マリア様の生き写しの美女
そして女だったら女神官ちゃんや金床、牛飼い娘、受付嬢に剣の乙女に加え武闘家ちゃんや魔術師ちゃん、砦で死んだパーティー4人全員と姉妹妻だった…
「(怪力でゴブスレさんを掴み)
惚れさせたお前が悪い!
だから男らしく責任とって私ら12人に加えて助け出した女性全員を孕ませろ!
皆の子供は私の子供だ!
責任を取って助言者として、
立派な狩人に育ててやる!!」
男らしすぎぃ!
女狩人「お前は彼の子を産め、私が鍛えてやる。
お前の子は光になるだろう、お前の中の闇を祓う光だ…」
剣の乙女「お慕いしております、お姉さま…」
これにはゴブスレさんも困惑
そしてゴブスレさんは二重の意味で英雄になった。
小鬼殺しとして、そして女殺しの種馬として。
貴方はガトリング砲を櫓の上に設置して、鉛弾をありったけ用意した。
牧場の木の板を利用した簡易の大楯の裏ではあの剣士と聖女、そして多くの新米冒険者達が各々の得物を用意して待ち構えている。
弓矢、火炎瓶、石、棍棒に剣や槍。
戦術は単純で、とにかく数の優位を活かして攻めるゴブリンを遠距離で数を減らし、包囲される危険性を可能な限り減らす。
守り、削り、反撃する。
言ってみればたったそれだけの戦術にすぎない。
貴方は防備に資金を惜しまなかった。
大楯、木の板を重ね合わせた据え置きの盾。
隠れながら弓矢を打てるように穴が空いている。
大きく重く、人が持ち歩けるようなものでは無い。
杭と支柱で地面に固定し、むしろ即席の壁と言える。
だが単純であるがゆえに、防御力はゴブリンシャーマンの魔法攻撃も容易に防ぐほど高い。
チャンピオンの直接攻撃でようやく破壊できるほどだ。
盾は良い、これほどまでに分厚く重ければ十分信用できる程に。
大量の火炎瓶、今まで作って用意してきた特製の燃料入り。
ナフサ・タール・松脂・硫黄・オリーブ油や生石灰のギリシャの火。
ドロドロで、皮膚にでも付けば落ちず燃え続け焼け爛れる凶悪な兵器。
敵を焼き、そして夜に明かりを点ける。
それは炎のダメージ以上の価値がある時もあるだろう。
どこでも直ぐに火をつけて投げられる優れものだ。
油の調合具合で煙幕も発生する、敵の視界を塞いでやろう。
鉛や焼き物の弾丸、川辺で拾ってきた石、あるいは牧場近くの岩場で取れるゴツゴツした石。
投石紐には滑らかで程よい大きさの石が良く、鉛で出来た弾丸なら最適だ。
とはいえ、鉛は高価なので素焼きの弾丸で妥協することも多い。
投石紐に尖った石は向かない。布や皮に引っかかることもあるからだ。
スタッフスリングを使おう。両手が使えれば重い石をぶつけられる。
ダビデがゴリアテを倒したように、女でもホブゴブリンの頭蓋は砕けるのだ。
ゴブリンライダーを近寄らせない杭、先端を尖らせて焼き固めた。
そして接近戦での最後に物を言うのは棍棒。
釘を打った2mの棒で遠心力を利用し力一杯殴れ、それで終わりだ。
…準備は整えた、短い時間でできるだけのことはした。
「奴らは盾を使う」
貴方はそれはそうだろうと思った。数の優位を生かすにはゴブリンは弓矢が下手だ。
接近戦の前に遠距離攻撃で数を減らされては一方的になる。
だが一般ゴブリンの膂力で弓矢や投石、火炎瓶に魔法や奇跡を防ぐだけの厚さの盾が持てるとは思えない。
「…だから奴らは人間やエルフの女を盾にする」
…貴方は問題ないと言った。ガトリング砲の銃弾は人体など容易に貫通する。
むしろ人体という重量に比して防弾効果は皆無に等しい重りを乗せた上に、密集隊形になるのなら好都合だ。
鈍くて脆い絶好の射的の的だ。ガトリング砲の一連射でゴブリン軍団の半分は仕留められるだろう。
「…本気か?」
ゴブリンスレイヤーは貴方を非難の目で睨みつけた。
…この戦争で冒険者軍が敗れればゴブリンスレイヤーの幼馴染は死ぬより酷い目に合うだろう。
冒険者を失った村々に街、そして貴方の家も武闘家もその子供も破滅するだろう。
貴方は彼女と彼女のお腹の中の貴方の子を危険に晒す気は無い。
盾になった女性には悪いが、運が無かったと諦めてもらうときっぱり言い放った。
貴方はゴブリンスレイヤーの制止にも関わらず独断で発砲し、
人質の女性の死と引き換えに勝利を得る。
『この件にゴブリンスレイヤーは一切責任が無い。
非難されるべきは狩人のみである』
「お前…」
全ての責任を自らが負う気かと。
意図的な人質への攻撃。やむを得ないとはいえ、
最悪冒険者ギルドからの除名処分にすらなりかねない。
ゴブリンスレイヤーは勘違いしている。
これは獣狩りで、貴方は狩人。そして冒険者ギルドを利用したのは貴方だ。
責任も何も全てひっくるめて最初からこれは貴方の狩りだ。
獣狩りとはそもそもそういうものだ。敵味方を死なせて獣を狩る。
だからこそ人々は獣狩りを称えつつ恐れ忌み嫌い、
かの旧市街の灰狼狩人はそれに耐えられなかった。
優しく愚かな人間であったがゆえに。
恐ろしいか、悍ましいか?止めたくなったか?
だが狩人となった以上もはや引き返すことなどできはしない。
悔やむくらいなら、なぜ血を拝領せずにどこぞの路地裏ででも朽ち無かったのか?
天に手を届かせる為に更に敵味方の死体を積み上げるしかない。
止めればそれで全ての犠牲は無駄になる。
それが狩人というものなのだ。
「…すまん…だがチャンスをくれ」
…ゴブリンスレイヤーの戦術を聞いた貴方は、今度は彼を非難がましく見る。
それは確実に成功するのかと。
相手にカウンターマジックユーザー、あるいはスペル無効化モンスターなどがいた場合は?
魔法詠唱者を前に出す間に敵の遠距離攻撃がマジックキャスターを狙うだろう。
駆けていく戦士達にしても、敵の砲火や他のゴブリンの妨害に遭うだろう。
魔法の射程はガトリング砲や弓矢の最大射程よりずっと短い。
勝利のチャンスは敵味方の距離と共に小さくなる。
「それは…」
わかっている、確実な策など無い。
そもそもゴブリンロードの襲来などという珍事は彼にとっても初めてなのだろう…
…貴方は考えた、愚かではある…
『…だが、それこそが人の道なのかもな』
…貴方は考え、彼の賭けに乗ることにした。
だが彼に言い含める。万が一策が破れた場合は直ちに知らせろと、後の責任は全て貴方が負うと。
そうと決まれば防御の用意だ。貴方はガトリング砲を設置し、新米達に火炎瓶を配り、決して地面に刺した大楯の前に出るなと指示した。
パーティーごとに固まって、乱戦に持ち込まれるな、守りを第一に考えろ。
ゴブリンはどんなに小さくとも2人以上で囲んで叩け。
接近戦に持ち込まれるな、深追いするな。
ちょっとでも疲れたと思ったら後方に備蓄してある回復ポーションを取りに行け。
貴方が買ってきた消耗品は火炎瓶でもポーションでもタダで使わせてやる、物資を惜しむな。
まずは敵の攻撃を喰らわないことを第一に考えて動け、そのための大盾だ。
ゴブリンに一片の慈悲もかけるな!慈悲を持たぬ敵だ!
「「「はい!」」」
新米達は元気よく貴方に返事をする。
彼らの内どれだけが生きて帰れるだろうか?