ゴブロード「なんか強化すべきという啓示キタ!
予定の倍の兵力!装備を充実!更に上位種も限界まで雇い入れる!」
確かにこれで負けたらおかしい
ただ戦国時代の合戦からすればほぼ誤差の範囲内なので…
野盗や山賊としては大きいが、軍隊かと言われると…
イッヌのデーモン
狩人の犬
ゴルゴ13すら『ヒューム卿最後の事件』で軍用イッヌの指揮する狼軍団に追い詰められ危うかった。
ヤン・ジシュカ 農民を王侯貴族騎士スレイヤーに変貌させる、和マンチ量産和マンチ
ゴブスレ ゴブスレ和マンチ
狩人様 獣狩り和マンチ
これは嫌われるはずですわ
ゴブリン退治の夜は漸く終わった。
冒険者側には負傷者こそいたものの命に関わる傷を負った者はおらず
回復魔法の使い手によって傷は癒え傷跡ものこらない程に回復した。
牧場の周囲と中で屍を晒すゴブリンは200兵以上
内臓を、脳髄を晒し、あるいは焼け焦げた死体。
矢玉に撃たれて死んだのはまだ綺麗だがあたり一面に血と臓物が飛び散っている。
牧場の伯父さんの心境やいかに。
吟遊詩人なら高々と冒険者の勝利という栄光を歌い上げるのだろう。
だがゴブリンの死体にを作って何の栄光があろうというのか。
この光景を見ないこの世界の大勢の人間はこういうのだろう、
『たかがゴブリン200匹程度だろ?』と
『東の魔神王との戦争じゃもっと手強いのがわんさかいるぜ』
ゴブリンは弱い、だからこそ確実に学習しつつある…
ゴブリンスレイヤーはもしも平原で激突していたら危ういと感じた…
どれだけ策を弄して奮戦しても結局は数に押し切られてしまったかもしれん。
銀級冒険者はおおよそ1対1なら歴戦のチャンプと互角と言われている。
裏を返せばそこにゴブリンソルジャーがたった1匹加わるだけで戦局はひっくり返るという事だ。
ただただ汚らしい汚物があちこちに転がっているだけだ。
多くの大地系魔法、および新米冒険者がまたも金を貰って穴を掘ることになるだろう。
だが今は皆疲れて駄目だろう。
誰もが疲れて農場のあちこちで休みを取っている。
ゴブリンが流した不快な血の匂いと汚物の凄惨な匂いが牧場に漂っている。
だが連中が死んだからといって殺された人々が救われるわけでも
焼かれた村々が再建されるわけでもない。
ましてや家族や愛する人々を殺され、
汚辱を受けた女性達の尊厳と日常が戻ってくるわけでもないのだ。
-100が-90になったからといって何だというのだろうか。
またも貴方は何一つ救えず、結果は変わらない。
蔓延する病を治療したとしても死者を甦らす事はできない。
予防は治療に勝る、昔の医者は真実を残したものだ。
つまりゴブリンを元から根絶するしかない。
…どう考えてもゴブリン軍団の迎撃、死体の処理、周辺の村や牧場への見回りの冒険者の雇用と貴方のやるべき事は一介の冒険者の領分を既に越してしまっている気がする。
あの『助言者』もなるほど、こういう狩人の苦労を思い知ったのだろう。
誰かが言っていた気がする、命とは天からの授かりものであり何かを残すべきだと。
だから人は持てる力で最善をこなすべきだと。
貴方は自分の後ろを見た、光る物など何も無い。
死体と血がどこまでも積み上がっているだけだ、ヤーナムに行けば何か変わるのでは無いかと思った事もある。
ヤーナムで確かに変わった、全て信じられないほどクソみたいに悪化した。
貴方の愚かさは救いようが無い、獣が蔓延る地獄から小鬼が蔓延る地獄へ這いずり回っただけだ。
血塗れになって獣を殺すだけの狂人だ、貴方のような狩人など獣と何が違うというのか。
…まだ光を探し求めているのだろうか?
だが今は少しだけ暖かい。
世界の魂の総量は一定だと聞いたことがある、
それなら不快なゴブリンより優しい人間で世界を満たすべきではないか。
…今ならわかる。
月の魔物は人の望みを叶えたのだ、ヤーナムとはまさに人間性ゆえに獣狩りの夜へと沈んだのだろう。
冒険者一同は朝日を浴びながら悪臭漂う牧場の休憩場のそこかしこで休憩を取っている。
ゴブリンは死にかけのロードを残して皆殺しにした。
皆殺しだ、生き残った奴が死んだふりをしている可能性と殺害証明のため首を切っておいた。
首を切る前に棒で殴るかそもそも長物の刃で切り落とす。
こんなところで生き残っていたゴブリンに刺されて怪我しました、はあまりにもつまらない。
生き残ったゴブリンなどそもそもいなかったが。
「しかし、金貨二枚ってことで勇んだはいいが。
チャンプもソルジャーも同一金額ってのは考えものだなこりゃ」
確かに同じゴブリンなのだろうか?というほどでかい。
ホブでも並みのホブよりは大きいし鎧をつけている、ソルジャーですら並みのゴブリンよりは大きい。
正確にはホブゴブリン・ソルジャーとでも名付けるべきなのか。
前線に立った熟練の銀級パーティーは特に上位種と交戦したがゆえにもっぱらソルジャー相手の新人と数に関してはほぼ同じ程度を挙げた。
まぁ勝ったのだし報酬も良い、それで良いではないか。
狩人は多くの弾丸を撃ったが、ゴブリンを最終的に殺したのは最後の掃討戦だった。
新人とはいえ掃討戦に加われば恐ろしい、予算の少なさゆえに軽装だが軽装の方が追撃戦では向いていた。
見れば新人戦士と新人聖女の二人も全身を返り血に染めてお互いにもたれかかって眠っている。
休憩所は厩舎の中に拵えられ布を敷いただけの寝床だが、誰も彼もがぐったりしている。
ゴブリンスレイヤーの一党も皆眠っている。
寒々とした空気を和らげるために一緒の毛布に包まっている女神官と妖精弓手もいた。
上の森人も戦争は苦手らしい。
血や焼けた肉の悪臭は酷いものだが、風上になればある程度は和らぐだろう。
貴方は眠ることが出来ず、牧場だった急造砦のあちこちを見て回る。
朝日に照らされるのは返り血で染められた牧場の厩舎や小屋の真っ赤に染まった壁…
きっとゴブリンスレイヤー が後で洗い落とすのだろう。
その他にも建物はどれも焦げたり矢が刺さったり武器が突き刺さったままだったと戦場の傷跡が残っていない建物は無い。
あの叔父さんもきっと感謝して姪を嫁にくれるだろう。
「ここにいたか」
ゴブリンスレイヤーがそこにはいた、早くも脳髄や内臓といった汚物が飛び散りこびり付いた建物の汚れをブラシで洗い流している。
…その格好で掃除するのか…
「いつ奇襲があるかわからん…」
ゴブリンスレイヤーはあれだけの戦闘の後だというのに いつも通りに家事に勤しんでいる。
やはり良い夫になるのでは?
「…改めて礼を言う、ありがとう」
貴方が依頼を出した件だろう。
そればかりでなく資材や物資の費用も工事の労賃も。
結局報奨金と同じくらいかそれ以上に他の経費の方が高くなってしまった。
金貨1000枚くらいは飛んでいった計算になる。
戦争とは本当に金がかかるものだ。
…だが別にゴブリンスレイヤー一人のためにやったわけでは無い。
貴方の新居も財産も壁の外にあるし、ゴブリンの軍団が町の近くで跋扈すれば自分にも被害が及ぶ。
腰の重い領主やギルドの上層部に業を煮やしただけだ。
それにこの牧場は投資案件として優秀だ、警備は非常に優秀な人間が担当しているし、産物のチーズやミルクは将来性がある。
ゴブリンごときにくれてやるのはあまりにも惜しい。
「ふっ、そうか…」
…べ、別にあんたの為にやったわけじゃないんだからね!
?奇妙な啓示を受け取ってしまったようだ。
「…俺はかつて故郷と肉親を奴らに奪われた…」
今日の彼は珍しく饒舌だ、貴方は朝日を眺めながら黙って彼の話を聞いている。
「…俺はまた故郷と大切な人を失うところだった…
あの時は俺には誰も来てくれなかった…
今回はあんたをはじめとして大勢の人が助けてくれた…」
…絶望的な敵にしょっちゅう対峙した貴方には味方がいないことの辛さがわかる。
ましてや彼は幼かった、弱かった、大事な肉親を殺された。
その絶望と恐怖は計り知れないものだっったろう。
「だから感謝している。
あんたが良ければ…あんたの友でいさせてくれ。
あいつをもう絶対に離さない、離したくない。
気持ちに素直になれて、救ってもらったからな…」
友か…別に構わない…
「披露宴の招待状をできたら送る…その時はスピーチを頼む」
…それは冗談なのだろうか?面白いな。
モンスターの死体とか放っておいたら疫病や悪臭、害虫やネズミ、狼とかが湧くよね。
穴掘るのも大変そうだし、焼くにしても燃料集めが大変そう。
それともあの手のモンスターは可燃性でよく燃えるんだろうか。