狩人、あるいはケモノハンター   作:溶けない氷

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受付嬢さんの印象
ゴブスレさん>ゴブリンを倒してくれる、ストイックでかっこいい。
すきすき大好き、愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる

狩人さん>村人が脅かされてるなら何でもタダ同然でも殺してくれる、感謝はしてるけど怖い

女神官>小動物、癒し、可愛い(地母神様「わかるよ、少女は愛でる者だ」

槍使い>チャラ男、自害せよランサー


第23話

「はぁはぁはぁ…」

彼女はどうやら才能があるらしい。

まずはとにかく体を動かし、悪夢を払うことから始めよう。

人間の長所は物を投げつける事だと誰かから昔聞いたことがある…ような気がする。

遥か太古から人間は自分よりも早く強く大きい獣をありとあらゆる武器を投げつける事によって狩ってきた。

彼女は今や火炎瓶と同じ程の大きさと重さの石を100m程度先まで飛ばせるようになった。

元々柔軟な身体の持ち主だったのだろう。

正しい戦術と明確な指示、適切な装備さえあればゴブリン程度に遅れをとることは無かったろう。

リーダーだった少年剣士を悪く言うのは嫌な気分だが彼は女性の身を冒険者として預かる事にあまりにも無頓着だった。

そして戦場で無能な指揮官でいることは大罪に他ならない、言い訳はできない。

冒険は遊びではない、戦争だ。

貴方は今日のところは日もくれるし、ここまでにしようと言った。

彼女に休憩し、明日からの訓練に備えよと伝えた。

明日には貴方はまた別の狩りに出かけるだろう、その間彼女が訓練しつつこの家を守るのだ。

「家を…はい!『私達の家』を守ればいいんですね!」

何か含んだものの言い方をされたような気がする。

(そうよね、良い妻の務めは家を守る事だって近所のおばちゃんも言ってたしね!)

どうやら武闘家ちゃんはすっかり貴方の妻気分のようだ。

とにかく今日は汗を流し、よく食べて眠るように伝えた。

貴方も工房仕事に戻る事にしよう、狩道具はいくらあっても足りることはない。

獣が絶えないように…

街のビジネスに投資してもいいかもしれない、余ったギルドの銀行口座を投資に回すのも手だ。

 

…!貴方の脳裏に突如として深宇宙からの啓蒙が流入する!

『街では不動産、薬局、鍛冶屋、農業、畜産業、運輸業、飲食店、娯楽産業、道路や水道などに投資する事によって収入が発生します。

またクエストが発生したり街で手に入るアイテムやサービスの種類が増えたり値段が安くなります。新しいサービスやアイテム、アイテムの効果上昇や値段の低下といった恩恵は誰でも受けられます』

…そういうゲームだっけこれ?でもオープンワールド系ではありがちだったような…

『勿論貴方のビジネスを妨害する者もいます、誰がボスか思い知らせましょう』

なるほど、つまりはそういう事だ。

古今東西最後に物を言うのは暴力である。

国王といえども法と権威という棍棒を持った国で一番の乱暴者にすぎない。

ならば貴方が問題をノコギリと銃弾で解決したとしてなんの不具合があろうか。

何事も暴力で解決するのが一番だ、それはヤーナムも王国も変わらない。

 

貴方はしばし工房で物思いに耽る。

王国の金貨にして10万枚、それが貴方の冒険者ギルド銀行の預金残高だ。

それにしても殺しに殺しまくっていつの間にか貯まったものだ。

ちなみに受付嬢は上役から『あいつに金を使わせろ!』とせっつかれて泣いていたらしい。

そりゃこんだけ金が一箇所に滞っていたら問題になるろう。

つまりは上位者による街への救済措置である。

だが個人としては多いが、街を完全に掌握するにはまだ少ないかもしれない。

てくてくと誰かが貴方の家の方に歩いてきた。

荷物を沢山抱えた妖精弓手だ。

「はーん、ここが狩人の家ね。結構いい家に住んでんじゃない、狩人の癖に生意気ね」

妖精弓手はズカズカと玄関先の貴方の家の呼び鈴を鳴らして貴方を呼び出した。

「なんだいるじゃない、アンタがここに家を持ってるって聞いたから遊びに来てやったわよ。

暇だし」

実は買い物や食べ歩きで金がなくなったので溜め込んでいるらしい狩人に集りに来たのだが。

……客を招く気は無いが、まぁいいだろう。

「あー結構歩いたから汗かいた、ねぇ喉乾いたからお茶出してよ」

茶でも飲みに来たのかこいつは。

貴方は仕方なく食堂で彼女に紅茶を出してやる。

すると武闘家がお風呂から上がって食堂にシャツとパンツ姿で入ってきた。

そして始まる…狂気だ…

「す、すみません。奥さんがいるとは知らずに…

違うんです!誘惑とか泥棒猫とかそんなんじゃなくて…」

なぜそういう方向に話が行くのか…

 

「は?奥さん?…誰の…

はぁぁ!?ば、ばっかじゃないの!?誰が奥さんよ!?」

誰がこんな奴好きになるっていうのよ!?そんなのいるわけないし!

陰気だし、理屈っぽいし、ヒョロイし、いつも返り血で血腥いし!」

 

「な!何言ってるんですか!

奥さんでも無いならこの人の事悪く言わないでください!

物静かで、理知的で、すらっとしてて

いつも人々の為に命がけでモンスターを退治してくれてる立派な方なんですよ!」

 

どうやら貴方のことについては立ち位置によって見方が変わってくるらしい。

「狩人さんも言ってやって下さい!貴方は立派な人なんですよ!

良い冒険者、良い狩人、良い先生だって!

エルフだからって上から目線で偉そうに言わないでください!

私が強くて可愛い狩人さんの赤ちゃん沢山産んで良い家庭を築くんですから

邪魔しないでください!」

その言葉で妖精弓手も凍りつく。

「はぁぁぁぁぁぁ!?ちょっ!狩人!まだこんな小さい子になんて事吹き込んでんのよ!!

馬鹿!変態!血塗れ狩人!」

これはえらい事になった、どうしたら良いのだろうか?

貴方は考えた末に二人にもう遅いから眠った方が良いと言った。

きっと二人とも疲れて夜遅いテンションのせいで戯言を繰り返すだけなのだ。

「狩人さん、じゃぁ一緒に…」

「こら狩人!アンタねぇ!ちょっと説明しなさいよ!この状況を!」

 

もう眠れ、貴方はそう言って工房に戻る事にした。

貴方は夢を見る、だが眠りはしない。




すまんな、武闘家ちゃんの話はどれも暗くなりそうだからコメディ風にしてしまったわ
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