この世界はどこまでも美しく、そしてどこまでも残酷だ
その少女はビルの上から見える景色に思いを馳せていた。
人類は超常社会として新たな歴史を刻み、空想だったものが現実になった世界、そんな世界から自分は溢れた
『屋上からワンチャンダイブ!』
幼なじみに、いやそれ以上の感情を抱き、憧れてついていこうとした男からの宣告
『夢を見ることも大切だが相応に現実も見なくてはな』
自分の永遠の憧れ、この超常社会の代表にして圧倒的光、太陽の用な存在から聞かされた現実
少女は限界だった。
己の存在価値が見えなくなり、すがる希望すら打ち砕かれた今、少女はある選択を己に課す
「これ、着てみたかったな・・・」
靴を脱ぎ、屋上の柵を越え立ちながら、少女はある紙を取り出した。
其処には憧れの平和の象徴を意識して、それでいてどこかウサギを思わせるデザインのコスチュームのイラスト
いつか、自分が不可能を越えてたどり着けたなら出そうとした力作
「でも、もういいや・・・」
少女はその紙を胸に抱え涙を流し、
「さよなら・・・」
そのまま屋上から飛び降りた
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数時間後
???「イッヒヒ、今日はどんな悲鳴が聞こえるかな?」
???「楽しみですね。センセー」
???「トガ君、私のことはドクターと呼ぶように何度も言っているだろ?いい加減覚えてくれたまえ。」
「ごめんなさーい、でもこれからいっぱい血が見れるとおもうとたまらなくてぇ・・・あれ?」
「どうしたんだい?トガ君?」
ドクターと呼ばれるノースリーブ白衣を着た男が視線の先に懐中電灯をあてる
「おや⁉️これはどういう訳かな?すでに一人倒れているよ?」
トガ「せっかちさんですねぇ、私たちに殺されるのが待ちきれなかったんでしょうか?でも、血まみれの今の姿、かぁいいですね。」
「フムフム、死因、体温を見るに飛び降り自殺だね、それもついさっき。」
「あれれ?これはなんですかねぇ?」
薄汚れたナース服姿の少女が血で汚れた一枚の紙を見つけた
「どれどれ?・・・よし今日はもうおしまいにしよう!」
「えーっ!!せっかく楽しみにしてたのに~!」
「すまないね、トガ君。でもいいことを思い付いたのだよ!」
「いいことですかぁ?」
「そう、この少女もそして僕たちも皆が幸福になれるいいことさ!協力してくれるよね?」
「しょーがないですねぇ、次はちゃんと勉強会開いてくださいよ?」
「わかっているとも、じゃあ早速そっちがわ持って。」
こうして夜は更けていく。夜明けは、まだ来ない