英雄に救済はない   作:遊人

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#1

この世界はどこまでも美しく、そしてどこまでも残酷だ

 

その少女はビルの上から見える景色に思いを馳せていた。

 

人類は超常社会として新たな歴史を刻み、空想だったものが現実になった世界、そんな世界から自分は溢れた

 

 

『屋上からワンチャンダイブ!』

 

幼なじみに、いやそれ以上の感情を抱き、憧れてついていこうとした男からの宣告

 

『夢を見ることも大切だが相応に現実も見なくてはな』

 

自分の永遠の憧れ、この超常社会の代表にして圧倒的光、太陽の用な存在から聞かされた現実

 

 

少女は限界だった。

 

己の存在価値が見えなくなり、すがる希望すら打ち砕かれた今、少女はある選択を己に課す

 

 

「これ、着てみたかったな・・・」

 

靴を脱ぎ、屋上の柵を越え立ちながら、少女はある紙を取り出した。

 

其処には憧れの平和の象徴を意識して、それでいてどこかウサギを思わせるデザインのコスチュームのイラスト

 

いつか、自分が不可能を越えてたどり着けたなら出そうとした力作

 

「でも、もういいや・・・」

 

 

少女はその紙を胸に抱え涙を流し、

 

「さよなら・・・」

 

そのまま屋上から飛び降りた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数時間後

 

 

???「イッヒヒ、今日はどんな悲鳴が聞こえるかな?」

 

???「楽しみですね。センセー」

 

???「トガ君、私のことはドクターと呼ぶように何度も言っているだろ?いい加減覚えてくれたまえ。」

 

「ごめんなさーい、でもこれからいっぱい血が見れるとおもうとたまらなくてぇ・・・あれ?」

 

「どうしたんだい?トガ君?」

 

ドクターと呼ばれるノースリーブ白衣を着た男が視線の先に懐中電灯をあてる

 

 

「おや⁉️これはどういう訳かな?すでに一人倒れているよ?」

 

トガ「せっかちさんですねぇ、私たちに殺されるのが待ちきれなかったんでしょうか?でも、血まみれの今の姿、かぁいいですね。」

 

「フムフム、死因、体温を見るに飛び降り自殺だね、それもついさっき。」

 

「あれれ?これはなんですかねぇ?」

 

薄汚れたナース服姿の少女が血で汚れた一枚の紙を見つけた

 

「どれどれ?・・・よし今日はもうおしまいにしよう!」

 

「えーっ!!せっかく楽しみにしてたのに~!」

 

「すまないね、トガ君。でもいいことを思い付いたのだよ!」

 

「いいことですかぁ?」

 

「そう、この少女もそして僕たちも皆が幸福になれるいいことさ!協力してくれるよね?」

 

「しょーがないですねぇ、次はちゃんと勉強会開いてくださいよ?」

 

 

「わかっているとも、じゃあ早速そっちがわ持って。」

 

こうして夜は更けていく。夜明けは、まだ来ない

 

 

 

 

 

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