狩人、あるいはケモノハンター   作:溶けない氷

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女神官の自衛装備
毎分200発の地母神の慈悲
これには地母神様もにっこり
女神官「ゴブリンのみなさーん!このガトちゃんが皆さんにご挨拶したいって言ってますよー!」(ババババ



第13話

貴方達は6人の人数で動き回ることは時間がかかりすぎるのでは?という懸念があった。

戦力を集中すれば確実に潰せるが、時間がかかりその結果他の巣に合流されては意味がない。

かと言って分散すれば危険性と撃ち漏らしのリスクがある。

狩人なら分散し特に考えもなく人質もついでとばかりに皆殺しにするだろう、だがゴブリンスレイヤーは人質がいる場合は救助を優先する人間だ。

彼は貴方と違ってまともだ、故に万が一にも人質がいた場合を考え個別に巣を殲滅する。

「炙り出す時に、一旦別れる。」

それゆえチームを二つに分け、一方が巣穴の正面を担当しもう一方が側道から逃げようとするゴブリンを追跡し殲滅する事になった。

正面チームと側面チームを3:3に分ける場合にゴブリンスレイヤーからの指示は…

正面からの突破を阻む役目を担当するゴブリンスレイヤー 、女神官、鉱人導師のチーム。

側面、背後を担当する狩人、妖精弓手、蜥蜴神官の追跡チームだ。

 

貴方はゴブリンを逃さず狩り取らねばならない、逃げれば他の巣穴は警戒しまた散るか逆に集結して襲ってくるかもしれない。

貴方達は朝日が昇る前に出発し夕暮れ時までにどれだけ潰せるかが重要だ。

「狩人、チームで動くんだから私が指揮するわ。Bチームの指揮は私!蜥蜴僧侶も文句ないわね!

連中を皆殺しにするのよ!」

「拙僧は特に問題はない、狩人殿は?」

所詮貴方は狩人、目につくものを片っ端から殺し尽くすのみ。

妖精弓手は、リーダーという地位に與味があるらしい。

どうせ児戲とて、まあ喜ぶのならいいではないか。

「やれやれ、狩人よ。

その自信過剰なエルフが暴走せんようにな。

ま、落ち着いたお前さんがたがついてるんなら大丈夫じゃろ」

確かに貴方一人ではこの妖精は止められそうにない、大人な対応ができる蜥蜴僧侶の助けが必要だ。

…それにこの妖精森人がいるなら例の手段が2倍に増えるではないか…

「え?なに?頼みたい事があるって?ふふん、早速リーダーとしての実力を…

は?はぁぁぁぁぁぁぁ!?ばばばばば、バカじゃないの!?そんな事できるわけないでしょ!

バカ!変態!」

何を変だと言うのだろうか…貴方はこのエルフに朝一番の小水を瓶に詰めておいて欲しいと頼んだだけだ。

いつも機会があったら女神官にも頼んでいる。

「わー!わー!わー!か、狩人さん!何で言っちゃうんですか!?

言わないでくださいって言ったでしょ!」

だがチームである以上、いずれは皆知り使わないなければならないゴブリン狩りの手段だ。

それにこれはゴブリンスレイヤーがゴブリン狩りの時に使う常套手段ではないか。

そう言うとなぜかゴブリンスレイヤー は顔を背けた。

「…まあ」

「何がまあよ!嫌!絶対嫌!無理に決まってるでしょ!」

大丈夫だ、エルフの小水ならきっと沢山ゴブリンやトロルが釣れる。

「そういうことじゃないわよ!ホントデリカシー0ね!

あんたって本当にサイテーの変態だわ!ちょっとは見直そうとした私が馬鹿だったわよ!」

このエルフは馬鹿なのか。それに変態とはよく言われる、だが真の変態とはこんなものではない。

とにかく話はまとまった、もうそろそろ日が暮れる。

貴方達は3交代で夜のゴブリン襲撃への見張りにも協力しなければならない。

現在はこの里に残った少数の兵士や民兵が交代で見張りをしているがちょろっと嫌がらせをしてすぐに撤退するゴブリンは少数の兵士では守るべき地域全てをカバーできないらしい。

大抵は里の周辺の畑を荒らす程度だが、規模が大きくなれば襲撃も考えられる。

ここに後20人ほど精鋭戦士がいれば警備も楽なのだが、連合軍に参加して不在なので仕方ない。

「やれる事をやれる者がやるだけだ、二人づつ3交代で見回りをする」

ゴブリンスレイヤーと女神官、狩人と妖精弓手、蜥蜴僧侶と鉱人導師の組み合わせだ。

こう見ると前衛職がいない構成がこのパーティーの欠点だと痛感する。

貴方とゴブリンスレイヤーが前衛もこなせないではないがやはり両者ともに軽戦士だ。

貴方達は日が暮れる前に里が沸かしてくれた浴場で身ぎれいにする事を勧められた。

要するに里にいるには皆旅路で汚れて汚らしいから清めろという事だ。

まずは女性陣が入り、4人の男は後で入る。

「やった!ほら女神官も行こ!もう汗でベトベトだったんだから。

早く早く」

「わわ、ちょっと待ってください」

ちなみに貴方達4人の男は半分以下の時間で2倍の人数ということになる。

まぁ女性が身綺麗にしたいのは不思議ではあるまい…どうせこの後ゴブ汁まみれになる。

貴方達は女性陣が身を清めている間にこの間に武器・装備・道具・戦術などを点検する。

「ゴブリンは臆病で悪辣で狡猾だ、馬鹿ではあるが間抜けではない。

だから連中は集団を作り群れて数で襲いたがるが、同時に自分が群れの長になりたがる。

それが無理ならある程度高い地位に…

どうしようもないクズだ。

だから連中は巣がある程度大きくなると一部が群れを離れて新しい巣を作る。

新しい巣でならクズも族長気分でいられるからな」

貴方はなぜゴブリンが大規模な組織を作れないのか少しわかった気がする。

貴方達4人は男の間柄ということで気楽に会話を進める。

やはりなぜパーティーが同性同士で組むことが多いのかがわかった。

「そういや狩人はこの前銅になったんだって?

ちょいとした話題だったぜ、西の辺境最速の昇進だってな。

いやはやカミキリ丸といい、どうして西にも有望なのがいるもんだ」

鉱人導師は酒をちびちびやりながら貴方に話しかけてきた。

「拙僧からも祝福の言葉を、それにしても狩人殿は何故にそこまで

獣狩りにこだわるのですかな?いや、あくまでも狩人殿の都合でしょうが

よければ拙僧らに話してはいただけませんかな?」

蜥蜴僧侶も気になるようだ。

彼らのそもそもの考えからすると、都の悪魔討伐の件と何か関係があるのだろうか?

「御察しの通り、拙僧らの元々の目的は小鬼殺し殿の協力を得ること。

ですが小鬼殺し殿があくまでも小鬼殺しに集中したいのであれば無理矢理にというわけには参りません。

そこで今度は将来有望な狩人殿に協力を仰げればという我等の身勝手な望みというわけです」

「ま、そういうことじゃ。狩人、お前さん程の実力者が今まで冒険者じゃなかったってのは正直驚きじゃ。

だが都には魔神王の連中が攻め込んできとる、

もう都市がいくつも陥とされてるってのに政治的ご都合とやらで秩序側の陣営の足並みはバラバラ。ここの3人も親類縁者が少なからず戦に行っとるが、いつ棺桶で帰ってきてもおかしくない。

あの金床だってそうだ。

こんな時代、ちょっとでも頼りになりそうな奴には縋りたいってのが人情ってもんじゃろ?」

…貴方はヤーナムの獣狩りを話す気にはなれない。

誰が信じられるだろうか?貴方の狂気と絶望に満ちた永遠に続く獣狩りの夜の事を。

貴方はいずれ必要になったら話すとはぐらかした。

今は人に仇なす穢らわしい連中、すなわち獣を片っ端から狩ることが貴方の使命だとも伝えた。

「そうかい。ま、確かにお前さんのような連中が

こういうところで草の根探してでも厄介な連中を狩ってくれとるおかげで

兵隊もみんな安心して前線に行けるってのもあるわな」

「確かに、故郷がゴブリンに襲われなくなるのではという不安があっては前線の兵士達の士気にも関わりますからな。

妖精弓手にしても肉親が前線に行っているからこそ小鬼殺し殿にきつく当たったのです」

もっとも貴方達はその妖精弓手の故郷を守るために来ている。

魔神王との決戦ほど華々しくはないだろうが、これも冒険ではないだろうか?

貴方にとっては獣狩りに他ならないが。

貴方達は日が沈んでからの警戒経路について話し合った。

警戒は基本的にこの里のエルフ達が請け負ってくれているが、少し離れた畑などの警戒は貴方達の受け持ちとなるらしい。

「まずは畑を荒らしにきたゴブリンを殲滅し、巣の大まかな場所を特定する

特定したら巣ごと根絶する。

そのパターンを繰り返してゴブリンの出現が確認できなくなったら探索の輪を広げて撃ち漏らしがないか確認する」

彼の作戦は慎重で堅実にゴブリンの根絶を目指している。

『獣狩りの夜が始まる』

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