貴方もまた折れぬ、ただ狩の中でならば。
貴方は古き遺骨により加速の業を使い一挙に旅の仲間たちの元へと接近し
汚れを祓う。
古い狩人の遺骨により加速した貴方をゴブリンどもの動体視力では捉えることはできぬ。
狩人とはゆっくり動くように見えても、お互いに至近距離からの銃弾を容易く見てから回避する。
『古い狩人の遺品。その名は知られていない
その狩人は、老ゲールマンの弟子であったと言われ
初期狩人の独自の業「加速」の使い手でもあった
その遺骨、意志から古い業を引き出すとは
夢に依って遺志を引き継ぐ、狩人に相応しいものだろう』
死者に感謝と敬意を。
貴方は月光の大剣を振るい、一直線上のゴブリンどもを纏めて薙ぎ払う。
深宇宙の神秘を纏った光刃はたちまち多くの小鬼を切り裂き、バラバラにする。
部屋は一瞬にして血と汚物と肉塊でいっぱいになる、その中にあって光なき部屋で月光は輝き皆を照らし出す。
「狩人かいの!ようやったわい!」
導師、弓手、僧侶の3人は混乱したゴブリンどもの隙をついて絡まれた状況から脱出した!
だがまだ二体の守り人とゴブリンチャンピオンが残っている。
貴方は群がるゴブリン、そしてチャンプの手から女神官を救うべく切り掛かっていく。
柄にもない我武者羅な闘いぶりであり、たちまち貴方の全身が返り血で赤くなる。ヤーナム以来の実に闘争本能そのままに直感で動く。
剣に月光を纏わせた貴方は更に群がるゴブリンどもを斬り伏せ切り開く。
貴方が戦っていると、
いつの間にか立ち上がったゴブリンスレイヤーは手に持った髪を束ねた縄でチャンプの首を締め付けていた。
このままではチャンプごとゴブリンスレイヤーを真っ二つにしてしまいかねない。
故に貴方は首を絞められて混乱し、手当たり次第に周りのゴブリンを殴り殺すチャンプから離れ、更に小さいゴブリンどもを斬り伏せながら二体の守り人に対応することにした。
少なく見積もっても10以上の敵を相手にしなければならないが、特に問題はない。
聖杯でも羅患者の獣がそれくらい現れるのは特に珍しいことでもない。
貴方は月光の光を祓い、銃を手にすると槌を振るってきた守り人の長に向けてゴブリンどもを斬りはらいながら投げつけ攻撃を誘う。
流石に数の多さはなんともしがたいが、頭のチャンプが暴れ注意が散漫になった今なら守り人を屠るのはそんなに手間のかかる仕事ではない。
貴方は銃弾で体勢を崩し、さらなる内臓攻撃で長を仕留めた。
カレル文字『血の歓び』
貴方は常にそうだ、狩に優れ、無慈悲で、血に酔っている。
二体の守り人を殺された最後の守り人は銃を手に構え貴方に襲いかかってきた。
狙いは明らかに貴方だ。
だが貴方は殺されてやるほど優しくはない、だから殺してやろう。
いつものように、冷酷に、無慈悲に。
貴方は銃弾をステップでかわすと剣をなんの躊躇いもなく最後に残った守り人に突き立てる。
苦悶の声を上げながら最後の守り人は倒れ、苦し紛れの銃弾が周りのゴブリンどもに突き刺さる。あるゴブリンは腹を撃たれ、ある物は頭を撃たれて脳髄を撒き散らす。
そういう凄惨な光景を見て怯んだゴブリンどもは例のチャンプが片目を潰された光景を見て撤退を開始する。
どうやら貴方方は生き延びたようだ。
貴方は更に光刃で逃げるゴブリンどもの背に刃を切り放つ。
獣は殺せる時に殺せ、狩人の鉄則だ。
貴方はその隙に自らの失った血を輸血液で補充し、体力を回復させた。
貴方は細そうに見えて意外とタフだ、瞬時に健康を取り戻した。
「オルクボルグっ!」
妖精弓手が血を流し倒れそうなゴブリンスレイヤーを支える。
「無事か?」
「なんとか、だけどね。そっちの方が無事じゃないでしょ」
「そうだな、あの娘はどうだ?」
「こっち歩ける?」
「ホォら、しゃんとせんか!どっちみちここから帰らねばならんのだからな!
なんじゃい、狩人よ。
お前さんも無事とはいかなんだか!ハハッ、相変わらず血塗れじゃの」
貴方方の関心はもっぱら右腕を食いちぎられ重傷だった女神官だ。
「いやはや、なんとかなってようございました」
「どうだ?」
「命に別状はありますまい、もう少し深手ならば拙僧の手には負えなかった」
「そうか」
蜥蜴僧侶の回復魔法でなんとか持ちこたえたらしい。
銀級の僧侶の回復でなんとか、つまりかなりの重傷だったことは明らかだ。
「ご…ごめんなさ…」
傷を癒しても体力まで回復するわけではない、急ぎ地上で本格的な治療が必要だろう。
…彼らも皆ボロボロだ、輸血液を注入すれば内臓をぶちまけても平気なほど異様にタフな貴方を除けば全員が体力を見た目以上に消耗している。
導師も僧侶もあちこちぶん殴られて意外とあざやすり傷が絶えない。
彼女が無事だったことを確認したゴブリンスレイヤーは血を流して倒れ込んでしまう!
貴方は瞬時にどうするかを選択しなければならない。
貴方は彼と自分の持っている回復薬を兜を脱がせると口からありったけ流しこみ彼をおぶった。
やはり見た目以上に傷を負った蜥蜴僧侶に女神官を背負わせると貴方方は導師の先導の元に急ぎ地上を目指す。
「か…狩人…」
彼が弱々しい声で貴方に話しかけようとするが、貴方は黙っていろと伝えた。
貴方は彼の背負ったゴブリン狩りへの使命感までも負うことはできないかもしれない。
彼の弱かった頃の心的外傷は誰にも癒せないし、分かち合えない。
だが貴方でも傷ついた彼をおぶることくらいは出来る。
地上を急ぎ目指す間、誰もが無言でしかし足早に急いだ。
ゴブスレさんと狩人さんがいつの間にかフロドとサムとポジション