狩人、あるいはケモノハンター   作:溶けない氷

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第49話

貴方とゴブリンスレイヤーは暗く悪臭漂う悪夢の中でゴブリンの集団と戦闘に入った。

貴方のノコギリ鉈がホブの頭蓋を砕き、更に後ろのシャーマンに襲い掛かって脳髄と内臓を撒き散らす。

ヤーナムにおける一般的な狩りの手順に従えばどうということはない、単なる日常業務だ。

「俺が倒れても気にするな、ゴブリンを殺せ」

ゴブリンスレイヤーはあなたにそう言ったが戦力の低減は絶対に避けるべき事態だ。

それに双方擦り傷も負わずに皆殺しにしても構わないのだろう?

「そうだな」

射程の長い貴方がフォワードを努め手数に勝る彼がバックアップを務める。

殺戮の効率化という点から考えれば現時点ではこれ以上は望めない。

貴方がたはたちまち洞窟内の広間のゴブリンを殺し尽くした。

終わった?いや

グチャグチャという嫌な音とともに周辺に散らばったゴブリンの残骸が一カ所に固まっていく。

「これは?ゴブリンか?」

彼は疑問に思ったらしい。

ここは悪夢の中。

ゴブリンの死体の巨人とでもいうべきか。

恐らくは磔の少女の悪夢を食い物にする夢魔のようなものが作り出した恐怖や苦痛、屈辱のイメージだろう。

貴方は人の醜悪なカリカチュアをゴブリンの中に見た。

考えついたのは狂った気色悪いナメクジだろう。

醜悪な男根は彼女の痛みのイメージか。

「つまりゴブリンだ、なら殺すだけだ」

要はケダモノだ、狩れ。

そう思った瞬間に貴方がたは火炎瓶を投げつけていた。

貴方と彼は瞬時に二手に別れ醜悪な巨人の脚に攻撃を加える。

殺意は言葉で表すものではない、殺してから考えればいい。

貴方がた二人の猛攻に死体の寄せ集めのゴブリンはもがき棍棒を振り回し地団駄をふむ。

だがこの程度の攻撃など聖杯の巨人狩りに慣れ親しみ楽しく殺せる貴方にとってはどうということもない暇つぶしだ。

ゴブリンの利点は小さく数を頼んで奇襲しやすいこと。

その利点を活かさない時点で、今度は巨体で暴れようと貴方たちに掠りもしない。

アキレス腱を貴方が抉るとゴブリンの死体巨人は倒れ込む。

死体ゆえに痛みは感じなくとも脚を切られては立てまい。

すかさずゴブリンスレイヤーが死体の眉間に剣を突き立てる。

貴方は死体であっても、生きていると錯覚している以上は頭部に攻撃を加えれば致命傷になると考えて彼に任せた。

死体が悍ましい叫び声を上げて暴れるが彼は全く意に介せず深々と剣を突き刺す。

二人の男が黙々とゴブリン死体を切り刻み焼き尽くす。

その様は一種熱狂的でもあり、しかし悪夢でありながら生々しい。

死体はさらにあがき、足も時間を巻き戻すように?

いや、まるで腐った脚に更に接ぎ木したように別のゴブリンの死体が張り付いて補う。

「しぶといな」

悪夢故に、死骸が命を得ることもあるだろう  。

あなたはとっさにゴブリンスレイヤーに警告し、飛び退く。

貴方たち目掛けて死体が口から腐臭漂う液体を吐き出してきた。

ゲロ攻撃だ!

ゲロを吐くのはあなたの仲間の妖精だけで十分だというのに!

「胃酸、それに毒か」

死体になってもゴブリンはゴブリン。

どこまでも不浄な汚物だ。

汚物は?

「ああ、そうだな。

汚物は消毒しなければな」

ゴブリンスレイヤーが油壺を投げつけ、貴方も火炎瓶を投げつける。

悍ましい叫び声をあげるゴブリン死体に貴方は発火ヤスリをこすりつけたノコギリ鉈を叩きつける。

足から腹へ、そして崩れれば頭部。

容赦なく焼き殺す、ひき殺す。

やがてグズグズになった死体は腐臭を残して灰となって消えていった。

YOU HUNTED

貴方は悪夢の中のゴブリン死体巨人を狩ったのだ!

狩りは終わった、目覚めの時だ。

「目覚める・・そうか夢だったな」

貴方は彼にこの悪夢は彼女のものだがゴブリンスレイヤーのものでもあったと伝えた。

彼の故郷と家族は・・・

あのゴブリン溜まりは彼の恐怖のイメージでもあった。

「わかっている・・・狩人、俺は忘れるんだな」

夢は忘れるものだ。

だが悪夢の中での殺しの技を忘れることはない。

貴方がその証明だ。

「狩人、俺はゴブリンを殺す。

恐怖があろうとも殺すしかない」

それでいい、恐れが我々を獣の愚かさから守る。

人として奴らを踏み潰す。

そう伝えると彼の姿が薄れる、目覚めつつある。

だがここにはまだ悪夢に捉えられたら人がいる。

貴方は彼女を悪夢からときはなてるのか?

 

 

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