東方紫流風   作:永遠の中級者

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最近思ったけど、内容の割合的に原作設定は東方より遊戯王の方がいいんじゃなかろうか?


11話 夜炎を呑む

 デュエルを終えてから行われた、スキルプログラム完成を主に祝した軽い宴会も終わりを告げ、皆が帰った後の博麗神社の縁側で霊夢が一人、月を眺めていた。

 

 スピードデュエルというものを始めてしたけど、ボードに乗っている分、普段飛んでいる感覚とは違って疲労を感じる。それに本来のスタンダードデュエルよりも弾幕ごっこに近い感じがして妙な感情を……

 

「気のせいね」

 

 霊夢は立ち上がり、そろそろ寝ようかと思った。

 

「霊夢にしては随分と楽しんでいたわね」

 

 霊夢しか残っていないはずの博麗神社にそんな声が響いた。霊夢はその声に驚くことは無く、声の主を知っているように言葉を返す。

 

「相変わらず、突然来るわね(ゆかり)

 

 霊夢の背後に現れた紫と呼ばれる者の名は八雲(やくも)(ゆかり)。霊夢に【転生炎獣(サラマングレイト)】のカードを与えた張本人である。といっても与えたと言うより霊夢の下に置いていったと言う方が正確か。

 彼女はこのように度々霊夢の下に顔を出してきては、話すだけ話して何処かへ行くのがいつものことである。

 

「で、何か用?」

 

「さっきのアレ、見せて貰ったけど私の持ってきたカードを使ってるみたいね」

 

「そこにあったからね」

 

 そこにあった、と他人事のように言うが実際は使わせるつもりなのだろうと理解しながら使っているという面があるし、紫もそれを分かっているから言葉を続けない。

 

「じゃあ、今日も置いていくことにするわ」

 

 そう言って紫の傍に置かれたのは数枚のカード。それらはまた転生炎獣に関係するカードであると同時に、その内の何枚かは儀式の青よりも濃い紺色のカードだった。

 

「リンクモンスター……」

 

 霊夢がそれを拾い上げてまじまじと見ていると、紫はそれを気にせずにふと口を開く。

 

「幻想郷の流れが少しだけど変化しつつある…。良い事だわ…」

 

「?」

 

「私でも予想していなかった例外が齎したのか、それともあの風を呼んだのが良かったのか…」

 

「やっぱりあの紫流風の出現にアンタが絡んでたのね」

 

 紫の独り言の中に気になる名があった為に入っていく霊夢だったが、やはりそれ以上のことは言わなかった。言ったことといえば「行き場のなかったものに道を示しただけ」という言葉。それだけでも結構語ってる気がするのだが、要は出現のきっかけだけ関わったと。

 

「主犯じゃない」

 

「主犯も何もあれが害意を与えたことはないでしょう? 現に霊夢がこうして暢気に居るのだから」

 

「今のところはね」

 

 紫流風もといデータストームが幻想郷に何かしらの悪影響を齎していたならば、こんな長い期間出現している訳がないだろう。それが分かっているからこそのことだろう。

 

 訪れる静寂。そんな中で紫は何かを取り出す。

 

「霊夢、折角だから決闘をしましょうか」

 

「なんでそうなるのよ。まぁいいわ」

 

 そう言って腕に決闘盤を装着し、しれっと先程のカードを加えたデッキをセットする。

 

「霊夢にしては随分と素直ね?」

 

「何よその言い方。止めるわよ」

 

「冗談よ」

 

 他愛ないことを言っているが、デッキ調整に付き合うつもりでの提案なのだろう。調整と言うほど調整をしたわけでなく組み込んだだけだが、丁度いいので受ける。

 そして博麗神社の境内で二人は距離を置いて見合う。決闘が幻想郷に広まってからそれほどが経つが、紫とは数えるほどしかしたことが無い。それも決闘の度にデッキ自体が変わっている。今回は何が出るか…。

 

「準備はいいかしら?」

 

「ええ」

 

「それじゃあ……「決闘(デュエル)!!」」

 

 

 

霊夢    VS     紫

LP4000       LP4000

 

 

 

「先行はこちらが貰うわ。

私はモンスターを裏守備表示でセット。そしてカードを一枚伏せてターン終了よ」

 

 

 

ターン1→2

紫 LP4000

手札 3

墓地 0

フィールド

裏守備モンスター

魔法・罠伏せ 1

 

□ □ ■ □ □

 

□ ■ □ □ □

 

  □   □  

 

□ □ □ □ □

 

□ □ □ □ □

 

霊夢 LP4000

手札 5

墓地 0

フィールド 0

 

 

「私のターン、ドロー」

 

 自分から先行を取った割には随分と静かね。ほんと何考えてるのか。

 

「手札の《転生炎獣ミーア》の効果を発動。手札から《転生炎獣ファルコ》を捨てて自身を特殊召喚。

次に墓地の《転生炎獣ファルコ》の効果。自分フィールドの「サラマングレイト」モンスター1体を持ち主の手札に戻し、このカードを墓地から特殊召喚する。

そして手札に戻った《転生炎獣ミーア》のもう一つの効果。通常のドロー以外の方法で手札に加わった場合にこのカードを相手に見せることで、もう一度手札から特殊召喚よ」

 

 

《転生炎獣ファルコ》

☆4 / 炎属性 / サイバース族 / 攻1200

 

《転生炎獣ミーア》

☆2 / 炎属性 / サイバース族 / 攻 800

 

 

「続いて、《転生炎獣ラクーン》を通常召喚」

 

 

《転生炎獣ラクーン》

☆1 / 炎属性 / サイバース族 / 攻 400

 

 

「実質無駄な消費無しでモンスターが三体……回ってるようね」

 

「早速だけどやらせて貰うわ。

現れなさい、楽園を導くサーキット!」

 

 霊夢の呼びかけにより上空に出現するゲート。

 さっき自分で渡したカードを今見せてあげるわ。

 

「アローヘッドを確認。 召喚条件は通常召喚された攻撃力1000以下のモンスター1体。私は《転生炎獣ラクーン》をリンクマーカーにセット。 サーキットコンバイン!リンク召喚!《転生炎獣アルミラージ》!」

 

 

《転生炎獣アルミラージ》

リンク1 / 炎属性 / サイバース族 / 攻 0

【リンクマーカー:右下】

 

 

「続けて現れなさい、サーキット!」

 

 連続で開かれるゲート。次なる条件はレベル4以下のサイバース族モンスター1体。

 

「私は《転生炎獣ミーア》をリンクマーカーにセット。 サーキットコンバイン!リンク召喚!《転生炎獣ベイルリンクス》!」

 

 

《転生炎獣ベイルリンクス》

リンク1 / 炎属性 / サイバース族 / 攻 500

【リンクマーカー:下】

 

 

「《転生炎獣ベイルリンクス》の効果発動。リンク召喚に成功した場合にデッキから「転生炎獣の聖域(サラマングレイト・サンクチュアリ)」1枚を手札に加え、そして発動するわ。

これで三回目よ!現れなさい!」

 

 三回目となるリンク召喚。炎属性の効果モンスター2体以上。

 素材にするのは《転生炎獣ファルコ》、《転生炎獣アルミラージ》、《転生炎獣ベイルリンクス》の三体。

 

「リンク召喚! リンク3、《転生炎獣ヒートライオ》!」

 

 

《転生炎獣ヒートライオ》

リンク3 / 炎属性 / サイバース族 / 攻2300

【リンクマーカー:上/左下/右下】

 

 

 三回連続リンク召喚。これが紫が持ってきたリンクモンスターたち。新たな戦い方。

 

「《転生炎獣ヒートライオ》の効果発動!リンク召喚に成功した場合、相手の魔法&罠ゾーンのカード1枚を持ち主のデッキに戻す。その伏せカードには消えてもらうわ!」

 

 《転生炎獣ヒートライオ》の放った咆哮がセットカードを消し飛ばす。だが伏せが消えようと紫には謎の余裕が感じられた。

 まぁこれくらいじゃ焦るような奴じゃないわよね。これを渡したのは紫なんだからこういうことは予想済みだろうし。

 

「バトルよ。《転生炎獣ヒートライオ》でそのセットモンスターを攻撃するわ」

 

 《転生炎獣ヒートライオ》の攻撃がセットモンスターに迫った時、その

セットモンスターが姿を現した。それは奇妙な形をしていて、《転生炎獣ヒートライオ》の攻撃を受け止める。

 

 

方界胤(ほうかいいん)ヴィジャム》

☆1 / 闇属性 / 悪魔族 / 守 0

 

 

「残念だけど《方界胤ヴィジャム》は戦闘では破壊されないわ」

 

「ちっ」

 

「さらに、このダメージステップ終了時に効果が発動し、《方界胤ヴィジャム》は別の次元へと移動して相手に方界カウンターを残す。」

 

 

《転生炎獣ヒートライオ》

リンク3 / 炎属性 / サイバース族 / 攻2300

【リンクマーカー:上/左下/右下】

方界カウンター(1)

 

 

「そして方界カウンターを乗せられたモンスターはアンディメンション化するわ。そのモンスターを見てみなさい」

 

「…!?」

 

 《転生炎獣ヒートライオ》を見てみると、その身体には色を失い、石のように硬直して動かなくなっていた。生物を感じられずまるで石のようになっており、力を失ったってことか。

 

「それはもう攻撃できず、効果も無効化され、ただの置き物とかした。

さぁ、どうするのかしら?霊夢」

 

「メインフェイズ2に移るわ

カードを二枚伏せてターンエンドよ」

 

「そう。そうするしかないわよね」

 

 

 

ターン2→3

紫 LP4000

手札 3

墓地 0

フィールド

《方界胤ヴィジャム》(永続魔法カード扱い)

 

  □ 胤 □ □ □

  

  □ □ □ □ □

    ↑

    ヒ   □  

   ↙ ↘

聖 □ □ □ □ □

  

  □ ■ ■ □ □

 

霊夢 LP4000

手札 1

墓地 5

フィールド 

《転生炎獣ヒートライオ》方界カウンター(1)

※方界カウンターが置かれたモンスターは攻撃できず、効果は無効化される。

フィールド魔法 《転生炎獣の聖域》

魔法・罠伏せ 2

 

 

 

「それじゃあ、私のターン」

 

 紫は静かにカードを引く。

 

「さてと、《方界胤ヴィジャム》の効果を発動するわ。自身の効果で別次元へと移動している場合、元の次元へと戻ってくる」

 

 

方界胤(ほうかいいん)ヴィジャム》

☆1 / 闇属性 / 悪魔族 / 守 0

 

 

「そしてこの瞬間、手札から速攻魔法、《地獄(じごく)暴走召喚(ぼうそうしょうかん)》を発動。

相手フィールドに表側表示モンスターが存在し、自分フィールドに攻撃力1500以下のモンスター1体のみが特殊召喚された時、特殊召喚したモンスターの同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から可能な限り攻撃表示で特殊召喚する。

さぁ…現れなさい」

 

 

《方界胤ヴィジャム》

☆1 / 闇属性 / 悪魔族 / 守 0

 

《方界胤ヴィジャム》

☆1 / 闇属性 / 悪魔族 / 守 0

 

 

 デッキよりさらに呼び出される不気味なモンスター。

 《地獄の暴走召喚》にはデメリットとして、相手は攻撃力の制限なしに自身のフィールドの表側表示モンスター1体の、同名モンスターを自身の手札・デッキ・墓地から可能な限り特殊召喚するという効果があるのだが、霊夢の今のフィールドにはデッキではなくEXデッキから呼び出された《転生炎獣ヒートライオ》しか存在しない。勿論デッキに同名カードが入っている訳も無い為、結果的に自分だけが展開に成功していることになる。

 

「そして三体となった《方界胤ヴィジャム》を墓地へ――」

 

―――紡ぎし光よ、漆黒の闇よ。今、新たなる未来の扉を開け!出でよ、《方界超帝(ほうかいちょうてい)インディオラ・デス・ボルト》―――

 

 

《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》

☆4 / 光属性 / 天使族 / 攻 0

 

 

 三体の《方界胤ヴィジャム》を取り込む形で呼び出されたのは天使とは思えない異形のモンスター。

 

「《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》は自分フィールドの「方界」モンスター3体を墓地へ送った場合にのみ特殊召喚でき、この方法で特殊召喚したこのカードの攻撃力は2400アップする。

さらに言うと、このカードは手札からの特殊召喚に成功した場合、相手に800のダメージを与える効果も持っているわ」

 

 

《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》

☆4 / 光属性 / 天使族 / 攻 0 → 2400

 

 

霊夢 LP4000 → 3200

 

「バトルフェイズに移るわ。

《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》でその置物に攻撃よ」

 

「置き物とは言ってくれるわね…。けどその攻撃利用させてもらうわ!

ダメージ計算時に二枚の効果を発動する!罠発動!《パワー・ウォール》!そしてフィールド魔法、《転生炎獣の聖域》の効果!

まずはフィールド魔法、《転生炎獣の聖域》の効果!自分のモンスターが戦闘を行うダメージ計算時に1000LPを払い、自分フィールドのリンクモンスター1体の攻撃力を0にしてその元々の攻撃力分だけ自分のLPを回復するわ」

 

霊夢 LP3200 → 2200

 

《転生炎獣ヒートライオ》

リンク3 / 炎属性 / サイバース族 / 攻2300 → 0

【リンクマーカー:上/左下/右下】

方界カウンター(1)

 

霊夢 LP2200 → 4500

 

「これで私への戦闘ダメージは2400になる。

《パワー・ウォール》の効果、戦闘で発生する自分への戦闘ダメージが0になるように500ダメージにつき1枚、自分のデッキの上からカードを墓地へ送る。5枚のカードを墓地へ!」

 

霊夢の墓地へ

《転生炎獣フォクシー》、《転生炎獣Bバイソン》、《転生炎獣エメラルド・イーグル》、《サラマングレイト・ロアー》、《転生炎獣の降臨》

 

 落ちは微妙ね。

 《転生炎獣ヒートライオ》は破壊されるが戦闘ダメージは墓地肥やしへと変換。これでこのターンは凌いだ。

 

「ふふっ。これでターンを終わりにするわ」

 

 

 

ターン3→4

紫 LP4000

手札 2

墓地 4

フィールド

《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》

 

  □ □ □ □ □

  

  □ □ イ □ □

    

    □   □  

   

聖 □ □ □ □ □

  

  □ ■ □ □ □

 

霊夢 LP4500

手札 1

墓地 12

フィールド 

フィールド魔法 《転生炎獣の聖域》

魔法・罠伏せ 1

 

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

…癪だけどここは耐えるしかないわね。

 

「私はこれでターンエンドよ」

 

 

 

ターン4→5

紫 LP4000

手札 2

墓地 4

フィールド

《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》

 

  □ □ □ □ □

  

  □ □ イ □ □

    

    □   □  

   

聖 □ □ □ □ □

  

  □ ■ □ □ □

 

霊夢 LP4500

手札 2

墓地 12

フィールド 

フィールド魔法 《転生炎獣の聖域》

魔法・罠伏せ 1

 

 

「霊夢にしては何もしないなんてね。ドロー」

 

 しょうがないでしょ。手札が手札なんだから。

 

「《流星方界器(りゅうせいほうかいき)デューザ》を召喚。このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから「方界」カード1枚を墓地へ送る。

方界(ほうかい)(カルマ)》を墓地へ。」

 

 

《流星方界器デューザ》

☆4 / 光属性 / 機械族 / 攻1600

 

 

「バトルフェイズ」

 

「この瞬間、伏せていた永続罠、《(ひかり)護封壁(ごふうへき)》を発動するわ!」

 

 《(ひかり)護封壁(ごふうへき)》は1000の倍数のライフポイントを払って発動し、このカードがフィールド上に存在する間、払った数値以下の攻撃力を持つ相手モンスターは攻撃をする事ができない効果を持っている。これである程度抑える。

 

「私が支払うのは……3000よ!」

 

霊夢 LP4500 → 1500

 

 これで攻撃力3000以下である《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》と《流星方界器デューザ》は攻撃できない。ここはバトルフェイズを終わらせるしかないはず。

 

「随分と思い切ったことをするのね」

 

「思い切ったも何も、ライフぐらい増やそうと思えば増やせるからよ。

さぁどうするのよ」

 

「そうね。ここはターンを終了するわ」

 

 

 

ターン5→6

紫 LP4000

手札 2

墓地 5

フィールド

《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》

《流星方界器デューザ》

 

  □ □ □ □ □

  

  □ □ イ デ □

    

    □   □  

   

聖 □ □ □ □ □

  

  □ 光 □ □ □

 

霊夢 LP1500

手札 2

墓地 12

フィールド 

フィールド魔法 《転生炎獣の聖域》

永続罠 《光の護封壁》(3000以下の攻撃力を持つ相手モンスターは攻撃をする事ができない)

 

 

 

「でも、それが命取りになるかもしれないわよ……」

 

「? わけの分からないことを――ドロー!」

 

 これなら少しは動けるわね。

 

「永続魔法、《転生炎獣の意志(サラマングレイト・ハート)》を発動して一つ目の効果を使うわ。自分の手札・墓地から「サラマングレイト」モンスター1体を選んで特殊召喚する。蘇生するのは―――《転生炎獣ミーア》よ」

 

 

《転生炎獣ミーア》

☆2 / 炎属性 / サイバース族 / 攻 800

 

 

「《ミーア》?《ヒートライオ》ではなく……」

 

「墓地の《転生炎獣ファルコ》の効果、《転生炎獣ミーア》手札に戻して自身を蘇生。そして手札に加わった《転生炎獣ミーア》も自身の効果で再び特殊召喚」

 

 

《転生炎獣ファルコ》

☆4 / 炎属性 / サイバース族 / 守1000

 

《転生炎獣ミーア》

☆2 / 炎属性 / サイバース族 /守 600

 

 

「カードを一枚伏せてターンエンド」

 

 

 

ターン6→7

紫 LP4000

手札 2

墓地 5

フィールド

《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》

《流星方界器デューザ》

 

  □ □ □ □ □

  

  □ □ イ デ □

    

    □   □  

   

聖 □ フ ミ □ □

  

  □ 光 意 ■ □

 

霊夢 LP1500

手札 1

墓地 10

フィールド 

《転生炎獣ファルコ》

《転生炎獣ミーア》

フィールド魔法 《転生炎獣の聖域》

永続魔法 《転生炎獣の意志》

永続罠 《光の護封壁》(3000以下の攻撃力を持つ相手モンスターは攻撃をする事ができない)

魔法・罠伏せ 1

 

 

 

「守りを固める…か…。

私のターンね。ドロー。」

 

 私にはあってないようなものだけど、紫は呟いたが霊夢には聞こえなかった。そして静かに手を進める。終わらせるための一手を。

 

「私の墓地から永続魔法、《方界業》を除外して効果を発動。デッキから《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》を手札に。そして……」

 

《方界帝ゲイラ・ガイル》

《方界合神》

《方界獣ダーク・ガネックス》

 

 紫はおもむろに自分の手札の中から三枚を選んで霊夢に見せるように公開した。まるでそれが必要な条件かのように――

 

 

―――境界を越え、光さえ飲み込む大いなる闇よ。その姿を顕現なさい。《暗黒方界神(あんこくほうかいしん)クリムゾン・ノヴァ》―――

 

 

《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》

☆10 / 闇属性 / 悪魔族 / 攻3000

 

 

 出現したのは明らかにこれまでとは纏っているものが異なる歪な存在。

 

「何よ…それ……」

 

「狂気が生み出した悪の化身。使う者によっては全てを滅ぼしかねないものよ」

 

「アンタなんてものを出してるのよ!」

 

「…《流星方界器デューザ》と《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》を守備表示に変更して、これでターンを終了するわ」

 

 紫は霊夢の言葉をスルーしてターンの終了を宣言した。

 そして、その宣言と共に邪神がその力を解放する。

 

「このエンドフェイズに《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》は闇を放つ。お互いのプレイヤーは3000のダメージを受けるわ。私は残るけど霊夢はこれで終わるわね」

 

 紫の言う通りだ。あんなふざけたダメージを受ければ誰だって厳しいし、残り半分も無い霊夢に至っては厳しいどころではない。

 だけど…こんな幕切れは願い下げよ!

 

「甘く見ないで!

カウンター罠!《リンク・リスタート》を発動!自分にダメージを与える効果が発動した時、その発動を無効にし、自分の墓地からリンクモンスター1体を選んで特殊召喚する!これで効果ダメージは帳消し!そして甦れ―――《転生炎獣ヒートライオ》!」

 

 

《転生炎獣ヒートライオ》

リンク3 / 炎属性 / サイバース族 / 攻2300

【リンクマーカー:上/左下/右下】

 

 

「……!」

 

 発動自体を無効にしたから紫へのダメージもなくなったが、これでまだ可能性はある。

 リンクモンスターを渡されるまで完全に腐ってたカードだけど、抜かなくてよかったわ。お蔭でまだターンが回ってくる。……単に総枚数的に入れてただけなんだけど。

 

 

 

ターン7→8

紫 LP4000

手札 3

墓地 4

除外 1

フィールド

《方界超帝インディオラ・デス・ボルト》

《流星方界器デューザ》

《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》

 

  □ □ □ □ □

  

  □ 暗 イ デ □

    

    □   □  

        ↑

聖 □ フ ミ ヒ □

       ↙ ↘

  □ 光 意 □ □

 

霊夢 LP1500

手札 1

墓地 10

フィールド 

《転生炎獣ファルコ》

《転生炎獣ミーア》

《転生炎獣ヒートライオ》

フィールド魔法 《転生炎獣の聖域》

永続魔法 《転生炎獣の意志》

永続罠 《光の護封壁》(3000以下の攻撃力を持つ相手モンスターは攻撃をする事ができない)

 

 

 

 恐らくこれが自分に回ってくる最後のターンだろう。このターンで何も出来なければ、次の紫のターンでまたエンドフェイズにあのバーン飛んでくる。そうなれば次も防ぐ術はないこちらの負けになる。このターンに懸かっている

 

「私のターン、ドロー」

 

 …来たっ! となるとまずは――

 

「現れなさい、楽園を導くサーキット!」

 

 フィールドの上空に現れるゲート。

 その様子を見て紫は疑問に思った。

 

「この状況でさらなるリンク召喚でもするつもり…?」

 

「ここで《転生炎獣の聖域》の効果を発動!自分が「サラマングレイト」リンクモンスターをリンク召喚する場合、自分フィールドの()()の「サラマングレイト」リンクモンスター1体のみを素材としてリンク召喚できる!

私は《転生炎獣ヒートライオ》をリンクマーカーにセット!」

 

 

―――逆巻く炎よ、浄化の力で真の力を呼び覚ませ!転生リンク召喚!甦れ、炎の平原を駆け抜ける百獣の王!《転生炎獣ヒートライオ》!―――

 

 

《転生炎獣ヒートライオ》

リンク3 / 炎属性 / サイバース族 / 攻2300

【リンクマーカー:上/左下/右下】

 

 

 先程よりも激しい炎を纏って新たに召喚された《転生炎獣ヒートライオ》。これこそが"転生炎獣(サラマングレイト)"が"転生炎獣"である最たる由縁。リンクの《転生炎獣ヒートライオ》に限らず、儀式や融合も同名カードを使用して新たに生まれ変わる、転生することで更なる力を解放する。

 

「転生リンク召喚…何をするつもりかは知らないけれど、《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》は自身以外の元々の攻撃力が3000以下のモンスターが発動した効果を受けないわ。

今の《転生炎獣ヒートライオ》はフィールドのモンスター1体の攻撃力を墓地のモンスターの攻撃力と同じにする効果を持っているけれど、こちらの耐性はレベルではなく攻撃力を参照する。それでは意味を成さないわよ」

 

「そうね。でも別にそこまで考えてないから問題ないわ。

永続魔法、《転生炎獣の意志》を墓地に送ってその二つ目の効果を発動。転生した《転生炎獣ヒートライオ》のリンクマーカーの数まで、自分の手札・墓地から「サラマングレイト」モンスターを選んで守備表示で特殊召喚する。さぁ、墓地から蘇りなさい!」

 

 

《転生炎獣ラクーン》

☆1 / 炎属性 / サイバース族 / 守 800

 

《転生炎獣フォクシー》

☆3 / 炎属性 / サイバース族 / 守1200

 

《転生炎獣Bバイソン》

☆8 / 炎属性 / サイバース族 /守1000

 

 

 

  □ □ □ □ □

  

  □ 暗 イ デ □

    ↑

    ヒ   □  

   ↙ ↘    

聖 ラ フ ミ フ バ

       

  □ 光 □ □ □

 

 

「そして手札から《フュージョン・オブ・ファイア》を発動!自分の手札及び自分・相手フィールドから「サラマングレイト」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

私は《転生炎獣Bバイソン》と《転生炎獣ヒートライオ》を融合!」

 

 

――― 融合召喚!一つの狂おしき魂のもと凶悪なる獣たちの武器を集めし肉体を誇る魔獣よ!《転生炎獣(サラマングレイト)ヴァイオレットキマイラ》! ―――

 

 

《転生炎獣ヴァイオレットキマイラ》

☆8 / 炎属性 / サイバース族 / 攻2800 + ((2300+2800)÷2=2550) = 5350

「サラマングレイト」モンスター+リンクモンスター

 

 

 《転生炎獣ヴァイオレットキマイラ》は融合召喚に成功した場合に、ターン終了時まで素材としたモンスターの元々の攻撃力を合計した数値の半分だけアップする効果を持つ。それにより今の攻撃力は5000を超える。これなら《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》を倒すだけなら十分ではある。だが次のターンに二枚目が出る可能性が無いとは言い切れない以上、これだけでは足りない。

 

「《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》は相手の効果を受けない耐性を持っている。けどそれはモンスター効果に対してのみ。ならこれならどう?

手札から装備魔法、《魔界(まかい)足枷(あしかせ)》を《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》に装備よ。装備モンスターは攻撃する事ができず、攻撃力・守備力は100になる!」

 

 

《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》

☆10 / 闇属性 / 悪魔族 / 攻3000 → 100

 

 

「そういうこと。」

 

「バトルよ!

《転生炎獣ヴァイオレットキマイラ》で《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》を攻撃!そして《転生炎獣ヴァイオレットキマイラ》の効果発動!元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つモンスターと戦闘を行うダメージ計算時に一度、自身の攻撃力をそのダメージ計算時のみ倍にする!」

 

 

《転生炎獣ヴァイオレットキマイラ》

☆8 / 炎属性 / サイバース族 / 攻5350 → 10700

 

《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》

☆10 / 闇属性 / 悪魔族 / 攻100

 

 

「この一撃で終わらせるわ!やりなさい!

ヴァイオレットソウル!!」

 

 伏せカードは無い。手札誘発もない。

 これで…決まった。

 

「随分と…楽しんでいるようで良かったわ」

 

紫 LP4000 → 0

 

 デュエルが終わり、実体化していたモンスターが消えた時、既にそこには紫の姿は無かった。霊夢はそれをいつもの事かと気にも留めた風も無く母屋へと戻っていく。

 

 その光景を離れた場所から紫が眺めていた。

 

「霊夢にもしっかりと火は灯っていた。

この幻想郷に吹く新風はこれから先で何を齎すかは分からないわ。いい流れにも悪い流れにもなるかもしれない。もし何かが起こった時は……」

 

 紫はその続きを言うことなく、再び姿を消していた。

 

 




オーバーキルぅぅぅ

今回はいつも以上にノリで進めていたので、途中少々強引となっています。
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