東方紫流風   作:永遠の中級者

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デュエルはありません。設定説明回です。


6話 博麗の巫女

 魔理沙の先導の下、木々が増えて道に迷うのではと思いながらも到着したそこは年季を感じさせる神社だった。

 

 鳥居をくぐって境内の中に入る。

 時間帯というのもあるかもしれないが、先の守矢神社とは打って変わって人の気配を感じない。神社なのに信仰されているとは思えない。

 

「此処に誰かいるのか?」

 

「居るぜ。こっちだ」

 

 そう言って魔理沙は神社の奥にあった母屋と思われるところに誘導した。

 そこから中を見ると確かに人が居た。

 

「霊夢、まだ起きてるか」

 

「……帰ったんじゃなかったの」

 

 中から出て来た巫女服を着た人物は魔理沙の顔を見ては面倒そうな顔をした。それでも一応応対はするようだ。

 

「それがさあ、帰る途中で面白い奴とあってさ、そいつがあの紫流風(シルフ)について知っててさ」

 

「ふぅん。……そいつが?」

 

「おう」

 

 霊夢と呼ばれた巫女がこちらを見る。

 その内に魔理沙は勝手に中へと上がっていく。そして止められる。

 

「ちょっと、なに上がろうとしてるのよ」

 

「気にするなって」

 

 なんやかんやありながらも結局は中へと入る流れに。

 中にある和室で三人でとりあえず座る。

 

「それで、誰よアンタ」

 

 そういえば自己紹介がまだだった。こちら側は名前を知れてはいるのだが。

 という訳で軽く紹介をしておく。ついでに証明として決闘盤とデッキも置いておく。

 

「決闘者であることは確からしいわね。それで何でこんな時間にウチに来たのよ?」

 

「だから紫流風についての情報をだな」

 

「また明日にしなさいよ。どうせそんなに急ぐことでもないんでしょ」

 

「んー、それもそうだな。じゃあ…寝るか!」

 

 そう言って迷いなく寝転ぶ魔理沙。

 

「だから何でそこで寝ようとするのよ!」

 

 その夜は結局霊夢から折れた。足で蹴ってはいたが。

 俺も寝泊りするところを確保していないのでこのまま出ると野宿確定の為、この場で寝させてもらうことにした。一応邪魔にならないように気を使って部屋の隅に移動してから寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして一夜が明けた。

 

「じゃあ、あの時のブラフって殆ど魔法だったのか」

 

「それも装備とかな。紫遊が《ディメンション・マジック》を撃った後、警戒して攻撃を止めるほど慎重だったから、適当に余裕でも見せとけばまた止めるだろうと思ったんだが、突っ込んできやがってよ」

 

「あれは一種の賭けでもあったからな」

 

「……まだ居た」

 

 体勢が体勢だった為か、早くに起きてしまった俺は、その後に起きた魔理沙と軽い雑談をしていた。

 昨日のデュエルのことだったり、幻想郷のことだったりと。

 

 そうしている内に霊夢が起きる時間になったのか、奥から面倒なものを見る様な目でこちらを見ながら現れた。口ぶりからして帰っていて欲しかったのか。それも分からなくもないが。

 

「霊夢、お茶くれ」

 

「そういうのは咲夜に言いなさい」

 

 そう言いながらも後からお茶とお茶菓子を出してくれた。後でお賽銭でも入れておこうか。

 そして霊夢も輪に加わり、話は先延ばしにしたことへ。

 

「それで紫流風が何だって?」

 

「ああ、それを紫遊が説明してくれるよ」

 

「やっぱり俺からか」

 

 振られたのでとりあえず説明に入ることにした。電脳世界などはあまり伝わらない気がするのでその手のことは出来るだけ伏せながら。

 データストームの中身、その危険性と考えられる幻想郷への被害。といっても現実的な構築物質にはそれほど影響はないだろう。

 

「じゃあそのデータストームってのが本当の名前なのね」

 

「俺が知っているのとまったくの同質ならな」

 

「ていうか、そう考えると何でカードが落ちてるのかも少しは納得できるな」

 

 霊夢に説明をしていると、横で改めて説明を聞いていた魔理沙が妙なことを言った。

 

「カードが落ちている?

…そういえば、魔理沙たちはどうやってカードを手に入れているんだ?」

 

 カードで思い出した素朴な疑問。

 昨日、人間の里をある程度歩いたが、カードを扱っている場所は疎か、カードに関係している場所すらなかった。それなのにカードを持った決闘者は存在している。一体何処からカードを入手しているというのか?

 

「何処からって今言った通りだぜ。カードは拾った、って奴だな」

 

「それ全部か?」

 

「そうだけど?」

 

 デッキを組めるほどのカードが落ちているというのは如何なんだ…。

 それに、そんなに落ちているのなら一度は目撃してもいいはずなのに、此処に来るまでにそんなものは一切に目撃しなかった。

 訊いてみるとそれもデータストームが関係しているらしい。

 

「あれが現れた次の日ぐらいにさ、決まって出たところの下あたりにカードが落ちてるんだよ。多分本体から零れた情報って感じなんだろうな」

 

 それを集めてデッキにしたってことなのか?結構な回数になるな。

 

「そりゃあ、毎日出てればそれなりの数になるか」

 

「何言ってんだ?毎日は出ねえよ?」

 

「そうなのか?」

 

 どうやらある程度法則のようなものがあるらしく、それらを含めて教えて貰った情報を纏めてみると、

 

 ・データストームは数か月前から出現している。発生理由は謎。

 ・データストームは決まって夜に出現し、毎日は出現しない。昨日現れたので今晩は出ない。

 ・データストームの出現地点の付近には次の日にカードが落ちている。手に入るカードはランダムで、一度の発見で入手できるのは1~3枚程度。入手カードの性能や枚数はデータストームの状態に比例する可能性がある。

 ・発見しても回収しなかったカードは時間が経つと消滅するとされる。恐らく元のデータに戻るのだろう。

 ・霊夢たちは危険性を今のところは感じられないので放置している。

 

 ということらしい。

 放置していると言うが、魔理沙は現にまだ調べていた。ちなみに何度も出現しているからか、巷では自然現象の一つということで受け入れられているらしい。通りで騒ぎになったりしなかった訳か。オーロラかっ。

 

「拾えるのはカードだけなのか?

というか、そうなると幻想郷の決闘者が持ってる決闘盤はどこで手に入れたんだよ?」

 

「決闘盤については初めの質問で説明出来なくもないわ。

拾えるのはカードだけという質問は間違い、出始めの頃は別のものも落ちていたらしいわ。この決闘盤の原型がね」

 

「それと私もルールブックってのを拾ったぜ。ほら」

 

 そう言って魔理沙は小さい書籍を取り出した。借りてみて中身を確認してみたが、確かに基本的なルールが書かれていた。データストームによるスピードデュエルについては無かったが。

 それにしても…

 

「原型って魔理沙が持っているそれか?それとも霊夢が持っているのか?」

 

「いや、私らのとは違うぜ。

こいつは機械に強い河童が原型を解析して、それを元に改良込みで作られたんだよ。巷に出回ってる奴は全部そうだと思うぜ」

 

 ということはその河童が原型を持っているのか。

 それよりも河童がメカニックなのか。機械は水に弱いのにその相性はいいのか…。

 

「っと、機械で思い出したが、あいつにこれを改造させないとな。

紫遊、あのスキルってのはどうすればできるんだよ」

 

「ああ、あれか」

 

 魔理沙がスピードデュエルでの紫遊が使ったスキルについて訊いてきた。

 

 スピードデュエルでのスキルはプレイヤーでもデッキにもなく、決闘盤にダウンロードしておいてから使うプログラムだ。

 その為、デッキと同じようにプレイヤー毎に使えるものが違い、後から別のものを入れておくことでスキルを変えることも出来る。

 幻想郷でも仕様は同じだと思うが、その辺を触るには機材などが必要なので今は出来ない。さっき言っていた河童に協力してもらえれば何とかなるだろうか?

 

「スキルの情報をディスクに入れておけば一応は使えるが…」

 

「なら今から入れさせに行くか」

 

 そう決めて魔理沙は立ち上がった。ついでに俺も行かなければいけないらしい。こちらとしても交流をしておきたいので別に構わないが。

 

「おっと、忘れてた」

 

 と思っていたら、何かを思い出して順番を変えるらしい。

 

「霊夢も行くか?」

 

「遠慮しとく」

 

「そうか。んじゃ行くか」

 

 ということで、魔理沙は紫遊を連れて何処かへと向かい始めたのだった。

 




この作品でのスキルは"ディスクに入ったプログラム"ということにします。
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