決めた方が良さそうですね」

 

「一発にかける感じ?」

 

「相手も疲弊してるわ」

 

『エラーブル!仮面ライダーフィニッシュ!ザ・エラーブル!』

 

「まとめて来るがいいさ」

 

「はあああああぁぁぁぁ!!!」

「とおおおおぉぉう!!」

「でぃやああああああああああああああああああ!!!!」

 

三人は同時に構え、扉女へと駆け出していった。ファインダー型エネルギーを展開させながら飛び、蹴りを放ったグラフィの横でエラーブルもハイジャンプをからの跳び蹴りをかます。同時にカースも飛び回し蹴りを叩き込み、トリプルライダーキックが完成した。

 

「くっ…」

 

静かに声を上げながら、扉女は爆炎を放った。しかし隠岐奈のその顔は笑っており、作戦は成功だと呟く。まさかと文がアジトの方を見れば、こちらの世界の天狗どもを抱えた二童子とチルノが。飛び去っていくのを追おうとするが、そんなはたてを文が止める。

 

「いまはやるべきことがあるでしょう?」

 

 

 

 

 

 

「…これは」

 

戦いを終えたアリス邸にて、メディスンは渡された鍵がはまりそうな場所を探していた。そうして見つけたのは隠し扉である。しかし鍵など無くとも開くではないか。残念そうに中を見てみた。

 

「地下室が…こんなに……?」

 

すると、階段から続く形で大量の扉が広がっていたのだ。一室一室にライダーの名前や敵の名前、人物の名前がごちゃごちゃに書いてあり、少しして『メディスン・メランコリー』の部屋を見つけた。

 

「ここの鍵なのね」

 

そうして戸を開けてみると、中には綺麗に片付いた布やら鎧やらが置かれてた。手書きの説明書を見るに、どうやらメディットブレスのスーツ圧縮と毒を調べていたようだ。

 

「こんなびっしり……。改めて…心からあなたを尊敬するわ、アリス。人形に愛と共に接するだけじゃなくて、こんな向上心と研究意欲があるなんて」

 

そう言いつつ置かれたもの達を見ると、説明書が正しいなら材料は全て足りているようである。すでにアーマーらしきものも完成しており、コードやら何やらのデザイン性含め、しっかりメディスを踏襲していた。

 

「…これが必要な工程リストね。えっと、『メディの採寸((かっこ)自動的にスーツの大きさを変えるシステムは再現不能)(かっことじ)』と『カプセルの毒の複製』…機材はあるわね、なんだ、私でできるじゃない!」

 

だから鍵を託したのかと頷きつつ、スーツを引っ張り出した。白をメインとしたスーツで、手触りは今までのものより良い。伸びもよく、良い素材を見つけるものだなと感心と共に組み立て始めた。

 

「この前縫う練習しといて良かったわ」

 

自分サイズに切ったスーツを合わせながら、そんなことを呟いてみる。アーマーも簡単に合体でき、彼女の几帳面さがよく表れている。そうして、マネキンに着せる形でスーツが完成した。

 

「私がもう一人居るみたいだわ…これにこのブレスを装着して…。この装置を取り付ける。そこにカプセルを差し込む」

 

説明書を復唱しつつ、一つ一つ丁寧に準備を進めていく。最後の準備を終えると、装置のボタンを押した。同時にスーツがカプセルに閉じ込められ、メディットブレスに新たにデータが読み込まれていく。

 

「…これが、『アカンサス』ね」

 

しっかりとカプセルをしまうと、彼女は地下室を後にした。

 

 

 

「ぶっっはぁ!!」

 

「あぁー!死ぬかと思った!」

 

この世界の天狗等が連れていかれたのは河童達のアジトである。さるぐつわを外し、息苦しそうにどっかり座りこんだ。どうやら先客も居たようで、すでに河童達はせわしない様子だ。

 

「妖夢!それに幽々子も!」

 

「チルノじゃない、それに……こっちの天狗って認識でいいのかな」

 

「そうですよ!私のベルト奪ったり勝手に発明品やら持っていって!許せません!」

 

憤慨する文のその目の前で、妖夢と河童達はガチャガチャと何かの作業をしていた。包帯を巻いた幽々子の指揮を受けながら動く少女達を見ながら、隠岐奈は興味深げである。

 

「ここのパーツは胸に使っちゃいましょう。あ、それは腿。下のスーツはヒトノカタメインでレイノカタを足しながら作りましょう!うーん、これじゃあ妖刀扱うパワーはなさそうね」

 

「半霊どうするの?」

 

「パイプにでも詰めて運動エネルギーにでもしましょう」

 

「ここはどうする?」

 

「6個あるわね。鋭いから研磨してブレードにしましょう。指に爪としてつけて。余りは背中の装飾に。できる限り重ねて厚くして。残ってるものはみんな使いましょう」

 

「頭部は私が作っていいですか?」

 

「妖夢は器用だものね。あなたが被るって事を忘れずに作りなさい。私は胸部装甲を作るわね」

 

どうやら余りを縫い合わせて、パッチワークで桜刀のスーツを作っているようである。のっぴきならない状況というのもあり、テキパキとした動きだ。

 

「…私も手伝おう。これをどうすればいい?」

 

「あなたも器用だったわね。いいわ、脚部のアーマーを組み直して」

 

「何を使えばいい?」

 

「もうサイズ合うパーツ適当に貼り合わせちゃって」

 

幽々子の適当な指示に笑いながらも、隠岐奈は自分のセンスに合わせて足アーマーを組んでいく。胸のごちゃごちゃしたスチームパンク調に合わせ、ごちゃごちゃ感と刺々しさを重視。幽々子の評価は結構良さげであった。

 

「…しかし幽々子様。オビドライバーは……」

 

「にとりー!マイナスドライバー持ってきて!ちっさいの」

 

「ほれ。しかしそれマイナスドライバーなんだね」

 

「そうよ〜。ほら!中身は無事よ〜」

 

「機械ではないんだねー。呪術が込められてる金属かな?」

 

「そうね。そんなこともあろうかと!」

 

自慢げに幽々子は何かを取り出した。見てみれば、色合いの違うオビドライバーである。机の上に置いたそれをよく見ると、オビドライバーではなくカバーであった。

 

「色がくすんできたから変えたのよね。傷アリも歴戦感あっていいんだけどね〜。動作不良起こされると困るわ」

 

「くすんで…あっなんか陽に当たり続けたみたいな色合いだよく見ると」

 

「魔界は日差しが強いの」

 

「あぁー西行様と魂魄家が出会った時の任務ですか」

 

「そうよー。鞘から放たれる術によって連鎖発動ねー。隠岐奈あなた呪術使えたりする?」

 

「えっ?使えるけど…」

 

いきなりの声掛けに戸惑いつつ、隠岐奈は手を止めずに耳だけを傾けた。この術を再現できないかと渡された鞘を見たのち、頷き。サラサラと書いて作業に戻った。

 

「これでいいだろう?」

 

「ありがとうほんとに〜!あっ、この爪もっと強くできないかしら?私から強化とかできないかなー」

 

そうして桜刀がどんどん完成に近づいていくなか、何者かが扉を開け、中へと転がり込んだ。戸の近くにいた椛がその姿を見て、ギョッと表情を変える。

 

「秋神さま!」

 

「…椛ちゃんじゃないの」

 

ふらふらと立ち上がる二人に、手の空いていたチルノが駆け寄った。ちょうど二人もチルノに用があったようで、すぐさま事情を語り始める。

 

「この幻想郷が急に秋になった時…私達の力も一気に吸い込まれていったわ」

 

「むしろ勝手に使われてたってとこかしら?」

 

「なんだっていいわ、あなた、冬のパワーが入った氷使うっていうじゃないの」

 

そう言った静葉が指差すのはクロッカーである。静かに頷いたチルノの両手に触れ、二人は何か力を貯めるような様子を見せ始める。少しだけチルノもエネルギーを吸われたかと思った瞬間、二人はその姿を消した。

 

「……これは」

 

『使って、私達の…』

『私達の最大の余力…』

 

「ありがとう…!!秋神さま!」

 

そんなチルノの手には、二つの氷が握られていた。オータムスフィアとフォールスフィアである。全身に残るエネルギーを使ってまで。チルノは感謝を送りながら、大事にそれをしまった。

 

「お借りしちゃっていいんですか?」

 

「さっきの戦いで壊れて銃にしかならないけどね」

 

その横を、妖夢はトランスフロートを受け取りながら通り抜けた。そしてオビドライバーにチェリムドライバーのサイドバックルを取り付け、そこにマウント。大事にしまってオウカオーに乗った。

 

「チルノさんも後ろ乗ります?」

 

「じゃあお言葉に甘えて」

 

「待つんだ氷精」

「待ってくださいチルノさん!」

 

オウカオーの後ろに乗ろうとしたチルノに、同時に待ったがかかる。隠岐奈が譲ったことで、まずは文からである。彼女が手に持ったのは、ターンブレイカーだった。

 

「…これ、天子さんが色々合わせたおかげでさまざまな変身アイテムに対して拡張パーツになるんだそうです。あなたの腕輪にも使えるかもしれません」

 

「ありがとう、文。隠岐奈は?」

 

「私からもステキなプレゼントさ」

 

そう言った隠岐奈が空中に出現させた扉を開くと、ミサイルを思わせる意匠のマシンが飛び出た。ホバーマシンと言うべきか、浮いているそいつに乗るようチルノを促す。

 

「滑走するかのような飛行が特徴だ。360°が君のスケートリンクさ」

 

「隠岐奈もありがとね!」

 

「後ろに乗る必要はなさそうですね。敵の方の文さん達は今どこへ?」

 

「守谷神社にいるみたい。行ってらっしゃい、時間的余裕はないわよ」

 

幽々子の言葉を背中に受けながら、二人は山頂目指して玄武の沢を後にした。そして大きな道に出た時、追うように、後ろからドールシャイナーが合流した。

 

「この…バイクっての?扱いやすいわね。あの三輪車よりよっぽど」

 

「あんた…メディ!」

 

「…あいつらをぶっ倒さなきゃ気が済まないのよ」

 

「アリスさんのバイクですか?」

 

「勝手に拝借したわ」

 

そうして、三人並んで山頂へ。迎え撃つかのように、天狗達は装置の前に立っていた。後ろには磔にされたレミリアと輝夜が。輝夜のものは常に燃え続け、死に続けているようだ。

上空のもう一つの地球は、どんどん近づいている。

 

「これは…!!」

 

「レミリアさんを人質にしたら咲夜さんってばすぐやめてくれましたよ。私達はどうやら時間停止の影響を受けないんですよね。住んでる時間軸が違うもんですから」

 

「説明してる場合?」

 

「私は今気分がいいのよ。こう言う時ぐらいベラベラ喋らせてよ」

 

軽い様子で語る文に対し、一番わかりやすく怒りを見せたのは妖夢であった。鋭い視線を向けつつ、少しずつ歩み寄っていく。

 

「…では、もうあなた達の目的は達成されるわけ?」

 

「いえ?この幻想郷を血の海にするんですって。…それで私達の世界が救われるなら構いません」

 

「何が目的よ!」

 

「この二人の…復讐、ですかねェ!協力者とはWIN-WINを保たねば!」

『そういう事です』『邪魔はするな』

 

「あっそう、なら……止めるのが私達の仕事になるわけね」

 

『人か霊か?』

 

オビドライバーを装備し、妖夢は文へと駆け出していた。対し文もバックルを構え、奥へと進んでいく。それを尻目に、はたてが立ちはだかった。

 

「…私がやるわ。コイツだけは私が!!」

 

「威勢いいじゃないのよ!」

 

メディスンがはたてに殴りかかったのを受け、チルノは椛の方へ。椛も椛ですでにミュンテーションベルトを用意しており、完全に戦う気だ。

 

「変身!」

 

『complete ヘンカ!ショウカ!止まらぬシンカ!カメンライダー・エラーブル!』

 

そうしてアーマーを装備し終えたエラーブルが構える。それを見据えながら、チルノは二つのスフィアをセットし、さらにUSBをセットしたターンブレイカーをクロッカーに合体させた。

 

『がっちーん☆』『get started!』

 

そしてはたては腰にバックルを出現させ、変身の準備を終える。翼と広げ、戦いを始めるべく彼女は構えた。対しメディスンもメディットブレスを腰に巻き、カプセルを入れる。

 

「変身」

 

「…いくわよ、アリス」

 

そうしてはたてはグラフィへ。彼女らを前に、文はカースドライバーを装備し、ゆっくりと変身ポーズをとる。対し妖夢も、札を持って身構えた。

 

「変身!」

 

『RIZAREKUTO ON』

 

そして天狗達が戦闘準備を終えたのに対し、少女たちは一気にその心を奮い立たせる。

 

「変…「変身」「変身!!!」…身!!」

 

 

『ばっきーん!めいぷるふぉーむ!』『sonic girl!break out!』

 

 

『GRADE UP…… FAZE3』

 

 

『人・霊・一・体!』

 

 

グリップを押し込み、スロットを倒し、札を貼る。一瞬のうちに少女達は仮面ライダーへとその姿を変えた。

仮面ライダーラビ メイプルチェルカトーレフォーム。

仮面ライダーメディス グリッドアカンサスフォーム。

仮面ライダー桜刀 シノギノカタ。

三人は、それぞれの敵へと駆け出していった。

 

「だあああああ!!!」

 

「危ないですね!」

 

「当然だ…あんたを倒すんだからね!」

 

メイプルフォームの特徴はその素早さと手数である。ウィンゲル以上にスマートな、オレンジをメインとしたデザインであり、見た目通りの性能というわけだ。上に白黒のアーマーが足されたのが、今チルノがなっているメイプルチェルカトーレであり、最も特徴的なのはその背中の機械の羽であろう。

 

「速い…ウイルス弾が当たらない!」

 

「そいつに仲間が目の前で倒されてるもんでね…。ラビじゃなくなったら面倒なのよ!」

 

スカートにぐるっと取り付けられたナイフ『ブレイドオブフェイス』がその武器だ。持ち替えながら斬りつけていき、銃弾は回り込んで回避する。

 

『フェネクス!』

 

「やれやれ…!」

 

空へと舞ったエラーブルは、下のラビへと銃弾を飛ばした。しかし、今のラビには翼がある。文がくれた、カラスの翼だ。

 

「コイツでどうだ!」

 

「いででっ!」

 

その手に持つのは『クロウバスター』文の怪人が本来持つ、天子お手製の銃だ。エラーブルバスターより威力は低いようだが、当たらないエラーブルの攻撃と違ってラビのものは確実にダメージを与えている。その差は大きい。

 

「そっちが風なら!」

 

『ブロッサム・バスターブラスト!』

 

「弾速が上がった…!」

 

エラーブルからの連続での銃撃を避けながら、球を描くように回り込み、銃撃を返していく。さらにエラーブルはラビのUSBでガトリングを作り出し、数の暴力に出た。

 

「避けるのが精一杯でしょう!」

 

「くっ…」

 

『エレンツ!』

 

さらに砲撃まで加わる。椛の言うように避けるのが精一杯であり、どうしようもない。そんな中、エラーブルは追撃にとリヴィエルのUSBを取り出した。彼女はその隙を見逃さない。

 

「あいでっ!」

 

「だあああああ!」

 

一気に加速ののち接近。リヴィエルのマスカレイドコアを奪取し、さらに近接戦に持ち込んだ。風のごとき移動で避け、そして嵐のように攻める。怯むエラーブルから剣を奪い取り、セットした。

 

『リヴィエル・ブレイドスラッシュ!』

『AYA SHAMEIMARU!ザ・ライダーフィニッシュ!』

 

「くらええええええ!!!」

 

『salut!』

 

「誰が喰らいますか!」

 

『エレンツ・バスターブラスト!』

 

二人の光弾が、同時に放たれる。しかしラビのものは飛ばした水流斬撃に光線を乗せたものである。避けるようにエラーブルの放った光弾はかき消え、いとも簡単に弾き飛ばされてしまった。

 

「くっ…」

 

「しぶといわね。…でもこれで終わりよ!」

 

落ちていくエラーブルへと、周りを旋回しながらブレイドオブフェイスを投げ続ける。そして何本も刺さった彼女に、チルノは推進力最大でのキックを繰り出した。

 

「ライダーストライク!!」

 

「ふっ…うぐぁあああああ!!!」

 

そうして、エラーブルは地面へ叩きつけられた。そんな激戦の横で、グラフィとメディスの戦いが繰り広げられていた。

 

「…なんなのよそれ」

 

「さあね、今回が初乗り。ついでにあんたへのリベンジ!」

 

紫のからくりのアーマーをメインとし、バイザーが目立つその姿。しかし何よりも特徴的なのは、空中に浮いた巨大な両手『ハンズドメイカー』である。

 

「だぁっ!!」

 

「こんども手数で攻めるってわけ?」

 

「多彩さを忘れてもらっちゃ困るわね!」

 

パンチだけかと思えば、エネルギーをまとったチョップにより斬撃を繰り出し、さらには指でグラフィを弾き飛ばすという多彩ぶり。グラフィは距離を置いて銃撃戦を繰り広げるが、それも想定内。ハンズドメイカーの人差し指から光弾が飛ぶ。

 

「いったいわね…!」

 

「そのままくたばりなさい!」

 

平手でハンズドメイカーがグラフィを挟み込もうとするが、飛ぶことによりそれを避ける。下方からの銃撃よりも、こちらが優位である。グラフィは心の中でにやっと笑いながらストライクフォトグラフでの射撃を繰り返した。

 

「まどろっこしいわね…やっちゃえー!」

 

「おぶぅっ!」

 

そんな時、ハンズドメイカーは石ころを拾いあげ、思いっきりグラフィへと投げつけた。強烈なダメージに、墜落しはじめるがタダではそれを許さない。

 

『INCREASE EFFECT』

 

「捕まえたっ!」

 

『INCREASE EFFECT』

 

まずはプラントローズでの拘束である。どうにか撃墜しようとグラフィはエクスブライガンの方に銃口を向けた。しかしハンズドメイカーの10本の指先からも放たれるのは完全に想定外である。続けて食らったランチャープルーネラにより、大ダメージを食らう。

 

「…無駄よ!」

 

射撃後の隙を突こうと、囲うようにファインダーがメディスンを覆う。さらに爆発までするが、ハンズドメイカーに包まれたメディスは完全に無傷であった。

 

「あんたたち…なんだってこんなことするの?この世界で強いなら、あんたらの世界もどうにかできたり…」

 

「今劣勢な私への皮肉?悪いけど…もうこれしかないのよッ!悪魔の手を借りるならこっちの世界を燃やさなきゃいけない。私の愛する人々のためなら…知らない者たちの命なんて潰してやる!」

 

「あっそう、そんならこっちも容赦はなし!」

 

『INCREASE EFFECT!』

 

「はぅっ!」

 

そんなグラフィへと続いて叩き込んだのはアイスドロップである。いくつかは撃ち落とすが、銃口は11個である。みるみるうちに完全に体が凍ってしまった。

 

「隙だらけねぇっ…!」

 

『INCREASE EFFECT』

 

「うぐううああああ!」

 

今度はスターライトペンタスだ。毒をまとった超連続の銃弾がグラフィを貫いていき、大ダメージを与えた。膝をついて反撃もままならない彼女に、トドメである。

 

『INCREASE EFFECT』

 

「これで終わりよ…!グランドブロウニング!」

 

最後にボタンを二連続で押し、エクスブライガンにブラッドリリィを入れてのチャージインバレットとメディットブレス側の必殺を同時発動。毒弾を連続で浴びせながら、ハンズドメイカーがラッシュパンチを仕掛けていく。

 

「うぐっ…ぅうっ…ぐぅううぅあっ!!」

 

「いいことを教えてあげるわ、簡単なこと。私はね、強いのよ!このまま人形解放よ!」

 

最後にグラフィをハンズドメイカーが握りつぶした。爆発ののち、気絶したはたてが倒れ出た。同時にエラーブルも墜落。桜刀とカースの方を見てみるとしよう。

 

「ぜあああああ!!」

 

柄にもなく、桜刀は拳を振るった。ごちゃっとした全身と、胸に巻かれたガタガタのパイプがその特徴。パイプにはギッチギチに詰め込まれた半霊が回ってエネルギーを産んでいる。その場しのぎだからシノギノカタというのはひどい話だ。

 

「くらえっ!」

 

「っと!」

 

右手のクローでの一撃をくらい、カースは大きく仰け反った。しかしそう簡単にやられるわけでもない。すぐに態勢を立て直し、ノロイコロースで斬り込んだ。

 

「ふっ!」

 

「結構硬いんですねぇ」

 

カースの斬撃を左腕で受け止めると、思いっきり回し蹴りを叩き込んだ。今一度怯むカースであるが、すぐさま斬りかかる。今度は跳ね返されてもすぐに斬り返し、連続攻撃を叩き込むスタイルだ。

 

「…はぁ!!」

 

「おぶぅあ!!……いったいですねぇ。妖夢さんてばどうしちゃったんですか」

 

「幽々子様の分ですよ!これもそれもねぇ!!」

 

「主人のために強くなれる。さすがというところですか。でも!」

 

「うぐっ!」

 

「そんなツギハギでいつでも優位に立てると思わないことですよ、妖夢さん!」

 

一発の重さや、呪いの脅威度ははるかにカースが上である。どんどんと追い詰められていく桜刀であるが、しかし何度でも立ち上がる。幽々子のために、また拳を振るう。

 

「無駄なことを!」

 

「本当にそうですかね!」

 

そしてまた斬りかかろうとした時、殴ると見せかけて腰だめでトランスフロートにて銃撃を放った。急な事態に怯んだカースへ、クローを突き出して一気に引き裂く。

 

「うぅぐあああ!!」

 

「逃がしませんよッ!!」

 

一旦立て直すのだと翼を広げて宙に舞ったカースに、連続で銃弾を叩き込んでいく。思わぬ事実であるが、妖夢には凄まじい銃の才能があったようだ。

 

「なんでこんなうまいんですっ!」

 

「さぁ?全力で撃てば結構当たるもんですね。銃なんて初めて触りますが」

 

「刀は鍛えてて銃は天才…ですか。手がつけられないですねぇ?」

 

『まあよかろう。儂らはお前の体をいくらでも治せる』

 

『存分に戦うのです』

 

「ええ!」

 

今一度駆け寄り、呪術を込めてカースはパンチを放った。それを桜刀はスレスレでかわし、ゼロ距離射撃を繰り出す。膝絵付きつつカースは剣を振るが、それを回り込むように避け、そのまま左手で首をつかんだ。

 

「妖夢さん…あなたは恐ろしく強い…。あなたという人が分からない、それで未熟だなんて」

 

「未完成な方が良かったりもするんですよ…っと!」

 

「あぅぐっ!?ごぶっ!ぐえっ!!」

 

ざく、ぶしゅり。気持ちの悪い音とともに、桜刀の右手の手刀が、カースの背中へと突き刺さっていた。激痛のあまり術を保ちきれず、顔だけの変身が解けた。苦痛に顔を歪めながら、どぼどぼと吐血。バタバタと暴れる体を押さえつける。

 

「教えてあげますよ…これが!」

 

「ぐぅえ!?あぅっ、ぐぼっ!おごぉっ、おうぅえ!!」

 

「これが…妖夢さんだああああぁぁぁあああああぁぁ!!!!」

 

そして一気に心臓を貫通させ、引き抜く。痛みを脳が拒絶し、気絶とともに爆発。気を失ったまま無傷の文が倒れ出た。

 

「いくら治せても…そんだけ食らえば変身は解けるでしょうね…っと」

 

倒れる文の横のカースドライバーを踏み壊し、妖夢は二人の絶叫を聞いた。同時にメディスンとチルノも戦いを終えたらしく、またカースが消えたからか別世界も遠ざかっていく。

 

 

 

 

『…季節が戻ったな』

 

「ですね」

 

「私と藍様も戻ったことですし!」

 

橙が言ったのに対し、メリーは寂しそうに頷いた。手を握る蓮子とメリーへと術を放ち、今度こそ消えていくのを二人は見送る。

 

『また…会いたいな』

 

 

 

 

そうして戦いを終えた三人であったが、ただ一人。椛だけはゆっくりと立ち上がった。どうやら、ギリギリながらミュンテーションベルトも無事なようだ。

 

『ターンブレイカーズ!』

 

「変身は…できなさそうですね」

 

ミュンテーションベルトにマスカレイドコアを刺したと同時に、その手にはターンブレイカーと狼USBが握られた。そして、怪人への変身を始める。

 

『get started!』

 

「醒妖……でしたっけ?」

 

『turn on!clairvoyant girl!リーヴス!』

 

白をメインにとオレンジを走らせた、いかにも狼らしい怪人リーヴスである。そうして駆け出したその瞬間、レーサートリニティとはまた別のトライクが石段を登って突撃した。ウサギの意匠を持つ『サンミーバトラー』に乗るのは、鈴仙だ。

 

「この時計みたいなのに書かれてるの…ウサギっぽい。私に似合うかもね」

 

『ARNEB!』

 

リーヴスからくすねたライドウォッチのカバーを回し、ボタンを押す。するとそれは黒いトランシーバーへと姿を変え、もう一方の手にはカードが握られていた。

 

「こっちの鈴仙さんも使えるわけですか」

 

『セット ジェネラル…』

『コード認識 チェンジモード』

 

「…変身!!」

 

『全てをcontrol…アルナブジェネラル!』

 

「…いける!」

 

仮面ライダーアルナブが、こちらの世界に誕生した瞬間である。駆け出していき、拳を放つ。もともとエラーブルより断然弱いリーヴスゆえに、大きく押されてしまう。さらに銃による追撃ももらう。

 

『ジェネラル!マインドクラッシュ!』

 

その手の銃『ルナティックマグナム』にカードをセットし、極太のビームを放つ。一瞬にして椛へとその姿を戻され、今一度彼女は倒れ込んだ。

彼女の上に落ちた葉は綺麗な緑色で、変身を解いたチルノの横には秋姉妹が立っていた。

 

「…消えるしか、ないのかしらね」

 

はたてが虚しげに空へと吐き出した、そんな時。

 

『タイムマジーン!』

 

「っと!一体ここどこなの?」

 

「幻想郷だ」

 

「それどこなの?」

 

別世界の三人には聞き覚えのあるタイムマジーン起動音だ。しかし出会ったライダーのどれとも違うシンプルな見た目で、中から降りたディケイドとジオウは初めて出会うライダーでもある。

 

「あなたは…」

 

「この世界…いや、お前達の世界を破壊しに来た。乗れ」

 

「えぇ〜、狭くない?」

 

ディケイドが天狗達をマジーンへと引っ張り込み、そのまま空へと消えていった。いきなり何事もなかったかのようにいつも通りになった幻想郷に、少女達は驚きを隠しきれずにいた。

 

 

 

 

「…ジオウの干渉か」

 

「問題ないよ、我々クォーツァーが…幻想郷の歴史も奪う。奴にその邪魔はできないさ」

 

Continued on next movie『童祀 〜 Innocent Histories』




フォーム名:メイプルチェルカトーレ
概要:フォールスフィアとオータムスフィアとターンブレイカーで変身した秋の姿。装甲および素体は秋の紅葉した葉っぱをモチーフとした優雅なデザイン。追加で白と黒のアーマーが乗っており、黒い機械翼が生えている。秋のエネルギーを奪われたために秋姉妹は自分の体のエネルギーまで使っており、二人揃ってやっとほかのスフィア0.7個ほど。しかしそれでは対抗には不十分であり、ターンブレイカーと接続して装甲を追加している。白黒アーマーはそれによるものである。もともと風を巻き起こしてスピード戦を展開するフォームだが、そこに足されたブースターでさらなる高速移動と空中戦を展開する。
武装:
ブレイドオブフェイス
オレンジ色のナイフ。腰のスカートに15本ぐるっと装備されている。斬れ味はそこそこだが軽く振りやすい。
マウンテンウィンドウ
全身の風圧変化機構。近接攻撃に風の刃を追加する。
クロウバスター
ギャレンラウザーほどのサイズのグレーの銃。本来は射命丸のターンブレイカー怪人の武器。高威力のビーム弾が放たれる。
変身アイテム:
クロッカー
いつもの。
ロックスフィア
オータムとフォールを使う。前者が静葉、後者が穣子。
カラスUSB
エックスゴースターやターンブレイカーで使うUSB。文の物。
変身シークエンス:
クロッカーにオータムスフィア、フォールスフィアを同時にセットする。そしてカラスUSBをセットしたターンブレイカーを肘側にセットし、クロッカーの持ち手を半回転させて押し込む。
『がっちーん☆』
『get started!』
『ばっきーん!めいぷるふぉーむ!』
『sonic girl!break out!』
必殺技:
超絶最強あたいっくライダーストライクぶれいく
相手の周りを高速で旋回しながらブレイドオブフェイスを投げ、ライダーキックを叩き込む。チルノかと思えば文命名。
チルノティックバースト
クロウバスターでの最高出力射撃。劇中ではエラーブルの武器とともに繰り出した。
『AYA SHAMEIMARU!ザ・ライダーフィニッシュ!』
『salut!』

フォーム名:シノギノカタ
概要:その場しのぎだからシノギノカタというひどいネーミング。妖夢がヒトノカタ幽々子がレイノカタで戦ったが、カースにやられ、アーマーがぼろぼろに。そのアーマーを無理矢理つぎはぎして組み立てたフォーム。半人で変身する。妖刀を扱いきれるパワーが残ってないので、別の武器で戦う。つぎはぎなのだが、レイノカタの右胸を右胸にというわけではなく、面積が合った部分をパッチワークにしている。一応新規パーツとしてパイプが胸部にガタガタに巻かれており、ここに半霊を詰め込んで循環させることでエネルギー生成に役立てている。なので各部装甲およびスーツはごちゃごちゃ感満載。ちなみに幽々子が低めに見積もってしまったせいで胸がちょっときつい。その部分のアーマーがそのままその位置に使われているのは頭部ぐらい。その頭部も複眼がしっかり逝っており、右眼にはヒビが入り左眼は完全に割れたため鉄板で塞いでいる。視界は片方のみなのだ。スーツアクター的にもクッソ見づらくて苦労が語られる(裏設定)。ちなみにこのデザインだが頭部含め新規造形で、アップアクション兼用一着のみしかない(超裏設定)。
武装:
『凄い爪』
右手指のクロー。ウルヴァリンというよりシザーハンズ。順也の描いた橙の爪ほどの長さ。破片を頑張って研磨したあと幽々子ができる限りの術をねじ込んだもの。幽々子が適当に名付けた。多分ふざけている。
『壊れたトランスフロート』
トランスフロートこわれる(絶望)。壊れているので銃モードにしかならない。せめてブロークントランスフロートにしろよと妖夢は言うが、幽々子は多分ふざけている。
変身アイテム:
『初期型オビドライバー』
どうにか内部が無事だったオビドライバーくんに、昔のオビドライバーの外装をくっつけたもの。色がくすんでいる。トランスフロートをマウントするためチェリムドライバーのサイドバックルがついている。
『お札』
幽々子が術を仕込んだお札。術が発動することで燃え尽きる。普段は鞘から発せられる鎧召喚の術を札で直接発動させる。5枚しかない。
変身シークエンス:
1.オビドライバーを装着
『人か霊か?』

2.バックル部分に札を貼る
『人・霊・一・体!』

必殺技:
『妖夢サンダー』
仮名というか、多分ふざけている。押さえつけ相手の胸をゆっくり貫く。そして思いっきり引き抜くえげつない技。妖夢要素どこ…ここ…?

フォーム名:グリッドアンカサスフォーム
概要:
メディス第三のフォーム。
スピードやバランスに偏った前2種の形態に対して、火力と精密さ、一度に取れる手数の多さに特化した形態。
メカニックさながらのバイザーで目元を隠し、紫色のからくりの装甲で身を覆っている。
戦士というより、工房の職人、技術者を彷彿とさせる。

武装:
「エクスブライガン」
『プラントローズ/PLANT ROZE』
『アイスドロップ/ICE DROP』
『ランチャープルーネラ/LAUNCHER PRUNELLA』
同上。
「ハンズドメイカー」
巨大な手型浮遊マニピュレーター。
二つの手を駆使し、薙、突、打、払、射、斬をこなす万能武装。
分かりやすい例を挙げれば、マスターハンド&クレイジーハンド。

変身アイテム:
「メディットブレス」
同上。
「アンカサスカプセル」
カプセル型変身アイテム。
紫色と白色にアンカサスの花の意匠が為されている。
変身シークエンス:
同上。
「GRADE UP……、FAZE 3」
必殺技:
グランドブロウニング
ライダーパンチ。
ハンズドメイカーで猛ラッシュを仕掛けると同時に至近距離でエクスブライガンを連射、体力を削った後、止めとしてハンズドメイカーで塵を丸めるように握り潰し、圧縮する。
チャージインバレット
エクスブライガンにカプセルを装填した状態でメディットブレス上部(右側)のボタンを押して発動。
それぞれのカプセルの能力を強化して放つ必殺技。
このフォームの場合のみ、ハンズドメイカーの十指の指からも射出される。


以上劇場版限定3ライダーでした。グリッドアカンサス以外はわたしオリジナルのサプライズフォームです。

いよおおおおし!!!
終わったァ!!!
詰め込みまくったおかげで面白みがあるかと言われると微妙ですが、この達成感はやはり凄まじいものがあります。
そしてこの場で様々な方に謝らさせてください。
まずクレーエさん。
エラーブルのシステム難しくてだいぶ簡略化されちゃったことと、変身音だいたい短縮版だったこと。
続いて俊伯さん。
グラフィが技名を叫んだこと。書き直せってなら書き直しましょう。はたてにはそっちのが合うかなーというのはいささか短絡的でしょうか。
そしてyukizakeさん
カースがあまり活躍しなかったこと。前二人に比べて戦闘回数も少ないですし、剣おられてますしね…。もっとどうにかすべきでした。
さらに立伝さん。
勝手に秋フォーム出した上純粋なフォームじゃないという暴挙。文救助からの流れと、純粋にかっこよさで考えました。冷静になると良くないな。どっかでメイプル出すんで許してくだち。
そしてひがつちさん。
グリッドアカンサス勝手に劇場版限定フォームにしちゃってすみません。本来は中間強化なんですがね…。
さらにはバインさん。
急に変な限定フォームすいません。桜刀のコンセプトガン無視の超デッドヒートドライブでしたね…。
最後にサウザントピースさん。
アルナブ先行登場なのに見せ場全然なくてすみませんね…。

そのほかの方々にも活躍しなくてごめんとか負けただけだったねごめんとか色々ありますが…。でも個人的にごり押しチャージインバレットはお気に入りシーンです。
一応ヒールが表に出過ぎない感じに作りました。彼女らは主人公なんですが、それでもこの劇場版では違う、と。そういうことです。
まあできの悪い文ですが、『醜くて何が悪い!』とソウゴ的に言い訳しておきましょう。
最後を片付けるのにあの二人出すのは適当がすぎるんではと言われても…うん、反論できんけど。
そういうわけで、続いては23話です!
さらに次回劇場版をお楽しみに〜。終盤でやりまっせ。
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