英雄に救済はない   作:遊人

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#2

彼らはどのように生まれどうしてそうなったかは誰も知らない

 

当の本人達も興味がないからだ。

 

ただ、彼らは常に血を求めていた。

 

悲鳴が聞きたかった。

 

命が潰えていくその瞬間のきらめきに魅せられたのだ。

 

 

 

ここはとある廃病院

 

 

「イーッヒッヒッ、うまくいったぞ!」

 

「流石は先生、私の助手もカンペキでしたね。」

 

「トガくん、君はほとんど何もしてないじゃないか、したことと言えば血が足りなくなったときに調達してきてくれたぐらいだろう?」

 

「いやー、仕事と趣味が一緒って素晴らしいですよね!」

 

ドクターはやれやれといった感じで頭を振った

 

「ンフフ、早く起きないかな?」

 

「なぁにもうすぐ目を覚ますさ、だからノコギリの先でツンツンするのは止めてあげなさいトガくん。」

 

つぎはぎだらけの少女は目を閉じたまま動かなかった。

 

おっとりとしていた童顔にはいくつもの傷痕がはしっていた。

 

「おっとそうだ、せっかく仲間が増えるというのに皆に連絡してなかったよ!」

 

ドクターはおもむろに手紙を書き始めた

 

「ンフフ、早く皆にもお披露目したいですね。きっと好きになってくれますよ!だって・・・こんなにかわいいんですから!」

 

 

 

 

カアカアッ カアカアッ

 

パーティーの招待状を携えたカラス達が闇夜を飛んで行く

 

 

「だれが一番最初に来てくれますかね?」

 

「同じ日本にいるスピリットじゃないかい?」

 

「あーっ、凜ちゃんですね!」

 

 

 

ある繁華街

 

ネオン溢れる繁華街、決して栄えてるとはいえない地域であれ人が集まるところは規模の違いがあれど光と影が生まれる。

 

そんな喧騒を避けるように路地裏を一人の女性が歩いていた。

 

「・・・・・・・・・」

 

「へい、そこの彼女!」

 

その後ろから声をかけてくる柄の悪そうな三人組の男

 

「そんな服着てどうしたの?誘ってんの?」

 

「この辺危ない奴が多いから気をつけないとヤバイよぉ〰️」

 

「そそ、だからさ、俺ら良いとこ知ってっからそこに避難しねぇ?」

 

「・・・・・・」

 

「オーイ、聞こえてる?」

 

「まあ、答えがどうでもカンケー無いんだけどね?」

 

「おら、来いよ!」グイッ

 

 

ザシュ

 

「は?」

 

「え?」

 

「汚い・・・汚い・・・汚い、汚い、汚い汚い!」

 

ズサァ

 

ブシャ

 

ドサッドサッ

 

二人が呆気にとられていた次の瞬間。

 

二人は後ろから串刺しにされて息絶えた

 

 

 

「あのね、トガくん。君は別に気にしてないけど我々は一応コードネームがあってだね・・・」

 

「でもトガ的にナースはいまいちだと思うんですよね。」

 

「もう君に関しては呼ぶのは諦めたからせめて他のメンバーを呼ぶときは注意しなさいね。」

 

「はーい。ところでドクター、あの娘の名前はどうするですか?」

 

「そうだね・・・ハントレス!そうだ、彼女の名前はハントレスでどうだろう!」

 

「おお!なんかかぁいいですね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

世界の各地に散らばる彼等のもとに招待状が届く

 

「日本か・・・確かにアジアの指はまだ少ないからな、この薬品作り終えたら準備をするか・・・。」

 

 

 

「・・・・・・」

 

カァーンカァーン

 

寂れた車の廃工場に鐘の音が響きわたった

 

 

 

 

 

「日本か・・・・・」

 

ウイイイイイイイイイイイーーーーーー

 

広大な牧場の跡地にチェーンソーが鳴り響いた

 

 

 

 

 

 

 

「ハアッ・・・ハアッ・・・」

 

二人の男が何者かから逃げていた

 

「二手に別れようお前はあっちだ。俺はこっちに行く!頑張れよ!決して捕まるなよ!」

 

「お前もな!」

 

 

男は別れたあとも後ろの気配を感じながらそれを振りほどこうと走り続けたすると

 

ボアァァン

 

 

「ハァーッ!」

 

「な!?お前・・・さっきまで後ろにいたはずじゃ!?」

 

「ハァーッ、ハァーッ、お腹が・・・お腹が空いたんだよ・・・早く満たさないとね!」

 

高く振りかぶられた右腕が振り下ろされるのを男はスローモーションのように感じながら息を引き取った

 

もう一方の男は

 

「ハアッ、ハアッ」

 

追いかけて来る魔の手から必死に逃走していた

 

しかし

 

ガシャン パーン

 

「アダッ!?」

 

足に何かが撃たれたと錯覚した。

 

そして男はその招待に気がつく

 

「トラバサミ?なんでこんなところに・・・それよりも早く取らないと!」

 

ブンッ

 

グシャ

 

男が罠を解こうと必死になりすぎて気が付いてなかった後ろから迫る大包丁の存在に

 

 

ブンッ グシャ

 

ブンッ グシャ

 

ブンッ グシャ

 

一度では飽きたらず男は何回もその凶刃を振り下ろした。

 

 

「ハァーッ、ストップだよ。あんまりやり過ぎるとうまいとこまで潰れちゃうだろ。全くあんたは加減て奴を覚えた方がいいよ。」

 

「それ食ったら日本へ行くぞ。」

 

「わかってるての!全く口うるさい男だね。」

 

 

世界の悪夢たちは今、日本へと矢印を向けた。

 

夜明けはまだ来ない

 




口調は僕のオリジナルですので悪しからず
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