豊穣と繁栄の妖精女神像
西の都の守り手の一人、妖精女神の像
彼女はやがて人々の守り手である狩人の妻の一人となり、母となった
そして多くの尊い子をなしたという
西部の高名な冒険者は多くが彼女と狩人の血を引くために耳が長く
狩りに長けているのだと言われている。
像の胸は超夢盛りのパッド入りだとかいう不埒な噂が絶えないが
ライバル神殿の根も葉もない冒涜的デマなので信じないように。
朝食をとった貴方方、狩人・妖精弓手・武闘家の3人は冒険者ギルドに行く事になった。
「すみません…まだ怖くて」
「じゃ、私は先にギルドに顔だしてくるからね!
武闘家ちゃんは慣れるまでゆっくり来ればいいから!」
武闘家はマスクで顔を隠している。ヤーナムの狩衣装はこのような時は便利だ。
もっともそのせいでゴブリンスレイヤー並みに不審人物に見えるが。
逆を言えばゴブリンスレイヤー程度で済んでいる。
貴方が全身返り血で毎日のように狩りとギルドを往復していた時に貴方に向けられる嫌悪の目はこの程度では無かった。
馬を借りにいけば主人は引付けを起こし、買い物をしようとすれば店に入らず軒先で交換。
貴方を見た老婆は悪魔が来たと大騒ぎだった。
狩場とギルドを往復するだけの日々だというのに悪名が町中に轟いていた。
というわけで貴方は街の外に家を買い、必要ならメッセンジャーを送る事もできるようになった。
おかげで街に入らなくても依頼を受けられるし、遠征先で依頼を受ける事もできる。
わざわざ報告をしに行く必要も無く依頼から依頼へと駆ける事もできるようになった。
1日に30件ほどのペースで殺しまくっていればあっという間に獣を駆除できた。
ゴブリンスレイヤーも驚きの効率的殺戮業務である。
…貴方はそろそろ専用に馬を買ってもいいかもしれない。それと猟犬も。
戦争の影響でどちらも高価だが、今の預金なら余裕で買う事もできるだろう。
聖杯ダンジョンや狩人の悪夢で犬を飼っている連中は狡いと常々思っていた。
羨ましいとか妬ましいとかも思った。
群衆に犬、あれはきつい。何度も死んだ。
旧主の番人に赤目犬のコンボ、あれは各個撃破しないと死んだ。
古狩人に番犬、あれも死んだ。
狩人と犬のコンビは恐ろしい事この上ないのだ。
貴方には犬が必要だ。それも訓練された軍用犬ならなお良い。
貴方は武闘家のためにまずは食料の買い出しに来た。どうせ残った依頼書を片っ端から引っ掴んで片っ端からモンスターを殺しに行くだけなのでギルドにはゆっくり行っても構わないのだ。
貴方と武闘家は市場で買い物をして、必要な消耗品のポーションや薬なども買い込んだ。
犬は売っていないか…
? そう思いながら歩いていたが何やら騒がしい…
「おい聞いたか?ゴブリンロードが攻めてくるってよ…まずは牧場、それから街だって」
「でも所詮ゴブリンだろ?たかがゴブリン、冒険者が何とかするだろ」
「いや、それが聞いた話じゃロードの脅威度は白金級だと」
「嘘だろ!?白金?冗談に決まってるよな!?なんでゴブリンごときがドラゴン以上の脅威なんだよ!」
「嘘じゃねえよ、街のお偉いさん方が緊急に会合を開いてたんだ。
もう目先の効くやつは荷物を畳んで逃げ出してるやつもいるってよ」
「街の中なら籠もればいいさ、だが外は?壁の外に農場や牧場を持ってるやつはどうすりゃいいんだ?」
「だからもう外に財産持ってる奴は土地も建物も叩き売りよ、タダみたいなもんだがそれでもパァになるよりゃましだろってさ」
「買うやつなんているのか?」
「いたらとっくに売れてる、売れないからみんな困ってるのさ」
貴方はとんでもないことを聞いてしまった。
「ご…ゴブリン…う…うげ…」
武闘家はゴブリンの大軍が攻めてくると聞いて顔を青くし、道の排水路で吐いている。
又してもフラッシュバックだ。ひどいトラウマ体験だったのだろう、無理もない。
それにしてもひどい混乱だ。貴方は武闘家についてこれるかと尋ね、家に戻るかと聞いた。
「い、行けます!大丈夫ですから!」
貴方は、では付いて来いと言い放った。どちらにせよゴブリンが来ると聞いただけでこの様子では、今はギルドに行くのは無理だろう…
貴方は公証館にやってきた。多くの人で混み合っている。
「だから大急ぎで売りたいんだよ!」
「困ります、ここには買い手なんていませんよ!
あ、狩人さん!貴方も売りにですか?
申し訳ありませんが、買う人なんていませんよ!」
街の壁の外の財産を保有している人たちが押し寄せてパニックになっている。
公証人がいた。貴方が家の証明書を買った時にいた人物だ。
街の不動産屋も一緒だ…
貴方は売りでは無く買いに来たと行った。
脳内に突如として啓蒙が浮かぶ…
『四方世界では常に何らかのイベントが起きています。
今回のゴブリンロード襲撃イベントのように大規模なものでは
このように値段の変動をもたらすものもあります。
例を挙げると一部の投資がハイリスクハイリターンになります』
「買いですって?お言葉ですが狩人さん、やめておいた方がよろしいのでは?
みんな売りにだしてますよ!」
不動産屋が貴方に心配の声をかけるが、貴方は買うと決めたからには買うつもりだ。
「…そこまで言うなら…ですけど、後でゴブリンに駄目にされたからって反故にはできませんよ。よろしいんですね?」
無論だ、貴方はゴブリンは1匹残らず殺す気だ。
故に損害など発生しようがないし、家を荒らされるつもりなどない。
貴方は壁の外の売りに出されていた物件・ビジネスを総計金貨1万枚で購入した。
不動産、旅人向けの旅籠、農村、畜産業、運輸業などだ。
平常時のわずか1/5の値段だ…ゴブリンだけに…
『ビジネスを購入すると月々の収入が発生します。また追加投資によって収入を増やすことができます。
しかし注意点としてモンスター襲来などによって荒らされたりした場合は収入が途絶えたり、減少します。
回復には資金が必要です。
冒険者を雇ったり、常日頃から警備兵を雇って予防しましょう。
あるいは貴方自身が赴いて解決することで営業は再開します』
『現在は活動を停止しています。
再開時の最大収入は月に金貨2000枚です』
これはモ●ポリーではないだろうか?
「狩人さん、本当に本当にいいんですか?
私も長いこと不動産業やってますけど欲をかいた人間は大損こきますよ」
これは欲ではない。これほど確実な投資はないだろう。
それにしてもゴブリンロード襲来の知らせを持ってきたのは誰なのだろうか…
ゴブリン…あっ、心当たりは一つしかない。
神々「あいつ遂にモノ●リーやってるぞ」