狩人、あるいはケモノハンター   作:溶けない氷

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ランキング1位?びっくり
みんな内臓攻撃で血塗れになるの好きなんやね(激違
ハロウィーンセールの内に知ってる人も知らない人も持ってなかったらBloodborne買おう
メンシスの悪夢で僕と交信!
見捨てられた娘と星を見上げよう!
素晴らしい評価 そして 小鬼を許しはしない

PS4『Bloodborne The Old Hunters Edition』
10月31日まで


第7話

BANG!

冒険者ギルドの裏手、簡易な訓練所兼の集会所で銃声が響く。

獣狩りの短銃から飛び出るのは発射薬を減らしたただの鉛の弾丸。

水銀の獣狩りの弾とは比べ物にならないほどの低威力だがどこでも簡単に作れるし音も控えめだ。

ゴブリンの体内に入れば弾丸はちゃんと変形

筋肉、骨、内臓を巻き込んで体内でバラバラになった鉛が玉突きのように内部を飛び跳ね確実に死に至らしめる。

華奢な女神官にはちょうどいいだろう。

女神官は既に数十発の拳銃弾ゴブリンの絵が描かれた板に撃ち

再装填するという動作をひたすら繰り返している。

穢らわしい汚物の絵をロープで突然横から正面に向け咄嗟に撃たせる訓練をずっと続けさせる。

想定される接近戦で正確かつ素早く考えずに撃たせる訓練をずっと続けさせているがかなりの疲れが溜まっているようだ。

「はぁはぁ…すみません疲れてしまって…」

そうは言うがゴブリン退治を終えて疲れが溜まっていても30発撃って25発も当たっている。

もっとも1m先の止まったゴブリンの絵相手なら当然かもしれないが。

むしろほとんど突きつけた状態で外していることもある方が問題あるかもしれない。

貴方は練習はこんなものだろうと考えた、結局は生きた獲物を撃ち殺す以上の練習はないのだ。

むしろゴブリンを見たら反射的に撃てるように『仕込む』事が出来れば上等だろう。

何も考えず条件反射で殺す。

剣よりは間合いが長く、弓よりは技術を要しない点が銃の良い点だ。

貴方はまずは拳銃の扱いを女神官に仕込んだ。

咄嗟にゴブリンが出てきても2匹くらいなら殺せるだろう。

本来なら右手に接近戦用の武器持って欲しいところだが

それは地母神の神官として奇跡を行使するのに必要だからとせめて投げナイフを持たせた。

薪割り、食材の切り分け、簡単な工作と刃物は鈍った時のために替えも必要な冒険者生活の基本道具でもある。 

貴方からすれば素手よりは幾分かましと言ったところだが多分奇跡とやらがあるので大丈夫だろう。

貴方は女神官に水銀弾ならぬ鉛玉を渡しいざとなったら躊躇わず使え、練習の成果はあると伝えた。

貴方が銃を指導し、休憩にしようと冒険者ギルドの受付に戻ってくると

丁度ゴブリンスレイヤー と受付嬢が話をしているところだった。

「残りはあいつに渡しておいてくれ」

「あれ?お一人ですか?彼女は」

ゴブリンスレイヤー が降りてくるのを見た女神官はトテトテと彼の元にかけていく。

「ゴブリンスレイヤー さんああの依頼ですよね」

「ああ、ゴブリン退治だ」

「ならすぐに準備を」

「いや、俺一人で行く」

貴方はそんな彼らを入り口から見ているだけだ。

 

「そんな、せめて決める前に相談とか」

「しているだろ」

「あ、これ相談なんですね…」

「そのつもりだ」

彼らは放っておいても大丈夫だろう。

貴方は出口に向かって足を進めてきたゴブリンスレイヤー と目があった。

補充は?

「いや、必要ない」

だが彼にはなくとも貴方にはあると伝えた。

女神官がカアッと顔を赤くする。

「ちょ!ここではやめてください!やめてください言わないでください死んでしまいます!」

困ったと貴方は女神官に伝えるとワァワァとはしゃいでいる女神官は手を合わせていい考えが浮かんだ様に言った。

「そうだ!この際狩人さんにも同行してもらいましょう!

補充の話は街を離れて誰も聞こえないところでした方がいいですよ!

絶対そうですよだからそうしましょう。決まりですね!」

貴方は依頼を受けたことになってしまった。

汚物か?「ゴブリンだ」

そうか…汚物か…なら獣狩りの時間だな

「ちょっと何なのよ、さっきから外でパンパンパンパン煩いったらありゃしないわよ。

紙風船でも割るのが只人の習慣なわけ?しかもなんか焦げ臭いし」

「ふん、これだから世間知らずの金床は。こりゃ火の秘薬の匂いじゃな」

二階からは例の三人組がぎゃいのギャイの騒ぎながら降りてきた。

貴方は初見ながら彼らにゴブリン狩りに同行することになった狩人だと紹介した。

「フゥン?狩人?あんたもオルクボルグと行くの?

なんか弱そうねぇ…まぁいいけど足手纏いになんないでよね」

ムカつく金床だ。

周囲からは美人だとか上のエルフだとかもてはやされているが、

人形やその原型となった時計塔の守り手に比べれば顔の出来は月とスッポンである。

特に胸部のあたりはもはや冒涜的とすら言える、啓蒙は下がるが狂気ゲージが上がる。

絶望せざるを得ない。

「…おい、今凄く失礼なこと考えたでしょ…」

なぜか暗い目で睨まれた。

「やめんか…ったくこれだから森人は…

わしゃ鉱人導師じゃ、狩人と言ったかの?今回はワシらが依頼人の下働き兼見届け人と言ったところじゃ。

ほう見た所珍しい…武器かのそれは?」

小さい老人が貴方に話しかけてきた。

彼は貴方の持つ銃に特に注目している。

貴方は簡単に説明した。

「ほう、ドワーフの変わりもんがそういえば似た様なものを作ったことがあるのう。

じゃが遠ければなかなか当たらんし、

火の秘薬は高いしで結局皆クロスボウの方が使い勝手が良いと言っておったが…」

轟音と片手で使えることから、離れていても使える能動的な盾として考えている。

狩人の銃の使い方とは結局そういうものだ。

「なるほどの、そう言う考え方もあるか。まぁ他人様の装備に文句をつける気は無いわい」

 

さらに一人、こちらは爬虫類の様な顔をした人間だ。

「ふむ、やはり蜥蜴人は珍しいか。

拙僧は蜥蜴僧侶、何卒よろしく頼みますぞ狩人殿」

何と言うことか、こちら蜥蜴人の方が常識人だったとは。

やはり人は見かけによらない、だがやっぱりパッチお前はダメだ。

そしてミコラーシュは見た目通りの変態だ。

 

…ゴブリン狩りならばここは装備は汎用性が高いノコギリ鉈と散弾銃と砦を焼くための火炎放射器決めよう。

貴方は狩道具を変更した。

ゴブリン狩りは昼に行われるが暗い砦の中ゆえ、獣狩りの夜と言って差し支えないだろう。

貴方方が急造パーティーが街を出てしばらくは平原を旅している。

なだらかではあるが、金床よりは緩急のある平原だ。

 旅は何事も無く不気味なまでに順調に進み夜になったので貴方方は平原にキャンプを張って休止することにした。

貴方とて人である、休止せねば体力が持たない。

街から走ってきてそのままの勢いでダンジョンに突撃し皆殺しにしてから

狩人の夢で目覚めまた街で悪夢を見るなどと言う効率重視の狩がいつもできるわけではない。

そういえば血塗れの獣狩りの夜ではない夜を過ごすのは珍しいことかもしれない。

メンバーたちは炎を囲んで夕食を楽しんでいる。 

「ねぇ、みんなどうして冒険者になったの?」

「そりゃうまいもん食うために決まっとるだろ」

「焼けましたぞ」

「耳長はどうだ?」

「私は外の世界に憧れて「こりゃうまい!」聞きなさいよ!」

…皆それぞれ目標があって狩…では無くて冒険者になったらしい。

当たり前の話だが。

「拙僧は異端を殺し、位階を高め竜となるため」

脳が震える、だが彼の願いはメンシスの愚か者達のそれと違ってもっと内省的で肉体的な物に聞こえる。

「…ゴブリンを」

「あんたのは何と無くわかるからいいわ」

彼はいつも通りだった。

「ねぇ、あんたは?狩人」

…なぜ?

青ざめた血を求め、狩を全うするためだと貴方は答えた。

「はぁ?何よそれ。オルクボルグ以上に意味不明ね」

もういいからお前黙ってろよ。

 

「これは私もお返しをしないといけないわね

エルフの保存食、本当は人にあげちゃいけないんだけどね」

「となるとワシも対抗せねばならんのぉ

ふふん、ドワーフの穴蔵で作られた秘蔵の火酒よ!」

 

彼らはそれぞれ食べ物を出し合って夜空の食卓を盛り上げようとしている。

「んー!食べてばっかじゃ無くて貴方達もなんか出しなさいよー」

 

 貴方とゴブリンスレイヤー は酔っ払った耳長に絡まれた。

女神官によると無表情に見えるが彼は考え込んでいるらしい。

「これでいいか」

そういって彼が出したのはチーズだった。

「ホラァ狩人もなんか出す!」

そう言われたので貴方は食料を出すことにした。

貴方が差し出したのはソーセージだ。

そういえばヤーナムでは夜中ずっと走り回り武器を振り回し銃を撃っていたが空腹を覚えることはなかった。

「何よこれ?」

「何じゃ耳なが、お前ソーセージも知らんのか?

これだから野菜ばっかのウサギもどきは…」

ソーセージ、動物の腸に肉と香辛料を詰めた料理だと貴方は説明した。

「えーまたお肉?」

「いいから食ってみぃ、食わず嫌いはいかんぞ?」

皆はチーズにソーセージと共に食事を楽しんでいる。

女神官も出された焼きソーセージに口をつける。

「では、いただきますね。

ハフハフあつっ!」

コリコリと絶妙な歯ごたえと腸膜の感触を楽しみながら長いものにしゃぶりつく女神官。

それを天井で見ていた大地母神は激怒した、うちの子にそんな卑猥な食事をさせるとは何事かと。

一同は和やかな雰囲気を出す、ヤーナムではあり得なかった光景だ。

貴方はまたオルゴールを出し、子守唄を演奏する。

「ん?それ何?」

「ワシも見たことない道具じゃの、何じゃ狩人」

貴方がオルゴールの蓋を開くとメロディーが流れる。

「ほう、音の鳴る機械か。なるほどのう、只人もなかなか変わった事を考えるもんじゃ」

「拙僧も只人の街にいったことはあるが、そのような道具は見たことがない」

どうやら彼らもオルゴールという道具を見たことはないらしい。

金属加工に優れているというドワーフなら作るのも簡単かもしれないと聞いてみた。

「うーんどうじゃろうなぁ?ワシらドワーフの細工といえばまず武器に防具

それで身を飾る装飾品に建物だからのう。

音を出して楽しむなんてのはエルフか只人の領分だと思っとるからなぁ」

どうもドワーフが作る楽器といえばせいぜい喇叭くらいでこういうちまちまとした音楽は流行らないらしい。

「でも…不思議な曲よね。ねぇ狩人、これってどこで買ったのよ?

なんか随分高そうな箱だけど。へへ、私も同じの欲しくなっちゃった」

残念ながらこれは貰い物であって買ったわけではない

ここから遠い場所で貰った思い出の品だと説明した。

獣を憎み、狩を全うする。

この音楽を聴く度に貴方はまた使命感に駆られ獣狩りへと赴くだろう。

…一同は狩人の過去に何があったかはわからないが、何か強い決意を感じ取っていた。

妖精弓手はゴブリンスレイヤー の巻物に興味津々な模様だが

中の呪文が何かは誰にも知らせないようだ。

巻物…言ってみれば使い捨ての神秘道具であり性格はヤスリなどに近いか。

それからしばらくして貴方はゴブリンがどこからやってくるかについて疑問を振られた。

蜥蜴僧侶は地下の王国からやってくるといい

女僧侶は誰かが何かを失敗すると1匹増えるという。

 

「俺は…月から来たと聞いた」

「月?あの空に浮かぶ二つの?」

「そうだ、緑の月からゴブリンはくる」

「それじゃぁ、流れ星は小鬼な訳なの?」

「知らん、だが月には木も水も草もない。

岩だけの寂しい世界だ、奴らはそうでないものが欲しく羨ましく妬ましくてやってくる。

だから誰かを妬むとゴブリンのようになる」

 

…月か

だが月を支配し顕現させていたのは月の魔物だ。

「ねぇ、狩人はどう思うの?

ゴブリンはどこからくるかって」

 

貴方はゴブリンは単なる生物に過ぎないと答えた。

別にどこからも来ない、他社以外の既存の雌とまぐわって繁殖する。

言ってみれば生物というよりは疫病に近いと答えた。

「狩人殿はそういう風に考えるのか、小鬼どもは疫病だと」

貴方は蜥蜴僧侶にそうだと答えた。

疫病とは目に見えない程の小さな生物、体内に侵入した細菌や寄生虫によって引き起こされると答えた。

女神官も頷きながら聞いている。

要するにゴブリンとはカビや寄生虫と同じだ、ただ少しでかいだけ。

だから組織を編成し包囲し、駆除し、根絶する。

「何とも壮大じゃのぉ、それにしてもゴブリンの根絶」

するとゴブリンスレイヤー が唐突に話に入ってきた。

「狩人…ゴブリンは…ゴブリンは本当に根絶できると思うか?」

貴方は十分に可能だと答えた、だがそれには個人が片っ端から殺すだけではダメで

包囲し駆除するための組織が必要だと答えた。

例えば連盟のような…

「連盟…そうか…」

貴方がそう答えると彼は俯いてまた何かを考えているようだ。

いや眠ってしまったのか。

「寝ちゃったみたいですよ。」

「火酒が効いたようだの」

彼も夢を見るのだろうか?

彼が見るのは悪夢か、それとも小鬼が根絶されたあるべき未来なのだろうか。

貴方は彼が眠ったのを見届けると、自分が最初に見張りに立つ。

 

『なあ、同士。きっと「小鬼」を、世界の淀みを根絶しよう

全ての同士、血塗れの連盟の狩人たちのために 』

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