東方紫流風   作:永遠の中級者

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デュエルが無ければこんなものだよ。(文字数)

そしていつも以上にキャラが迷走。


8話 お値段以上

 そういえば幻想郷に来てから負けたのは始めてだろうか。

 勝ちに全てを賭けている訳ではないから、負けてもそこまで落ち込む訳でもないが、いざ負けると悔しいものだ。

 

 あの天狗が去ってから、紫遊は地面に寝転んだままそんなことを考えていた。まぁそれほど復活に時間は使うことはなく、すぐに身体を起こした。

 

「そういや、あいつあんまり止めるようなカードを使ってるところ見たことないなぁ……それほど決闘見たことないけど」

 

「魔理沙、誰だあいつは」

 

「おおっ!? って、にとりか。驚かすなよ」

 

「かっぱっぱ」

 

 魔理沙の背後に突然として現れたのは、大きなリュックを背負った青い服装の少女。

 彼女は河城にとり。幻想郷の決闘盤に携わっており、魔理沙たちが後で探そうとしていた河童のエンジニアである。それが向こうから来たのだ。

 

「都合がいいや。にとりに依頼することがあってな」

 

「依頼って決闘盤のことかい?」

 

「おお。話が早いな」

 

 魔理沙の目的を予測していたにとり。

 どうやらにとりも"文々。新聞"でそのことを知っているようだ。

 そして興味から魔理沙を探していたという。

 

「この決闘盤にスキルを入れてほしいんだよ」

 

「スキル?なんだそれ?」

 

「ああ、そこから説明すんのか」

 

「…なんか増えてるな」

 

 魔理沙がにとりにどこから説明しようかと考えている時、立ち上がっていた紫遊が二人のもとに来た。ちなみに霊夢はすでに母屋の中に入っていますのでこの場にはいません。

 

「紫遊、こいつがにとり。私らが捜しに行こうとしてた河童だ」

 

 河童と言われて自然に頭を見てしまったが、頭には帽子があった為、本当に皿があるのかどうかは分からなかった。

 それにしてもお値段以上な名前してるな…いい仕事をしそうだ。

 

「んで、こいつが紫遊。流浪の決闘者だ」

 

 なんか凄い紹介をされたな。そんなの初耳だぞ。

 とまあ変な紹介はさておき。決闘をしている間に来たのなら手間が省けたというものだ。

 

「紹介はここまでにして、とりあえず中に入ろうぜ。説明はそれからでいいだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だからなんで此処で集まるのよ。ちゃっかりにとりまで居るし」

 

「ほうほう。そんなものがあるのか」

 

「聞いてないし。」

 

 博麗神社の和室に戻り、俺はにとりにスピードデュエルとスキルについて説明した。スキルのことを話している時ににとりは少し興味を示していた。

 説明を終えてから魔理沙が再び頼んだ。

 

「別に構わんよ」

 

「本当か?」

 

「だが条件がある、私はそのスキルを知らない。だから見本としてそいつの決闘盤を貸してくれるか?」

 

 そういって指さしたのは紫遊の決闘盤。

 その発言は分かる。おそらく幻想郷でスピードデュエルのスキルに対応しているのは俺の決闘盤だけだろう。どんなものでも見本がある方が分かり易いし、スキルプログラムに対しての知識も得られる。

 だが、流石にその要求にはすぐに頷けない。

 

「貸したら何処かに持っていくのか?」

 

「一回戻ったほうが設備的にもやり易いけど、簡単なことなら此処でもできないことじゃない。道具は一応持ち歩いてるからな」

 

 そう言うにとりは持ってきていたリュックから色々な機材を出し始めた。確かにこれなら出来なくもない。というかこんなものまであるのか。

 

「提案だが、プログラムについては俺も参加していいか。少しは役に立てるかもしれないし」

 

 決闘盤に変なことをされても困るし。

 

「……いいぞ。じゃあ今から始めますか」

 

 そういうわけでこの瞬間、博麗神社の一室が整備室になった。宿主の許可なく。

 それからは意外と進むものである。

 機材はどれも古くて効率はそれほど早いものではないが、必要なことは割とできた。解析している間にもスキルの種類や条件などを聞かれたりした。スキルは一人一つだけなのかとか、スキルが被ったりしないのかとか。

 

「どっかの団体とかだとスキルをある程度統一させてたりすることもある。といっても強い奴ほど個性的なのが多かったと思うが」

 

「あ、俺のは多分プロテクトがあるから複製できないぞ」

 

「決闘中にカードを取得するのはいいのか?」

 

「いいんだよ」

 

 などと言いながらも作業は進んだ。

 外はすっかり暗くなっている。流石に数時間で魔理沙のスキルの構築までは行けなかった。

 とはいえ作業はまだ終わらない。にとりはすっかり火が付いている(河童なのにとかは今はいらない)。中途半端に止めておけない。

 

「いや、帰りなさいよ」

 

 などというツッコミがあったが、居座り続けた。

 長時間居座っているもので、食に関しては魔理沙が何処かから持ってきた軽食を食べていた。

 

「スキル内容はどうする?」

 

「紫遊が知っている効果はどんなのがあるんだ?」

 

「えっと…デッキを選ばない汎用性が高いスキルだったり、デッキタイプに合わせたスキルだったりかな」

 

「デッキに合わせたってどういう奴?」

 

「例えば、デッキ内容の大半を占めるカテゴリを指定するとか」

 

「なるほどな」

 

 まあ、どのスキルが強いかなんてのは、その状況による。

 タイミングを問わない魔法として使うようなのもあれば、ルールに関与するようなものだってある。直接アドバンテージを取るものもあれば取らないものもある。

 

 つまりはそういうことである。

 

 

 それからも作業は続き、日を跨いでも構築をしていた。

 ある程度形になってきた辺りから少し悪ノリしかけたこともあったが、スキルの構築はいい感じになった。

 

 実はというと結局明確なスキルは作っていない。明確ではないだけでスキルは出来ている。作成途中で少し思い付きどうせならと話し合った結果、自己構築という形のスキルを作り上げた。

 要は決闘者の情報を読み込ませて独自のスキルを作らせるのだ。これなら個性的なスキルが出来ることだろう。依頼者である魔理沙とこの場にいた霊夢の決闘盤には既に入力済みだ。霊夢にはサービスらしい。

 二人のスキルがどうなるかは数日後。楽しみだ。

 

 それと、魔理沙の他にも同じような要望を出す者がいるかもしれないということで、先手を打って自己構築プログラムの複製を用意した。にとりは後日、これを配るか売るかするだろう。

 

 最後にもう一つ。にとりの俺に対する認識だが。

 

「じゃあな盟友」

 

 帰り際にそう言っていた。一緒に開発をしている間に、いつの間にか格上げしていたらしい。まあいいか。

 

 

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