狩人、あるいはケモノハンター   作:溶けない氷

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女神官「やりました!新しい装備ですよ。
これで混沌の勢力を、効率的に駆除できますね!」
(小さな)女神官はAKM(小さな大量破壊兵器)を装備した!
ゴブスレ「なにこの幼女怖い」

種族
ホモサピエンス
特技
同族の大量虐殺
大量破壊兵器の製造
自分に都合の悪い動植物層の一掃
環境の大改造

弱点:魔法も奇跡も無い
利点:同族以外には遠慮なく(NBC)大量破壊兵器を使用

一同「なにこの種族怖い」



第54話

あなたは偵察から戻った3人と合流し6人で行動することにした。

しかし、6人が地下水道を進んでいくと・・・

そこで目にした光景は偵察から戻った3人が知らせてきたものとは違ったものだった。

「こいつはどうなっとるんじゃ 」

導師が驚愕のあまり目を見開いて言う。

地下道には ゴブリン の残骸 がまるでヘンゼルとグレーテルのパンくずのように続いている 。

ゴブリンスレイヤーは散らばったゴブリンの残骸や死体を見て調べている。

妖精弓手はあまりの凄惨な光景に口を押さえ吐き気を抑えている 。

蜥蜴僧侶の方は相変わらず平然としている。

この中では彼が一番常識的なのだろうか それとも神経が図太いのか修羅場慣れしているのか。

死体は 皆 叩き潰され焼き尽くされている。

凄まじい力だ 。

こちらはなぎ潰されている、4匹まとめてだ。

死体の並び方 が 円状になっている。

こちらの方は斬り殺されている 。

とても鋭くだが恐ろしく重い刃だ 。

少なくても3種類の武器で殺されている。

ゴブリンスレイヤー殺害者は3人、3種類の武器を使っていると推理した。

彼の推理はとても冴えている、そしてやはりあなたはこの惨状に見覚えありだ。

魔法の類は見られない、全て物理攻撃で殺し尽くされている。

「このやり方ってまるで 」

女神官はちらりとあなたを見た。

「狩人 、お前の使っていた武器と特徴が一致している」

 

なるほどあなたの武器と特徴は一致している。

しかしひとつだけ違う点がある。

彼らの方が攻撃そのものについてははるかに精密で強力だ。

あなたは彼らの武器を拾って使っている。

だがまだ使いこなせてはいない 。

「これだけの数のゴブリンを一方的に殺し尽くすとは。

それもここまで徹底的に 、なるほど 狩人殿と互角というのも頷ける話ですな」

蜥蜴僧侶 は彼らのやり口に感心している。

 

「しかし狩人、そいつらの訳は分からんか。

なぜ小鬼どもをも殺し尽くしてくれたのか 」

全く理由は分からない。

話は通じない、彼らと話は通じない 。あなた が第一村人発見とばかりに出会った狩人の最初の第一声は死ねだった そして散弾銃が飛んできた 驚くことはない狩人というのはそもそもそういうものなのだ 血に酔った狩人ならばなおさらではないか あなたはあまり話し合いに期待は出来ないと仲間に伝えた いつからだったろうか彼らのことを仲間だと思えるようになったのは。

女神官は床や壁、天井にへばりついた肉塊やシミになっているゴブリンの群れを見て立ちすくんでいるようだった。

「 私、お役に立てているんでしょうか。

この前なんか 、私のせいで ゴブリンスレイヤーさんも狩人さん も大怪我をしてますし・・

皆さんにご迷惑をかけっぱなしじゃないでしょうか」

「 大丈夫だから 。

オルクボルグ もこのばかも無事だったんだし。

それにいつも奇跡のおかげで助かってきてるんだから」

金床も気を使ってくれているようだ 。

なんとまあ成長したではないか。

そしてあなたも同意する。

総和は個々の集合に勝る。

あなたとでかつて一人で狩りに赴くよりも3人で徒党を組んだ方がずっと安定して狩れたではないか。

正しnoobな白や青は除く。

それに彼女とで銃で狙うなら一切の容赦なく小鬼を撃ち殺してきている。

やはり彼女は狩りに優れている。

だが未だに無慈悲ではない、

血にも酔っていない。

それがほんの心残りだろうが 。

あなたは彼女に自信を持てと伝えた 。

彼女は未だに血母神に頼っている。

だがそれではいけないのだ 、いざという時には怯えてしまっているのだ。

ゴブリンスレイヤーがやられたのは誰だってヤバイと思う。

あなただってそう思う 。

しかし本当の狩人なら腕がもげようが腸をぶちまけようが、

最後の一瞬まで攻撃を絶対に止めはしない 。

彼女はもう冒険者ごっこをしている子供じゃない。

ぶっ殺すと心の中で思ったのなら既に行動を終えている。

そういう人種なのだ 。

あなたもかつては獣をぶっ殺すと思った。

今はもう思わない 。

思う前に殺してしまっているからだ 。

もっと自信を持っていい。

彼女は未だに黒曜だ。

だが彼女を除く5人は銀。

新人が混じって輝いていられる、それはとてもすごいことなのだ 。

「私は皆さんのお役に立ちたいだけですから」

彼女は微笑んで少し自信を取り戻したようだ。

なんと彼女はあなたの目には眩しく輝いて見えるものか。

彼女の行く道には確かに暗い血と 、あの月の導きがあるのだろう 。

彼女は弱く脆くそれでいて人としての強さを兼ね備える。

人としての可能性 。

強く気高い進化の一端を見せてくれている。

1代では成し遂げない 人の進化も、彼女の腹から生まれ出でた子供達ならばきっと成し遂げてくれるだろう 。

 

そう思えば彼女を導くことになんと喜びを感じられることだろうか 。

あなたは呪われた血を彼女に捧げよう。

きっと真に偉大な赤子を彼女が抱けるように。

 




数十年後
女神官ちゃん改め女教皇
「はっきり言っておこう。
教権は大地であり、王権は大樹である。
どんな大樹も大地に根ざさずして
どうして立っていられようか」


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